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カテゴリ 読書 購入 お気に入り 1 - 30件目 / 46件 日付
沈まぬアメリカ 拡散するソフト・パワーとその真価
渡辺靖 / 新潮社 (2015-10-23) / 1,728円21 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2016年01月23日 14時54分18秒 2016/01/23
読了:  2016年01月31日
アメリカ社会の研究家による力作。
アメリカのコミュニティを宗教や思想、価値観という軸で、アメリカ国外を視野にまとめている。アメリカ型民主主義、アメリカ的価値観が国外でカスタマイズされている様子を描いていて、興味深い。ユニークで意味のある視点だと思った。
アメリカ内のコミュニティに関する著書も読んでみようと思う。
ルポ風営法改正 踊れる国のつくりかた
神庭亮介 / 河出書房新社 (2015-09-12) / 1,944円10 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2016年01月23日 14時53分49秒 2016/01/23
読了:  2016年01月23日 星4つ
新聞記者による、クラブ摘発問題〜風営法改正に関するルポ。クラブカルチャー側の人々の立場に立って書かれているが、正確な記述でためになる。知己の名前がたくさんでてきているけれど、本当にみんな頑張ってくれて感謝です。日本の音楽文化にとって大きな貢献をした皆さんだと思う。
でも、日本のクラブカルチャーを豊かにするためにやれることはたくさんある。僕も微力ながら手伝いたいと思う。
サイバービア 〜電脳郊外が“あなた”を変える
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2014年01月06日 00時13分54秒 2014/01/06
読了:  2014年01月02日
20世紀に電車と自動車のおかげで郊外というものが生まれたのと同じように、オンラインでは21世紀の初めに新たなテクノロジー(インターネットや携帯電話などの通信機器)のおかげで、多くの人々がサイバービアに移住している姿を描きだしていく。(P20)

2008年はじめにアメリカの専門家委員会が報告したところによると、FacebookなどのSNSの大流行は、人々がオンラインポルノをあまり見なくなったことと、完全に符合している。(P134)
謎の独立国家ソマリランド
高野 秀行 / 本の雑誌社 (2013-02-19) / 2,376円354 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2013年12月28日 10時55分11秒 2013/12/28
読了:  2013年12月28日
抜群に面白い!著者のモットーは「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、誰も知らないものを探す。それをおもしろおかしく書く」だそうだが、真骨頂な作品。講談社ノンフィクション賞受賞も当然と思う。
アフリカの角で海賊が出没して、内戦していて無政府状態なところだと思っていたソマリにソマリランドという独立国家があり、伝統的な氏族主義を活かしながら、平和を守り、民主的な運営がされているというのは、脅威的。
日本の戦国大名などに喩えながら、日本人には理解しにくい、氏族の関係性をわかりやすく、そして面白く楽しく説明してくれている。
内戦を終わらせられたたのは「ヘール」という掟に基づいて、長老同士が話し合って、「へサーブ」という名の精算を行ったからというのも興味深い。「ヘール」の中には、「ビリマゲイド」(殺してはいけない者の掟)というのがあて、女性、子供、老人、賓客、傷病者、宗教的指導者、共同体の指導者、和平の使節、捕虜に危害を与えることを禁止している、というのは、「ジュネーブ諸条約」にも匹敵する戦争法。
政党制度を、氏族とは全く別の「公器」として国民に選ばせ、選ばれた3つの政党を通じてのみ政治活動ができるという仕組みは、なるほどと膝を打った。日本も見習うべき事がある制度だ。政治は政治家に任せ、氏族は監視し、欠点を補う。氏族は武力を持たず、唯一武力を持つ政府軍は政治に関与しない。
著者は内戦状態のソマリア南部にも行き、命の危険にもさらされているのだけれど、めちゃ明るくて、悲壮感が無いのが良い。ほかの本も読んでみたくなった。

ソマリランドはイギリス領で、間接統治されたので、長老や氏族の力が残っていたから、独立して平和になれた。イタリア領だった南部は、氏族の仕組みを壊し、しかもイタリア人移民が1万人以上残って、社会の仕組みを変えてしまったから、内戦を解決する方法が無くなった。(P118)

ソマリアは政府が機能しなくなって、紙幣を刷らなくなってから、インフレが起きなくなり、結果、周辺国の通貨よりもソマリアシリングより強くなってしまった。経済学の常識をひっくりかえしてしまった。(P233)
5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?
佐々木 紀彦 / 東洋経済新報社 (2013-07-19) / 1,296円74 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2013年12月08日 10時00分19秒 2013/12/08
読了:  2013年12月02日
東洋経済オンラインの編集長によるメディア論。実際にサイトを運営しているだけに具体的、実践的で説得力がある好著。日本のメディア特にネットメディアの現状を知るのにためになる。

単価の低いアドネットワークに依存する限り、たとえ5000万PVあっても、月の収入は500万〜1500万円にしか鳴りません。この収入規模では、クオリティの高いコンテンツを掲載し続けるのは不可能です。
ウエブメディアは、短期的な小銭稼ぎのためにアドネットワークに頼りすぎると、泥沼の値引き地獄に期刷り混まれてしまうのです。だからこそ、ウエブメディアには、アドネットワーク異存に陥らないだけの人気とブランド力、そして広告の営業・企画力が必要となるのです。ウエブの世界では、神の世界以上に「各カテゴリーのトップが一人勝ちする」傾向が強まるはずです。ナンバー2,3には未来はありません。(P125)

現時点でウェブメディアにおけるジャーナリズムが弱いのは、収入の大半を広告に依存していることに無縁ではありません。(P138)

有料化の3つの条件(P140)
・媒体が、経済系かエリート(高所得者)系かデータ系のいずれかであること。(ファイナンシャルタイムス、ウォールストリートジャーナル、日経新聞)
・紙で築き上げたブランド力
・無料サイトとしての圧倒的な実績

これからのメディア人が優先すべきは、自分の属する媒体の利益最大化ではありません。最終目標におくべきは「読者満足度の最大化」であり、「収益機会の最大化」です。自分は紙の編集部なので、意地でも紙に出し、ウエブは拒否するーこうした姿勢では新時代は生き抜けません。(P160)

