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カテゴリ 読書 購入 お気に入り 1 - 30件目 / 63件 日付
やさしさをまとった殲滅の時代 (講談社現代新書)
堀井 憲一郎 /講談社 (2013-10-18) / 2,000円79 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 登録日:2014年01月06日 00時13分23秒 2014/01/06
読了:  2014年01月05日
時代の気分を見抜いて、言語化するのが巧みなコラムニストだと思う。

「迷惑くらいはかけよう」というメッセージには強く共感する。
ラーメンと愛国 (講談社現代新書)
速水 健朗 /講談社 (2011-10-18) / 821円219 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / グルメ 登録日:2013年12月01日 10時58分07秒 2013/12/01
読了:  2013年11月25日
日本でもっとポピュラーな食べ物「ラーメン」を軸に、日本の戦後史を俯瞰した好著。
中華料理をルーツに持ちながら(支那そば)日本独自の発展を遂げたこと、米国の小麦輸出政策の受け皿となったこと、高度成長による地方都市一律化の中での「ご当地化」など、日本文化の象徴的な存在である事がよくわかった。
筆者が「戦後の日本の社会の変化を捉えるのに、ラーメンほどふさわしい材料はない。ラーメンの変化は時代の変化に沿ったものである。」(P4)と前書きに書かれているが、本書を読むとよくわかる。そして「ラーメンの変遷を追って見た日本の現代時の記録」としても、秀逸だと思う。

以下、読書メモ

日本における大量生産の勃興期は、戦後復興の時代と共に訪れた。筆者はチキンラーメン(日清食品)を、その時代に登場した、アメリカにおけるT型フォードにあたる象徴的な商品として捉えている。(P70)

大量生産の思想、技術を日本にもたらしたのは、アメリカの数理物理学者、統計学者のエドワード・デミングである。(P73)
太平洋戦争での敗北は、経営者、技術者たちからすれば、自分たちの生産した製品の敗北であった。研究開発のレベルは高くても、それを生産する技術が十分に育っていなかった。日本産業界の弱点は、生産技術にあったのだ。生産の現場に無知だった軍部の無益な要求や介入が原因とはいえ、敗戦はものづくりにたずさわる人間たちのプライドを傷つける出来事だったに違いない。(P75)
実はドラッガーとデミングは研究者時代の同期であり、お互いに影響を請け合う関係にあったという。1950年代の日本のものづくり、企業の経営学には、デミングを通し、自然にドラガーの経営哲学が植え込まれいたということになる。(P77)

本格的な大量消費とは、こうしたインフラ整備によって生まれた新しい生活様式である。(P85)

ハーシーは、ミルク入りチョコレートの大量生産をフォードがベルトコンベアーを自動車工場に導入するよりも早く工場に導入した。〜軍の要求したレベルは「茹でたジャガイモよりもややマシな程度」だったという、(P88)
コカコーラの経営者であったロバート・ウッドラフは、「軍服を着たすべての兵士が、どこで戦っていようと、また我が社にどれだけの負担がかかろうと5セントのビン入りコカコーラを買えるようにする」と宣言した。自社のコーラを砂糖の配給制限の適用外となるよう、軍需物資に認定させることに成功。アメリカ軍にコカコーラの技術顧問を同行させ、前線基地に次々とコカコーラの瓶詰め工場を建設し、前述の宣言を実現するのだ。(P89)

ラーメンの語源に定説は無い。しかし、それまで「支那そば」「中華そば」と呼ばれることが多かった麺料理の一般名将が、「ラーメン」に切り替わり、定着したのは、「チキンラーメン」のテレビCMによる影響だった。(P96)

『ラーメンの誕生』(岡田哲著・ちくま新書)によると、北海道の札幌ラーメンと九州の博多ラーメンは、それぞれ別のルートで中国の北方、南方から伝わり、別々に進化した食べ物だというのである。〜札幌ラーメンと博多ラーメンは、「ラーメン」という標準語が生まれたと金、同じ料理のバリエーションであるという都合のいい書き換えが行われただけで、本来は別のルーツを持つ別の料理である可能性が高いのだ(P152)

「チキンラーメン」のCMが日本全国に流れ、「ラーメン」が標準語となった1960年代前後は、沖縄はまだ返還前だった。ラーメンが共通語化した時期に「出版資本主義」の範疇から漏れていたために、沖縄そばはラーメンになることがなかったのだ。(P156)

