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都市と消費とディズニーの夢  ショッピングモーライゼーションの時代 (oneテーマ21)
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 経済学・経済事情 登録日:2013年12月15日 12時12分51秒 2013/12/15
読了:  2013年12月15日
グローバリゼーション下における近年の世界の大都市の変化を「ショッピングモーライゼーション」と名付け、分析した良書。日本における都市開発の歴史と、世界のショッピングモール、そしてディズニーが果たした役割などを加えて、社会論として見事にまとめあげている。
既に起きている現象をニュートラルな立場から、リアルに概念化するという著者の得意技が炸裂していると思う。
日本人の近未来のあるべき姿を考えるのだめにも必読。

以下、読書メモ。
●最適化する都市=ショッピングモーライゼーション
公共性の高いスペスの収益化を行う場合の選択肢が、ショッピングモールとして施設を作り直すという手法です。こういった一連の減少を筆者は、ショッピングモーライゼーションと名付けています。
背景には、事業者の民営化、流通や観光、交通といった産業における国際都市間競争が存在。(P47)

日本では、なぜかショッピングモールは下層階級の消費と結びついているような誤解が生じている麺がありますが、世界的にはショッピングモールとはアッパーミドル層の消費の象徴です。(P51)

「マクドナルド化」なとの言葉を生み出したジョージリッツァという社会学者が、「消費の殿堂」という概念を提示しているが、「行き過ぎた消費社会」の親玉と捉える立ち位置は、筆者とはまるで違います。(P56)

ウォルト・ディズニーは、ディズニーランドの次に構想していた都市は、SPCOT(実験未来都市)となづけられていた。犯罪も交通渋滞もない、和気あいあいと暮らせる都市。(P92)

●街と消費のかかわり、パサージュ(19世紀半ばのパリの中心部の街路)から百貨店へ。(P108)

●ルート66の廃線とアメリカ人のノスタルジー
ルート66はシカゴやデトロイトのある五大湖周辺から西海岸へと向かうハイウエイ。移住者達の特別な思いをかきたてる存在。上野駅が東北の農村から上京した人が特別な場所である感じに近い。
映画「カーズ」もルート66をモチーフにした映画の一つ。(P121)

ルート66が廃れ、新しい道=フリーウエイが使われるようになった。インターステイトハイウエイ工事は、自然を破壊し人の生活を画一性をもたらし、アメリカの地方都市を無個性にしたという批判がアメリカでは常套句になっている。日本の1970〜80年代の郊外化を、三浦展が「ファスト風土化」と同じ状況。(P122)

日本におけるショッピングモールの歴史は、二子玉川の玉川高島屋ショッピングセンターから始まったというのが定説になっている。(P163)
成熟社会の経済学――長期不況をどう克服するか (岩波新書)
小野 善康 / 岩波書店 (2012-01-21) / 842円76 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 経済学・経済事情 登録日:2013年01月27日 20時12分27秒 2013/01/27
読了:  2013年01月25日
マクロ経済学の本は、わかったようなわからないような論説が多いけれど、この本は納得度が高い。専門用語を使わずに説明してくれる専門家は大切と思う。勉強になったし、いろいろ考えさせられた。

・生産力が十分ではなかった発展途上社会では、現実的だったが、物やサービスが満ち足りた成熟社会では、お金への欲望が相対的に強まってくる。(P40)

・国債を外国人が持っていると、資産は外国人で日本人には負債だけ残ると考えるのは間違い。外国人が持っていてもその分、日本の資産は増えているので、純資産には何の違いも無い。(P60)

・財政支出の意義は、金銭的な波及効果では無く、直接的に便益がある部分のみ。(P69)

・成熟社会の不況下での財政政策の原理
1)政府が財政資金を配っても、背景では同額の取り立てがあるから、お金の総量は増えない。増減税が景気に影響は与えない
2)ただし、消費性向の低い家計から高い家計への再分配は、国民全体の総需要を増やす。
3)財政支出によって、これまでになかった役に立つ物や設備やサービスが新たに提供できれば、その便益分がまるまる国民経済への貢献となる (P71)