自動車メーカーの社員であれば、クルマがどうつくられ、うられているかを知っているはずです、それなのに、記者は編集者は「編集と広告のファイアーウォール」を言い訳にして、メディアビジネスをしっかり学んできませんでした。ファイアーウォールをまもりながらも、広告を理解し、ビジネスマインドを育むことは十分可能です。

元イェール大学准教授、ウィリアム・デレズウィッツ曰く
「リーダーシップにとって、真に必要なのは想像力であり、新規かつ逆張り的な桃の見方を考え出し、それを表現する勇気です。〜孤独とは、ひとりで静かな時をすごすことへの自信と心地よさです」
(P172)

起業家ジャーナリスト
有料ニュースサイト「My News Japan:編集長兼社長の渡邉正裕氏。有名企業の社員に取材し、労働環境を採点する「企業ミシュラン」をキラーコンテンツ。月額1890円を2013年5月で会員1949人。著書「10年後に食える仕事 食えない仕事」は10万部のセールス。
人気政治ブログ「ディッシュ」を運営するアンドリュー・サリバン。タイム、アトランティックのカリスマブロガーから独立。120万UU、800万PV、年間19.99ドルで年間収入65万ドル。
グローバル情報誌「モノクル」編集長のタイラー・ブリュレ。BBCレポーターから、ライフスタイル誌「ウォールペーパー」の立ち上げに成功し、名声を確立。ウエブ、ラジオ、動画配信、セレクトショップやカフェも。
(P188)
アメリカに潰された政治家たち
孫崎 享 / 小学館 (2012-09-24) / 1,296円86 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2013年12月01日 10時59分34秒 2013/12/01
読了:  2013年11月26日
太平洋戦争後占領政策から現在に至るまで、日本の政治に対する米国の影響に警笛を鳴らし続けている元外交官による本書は、アメリカの意図に反したことで政治的な生命が絶たれた首相に焦点を当てている。
ロッキード事件が中国と直接つながろうとした田中角栄に対する米国の陰謀だというのは、史実になりはじめているけれど、岸信介の退陣は、引き金となった反安保運動が米国の策略があるという視点は知らなかった。

もともと日本の原子力推進政策は、1954年にアメリカがマーシャル諸島のビキニ環礁で実施した水爆実験で第五福竜丸が被爆したことで、核実験反対運動が拡大し、日米関係に亀裂が生じたことから始まりました。毒をもって毒を制するという論法でアイゼンハワー大統領により「原子力の平和利用」が掲げられたのです。(P17)
新・帝国主義の時代 - 右巻 日本の針路篇
佐藤 優 / 中央公論新社 (2013-03-22) / 2,052円24 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2013年05月15日 17時26分39秒 2013/05/15
読了:  2013年05月15日
こちらも素晴らしい!
新・帝国主義の時代 - 左巻 情勢分析篇
佐藤 優 / 中央公論新社 (2013-03-22) / 2,052円24 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2013年05月15日 17時26分38秒 2013/05/15
読了:  2013年05月15日
中央公論の連載の再編集だけど、素晴らしい内容。めちゃくちゃ勉強になった。
僕たちの前途
古市 憲寿 / 講談社 (2012-11-22) / 1,944円102 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2013年04月20日 14時41分23秒 2013/04/20
読了:  2013年04月20日 お気に入り
1985年生まれの社会学者による日本の社会評論。起業や働き方について総合的に分析している。親しい友人起業家達との交流を含めた、「フィールドワーク」ぶりと、誤った俗説をデータと明晰な論理で、切り捨てている。
その上で、「分かりやすい答え」は提示せずに、一緒に迷うための「地図」(の一部)を渡すという謙虚な、とらえようによっては無責任な態度に、好感を持った。
ここに書かれている日本社会分析は、ことごとく的を得ている。そんな本はあまり読んだことがない。
MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体
田端信太郎 / 宣伝会議 (2012-11-12) / 1,728円247 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2013年04月16日 13時28分10秒 2013/04/16
読了:  2013年04月15日
とてもためになる名著。
「R25」の立ち上げから「livedoorニュース」「BLOGOS」を、「VOUGUE」「GQ JAPAN」「WIRED」などのデジタルマガジンやウエブサイトの運営をし、現在はNHNデ、広告事業グループ長という経歴の筆者は、自らを印刷メディアとデジタルメディアの両方を生きる「カエル」と呼ぶ。
メディアについての様々な経験と深い洞察があり、具体例の提示と概念化が適切で、とても勉強になる。

以下、勉強になっことを_φ(・_・ 。

ただ、本当に一つだけ残念なのは、コンテンツ分析でリニア、ノンリニアに関して、レコードからCDへの変化を採り上げた箇所。「CD化されたことで、サビ頭の曲が増えた」というのは、おそらく間違いだと思う。少なくとも音楽業界関係でそう感じたことは無い。TVCMタイアップの増加やCD店の試聴機の影響は聞いたことはあるけれど。重箱の隅をつつくつもりはないけれど、音楽ビジネスって誤解されやすいなと改めて思った。


・これからの企業は「タレント(才能有るスタッフ)とアテンション(ユーザーからの関心・注目)をどうやって集めるか」が企業の競争軸になっていく。 (P20)

・メディアとは、「情報の送り手と受け手の二者が存在して、その間を仲介して、コミュニケーションを生リスさせることを目的とする」というのが、全てのメディアに当てはまる。(P25)

・強い社内報メディアがあると、組織に属する人間のモチベーション獲得において、大いにレバレッジが効くようになるから、組織にとって社内報は大事。(P37)

・「業界」がなければ、専門誌は存在できないし、その逆もしかり。(P42)

・「予言の自己実現能力の高さ」と、メディアの信頼性・ブランド力・影響力というのは、コインの裏表の関係。(P52)

・グーグルとウィキペディアは資本関係などはないが、とても蜜月。グーグルの検索結果が「質が高い」「使える」という評価のかなりの部分は、実質的にはウィキペディアがもたらしている。(P66)