本書では、ご当地ラーメンが「郷土の気候、風土、知恵が混じり合い、その地域に根ざした」ものであるという言説に異を唱え、観光化のかけ声と共に、あるとき突然、変化したものであって、「地域の個性や特性」を反映したものではないことを指摘したきた。むしろ戦後の日本において、地方が個性を失い、固有の風土が消え去り、ファスト風土化するなかで、観光資源としてねつ造されたのがご当地ラーメンであるというのが、筆者の主張である。(P176)

田中角栄をものさしに日本の戦後を3分割した。インフラ整備と観光課の時代に生まれた札幌ラーメンブーム。中期、角栄が首相となり地方の時代と呼ばれた1970年代から始まる地方の画一化とチェーン系ラーメンと台頭。この時期に地方が個性を失う反動から、フェイクの固有性を強く打ち出すご当地ラーメンも生まれた。
そして後期、バブル崩壊直後に誕生した新横浜ラーメン博物館は、ちりばめられたフェイクの物語を一同にあつめ、偽史としてのラーメン列島神話を形成する。改行した1994年とは、田中角栄が死去した翌年だった。(P182)

ラーメン職人が好んで着る作務衣とは、全集の僧侶が日常的な業務=作務のときに着る作業着とも違い、戦後に甚平とモンペをミックスしたものである。歴史は極めて浅く、日本の伝統ともまったく関係ない。(P209)

スローフード運動は、1986年にイタリアの北西部にあるピエモンテ州で生まれ、90年代に世界的に広がった食文化の保護を訴える運動である。反グローバリズムであり、従来のイタリア左派への反発の意図もあった。(P220)

ラーメンこそ、浅田彰がJPOPやJ文学で指摘した「表層的な模像としたの日本への回帰」を1990年代に果たした代表的な存在と言える。(P257)
アメリカ・メディア・ウォーズ ジャーナリズムの現在地 (講談社現代新書)
大治 朋子 /講談社 (2013-09-18) / 842円43 users
読了:  2013年11月23日
米国の新聞社/ジャーナリスト事情を、丁寧にリサーチ、分析した本。事情がよく理解できる。

新聞社の置かれている状況の日米の違いが大きく、おそらく日本の新聞社はこの本を読んでも危機感を持たないだろうという気がする。
米国では、権力と対比されたポジションとして、ジャーナリズムがしっかり位置づけられていて、その中に新聞社がいる。また、ローカル紙の数が多く、日本のようなマス部数の新聞社は存在しない。
それに対して、日本の新聞社は、「記者クラブ」という仕組みに代表されるように、社会構造の中に、ジャーナリズムが取り込まれている。大手新聞社の経営がおかしくなったら、NHKの様な仕組みを政治が考え出すのではないかと思うくらい。
単純に善悪では語れないことだけれど、それだけに、米国新聞社/ジャーナリズム事情を知ることは価値があると思った。

以下、読書メモ
米国の人口は日本の約3倍の3億人余りだが、国土は約25倍、新聞の発行総部数はほぼ同じで5000万部前後。新聞の数は、日本が110社、米国は1400社。
地元のニュースに密着し、ローカル路線を取れば、独占市場になる。隣町まで100キロ以上という場所が無数になる。そんな地方のスモールタウンほど高齢化が進み、読者の神晴れの進行が遅い。
(P105)

アメリカのジャーナリズムを追ううちに見えてきたのは、アメリカ社会の多様性。米メディアは、日本以上の厳しい経営危機にさらされているが、そこからはみ出しても、社会にはまだ、多様な受け皿がある。逆に日本の既存メディアは、米メディアほどの経営危機は迎えていないが、そこを出た人はフリーランスという道があるものの、米国のようなNPOメディアはマダホトンドナク、生活は極めて不安定で厳しくなる。米国というと格差社会、弱肉強食というイメージが強いが、少なくともメディア業界でいえば、日本社会の方がいったん「枠」からはみだすと生きづらい。
僕たちの前途
古市 憲寿 /講談社 (2012-11-22) / 1,944円102 users
読了:  2013年04月20日 お気に入り
1985年生まれの社会学者による日本の社会評論。起業や働き方について総合的に分析している。親しい友人起業家達との交流を含めた、「フィールドワーク」ぶりと、誤った俗説をデータと明晰な論理で、切り捨てている。
その上で、「分かりやすい答え」は提示せずに、一緒に迷うための「地図」(の一部)を渡すという謙虚な、とらえようによっては無責任な態度に、好感を持った。
ここに書かれている日本社会分析は、ことごとく的を得ている。そんな本はあまり読んだことがない。
カラマーゾフの妹
高野 史緒 /講談社 (2012-08-02) / 1,620円139 users
読了:  2013年03月15日
骨太な大作。
独裁者の教養 (星海社新書)
安田 峰俊 /講談社 (2011-10-26) / 929円75 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 世界史 登録日:2013年01月12日 19時06分39秒 2013/01/12
読了:  2013年01月12日
とても面白い!!
独裁者の人間性について迫り、歴史を学ぶという横軸と、秘かな「独裁国」であるミャンマー「ワ州」の潜入レポートという縦軸の二本立て。著者自身が誇るように、数冊分の内容が凝縮されている。世界の近現代史を俯瞰するのにも有益だと思う。
それにしても、ミャンマーの中国雲南省国境近くの「ワ州特区」のことは知らなかった。ミャンマーの一部となっているが、軍閥化した将軍パオヨウシャンが独裁しているそうだ。5年前までは主な輸入品はアヘン!なんと、時代錯誤な!!
筆者の歴史観、世界観も非常にバランスがとれていて好感が持てる。中国ウォッチャーとしての今後の活動にも期待したい。
イランのフセイン政権打倒を、太平洋戦争の日本に喩えた米国には、日本人はもっと「不快の念」を表明すべきと思う。
楽しくて勉強にもなる激オススメ。