・政府が支援すべきは、経営的に独り立ちはできないけれど、国民生活の質が上がるような分野。環境、介護、保育、健康、観光など。(P85)

・青い鳥がすぐ見つかる発展途上社会での成長戦略と違って、成熟社会では、「生産力の拡大」ではなく、「需要の発掘」が必要。(P89)

・多くの人が発展と序章社会を前提とする教科書的な経済学にしたがって、大幅な金融緩和を日銀に要求している。(P111)

・国債発行は増税という政治的に難しいことを先延ばしにするだけ。信用維持を考えれば、むりそ増税の方がよい。(P121)

・大災害と不況は周期も人々の反応もにている。理由は、いずれも人々の油断がもたらす人災であること。(P159)

・エコポイントは成功。1万円程度のポイントをつけただけで、数万円〜数十万円の商品が売れた。すなわち所得も税収も増えたと言うこと。(P168)

・円高なら外国製品も海外旅行も安くなるのに、使うのは嫌だと言って、お金を握りしめ、円高と失業を呼んでいるのが、円高不況の姿。(P188)

・長期不況を克服するには、お金の呪縛から解放され、私たちが生活を楽しむことに知恵を絞れば良い。働く場も増え、企業の収益も拡大して、株価も上がり、結果的にお金賀ついてきます。(P209)
金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書)
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 経済学・経済事情 登録日:2012年06月04日 20時53分27秒 2012/06/04
読了:  2012年06月06日
日本に長く住むイギリス人による、アングロサクソン型グローバル金融の批判。資本主義や高度金融化社会が、必ずしも英米型とイコールでは無いということを丁寧に説明している。日本人にとっては勇気をもらえる本だし、相対化して世界を視るために有意義な本だと思った。

著者は「日独資本主義と英米資本主義の相違」が研究テーマ。
日本を準共同体的企業の国、ドイツを労使共同決定企業の国と定義し、共に国家の役割を相当重視して、福祉保障も積極的に追求する諸制度を持っていると分析している。

小泉竹中改革は、米国の新古典派経済学の大学院で洗脳された新自由主義思想に基づく。それは、
・消費者主権思想に基づく規制撤廃
・効率の観点からも、道徳的な観点からも望ましい競争原理の貫徹
・株主価値最大化を基調とするコーポレートガバナンスの導入
・株式市場を経済の主軸都市、自己責任の徹底による、肥大した市場主義福祉国家のスリム化
などであり、英米型モデルの勝利とも言うべき。

金融化はグローバル化と似ている。
・金融業に携わっている人たちの取り分が大きくなる傾向にあること
その理由は
・金融派生商品など新技術の導入によって、貯蓄する主体と実体経済との間で金融業者の仲介活動が複雑怪奇、投機的になっていくこと
・企業のステークホルダーに対する経営者の責任が「株主」に絞られていく制度や意識
・「貯蓄から投資へ」スローガンの下、「証券文化」の奨励に重点が置かれるようになっていること

第二次大戦後の35年間は経営者は真摯な責任感を伴う公正な経営行動を「アメリカの理想」の重要な要素と考えていた。その期間、指導者層の報酬は従業員の平均給与の20倍〜30倍だった。(イギリスは22倍、日本は11倍)ところが、今や475倍になっている。

「日本型経営」の美点は、経済効率だけでなく、所得分布がわりに平等であったこと、失業が少ないこと、経営者に使役の他に公益も考える修正があったこと、教育、医療制度が良く整備されていたこと、小敵取引に自己の利益と関係の無い愛他に対する「思いやり」が入ること、官僚が郵趣で腐敗が少ないことなどであった。これはEヴォーゲルが『ジャパンアズナンバーワン』で褒めた側面であった。それらがバブル崩壊後ともに重要視されない特質となってしまった。

アメリカの大学の工学部、物理学部の卒業生の優秀は人たちが、しばしばヘッジファンドや証券会社にスカウトされてします。優秀な医学博士は、感謝の病気を診るより、保険会社で支払い基準の設定の仕事に入った方が得なのである。