・映画はリニアなコンテンツの代表。デジタルとの比較で言うと、印刷メディアも表紙からページをめくるという物理的特性から将来の「リニア」性をも会っている。R25では、前の方のページに政治経済など堅い記事で後ろは柔らかいというのは、通勤電車の帰り道というTPOを想定して、読者ターゲットのM1層サラリーマンの気持ちに向けて、オンからオフへの台割りのリニア性を工夫した。(P93)

・デジタルメディア上では、ほとんどのコンテンツがノンリニア志向になっていく、「引力」の影響下にある。(P94)

・PCやスマフォのユーザーにリニアなコンテンツを用意するというのは、牛丼チェーン風のハイチェアのカウンター席にいるお客さんに3時間かかるフルコースのフレンチを給仕するようなもので、文脈としてミスマッチ。(P97)

・R25創刊段階では、のべ十数人の大正六社へのグルインを実施して、編集責任者の藤井大輔がM1読者層の「イタコ」と化すプロセスは、『R25のつくりかた』(日経プレミアシリーズ)に描かれている。(P109)

・読者ペルソナつくりは、定量調査と定性調査、編集的なこだわりと広告的なわかりやすさ、ファンタジーとリアリティの間に生まれ落ちるアートとサイエンスの中間のような技芸。(P112)

・ウエブメディア事業の利益は、PV当たりの売上-PVあたり費用×全体PV
トラフィック分析においても「20対80の法則」が当てはまるケースが多い。上位10〜20%の記事が大多数(80%)のアクセスを生み出す。(P122)

・英国ロンドンの「FINANCIAL TIMES」がピンク色な理由は、「紙」で読む必然性は、周囲の人にわかりやすくアピールすることができようにするため。(P129)

・CD普及後の音楽業界におこった変化は「サビ頭曲の増加」だった。〜「CMで聞いたあの曲をどれだっけ?と思う聞き手が面倒なので、CD内につけられた索引インデックスのように、サビがド頭になる曲構成が非常に一般的になった」
⇒これは、間違いだと思うけれど、、、。

・デジタル化(ノンリニア化)によって、メディア消費は、全体として、どんどん即物的で刹那的で断片的な者へと変化している。プロのメディア人は嘆いているだけでは仕方ない。(P158)

・メディアの作り手もプロとして、どのような技術環境、TPOで消費されているのかに最大限の注意を払い続けるべきだと思う。(P161)

・新しいメディアがでるたびに、「このメディア上では、ユーザーはどのような無言のメッセー氏をアーキテクチャから受け取るのだろうか?」と自問自答をし続けましょう。(P162)

・本来の意味のPUBLISHは、PUBLICにすること言う意味なので、紙かどうかは、手段に過ぎない。(P163)
「日本史」の終わり  変わる世界、変われない日本人
池田 信夫 , 與那覇 潤 / PHP研究所 (2012-09-19) / 1,728円79 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2013年01月20日 08時51分45秒 2013/01/20
読了:  2013年01月20日
勉強になり、示唆に富む本。
社会や経済の発展形態を、「西洋化」を必ずしも正当で標準とみるのではなく、江戸時代から「日本型」と「中国化」と3分類で比較することで、世界や日本のあるべき姿を模索している。
物知りな人たちが、歴史を敷延して、一般化、普遍化、概念化、してくれるのは助かるね。

「西洋化」:自由民主、司法の独立、土地私有制、個人の独立
「中国化」:専制君主よる徳治、
「日本型」:藩や企業、組合などのコミュニティに個人が帰属し、守られる

システム1:遺伝子的にすり込まれた直感的な文化
システム2:推論する合理的な文化

・広義の人類の歴史を200万年とすると、199万年はノマドだった。狩猟社会の文化価値観がシステム1ですり込まれている。(P57)

・一番怖いのは「建前(法律)」と実体のギャップにシステム1的な民意ががばっと入ってきて、力ずくで埋めようとするうこと(P121)

・ヨーロッパの司法は起源が国家とは違う。中世後期に出てきて、主権国家より早く、都市国家を超えた商習慣のルールを決めている。(P188)

・日本の刑事裁判は99.9%が有罪と言うけど、逮捕したなかで書類送検や不起訴が3割くらいある。そう考えると世界平均。問題は検察が有罪無罪を決め手、裁判所が追認するだけの「行政主導」の司法になっていること。(P202)

・日本社会の秩序の源泉と言われる武士道は、長く見ても、近世に入って武士が土着性を失って、行政官僚化して以降、短く言えば近代になった後に「キリスト教の代替物」として創作された。「官吏が自らを律する道徳、精神論」以上にはならない。(P208)

・稟議書も江戸時代の大名家以来の伝統。なんとなく全会一致。(P221)

・日本の制度は、社会の実態と、中国型の官僚機構(皇帝の命令が無いと動かない)、無駄に細かい大陸型の西洋型法律の3つの制度の悪いところが組み合わさっている。(P225)

・戦後日本は「左右合作の江戸時代」。国家戦略泣き村落共同体連合は自民党が担って地域ごとに再分配して、百姓一揆と鎖国政策を社会党が受け継いだ、(P253)

・中国には、西洋的な意味での「法治国家になれ」「議会制民主主義を導入しろ」ではなく、「本当に道徳的な德治国家になれ、あなた方は中華王朝の時代から、それを目標してきたはずだろう」というしかない。人権問題を改善させて、「国家主席のノーベル平和賞」を目標にして貰うのがいい。(P280)