読書メモ
・「中華民族」とは、現在の中華人民共和国国民、海外の華僑系住民、過去の中華王朝の勢力下でいきていたあらゆる人間を包括する摩訶不思議な概念だ。20世紀初めに孫文が発明し、中国共産党が意味を確定させた。中国国民だけでなく。国籍を変えた在日華僑や在米華僑も含まれる。「シナ人」ともにているが、中国籍のチベット人やウイグル人や元王朝のチンギスカンも含まれる。魯邦東によると、ワ州に住むワ人も含まれるそうだ。(P99)
⇒中国人を理解するのは、この「ご都合主義」な概念を知ることは必須と思う。

・かつて相手をなかば支配していたという点で、カンボジア人の反ベトナム(・タイ)感情は、過去に歴史を通じて日本に勝った経験を持たない韓国人は北朝鮮人の反日感情よりも一層強烈。アンコール王朝の栄光の歴史を待つだけに、自国を「世界一」と考える小中華主義の根も深かった(P158)
⇒ポルポト派の反人道的、かつ破壊的な行為の背景が、この本を読んで初めて少し理解できたような気がした。

・人口1000万人以下の少数民族には一人っ子政策は適用されない(P179)
⇒知らなかった。中国の制度にも時折、合理性が見えるね。

・バタム島は、インドネシア領だけど、シンガポールから20Km、フェリーで40分。関税が掛からない経済特区。(P208)

・国家が石油を掘って、外国に高値で売るという構造の国を金利生活者に喩えて「レンティア国家」と呼ぶ。(P269)

・アラブ人の心の奥底にある反欧米、反植民地意識は非常に強い。古代オリエントから近世オスマン帝国まで、中東は世界の文明の最先端だったから。たかが数百年前の機械文明で収奪する「野蛮人」と見ている。(P275)
首長パンチ--最年少市長GABBA奮戦記
樋渡 啓祐 /講談社 (2010-12-08) / 1,620円43 users
読了:  2012年09月16日
佐賀県武雄市で、史上最年少市長になった樋渡さんの著作。1年半前の本だけど、臨場感あり。ところどこはイニシャルになっているけれど、実名も沢山でてくるから、関係者には、それこそパンチのある本だろうな。でも、暴露本的な気分の悪さは0。むしろ信念がある人の潔さがある。政治家にありがちな自慢話では無くて、読後感は青春小説みたいな爽やかさ。
ブログも面白いけれど、書籍にまとまっていると読みやすい。定期的に続編を書いていって欲しいな。地方自治体改革の貴重な記録でもある。
観光と農業が主産業で人口5万人に地方都市のがんばりは、日本中の小さな街にとって、ロールモデルになる。日本再生のヒントは、こういう現場にあるのだと思う。オススメです。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)
古賀 史健 /講談社 (2012-01-26) / 907円389 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 言語学 登録日:2012年05月05日 12時02分07秒 2012/05/05
読了:  2012年05月05日
良書。
文章に関する本はたくさんあるけれど、PCに向かって書くことを前提に、「文章を書く」ことの意義から、わかりやくまとめている。もちろん、この本自体が「お手本」にもなっている。
文章とは「頭のなかの「ぐるぐる」を、伝わる言葉に"翻訳”したもの」との定義するところから始めている。映像を比喩にして説明がイメージしやすい。
内容自体は派手さも無く一般的なだけに、一番のヒットは、このタイトルかもしれない。

