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謎の独立国家ソマリランド
高野 秀行 /本の雑誌社 (2013-02-19) / 2,376円354 users
読了:  2013年12月28日
抜群に面白い!著者のモットーは「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、誰も知らないものを探す。それをおもしろおかしく書く」だそうだが、真骨頂な作品。講談社ノンフィクション賞受賞も当然と思う。
アフリカの角で海賊が出没して、内戦していて無政府状態なところだと思っていたソマリにソマリランドという独立国家があり、伝統的な氏族主義を活かしながら、平和を守り、民主的な運営がされているというのは、脅威的。
日本の戦国大名などに喩えながら、日本人には理解しにくい、氏族の関係性をわかりやすく、そして面白く楽しく説明してくれている。
内戦を終わらせられたたのは「ヘール」という掟に基づいて、長老同士が話し合って、「へサーブ」という名の精算を行ったからというのも興味深い。「ヘール」の中には、「ビリマゲイド」(殺してはいけない者の掟)というのがあて、女性、子供、老人、賓客、傷病者、宗教的指導者、共同体の指導者、和平の使節、捕虜に危害を与えることを禁止している、というのは、「ジュネーブ諸条約」にも匹敵する戦争法。
政党制度を、氏族とは全く別の「公器」として国民に選ばせ、選ばれた3つの政党を通じてのみ政治活動ができるという仕組みは、なるほどと膝を打った。日本も見習うべき事がある制度だ。政治は政治家に任せ、氏族は監視し、欠点を補う。氏族は武力を持たず、唯一武力を持つ政府軍は政治に関与しない。
著者は内戦状態のソマリア南部にも行き、命の危険にもさらされているのだけれど、めちゃ明るくて、悲壮感が無いのが良い。ほかの本も読んでみたくなった。

ソマリランドはイギリス領で、間接統治されたので、長老や氏族の力が残っていたから、独立して平和になれた。イタリア領だった南部は、氏族の仕組みを壊し、しかもイタリア人移民が1万人以上残って、社会の仕組みを変えてしまったから、内戦を解決する方法が無くなった。(P118)

ソマリアは政府が機能しなくなって、紙幣を刷らなくなってから、インフレが起きなくなり、結果、周辺国の通貨よりもソマリアシリングより強くなってしまった。経済学の常識をひっくりかえしてしまった。(P233)

プロフィール

音楽プロデューサー、コンテンツオーガナイザー。『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)上梓。(株)バグコーポレーション代表取締役。(社)日本音楽制作者連盟理事
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