・中国は長期的には「中国化の流れの中で、可能な限り西洋化に似せた路線」に収斂していく。(P286)
ネイティブ感覚の英文法
タグ 英語学習 カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年12月31日 17時23分18秒 2012/12/31
読了:  2012年12月30日
ネイティブスピーカーによる日本人向けの英文法指導書。読みかけになって何年も放置していたけど、やっと読了。
日本の学校英文法を踏まえた説明はためになる。一番、勉強が難しい部分のニュアンスを会得する助けになるのは貴重。すぐ読めるし、オススメ。
改訂版や続編などを出して欲しい。
首長パンチ--最年少市長GABBA奮戦記
樋渡 啓祐 / 講談社 (2010-12-08) / 1,620円43 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年09月16日 17時07分44秒 2012/09/16
読了:  2012年09月16日
佐賀県武雄市で、史上最年少市長になった樋渡さんの著作。1年半前の本だけど、臨場感あり。ところどこはイニシャルになっているけれど、実名も沢山でてくるから、関係者には、それこそパンチのある本だろうな。でも、暴露本的な気分の悪さは0。むしろ信念がある人の潔さがある。政治家にありがちな自慢話では無くて、読後感は青春小説みたいな爽やかさ。
ブログも面白いけれど、書籍にまとまっていると読みやすい。定期的に続編を書いていって欲しいな。地方自治体改革の貴重な記録でもある。
観光と農業が主産業で人口5万人に地方都市のがんばりは、日本中の小さな街にとって、ロールモデルになる。日本再生のヒントは、こういう現場にあるのだと思う。オススメです。
国が亡びるということ
竹中 平蔵 , 佐藤 優 / 中央公論新社 (2012-04-24) / 1,404円48 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年08月16日 01時07分03秒 2012/08/16
読了:  2012年08月16日 星4つ
名実共に小泉改革を担ったエコノミストと、ロシア政策における外務省の頭脳だった外交官による対談。非常に刺激的、かつ示唆に富んだ名著。
国家の役割を明確にして、日本人の幸せについて本気で語り合っている本は、なかなか無い。
この2人の識見と覚悟や行動力を日本の国力向上のために活かして欲しいと心の底から思った。

日本のTPP参加の真の意義は「日米同盟の深化」で、中国は脅威を感じているし、ロシアは中国への牽制として、日米のTPPを好意的に捉えている。むしろ準同盟とみなして協力しようとしている。(P35)

東日本大震災では「日本の基礎体力」の高さが見えた側面もある。本震前のP波を関知して、新幹線の中央制御が作動してブレーキをかけた。だから脱線が起きなかった。都市ガスも自動的にすあっとダウンするマイコンメーターがあるので、家庭からの火事がほとんどなかった。
それでけに中央制御がきちんとしている国ほど、サイバーテロ対策をきちんとやらねければいけない
(P57)

日本の官僚社会は世界の中で見ると「低学歴社会」。アメリカでは博士号がほとんど、日本は学部卒が基本。だから、日本の官僚は国際機関になかなか就職できない。(P64)

ギリシャ危機の背景。実は「ギリシャはヨーロッパでは無い」から。というのが佐藤の見解。
ヨーロッパは「キリスト教共同体」「ギリシャ古典哲学」「ローマ法の伝統」のうつの原理が揃って成り立つ。歴史的に言うと、西ローマ帝国の流れ。
ギリシャは東ローマ帝国の伝統を引き継いでいて、ローマ法の伝統が希薄。「合意は拘束する」という原則が通用しない。
しかも、今のギリシャ人は古代ギリシア人とは無関係な黒海沿岸のロシア帝国のギリシャ人。
ロシアと結びつきが強いのだが、東西冷戦構造で、英国のチャーチルがギリシャを「西側」にいれた。
ギリシャ人はEUに対して「頼まれて、こちら側にいるんだから面倒をみてもらって当然」という感覚がある。(P86)

竹中のエコノミスト視点だと
通貨が統合され、財政が統合されないことで、ポピュリズムに対する通過暴落という歯止めが無くなり、財政のモラルハザードが起きている (P93)

佐藤分析によると
「金正日の死を北朝鮮の公表前に知っていた国は無い」ので、情報の統制がとれていると言うことは、北朝鮮の上層部の権力の分裂は今のところ起きていないということを意味する。(P107)

イランの国内情勢は権力が三つに割れている。
イスラム聖職者(アヤトラ・ハメネイ最高指導者)たち。この人達が石油利権とガス利権を持っている。イスラム原理主義者でイスラム革命論者。
二つ目はペルシャ帝国主義者(アフマディネジャード大統領)宗教的要素よりもイラン人であるということを重視して、シリアの影響力を拡大しようとしている
第三勢力は軍産複合体である革命防衛隊。
この三つのグループがせめぎ合っている。お互いに相手のメンバーを逮捕したりしている。
ただ、「イランが核を持つべき」という点では意見が一致している。

ポピュリズムとデモクラシーの決定的な違いは、「みんなの言うことをリーダーが聞く」か「リーダーがみんなを説得する」のかだ。(P196)

竹中曰く、
私の立場は「人並み派」。世界の先進国は名目性料率が3〜4%なので、その程度はできるのではないかと行っている。通常の成長すら目指さないのは「慎重派」ではなく「異常派」ではないか?
最新 日本言論知図
萱野 稔人 / 東京書籍 (2011-08-05) / 1,512円74 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年08月10日 19時20分00秒 2012/08/10
読了:  2012年08月10日
あらゆる分野に関する言論をまとめた本。問題意識と考え方にはとても共感する。対談部分も非常に面白い。ただ151の項目で抽出された個々への分析自体は、当然かも知れないが踏み込み切れず、本当に入門編的なさわりの紹介になっている。自分が興味のある事象については物足りず、知らないことについては勉強になる。そんな本。

1984年に東京大学坂村健が開発した「トロン」というOSを文部省が学校向けの標準規格にしようとして、アメリカ政府から輸入障壁だとクレームが付いて実現しなかった(P9)
という話は、改めて、今の日本を象徴しているなと思った。

調整型試行の始まりは聖徳太子。神道と仏教を混ぜ合わせたこと。良く言えば柔軟性、悪く言えば曖昧さ。(P175)

米国がイラクのフセインを攻撃したのは、石油そのもの利権では無い。フセインがユーロで石油代金を受け取るという宣言をして、ドル基軸通貨制に挑戦したから(P242)