以下、読書メモ。
・正しさを意識することは客観的な目線を意識することに繋がる。(中略)我々は、"感情”を伝えたいからこそ、論理を使うのだ。主観を語るからこそ、客観を保つのだ。(P76)
・視覚的リズムが大切。1)句読点を一行に一つは打つ。2)改行のタイミングは早めに。3)漢字とひらがなのバランスをとって「圧迫感」を無くす。(P83)
・海外には起承転結型による4コマ漫画の伝統はないようで、Wikpediaでも「YONKOMA」として紹介されている北野武監督は4コマ漫画をベースにシナリオを書いている(P112)
・導入〜本論〜結論の3部構成は、カメラの客観〜主観〜客観をイメージするとわかりやすい
・導入部は映画の予告編、「インパクト優先型」「寸止め型」「Q&A型」をうまく使いこなそう
・「読者のいす」に座って、「納得」させられるかが大切。読者のいすには1)10年前の自分、か、2)特定の「あの人」を想定。
・推敲の際には、別のワープロソフトでコピペしたり、フォントや縦書き横書きを変えてみるのも有効。著者はMACの「iTexPro」ヒラギノ角ゴシックの横書き。wordにしたり、明朝にしたり、縦書きにして推敲する。
レッドゾーン(下) (講談社文庫)
真山 仁 /講談社 (2011-06-15) / 788円163 users
読了:  2012年04月30日
大団円となるラストの鷲津構想は、国際経済の視点でも素晴らしい。
レッドゾーン(上) (講談社文庫)
真山 仁 /講談社 (2011-06-15) / 788円179 users
読了:  2012年04月29日
『ハゲタカ』シリーズ第三作。中国の国家ファンドや米国の黒幕まで絡んで、スケールアップして絶好調。殺人事件もあってミステリーサスペンス的な要素も。
ハゲタカ2(下) (講談社文庫)
真山 仁 /講談社 (2007-03-15) / - 334 users
読了:  2012年04月29日
読み始めると止まらないね。
ハゲタカ2(上) (講談社文庫)
真山 仁 /講談社 (2007-03-15) / - 348 users
読了:  2012年04月28日
『ハゲタカ』の続編は、単行本は『バイアウト』からの改題。
登場人物のキャラクターがより際立ち、ドラマの舞台も大きくなって、エンターテインメントとして素晴らしく面白い。
ハゲタカ(下) (講談社文庫)
真山 仁 /講談社 (2006-03-15) / - 439 users
読了:  2012年04月26日
あっという間に読んでしまった。真山仁にはまりそうな予感。
ハゲタカ(上) (講談社文庫)
真山 仁 /講談社 (2006-03-15) / - 525 users
読了:  2012年04月25日
NHKでドラマになったのは知っていたけれど、『ベイジン』が良かったので、読むことに。非常に面白い。ビジネスのリアリティと人間ドラマとしてのエンタメ性がハイレベルで両立している。
武器としての決断思考 (星海社新書)
瀧本 哲史 /講談社 (2011-09-22) / 886円1496 users
読了:  2012年02月19日
ためになる本。
京都大学で行われている「意思決定論」の授業に基づく本だとか。
古くはギリシャに遡る「ディベート」の考え方にたった「決断思考」を生きていくための手段として身につけようという趣旨に非常に共感する。
日本もこういう授業を中学3年か遅くとも高校でやると良いと思う。
大前研一さんも田坂広志さんも言っていることだけれど、これからは専門家では無く、問題解決力がある新しい形のジェネラリストが必要なんだよね。そういう人材を育てることを教育機関も考えるべきだね。

以下、読書メモ。
・車の運転に「認知・判断・動作」が必要なように、実学にも「知識・判断・行動」という3段階がある。
☞僕もずいぶん前から「わかる」と「できる」は違うというのが口癖だ。