30〜40年すれば、西太平洋における覇権国家は中国になっているだろう。
・今後の米中の相対的経済成長力
・政治的課税力ー国庫歳入の成長率
・国威発揚の意思の強さー軍事予算拡大の用意
・人的資源
などの条件から考えて必然だが、大問題が3つある。
1)アメリカに(ソ連における)ゴルバチョフがいるか、数千万人もの死者が出そうな戦争に決済が委ねられるだろうか
2)徐々に東洋のモデルとなるだろう中国の経済は、米国と同様な個人所有権がオールマイティの組織になるのか、そしてアメリカのような成功した人と層で無い比との格差が大きい社会になるのか、それとも儒教的な家父長主義的な政策をとって平等な社会になるのか
3)土壇場になっても日本は依然として中国に密着しているのか、独立国家として、米中が何千万人を殺しかねない衝突に突き進まないように、有効に立ち回れるのかどうか
東京ガールズコレクションの経済学 (中公新書ラクレ)
山田 桂子 / 中央公論新社 (2011-11-09) / - 25 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 経済学・経済事情 登録日:2012年04月30日 17時36分25秒 2012/04/30
読了:  2012年05月02日
巨大化した東京ガールズコレクション(TGC)
を中心に、ガールズマーケットを分析した本。とても勉強になった。
音楽でいえば「着うた」系に集約されるけれど、女性市場のトレンドは大切。

以下、メモ。
・2010年度の百貨店売上高は13年連続減の6兆2921億円とピークの約2/3。
・TGCの運営は、(株)ブランディングと(株)F1メディアが行っている。
・主催者ブランディングの目的は、将来的なモバイルコマースの市場拡大を見越して、モバイル通販の普及を図ることだったと言われている。
・TGCでは、ファッションショー当日から24時間以内のウエイ上げが2000万円とも3000万円とも言われている。
・「ガール」は、従来の年齢区分と違って、「エイジレス」を謳いながら20代を中心とする女性達に用いられる。現在では、ヤング(18〜23歳)、ヤングアダルト(23〜27歳)、アラサー(30歳前後3歳)と重なる。
・ガールズマーケットの誕生は2009年。「福岡アジアコレクション」が始まり、大丸心斎橋店「うふふガールズ」、「イセタンガール」がオープンした。
・TGCのクロスメディアは、モバイルを軸としている。リアルタイム配信メルマガ、店舗情報の提供など。
・TGCでは、効果的な「AISAS」が行われている
・「ガールズアワード」も注目。フジテレビが主催なのに、音楽軸では無くファッション軸な理由は
  1)音楽軸だと旬のアーティストが違い、ファンも流動的。ファッション軸にすると息の長いファッションモデルの存在により一定の集客が見込める
  2)音楽軸のファン層はアーティストにより男女比率が違う。ファッション軸だと女性向けに集約でき、イベントとしての訴求力が高まる
  3)ファッションをメインとするイベントへの好感度が高く、企業のイメージアップにも貢献する。
・ガールズイベントのメリット
  1)誰でも参加できる。従来の「コレクション」はブランド側から招待された関係者向けだった
  2)人気のファッションモデルが観られる
  3)話題のアーティスト、有名人が観られる
  4)ファッションが楽しめる
  5)ほぼ1日楽しむことができる。協賛企業にも長時間のPR活動が可能
  6)いろんなお土産がもだえる。協賛企業は試供品配布。
・80年代生まれの特徴(「クリスタルジュニア」&「ハナコジュニア」)
  1)子供の頃から豊かだったが、バブル崩壊や環境問題などで楽観的ではいられなかった
  2)デジタル機器を高度に使いこなすが、バーチャルでは得られないリアル体験の価値を知っている
  3)同じような趣味、嗜好のグループ(島宇宙)の住人だが、ファッションでは流行が触媒でつながる。
・06年から11年までの5年間のファッションの変化
  1)背伸びしないで旬を着る
  2)個性的なファッションの現象
  3)ブランドバックはもういらない
  4)「盛り」は控えめに
  5)ギャルのメジャー化
・赤文字系エレガンスの非常にお嬢様指向の強い一部分を除いた全てのヤングマーケットが講義の意味でのガールズマーケットになる(図あり)
・市場規模は7000億円と試算(図あり)
・雑誌「Sweet」の成功は、年齢や職業でターゲティングせずに、「一生女の子宣言」がコンセプト。「年齢関係なく、女の子で有り続けたい」と願う女性をターゲットとする
・ガールズブランドの中国進出
 ・バロックジャパン:07年香港支社、09年上海支社、11年はグルーバル化元年。既に香港、台湾、上海で26店舗、中国で数年後に100店舗出店計画。
 ・マッシュスタイルラボ:「スナイデル」で11年上海一号店、
 ・レヴェントン:元読モ上津由貴奈がディレクションする「べべローズ」が、TCHLDを事業パートナーに中国進出。11年秋に上海に2店、12年春までにFC含めて14店計画
 ・クロスカンパニー:11年に現地子会社設立、3年以内に120店舗出店予定
 ・ポイント:07年から台湾、香港での出店ノウハウ蓄積。10年に上海有力ショッピングセンターにオープン。店舗100坪以上の大型店舗も積極展開11年2月期に41店舗展開
・ギャルママも有望市場、「女性目線」が重要。
 1)パナソニック「フェミニンプロジェクト」
 2)トヨタ「パッソ」フルモデルチェンジ
 3)ファミリーマート「さくらプロジェクト」