「1時間働くのと、1時間大臣室に並ぶので、大臣室に並ぶ方が儲かる国は決して経済発展しない」という喩え話がある。(P246)
ゲーミフィケーション―<ゲーム>がビジネスを変える
井上 明人 / NHK出版 (2012-01-25) / 1,512円291 users
読了:  2012年05月25日
 ゲームの要素、考え方をゲーム以外の分野で使う「ゲーミフィケーション」の入門的解説書。具体例も多く、比喩も巧みで非常にわかりやすい。筆者は、震災時に「節電ゲーム」#denkimeterを行って話題になった。
曖昧な使われ方をしている「ゲーミフィケーション」について、理解を深めることができた。
 人類は昔からゲームをプレイしていたが、10年位前からのインターネットの急成長で状況が変わった。安価で精密なセンサー、ビッグデータ、ライフログ、スマートフォン普及などで、ゲーミフィケーションは拡大している。オバマ大統領選でも「ソーシャル」は注目されたが、「私の資金集め」ページは、「ゲーム」の要素も大きかったというのは、納得できた。
 音楽ビジネス、アーティストビジネスにおいても、「ゲーミフィケーション」な発想を活用して、ユーザーとの関係を深めていきたいと思う。

以下、読書メモ。
・2009年2月にDARPAが実施した「紅い風船を探せ」プロジェクトは、「全米に散った風船10個を探せ。手がかりは無い。方法は自由。見つけ出したら4万ドル」の勝者は、MITのメディアラボチーム。捜索者に登録して貰うサイトを用意して、捜索者を紹介する仕組みにして、発見者は2000$、発見者の紹介者は1000$というルール。全米に散らばった10個の風船の発見まで、たった9時間だった(P46)

・現在、フェーミフィケーションが話題になっている大きな理由は、顧客に製品やサービスを繰り返し利用して貰い、関係性を維持する(アクティブ率を高める)ことに大きく貢献する可能性が見えたからだ(P56)

・ゲーミフィケーションとは、外発的動機付けとの境界線的な要素(報酬)を求める内に、内発的動機付けを駆動させるようなメカニズム(P60)

・紙コップを減らすためにスターバックスが協賛でアイデアを公募。2万ドルの賞金。数百を超えるアイデアから優勝したのは「カルマ・カップ」
 1)黒板を店頭に置く 2)マイカップを持ってきた人がいたら黒板にチェックする
 3)その数が10人になったら、10人目の人は飲み物が無料になる 4)20人目も、30人目も無料(P69)

・ゲーミフィケーションのスタートアップ企業として楽しみなのは「スカベンジャー」(P84)

・「アンロック」による順序づけと、「レベルデザイン」による適度な手応えの手法は重要(P168)

・MDA(メカニクス・ダイナミクス・エクセティクス)モデル(P172)

・RTM(リアルトレードマネー)問題は、中国人が時間をつかって、得たアイテムを日本人に売ることで月額2万円程度を稼ぎ、生計を立てるということも。(P216)

・カーネギーメロン大学教授のジェシー・シェルが2010年に行った公演で語った未来イメージ(P226)
朝起きて歯を磨くと歯ブラシについたセンサーが感知して、歯磨き粉メーカーから「よくできました!10ポイント」と褒められる。朝食にコーンフレークを食べると、ケロッグから10ポイント、通勤にバスを使うと政府からエコポイントが支給され、それは減税対象になる。定刻にオフィスに着いたら会社からポイント、打合せ先にバスに乗らずに歩いて行くと、医療保険会社からポイント....
国家の「罪と罰」
佐藤 優 / 小学館 (2012-02-01) / 1,728円37 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年04月17日 12時57分47秒 2012/04/17
読了:  2012年04月16日
非常に読み応えがある。
実際に北方領土返還交渉に中心的に関わってきた元外交官のリアリティはすごい。
SAPIOの連載をまとめたものだけれど、国際政治やインテリジェンス(国家防諜)の根底にある、見方がわかって勉強になる。社会観、人生観にもつながる重要な視点だと思った。

気になった箇所の抜き書き
19世紀から20世紀の古典的帝国主義は、宗主国が植民地を軍隊の力を背景に直接、倒置して収奪と搾取を行ったが、現地住民の反乱やサボタージュでコスト高になって植民地を手放した。貿易や投資の方が国益に適うならば帝国主義国は平和的手段を選択するが、「食うか、食われるか」という帝国主義の基本的なゲームのルールはかわらない(P11)

北方領土の「返還」は、日本の領土をロシアが盗んだことになるので認めないが、ロシアが善意で「引き渡し」するのはあり得るというのがプーチンの論理。(P15)

2022年9月17日の「平壌宣言」の主旨は「北朝鮮が拉致問題を解決し、大量破壊兵器開発を断念するなら、日本は金正日体制に対する安全を保障するように米国に働きかけると共に、北朝鮮を経済支援する」というものだったが、完全に破綻している。(P30)

2009年4月のロシアでのオバマ発言はロシア人の心をつかんだ。ロシア語への思い入れが強いロシア人に対して、難解なロシア語を勉強しているという姿勢と、ロシア大統領の英語力が優れていると持ち上げる姿勢がロシア人の琴線に触れる。(P41)

ロシア人の政治家観は、古代アテネの「陶片追放」に近い。選挙とは、「悪い候補者」「うんと悪い候補者」「とんでもない候補者」の中から、「悪い候補者」にする消極的な選択だと考えている。(P65)

ロシア人は確固たる国家観を持っている外国人だけを尊敬し、信頼する。(P68)

ロシアのプーチン大統領の支持基盤は二つ。一つは「サンクトペテルブルク出身の改革派経済官僚」。もう一つは「シロビキ」で、KGB出身者だが、鉄の規律の軍団と言うより、大学のボート部、応援団のOB会に近い。利権集団である。(P73)

「クライ」は、ロシア語でもウクライナ語でも「地方、田舎」の意味。「ウ」という接頭辞は「〜のそばに」という広がりを意味する。ウクライナは田舎という意味。
また、西部のガリツイア地方は、元はハプスブルク帝国に属していて意識が違う。(P138)

外交の世界に相互主義という概念がある。相手が約束を違えた場合は、それと同程度にこちらも約束違反をする権利があるという考え方。この考え方で石川議員に特捜部取り調べの録音を薦めた。(P188)