・エキスパートでは無く、プロフェッショナルを目指すべき。特定の分野についての専門的な知識、経験が豊富なエキスパートは、その価値が陳腐化する危険があるのが今の時代。産業構造の変化が激しいから。
プロフェッショナルはエキスパートの上位概念で、横断的な知識経験を持ち、相手のニーズに合ったものを提供できる
☞これも非常に共感。自分の仕事に引きつけて言えば、これからは一つのジャンルのエキスパートではなく。「業界横断型」のプロデューサーが必要だと思うし、自分はそうなりたいと思っている。
クラウド「超」仕事法 スマートフォンを制する者が、未来を制する
野口 悠紀雄 /講談社 (2011-11-25) / 1,620円654 users
購入:  2012年02月04日 1,575円
読了:  2012年02月05日
著者のベストセラー「超」シリーズは、ほとんど読んでいる。目的と手段をロジカルに峻別して、痛快でわかりやすい。徹底した功利主義は経済学者ならではだと思う。毎回、いくつかの便利なツール、方法論と、考え方、とらえ方の確認、発見をもらえる。
本書は、「クラウド化」が進んで、「クラウドサービス」が一般化している今、効率よく仕事をするために、どう活かすかをまとめた好著。時代認識、社会認識も的確。こう言っては失礼だが、60歳を過ぎているとは思えない。デジタル適応に実年齢は関係ないんだと言うことを、改めて確認する。

以下、読書メモ
・ITは「一般の目的技術」(General purpose technology)なので、「機器や機能から何ができるか」よりも、「仕事でどう使うか」というノウハウが大切という指摘は、強く同意。最初から目的がはっきりしている「パン焼き器の使い方」と比較しているのが、著者らしく、わかりやすい。
☞日本の製造業は、ここが弱いことが多い。僕が昨年買ったNECカシオのアンドロイド携帯MEDIASは、性能、機能は悪くないのだけれど、操作設計、UIが悲惨で、ユーザーのユースケース(使用状況)のシミュレーションをやっているとは思えない代物だった。この点はアップル社は、圧倒的に優れている。

・ipadのメモは、Gメールのnotesと自動連動しているので、Gメールの受信ボックスに置いておくと、打合せ等のメモが残せる
☞知らなかった。たしかにこれは便利だ。

・写真のサイズと無料保存の容量一覧。
iPhoneの元画像(2MB)☞evernoteで30枚程度、picasaで500枚程度
大(500KB)☞120枚、2000枚、中(150KB)☞400枚、6600枚、小(50KB)☞1200枚、2万枚

・自家製ブックマークをGメールやevernoteつくるとよい
☞クラウドのブックマークサービス「xmarks」を使っていたら、ある日バグって酷い目にあった。自分でつくることにしよう。

・「PDFは(南極探検隊の)インスタントラーメン」との比喩が面白い。海外でつくられた文書をPDFで送られてきて、印刷して読むのは、お湯を掛けて元の姿に戻すこと。
 ITは「中抜き」の手段、電子書籍も輸送費と店舗費用が節約される。大昔は紙と文字が、語り部を不要にするという意味で「中抜き」だった。との指摘も面白い。

・エクセルのブック機能が便利。「挿入」の「テキストボックス」で、テキストファイルを、「図」で写真を、「スクリーンショット」でウエブ画面を貼り付けられる。

・NYtimesの電子版は過去記事の無料検索、閲覧が画期的。世界中の事件を調べることができる。日本の新聞社は大いに遅れている。

・ジョブズとリーバイスを重ね合わせ、ゴールドラッシュの再来との指摘も示唆的。みんなにとってcoolな「夢」を実現したこと、先端的研究所の科学技術の成果ではなく、大企業の大工場でつくられてなく、権威や権力、政治家の庇護や独占的支配力とも無縁など、共通点は多い。
そして、日本企業が、今から「ゴールドラッシュ」に参加するのではなく(そこにはもう儲けは無い)、Mining the gold miners.(金採掘者を採掘する)ビジネスができるかが大切だと説いている。
☞なるほどと思った。そういう視点を持っていようと思う。
中国文明の歴史 (講談社現代新書)
岡田 英弘 /講談社 (2004-12-18) / 799円48 users
読了:  2012年01月15日
数年前に読んだけれど、改めて興味がわいて読み直し。
中国の歴史と文化を理解するのには、必読の名著。
今の、中国(中華人民共和国)を、他の国と同じように「中国人の国民国家」と捉えるのは、根本的にまちがっているというのが歴史家としての著者の見解。
中国というのは、元々「首都」という意味で、中国には古来、国という概念が無かった。漢民族も実は、様々な民族の混血。中国人という概念は、19世紀の近代化(清朝の日本への敗北)の中で日本の影響で「中華民族」という概念をつくりだした。
民族も言語も共通で無かった「中国」で基盤にあったのは、漢字という表意文字の体系を利用するコミュニケーションで、それが通用する範囲が中国文化圏である。
要するに、中国って国とか民族では無く、一つの「世界」なんだなと。一様に理解できないのが当然だと思うと少し、頭が楽になる。