 ※図表はevernoteに
新興国20ヵ国のこれからがわかる本 (PHP文庫)
株式会社レッカ社 / PHP研究所 (2011-10-05) / 741円11 users
タグ アジア経済 カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 経済学・経済事情 登録日:2012年02月18日 17時55分18秒 2012/02/18
読了:  2012年02月20日
2050年までには、世界のGDPを独占すると言われている経済「新興国」をわかりやすくまとめた本。BRICs、VISTAに加えて、全20ヶ国をとりあげている。
世界のトレンドとしては間違いないんだろうな。
日本や日本人が持っている優位性を新興国と組んで、どう活かしていくのかを考えるのが、僕らの一番大事な仕事だと思っている。

BRICs:ブラジル・ロシア・インド・中国
VISTA:ベトナム・インドネシア・南アフリカ・トルコ・アルゼンチン
NEXT11:バングラデシュ・エジプト・イラン・韓国・メキシコ・ナイジェリア・パキスタン・フィリピン・マレーシア・アラブ首長国連邦・サウジアラビア

以下、読書メモ
・VISTA五ヶ国は、対外債務残高が少なく、リーマンショックからの即座に回復した。景気回復が早いのは成長への地力がある証拠 (P92)
・ベトナムの成長の大きな要因は個人消費の伸びが大きい (P99)
・ベトナムに進出した日系企業:味の素、アサツーDK、デンソー、古河電気工業、本田技研工業、花王、三井造船、オリンパス、パナソニック、資生堂、TOTO、ヤクルト本社
・ベトナムは労働者の質が高い。人口の1/3にあたる3000万人が35歳以下。識字率も90.3%と高い。ドイモイ政策の成果。
・食生活の向上で新興国で糖尿病患者が急増。アルゼンチンでは高血圧が国民病に。(P142,146)
・バングラデシュは親日国。首都のダッカは人口1464万人(世界9位)の巨大都市。(P151)
・メキシコは世界有数の天然資源国(天然塩田・銀・オパール・モリブデン)。農林水産業も強く。日本が輸入するアボカドの95%、ライムの99%はメキシコ産(P188)
・マレー半島とボルネオ北部は元々は別の国だったがマラヤ連邦として独立、シンガポールは分離独立(P215)
・ヤシ油はインドネシアとマレーシアで世界の80%以上のシェア。
・マレーシアは天然ガス、原油、レアアースなどを産出(P218)
・クアラルンプール近郊に総合開発地域マルチメディア・スーパーコリドーを建設、ルノー(仏)、デル(米)などを誘致。三菱やダイハツと技術提携して国産自動車メーカーを誕生させる
・マレーシアでは人種によって経済力に大きな格差。65%のマレー人を優遇しているのに、マレー系は中華系の半額強の平均年収しかない(P220)
・アラブ首長国連邦の大統領はアブダビ、副大統領はドバイから選出される慣例がある
・サウジアラビアは、1744年に中央アラビアに登場したサウード家が統治する専制君主制だが、オイルマネーで医療費無料、住宅無償、学費支給などがされているので、国民から不満がでることはほとんどない。
・JETRO「ドル建て貿易概況2010」によると中国との貿易額が約20%と突出。インドネシアは輸出2.1%、輸入は4.1%、マレーシアは2.3%と3.3%。韓国は8.1%と4.1%。
 http://www.jetro.go.jp/world/japan/stats/trade/
・経済産業省「海外事業活動基本調査」「外資系企業動向調査」
 http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/kaigaizi/index.html