ウィキリークスハ、既存の国家システムを破壊するという明確な目標を持った政治運動だ。アサンジ氏の思想は、アナーキズムにきわめて近い。(P280)

ナショナリズムは、政治思想に留まらず、近現代人にとっては宗教の機能を果たしてる。我々は誰もがいずれかの民族に古来属していると考えるが、これは近現代人が民族のイメージを過去に投影しているからである。学問的には民族の歴史は250年程度しか遡ることができない。それ以前の人間の世界に民族というかんねんは存在しなかった。「民族」は国家をまとめ上げるために生み出された「道具」としての位置づけ。
現在、中国では、中華帝国の漢人という自己意識とは異なる中国人という民族意識が生まれている。その過程で日本が敵のイメージに定められてしまった。近代社会が形成される過程で、資本主義、工業化、民族の形成は不可避だ。靖国神社、歴史認識、尖閣と中国が次々と門戸を言ってくるのは、中国で本格的な近代化が始まっているからだ。中国の近代化が完成するまで、中国人からは日本は敵のイメージにされ続ける。その現実を冷徹に認識する必要がある。(P359)

中国ではナショナリズムという新しい宗教が形成されている。中国ではエリートは儒教、大多数の民衆は道教だった。近代化の過程で識字率が急速に向上すると、広範囲の人々の間で情報の共有が進んで、民族という自己意識が進んでいくのである。
この状態が中国の国家体制に与える影響は両義的だ。共産党指導部は民族の代表と装うことで、民衆のエネルギーを国家体制強化に利用としているが、失敗する。ナショナリズムでは民衆の代表の統治が理想とされるから。
また、中国ナショナリズムの昂揚は中五国国内の少数民族の民族意識を刺激する。特にウイグル人、チベット人は、中国人を敵と見なすようなる。中国が宗主国で、ウイグルやチベットは植民地であるという自己意識を強める。(P360)
内向の世界帝国 日本の時代がやってくる
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年04月11日 15時37分41秒 2012/04/11
読了:  2012年04月12日
経済おける世界の覇権国の歴史、変遷を独自の視点で解き明かした本。
17世紀のオランダ、18,19世紀のイギリス、20世紀の米国の共通点として、三段階の現象があるという。
第一段階は、二世代前の人口の急激の減少。第二段階は経済活動の加速。政治や文化は劣っても経済だけは一流という自意識を持つ。第三段階は経済に偏った自信過剰が暴走して金融恐慌を呼ぶ。
この段階が日本に当てはまるので、次の経済覇権国になるという論理はにわかに信じがたいが、日本の優位性の説明については、納得のいくところが多い。
悲観論が多いマクロ経済視点の中で、本書の価値は大きいと思う。
パギャル消費 女子の7割が隠し持つ「ギャルマインド」研究
西井 美保子 / 日経BP社 (2011-11-17) / - 28 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年04月11日 15時16分01秒 2012/04/11
読了:  2012年04月10日
ギャル的な価値観、消費行動は、いわゆるギャルでは無く、マインドの一部にギャル的な感覚のある女性(パギャル)まで呑み込んで、1兆円市場を形作っているという趣旨の本。面白い観点。
街を見ていたり、若い子達と接していて実感と合致する分析だった。

以下、メモ。

ギャルマインドは、「心(ラブ)」「技(デコ)」「体(ガッツ)」で構成されている(P19)

18歳〜34歳の女性800人アンケートによると、真ギャルが12.3%、パギャルが55.5%で、約7割がギャルマインドを隠し持っている。40歳でも1〜2割はいる。(P23)

ギャルは携帯で音楽を聴く。加藤ミリヤ、YU-A、西野カナを代表とした「辛いことや悲しいこととどう向き合うかをとうとうと語る歌」を「ギャル演歌」と名付けたのは、関西学院大学准教授の鈴木謙介氏。(P61)

ギャル演歌とケータイ小説の共通点
1)一文が短く、改行が多い
2)報われない恋愛モノが大ヒット
3)状況描写があまりなく、もっぱら主人公の目線で心の動きがつづられる
4)書き手と読み手の距離が近いから、同世代の感覚でわかる(P63)

カラオケでは、アゲ歌で踊って、ギャル同士の連帯感を深める(P66)

15歳から29歳の女性に「腐女子度」を訊くと42%は、自覚がある。オタギャルのバイブルは少年マンガ。10代ギャルは、ワンピース、君に届け、僕の初恋をキミに捧ぐ、20代はワンピース、のだめ
(P67)

つけまつげは、使用率40%を超えるギャルの必須アイテム。カラーコンタクト、メザイク(二重まぶたにするためのツール)と合わせて、三種の神器。(P143)
格差社会論はウソである
増田 悦佐 / PHP研究所 (2009-02-26) / 1,944円72 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年04月11日 15時37分19秒 2012/04/11
読了:  2012年04月06日
証券会社のアナリストによる、世界の中の日本論。非常にユニークだが、的を得ている。
メディアの通説の誤りを独特の歴史観と様々な数値から指摘している。語り口調の文体は読みやすく、面白い。
「知識人は、悲観論を語ることで(無意識に)自分たちの存在意義を見いだそうとしている」という指摘は同感。
他にも「(諸外国と比べて比率が著しく低い)極貧層4〜5%への対処に取り組む日本は課題先進国」
「変化の激しいIT産業の国際競争力で日本が23位に落ちたことを強調して人口1億人以上の国の中での
総合経済力が2位である情報をださないマスコミ」「日本の農業問題は経営規模の拡大化と既存の農民と調整なので、農業後継者が少ないことは、スムーズな調整という意味で日本にとってプラス」など、興味深い指摘が多い。