以下、読書メモと所感
・中国史の5つの時代区分
 1.中国以前=紀元前221年に秦の始皇帝が統一するまで
 2.第一期=隋の文帝による再統一(589年)まで
 3.第二期=元のフビライハーンによる南北統一(1276年)まで
 4.第三期=日清戦争の敗戦(1895年)まで
 5.中国以後の時代=秦の始皇帝依頼のシステムを放棄して、日本経由での欧米システムによる社会

・洛陽盆地から見た非中国人に対する呼称「蛮、夷、戎、狄(ばん、い、じゅう、てき)」は、
 東夷=低地人の意味。黄河・淮河の下流地帯のデルタ地帯の住民。農耕と漁労をする、
 南蛮=河南省西部、四川省東部、湖北省西部、湖南省西部の山地の焼き畑農耕民
 西戎=陝西省の草原の遊牧民
 北狄=北西高原、南モンゴルの狩猟民(当時は森林に覆われていたが、モンゴル高原の遊牧民が南下して、     家畜に食い荒らされて、森林は13〜14世紀までに消滅した)

・中国人という民族は居ない。人種を問わず、都(=中国)に住んだ人を示す「文化上の観念」である

・歴史的に、中国の官僚は原則として無給。皇帝に税金を納めることと並行して地位を利用して適当に稼ぐものとされ、賄賂は程度がひどくなければ合法だった。裁判も裁判長を務める知見が勝った方から手厚い謝礼をもらうという習慣だった。
 ☞いまだに中国の官僚の地位利用や賄賂が絶えないのは、こういう歴史的な背景があるのかもね。

・中国語は、実は多くの言語の集合体で、その上に漢字の使用がかぶさっているという構造。
・中国文明は商業文明であり都市文明。北緯35度線上の黄河中流域の首都から四方に広がった範囲が中国。その市場で取引された片言を基礎に、書き表すための文字体系が中国語。

・中華思想は、元は入植した遊牧民である北宋が、契丹に負けた時の屈辱で、自分たちは「正当」な「中華」「漢人」と言い出したのが起源。軍事的に負けた屈辱の反動。

・元朝が1314年に朱子学の解釈をした科挙を初めて、新儒教が国教となった。但し、一般人の多くの信仰は、道教とそれに集合した仏教だった。
 ☞宗教観は日本人と近いかもね。日本が影響を受けている側面もあるし。

・モンゴル帝国のフビライ・ハーンがチベット文字のアルファベットの横書きを縦書きに改良して、パクパ文字を作らせた。ただ、既にモンゴル語はウイグル文字で書くことが定着していたので、パクパ文字は広まらなかったが、高麗に伝わり、その知識を元に、朝鮮朝の世宗王がハングル文字をつくり、1446年に書物「訓民正音」で公布した。
 ☞この話は雑学的に感動した。全然知らなかった。言語や文字って、自然発生的な文化史をイメージするけど 政治の影響が大きいんだね。

