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宮崎 学
/ 筑摩書房
(2008-01) /
819円
/ ISBN:9784480063960
ヤクザという存在を通じて語られる、鋭く精緻な近代日本論でした。 明治維新後、急速に成立した産業都市における法治が及ばない混沌から生まれ、 その世界の自治秩序維持と底辺労働者統括の組織として発達したヤクザという存在。 それを論じることで近代日本の姿が照射され、不恰好なその在りようが立ち上ってくる。 西洋の近代精神の受容を、前近代的な精神でもって推し進めてきた日本の近代化の姿が。 ちなみに論じているのは「近代ヤクザ」であり、時代としては高度経済成長期まで。 父親がヤクザの親分であり、自らは学生運動に加わっていたという著者は、 ヤクザが暴力を背景にした集団であり、労働力供給者として中間搾取者で あるとしながらも、近代ヤクザに対する愛惜の情を持っている。 また理想主義的な近代日本知識人に対する切り込み方には、懐にギラリと光る ものを忍ばせたアウトローのごとき顔がのぞく。 そうでなければここまで書けなかったでしょうな。。 『国家の品格』の武士道の持ち出し方なぞはバッサリ斬り捨て御免です。 もともとこの本は、芸能者とヤクザとの関わりについて興味があって手に取ってみた。 地域社会に属さない「前近代の賤性と聖性を帯びた芸能を継承する大衆芸能者たち」 を束ね、仕切る役割をヤクザが果たしていたという話し等から、かつて芸能が人々に とってどういうものだったのか、その感覚を妙に生々しく想うことができたのも収穫。
大澤 真幸
/ 岩波書店
(2008-04) /
819円
/ ISBN:9784004311225
というと聞こえが悪いけど、結果として提示されるものはとても鮮やか。 今この時代は、現実への暴力的な欲望と、現実の虚構化の両極に引き裂かれた 末の、「不可能性の時代」であると定義。 それに対する腹の括り方として、「第三者の審級」の不在を敢然と受け止める べしとし、その処方箋を「徹底した民主主義」だとする。 どん詰まりの中から立ち上がってくる希望や理想、みたいなものが見えるところ は好きだけど、読中・読後感がどうにも空虚。 |
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