興味深いデータとしては、
・BBC2008年調査で日本は世界に好影響を与えた国で31%と1位。悪影響を与えた国では2%で2位。つまり好感度世界一位の国。
・国家公務員1種採用試験申込者数が、1997年の45000人をピークに減り続けている。(P103)
・世界一観光業者に好まれる「ベスト・ツーリスト」賞も受賞している(P130)
などもある。
日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか
山田 奨治 / 人文書院 (2011-09-15) / 2,592円139 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年02月11日 16時30分08秒 2012/02/11
読了:  2012年02月11日
専門家による客観的な分析だと思ったら、かなり踏み込んだ(偏った?)ポジショントークな内容。
筆者は、日本の著作権法が、関係団体の「談合」で決められて、ユーザー(利用者)の意向が反映されてないと強い不満を持っているようだ。
個々の指摘にはもっともなところも多いけれど、学者だけに「産業振興」という観点が欠けているなと思った。

ともかく、この人は「権利者」が日本の文化を悪くしていると思い込んじゃっているみたい。こういう「偏見」を生んだのは、権利者団体やレコード会社などのこれまでの態度や説明に稚拙さが原因なんだろうな。変えていかないとね。

以下、読書メモ。

●2009年7月に岡山県警に逮捕された「着うたキングダム」違法無料DLの量刑は、一人が懲役二年(執行猶予3年)罰金400万円、もう一人が懲役1年六ヶ月(執行猶予3年)罰金250万円。(p9)
この罰の重さが適切かどうか計っている数式が面白い。
合わせて1曲当たり約二分の懲役、約3.3分の執行猶予。違法DLした曲を24時間聴き続けるとちょうど懲役か執行猶予の期間が終わるという計算。
罰金は3050万円を95万4千曲で割ると1曲あたり32円。シングルCD販売の際のJASRACの使用料は約31円。

●無断コピーすることと者を盗む行為の最高懲役刑が同じになり、罰金刑は刑法の窃盗罪をはるかに越えて高額になったことで権利者側は勇気づけられた(P31)

●「キャンディキャンディ」は、原作者水木杏子と漫画家いがらしゆみこで争われ、マンガにも原作者の著作権がおよび最高裁判例が確立(P45)
いがらいは水木の承諾なしにキャンディを新たに描いたり、キャラクター商品をつくることができなくなった。

●「宇宙戦艦ヤマト」原作者の西崎にシリーズの著作者人格権、松本に絵画の著作権があることが確定(P47)
アニメの権利は東北新社。
西崎、松本で「大YAMATO零号」を発売して、CDフィーバーを三共がパチンコ台としてだしたところ、東北新社が三共を訴えた。

●CMバンクシステムができて、CMフィルムのプリント納品が無くなったときに、@3500円の売上が無くなるCM制作会社の主張で、CMに著作権があるという主張が始まった(P57)

●一般の著作物は、著作者の死後50年間保護。映画は公開から70年間に2004年1月から変更。(P64)

●「クラブきっず事件」。児童の遺体写真をあげている男を著作権法違反で告訴した。(P70)
☞筆者は「著作権侵害は文化の発展に寄与することという目的を越えて活用されている」法律の趣旨と違うと怒っているけれど、変態の男が捕まった例をだすのは損だってわからないのは、学者っぽいなと思う。一般庶民の感覚では、「著作権法で児童ポルノも取り締まれてよかったね」だよね。

●海賊版によって、日本製コンテンツへの需要が生まれ、それまで存在しなかった市場があらわれた。つまり、固定された市場サイズを前提にした単純なモデルでは、海賊版がはたす経済的な役割を説明できない。海賊版には市場の創出・拡大という、経済学的にも見逃せない効用がある。しかし、海賊版撲滅を口にする権利者が、その効用を語ることはない。(P180)
☞権利者が海賊版を認める論理が持てないことを理解できない人は、そもそも著作権の現場に関わらない方が良いと思うな。ヤクザがいるから世の中の秩序が保たれるとおなじ論理だからね。個人的には理解できるけど、正義の様にまっすぐ語る筆者は不思議な人だと思う。