・現代中国語のルーツは清朝時代にまとめられた「普通話」で、山東方言を基礎とし、アルタイ系諸民族の間で育ったもの。

・1895年以降、中国人のアイデンティティは、先に近代化した日本型を取り入れ、日本の影響と反発で生じていて、中国文明とは切り離された別の文明と見るべきではないか。
 ☞その後の文化大革命も含めて、今の共産党政府は中国文明を都合良く政治的に使うだけで、全然大切にして ないなと思っていたけれど、そういう解釈なら納得がいくな。庶民レベルはまた違うのだろうけれど。
日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率 (講談社+α新書)
浅川 芳裕 /講談社 (2010-02-19) / 905円464 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 登録日:2011年11月30日 14時28分02秒 2011/11/30
読了:  2011年11月29日
農水省が発表し、マスメディアが報道し続けている日本の食糧自給率は「カロリーベース」という、国際的に使われてない日本独自の指標。そんな指標を使う目的は、自給率を低く見せて、農水省が予算を獲得する「省益」のためだと看破している。農水省の政策が、農業利権の維持に向いていて、日本の農業を強くしたり、国を豊かにすることに役立っていないという著者の指摘に共感する。
同時に国際化社会が進んでいるなかで、「自給率」という考え方自体が古くなっているという趣旨にもなるほどと思った。日本の穀物が入ってこなくという危機を想定するとしたら、安全保障の観点で、もっと総合的なシミュレーションが必要だろう。それは農水省の仕事では無いよね。
「カロリーベース自給率」のまやかしは、数年前にテレビ朝日の「サンデープロジェクト」で観て知っていたが、いまだに農水省がなにも改善していない事実に驚いた。日本の硬直化した官僚制度は、経済成長率が下がっている今は致命傷になりかねない位のマイナスだなと改めて思った。
世界の言語入門 (講談社現代新書)
黒田 龍之助 /講談社 (2008-09-19) / - 84 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 言語学 登録日:2011年11月10日 14時51分13秒 2011/11/10
読了:  2011年11月08日
言語学者が、90の言語を採り上げて、それぞれについて語ったエッセイ。
とても興味深く、著者の言語への興味と愛情が伝わる。いろんな言葉に触れてみたくなった。
同じ年齢の著者の他の著作も読んでみようと思う。
爆笑問題のニッポンの教養 ロボットに人間を感じるとき…… 知能ロボット学
太田 光 , 田中 裕二 , 石黒 浩 /講談社 (2007-12-06) / 798円15 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 工学 登録日:2011年09月12日 17時21分43秒 2011/09/12
読了:  2011年09月10日
世界的なロボット工学の研究者石黒浩氏と爆笑問題による対談。
テレビ番組のような構成で、非常にわかりやすい。
爆笑問題の二人の知識と、洞察の深さに感心した。オススメです。
他の石黒氏の本よりも、彼の人柄がより伝わってくるのが興味深かった。
ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)
深水 黎一郎 /講談社 (2007-04-06) / - 46 users
読了:  2011年08月27日
タイトルの「ウルチモトルッコ」は、イタリア語で究極のトリックという意味らしい。
読者を犯人にするという、ミステリーの究極のスキームになっている。
新聞での連載小説と同時進行というのもスリルがある。
キャッチコピーは、
〜新聞に連載小説を発表している私のもとに一通の手紙が届く。その手紙には、ミステリー界最後の不可能トリックを用いた「意外な犯人」モノの小説案を高値で買ってくれと書かれていた。差出人が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴える、究極のトリックとは?〜

よくできた構成で、とても面白い。これも「新本格派」っていうのかな?
本作が処女作となる作者は多方面に造詣が深そうだし、今後の作品にも期待。
アカシック ファイル 日本の「謎」を解く! (講談社文庫)
明石 散人 /講談社 (2000-01-11) / - 17 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 政治 登録日:2011年08月03日 19時31分41秒 2011/08/03
読了:  2011年08月18日
非常に良くできた本。知識と教養と世の中の見方が身につく。目からウロコが落ちる感じ。これ一冊で何枚のウロコが落ちただろう?秘書との会話という形式をとっている。
歴史の造詣が半端ではなく深い著者の教養をのぞくことができる。
政治経済社会の時事ネタを独自の視点で、毒舌を交えながら斬るのは、北野武にも通じる。