・「日本製品」は世界14都市でダントツ1位(博報堂調査)というブランド力を持つ。中間層、富裕層が増えていく新興国で可能性がある。(P262)
 http://www.viet-jo.com/newsallow/nikkei/120214025814.html
 http://www.hakuhodo.co.jp/pdf/2009/20090115.pdf
・アジア新興国のインフラ整備による成長支援も有効な方法(P264)
次世代インターネットの経済学 (岩波新書)
依田 高典 / 岩波書店 (2011-05-21) / 821円91 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 経済学・経済事情 登録日:2011年06月29日 11時30分23秒 2011/06/29
読了:  2011年07月01日
経済学の視点から、インターネットを見た好著。
ものつくり敗戦―「匠の呪縛」が日本を衰退させる (日経プレミアシリーズ)
タグ カルチャー カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 経済学・経済事情 登録日:2011年02月09日 18時27分21秒 2011/02/09
読了:  2011年02月18日 星3つ
 目から鱗が落ちた。未知の概念に久しぶりに触れた気がする。日本の産業力の歴史と功罪について、工学的な視点で総合的にまとめている。
 私が理解できた著者の論点をまとめると以下の通りだ。

 科学は、「ホモ・サピエンス」すなわち、自然現象を知る行為から始まり、古代ギリシャを源流に、ガリレオ・ニュートンの近代科学を経て、現代に至っている。
 技術は、「ホモ・ファーベル」という言葉に象徴される、人間を類人猿と分ける「道具をつくる能力」から始まり、元々は科学と技術は無関係だった。イギリス産業革命が、道具を機械に変え、機械の開発のために、科学が導入された頃で、科学と技術の「結婚」が行われた。 科学と技術を結びつけた最初の教育機関はフランスの「エコール・ポリテクニク」で1749年設立。日本が受け入れ始めた明治期は、科学と技術の融合が進んでいたので、日本人にはその区別が曖昧だった。
 そして、日本人は機械を道具の様に扱う、職人芸的な「労働集約型」手法で、世界で通用する製品を作り出した。
 その後、西洋は著者の言う「第三の科学革命」。生産技術を科学的な視点で捉え、複雑な工程を「制御」することに焦点を移したときに、日本はその意味を理解できずに立ち遅れた。道具が機械に変わったように、機械が「システム」に変わったのに、日本人は、過去の成功体験から、労働集約的な手法で対応しようとした、そのことが現在の日本の製造業の弱点となっている。
 そして、この構図は太平洋戦争での敗北の原因と相似形になっている。
 これからの日本は、理論(技術の底上げや新提案)システム(複雑な工程の制御)ソフトウエア(普遍的な汎用性)の三点を強化していかなければならない。

 非常に面白い論点で、深い内容がわかりやすくまとめられている。著者の論証に弱点があるかどうかは、私は浅学過ぎてわからないけれど、これまで考えた事が無かった視点を知ることができて、とても有意義だった。工学的な観点で産業や商品を見れるようになろうと思う。

プロフィール

音楽プロデューサー、コンテンツオーガナイザー。『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)上梓。(株)バグコーポレーション代表取締役。(社)日本音楽制作者連盟理事
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