●「文化産業」とよばれるものに属する人たちは、文化を商品カテゴリーの一種だと思ってる。彼らは文化を産業の範囲に矮小化し、ときに私欲をむき出しにして、著作権のいじくり。文化の創世と拡散の根本であるコピーを妨害する。(中略)私は、どの傲慢さに意義を申してたてたいのだと思う。(P204)
☞音楽プロデューサーとして襟を正さなくてはいけないけれど、IT事業者が「コンテンツ」と呼び、まさに商品としていることをこの人は何故批判しないのだろう?いろんな意味でバランスの悪い学者さんで惜しい印象。
もし小泉進次郎がフリードマンの資本主義と自由を読んだら
田代 真人 , 藤咲 ユイ , 池田 信夫 / 日経BP社 (2011-11-25) / 1,296円129 users
タグ マンガ 社会 カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年02月04日 09時42分21秒 2012/02/04
購入:  2012年02月03日 1,260円
読了:  2012年02月04日
アゴラブックスで電子書籍版を購入。オフラインでは読めないのが残念だけど、ipadで読んで快適だった。
内容も素晴らしいと思う。小泉Jr.が日本の危機に直面して首相として急告に取り組むという話。読み物として面白いだけで無く、今の日本の問題点の理解としても非常に正しいと思った。
小泉政権の評価も納得できる。
通称「霞ヶ関」と言われる日本の官僚を中心とした統治・富の再配分機能が、高度成長期型から成熟型に転換できてないのが、今の日本の問題の根源。数年以内に解決しないと、この漫画のようなことが起きても不思議は無い。僕は愛国者のつもりだし、日本の文化や伝統を守ることには注力していくつもりだけど、日本の私企業や個人は、日本政府が破綻してもやっていけるリスクヘッジをかけていくべき状況だとも思っている。
シンガポールを知るための62章【第2版】 エリア・スタディーズ (エリア・スタディーズ 17)
田村 慶子 / 明石書店 (2008-09-29) / 2,160円13 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2012年01月14日 22時06分59秒 2012/01/14
読了:  2012年01月22日
この「〜を知るため」シリーズは、とても役に立つし、好きな本。
シンガポールについてもよくわかった。既存の政治体制に批判的なのが、ちょっと意外だった。経済運営はうまくいっているけれど、自由が制限された管理国家ではあるらしい。
発行年が2008年なのが、残念。早く最新版を出して欲しい。
なんでコンテンツにカネを払うのさ? デジタル時代のぼくらの著作権入門
読了:  2011年12月25日
「評価経済」を標榜し、コンテンツそのものからお金を得ようとするのは時代遅れと主張するオタキングと、アグレッシブな著作権を主張することの多い知財弁護士による対談。
「思考のゲーム」としては、大変興味深いし、著作権の本質を突いている箇所も多い。ただ、社会やビジネスの体験が浅い若者が、この本に書いてあることを「真に受ける」と、おかしな事になるのではという心配にもなった。産業振興や国家間のパワーゲームの側面もきちんと考慮しないとコンテンツビジネスについては語れないのだと改めて思った。
改めて、ブログにも書いてみたいな。
日米開戦の真実 大川周明著『米英東亜侵略史』を読み解く
佐藤 優 / 小学館 (2006-04-22) / 1,728円76 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2011年11月30日 15時22分57秒 2011/11/30
読了:  2011年12月06日 星3つ
名著。非常に勉強になったし、刺激を受けた・
太平洋戦争(大東亜戦争)前の、知識人、大川周明が戦前に、日本が米国と戦うことの正当性について書いた(元はラジオ番組でその後出版)『米英東亜侵略史』を紹介している。著者は、「軍部が暴走し、国民は騙されて戦争になった」というのは、敗戦後の進駐軍のプロパガンダで、事実では無いことを丁寧に証明している。帝国主義で欧米がアジアを植民地化していた時代に、日本が米国に「宣戦布告」することの正当性と、戦争せざるを得ないところに追い込まれていった構図をわかりやすく説明している。
とはいえ、単純な大東亜戦争肯定論ではなく、当時の日本の「亜細亜解放」というロジックの限界も示し、中国や韓国で日本が行ったことの問題点も、しっかり指摘している。
日本の現代史を知る上で有益なわけでは無く、今の国際情勢において、「歴史は繰り返す」のかもしれず、これからの日本と日本人の在り方についても、非常に意味のある本。
最近、文庫化もされたようで、必読。
オタ中国人の憂鬱 怒れる中国人を脱力させる日本の萌え力
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2011年10月30日 14時06分31秒 2011/10/30
読了:  2011年10月31日
90年生まれで中国で育った日本人による中国人オタク(中国でも御宅と書く)論。
中高の実体験に基づくだけに、非常にリアルで興味深い。
アニメをはじめとした日本の「オタクカルチャー」が、海外でどのように広まり、評価され、楽しまれているかの参考になる。若い世代の中国人論としても秀逸。

以下、読書メモ
・中国人にとって、「日本や日本人が嫌い」なことと「日本のオタク文化が好き」なことは矛盾せずに、そう言う人がたくさんいる
・中国人は海賊版のことを全く悪いと思っていない。「盗版」という言葉はあるものの、悪いことをしたという意味は無く「原板」に対して、「少し品質が悪い」というニュアンス
・カレーの話。中国でのカレーの主流は、「日本風のカレー」。
ちなみに、カレーは1)インドとその周辺、2)タイとその周辺、3)イギリス人がインドから持ち帰ったカレーが明治に輸入され独自の発展をとげた日本風のカレー
の3種に区別できるとのこと。たしかにそうだなと思った。
・尖閣列島の際のネットでのエピソード
尖閣でナショナリズムが台頭して日本たたきが行われたときに、「日本鬼子」という中国語で日本人を最大級の罵倒した表現に対して、日本のオタクが「日本鬼子」という萌えキャラをつくって対抗したらしい。罵倒する中国人に対して萌えキャラをつくってしまうことで、混乱させるという先方をとった日本のオタクがすごいな。
悪党―小沢一郎に仕えて
石川知裕 / 朝日新聞出版 (2011-07-07) / 700円63 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2011年10月04日 12時27分42秒 2011/10/04
読了:  2011年10月02日
政治家小沢一郎の実像が、元秘書を通じてリアルに伝わってくる。
ありそうでなかったタイプの本。
政治や小沢一郎に興味のある人は一読の価値があります。
日本の路地を旅する
上原 善広 / 文藝春秋 (2009-12-15) / 1,728円127 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2011年07月26日 02時05分46秒 2011/07/26
読了:  2011年07月24日
被差別部落を「路地」と呼ぶのは、中上健次がはじめたことらしい。関西の「路地」出身の筆者が、全国の「路地」を歩いたドキュメンタリー。被差別にも、様々な違いがあるのだと思った。作者がまだ30代で若かったのに驚いた。
「朝日」ともあろうものが。
烏賀陽 弘道 / 徳間書店 (2005-10-22) / 1,620円21 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2011年07月13日 22時56分30秒 2011/07/13
読了:  2011年07月11日
朝日新聞を40歳で退社した著者の記者時代を記した本。朝日新聞社の体質を激しく批判しているが、いわゆる「暴露本」ではない。関係者の名前は匿名だし、著者の「朝日」に対する愛情も感じられる。青春小説のような清涼さもある。
記者クラブや、現状の大手新聞社の「内向き」姿勢に関する具体的な批判は傾聴に値する。8年前に退社した著者が6年前に出した本だが、ここで提唱された問題点は、何も解決していないように思う。東日本大震災で、その課題がより浮き彫りになっている。このままだ新聞社は存在価値が無くなり、影響力を失うんだなと具体的にイメージできる本だった。
明日の日本をつくる復興提言10 (アスキー新書)
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会・政治 登録日:2011年06月27日 15時59分37秒 2011/06/27
購入:  2011年06月25日 800円
読了:  2011年06月27日
個々の提言は、興味深いものの、本全体のテーマが曖昧。「復興」という以外の共通性や、全体を貫く思想というか「意思」が見当たらず、不満。各識者の見解はブログなどでも読む事ができるし、著作も出しているような方達なので、寄せ集めのパッチワークに書籍としての意味を感じない。
時期や内容から意欲的な取り組みだろうことが伺えるだけに、残念な本。

プロフィール

音楽プロデューサー、コンテンツオーガナイザー。『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)上梓。(株)バグコーポレーション代表取締役。(社)日本音楽制作者連盟理事
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