以下、読書メモ。
元旦は初日の出の意味。
日本最古の貨幣
「倭の五王」は、応徳天皇達ではない。
「秀吉の遺言状」は、前田利家の代筆?
「PL法」で消費者は守られない
「鯖を読む」の元の意味は、腐るのが早い鯖を売る際に、おまけ(増量)して売ること。
東洲斎冩楽はもういない (講談社文庫)
明石 散人 , 佐々木 幹雄 /講談社 (1993-09-03) / 700円16 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 絵画 登録日:2011年07月26日 02時06分32秒 2011/07/26
読了:  2011年07月26日
面白い。徹底した史料研究に基づく、超リアルな小説。写楽が誰か論争はこれで終わりというのはよくわかる、けど、謎解きが無くなるのは、ちょっと残念だね。
広重殺人事件 (講談社文庫)
高橋 克彦 /講談社 (1992-07-03) / 669円34 users
読了:  2011年07月17日
著者による「浮世絵三部作」の完結編。相も変わらず、美術界と江戸の歴史、文化に関する造詣の深さに脱帽。
シリーズを通じて主人公だった「津田」の真摯な遺書には、泣かされた。
エンタテインメントであり、歴史小説であり、ミステリーであり、教養書でもあり、ものすごい密度の濃い本だね。楽しくてためになる、そして泣ける小説です。
北斎殺人事件 (講談社文庫)
高橋 克彦 /講談社 (1990-07-06) / - 41 users
読了:  2011年06月24日 星2つ
「写楽殺人事件」に続く、浮世絵シリーズ第二弾。
葛飾北斎の生涯と活動がよくわかる。と、同時に、贋作を絡めた殺人事件で、教養とミステリーが両立した佳作。
写楽殺人事件 (講談社文庫)
高橋 克彦 /講談社 (1986-07-08) / 637円100 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 文芸作品 登録日:2011年06月17日 20時02分56秒 2011/06/17
読了:  2011年06月17日 星1つ
江戸文化や浮世絵に興味が湧いてきたので、今更ながら読むことに。予想通り、写楽周辺の知識を得るのにも役に立ったし、期待以上にミステリーとしても面白かった。この著者の作品をいくつか読んでみようかな。楽に読めるし、いい感じ。
クビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大転回 (講談社学術文庫)
杉山 正明 /講談社 (2010-08-10) / 1,102円38 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 世界史 登録日:2011年05月30日 01時49分49秒 2011/05/30
読了:  2011年05月30日 星3つ
名著。95年にサントリー学芸賞受賞した本の文庫化。欧州視点からも中国文明史観からも不当に評価されてきた「モンゴル帝国」の世界史的な意義を説いている。
モンゴル民族を文明の破壊者と観るのは歴史事実にも反していて、特にクビライが作った「モンゴル帝国」は、人類史で初めて、世界を通商で一つにしたという功績があるという。
宗教、民族の違いは問わず、モンゴル帝国のルールに従えばよいという合理性、ローマ帝国にも通じると思った。
税金について、地方税は地方に自由に任せて、関税も撤廃し、今で言う消費税的なものを3.3%という低率で一元的に徴収して、国の資金に充てたという先進性に驚いた。
モンゴルというと騎馬民族というイメージだけど、いわゆる「海のシルクロード」も充実させて、ユーラシアの東西の交流、貿易を活性化させたというのも知らなかった。
その後、研究は進んでいるそうなので、モンゴル帝国について、もっと知りたいと思っている。
モンゴル帝国の興亡〈下〉 (講談社現代新書)
杉山 正明 /講談社 (1996-06-20) / 864円41 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 世界史 登録日:2011年04月26日 19時27分14秒 2011/04/26
読了:  2011年05月09日 星2つ
モンゴル帝国の歴史の後編。成熟と衰退の様子が描かれている。
モンゴル帝国は、ユーラシア全土を統治しただけでなく、海路での通商、人の流れも活発で、世界を一体化させた最初の国であり、ヨーロッパの「大航海時代」にも影響を与えているという著者の主張にうなずかされた。
グローバルに人類史を視るときに、モンゴル帝国を知ることは必須なのだとわかった。

ちなみに、日本で呼ばれている「元寇」という表現は、かなりバイアスのかかった命名。
1回目は、南宋攻撃のために、貿易相手である日本への牽制が目的。
2回目は、南宋を手に入れたことで生じた余剰軍人(農民)を移民させるために行った。
戦争に至った外交プロセスは無策だったが、戦争そのものは日本は大善戦。北条政権も適切に対応したという評価。
モンゴル帝国の興亡<上> (講談社現代新書)
杉山 正明 /講談社 (1996-05-20) / 821円75 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 世界史 登録日:2011年04月26日 19時27分14秒 2011/04/26
読了:  2011年05月03日 星2つ
モンゴル帝国の歴史を世界史的な意義を踏まえて、俯瞰的にまとめている好著。チンギス・ハンがユーラシア大陸を制覇した姿、そして子供達がモンゴル帝国を広げ、固めていく様子がよくわかる。モンゴル帝国が世界史に残したものは実は大きいんだね。これまで研究が進んでいないのは、欧州優位の偏見と、文献が多言語、多地域におよんでいるのが理由と説明する著者の論理は説得力がある。とても納得がいくし、自分の歴史観が深まった気がして、著者に感謝したい気持ち。
ただ、知らない地名、人名だらけの歴史の勉強は大変だね。なかなか頭に入ってこない。歴史の勉強は、油絵を描くみたいに、何度も上塗りしていくのが良いんだなと思った。私は、今はまだデッサン画を描いている状態ですね。でも非常に好奇心が刺激されているので、モンゴル帝国の歴史を学んで、東洋と西洋、古代から中世、そして近代をつないで捉えられるようなイメージを持ちたい。
ロボットとは何か――人の心を映す鏡  (講談社現代新書)
石黒 浩 /講談社 (2009-11-19) / 799円127 users
読了:  2011年03月16日 星3つ
メチャクチャ面白い!科学と技術と哲学が、近未来で合体している。
筆者は人間型ロボット研究の第一人者。娘や自分に酷似したアンドロイドをつくり、人の認知や判断を掘り下げる。ロボット演劇や遠隔操作など、様々な手法で、「実感」しながら研究を進めている。素晴らしい!
一度、お会いして、お話しを伺いたい。

プロフィール

音楽プロデューサー、コンテンツオーガナイザー。『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)上梓。(株)バグコーポレーション代表取締役。(社)日本音楽制作者連盟理事
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