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リアルタイムレポート・デジタル教科書のゆくえ
西田 宗千佳 / TAC出版 (2011-12-26) / 1,512円19 users
読了:  2012年05月09日
デジタル教科書に関する総合的な本。バランス良く、様々な立場からのリアルな意見がまとめられている良書。日本のIT化の一つの象徴にも思えるし、社会を改革していくことの難しさも感じられる。
小学校から大学まで、高度成長型から転換できずに、旧態依然としている教育の改革は日本の重要課題の一つだと思うけれど、その幹はIT(インターネットとデジタルデバイス)の活用である事を改めて確認した。
教育関係者やデジタル系事業者だけで無く、学校に行く子供を持つ親は読んでおくべきかも。
20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社新書)
古賀 史健 / 講談社 (2012-01-26) / 907円381 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 言語学 登録日:2012年05月05日 12時02分07秒 2012/05/05
読了:  2012年05月05日
良書。
文章に関する本はたくさんあるけれど、PCに向かって書くことを前提に、「文章を書く」ことの意義から、わかりやくまとめている。もちろん、この本自体が「お手本」にもなっている。
文章とは「頭のなかの「ぐるぐる」を、伝わる言葉に"翻訳”したもの」との定義するところから始めている。映像を比喩にして説明がイメージしやすい。
内容自体は派手さも無く一般的なだけに、一番のヒットは、このタイトルかもしれない。

以下、読書メモ。
・正しさを意識することは客観的な目線を意識することに繋がる。(中略)我々は、"感情”を伝えたいからこそ、論理を使うのだ。主観を語るからこそ、客観を保つのだ。(P76)
・視覚的リズムが大切。1)句読点を一行に一つは打つ。2)改行のタイミングは早めに。3)漢字とひらがなのバランスをとって「圧迫感」を無くす。(P83)
・海外には起承転結型による4コマ漫画の伝統はないようで、Wikpediaでも「YONKOMA」として紹介されている北野武監督は4コマ漫画をベースにシナリオを書いている(P112)
・導入〜本論〜結論の3部構成は、カメラの客観〜主観〜客観をイメージするとわかりやすい
・導入部は映画の予告編、「インパクト優先型」「寸止め型」「Q&A型」をうまく使いこなそう
・「読者のいす」に座って、「納得」させられるかが大切。読者のいすには1)10年前の自分、か、2)特定の「あの人」を想定。
・推敲の際には、別のワープロソフトでコピペしたり、フォントや縦書き横書きを変えてみるのも有効。著者はMACの「iTexPro」ヒラギノ角ゴシックの横書き。wordにしたり、明朝にしたり、縦書きにして推敲する。
ボルベール<帰郷> コレクターズ・エディション [DVD]
カテゴリ:DVD DVD / 外国映画 登録日:2012年05月05日 22時48分38秒 2012/05/05
読了:  2012年05月04日
不思議な映画。親の因果が娘に報いっ的なディープで骨肉な感じの物語なんだけれど、画面は淡々と進んでいく。でもすごく存在感がある、ともかく不思議な映画。ペドロ・アルモドバル監督の作品は、初めてなんだけれど、『All about my mother』た『talk to her』も観てみたいと思った。
あと、ペネロペ・クルスはめちゃくちゃ綺麗。
東京ガールズコレクションの経済学 (中公新書ラクレ)
山田 桂子 / 中央公論新社 (2011-11-09) / 821円24 users
読了:  2012年05月02日
巨大化した東京ガールズコレクション(TGC)
を中心に、ガールズマーケットを分析した本。とても勉強になった。
音楽でいえば「着うた」系に集約されるけれど、女性市場のトレンドは大切。

以下、メモ。
・2010年度の百貨店売上高は13年連続減の6兆2921億円とピークの約2/3。
・TGCの運営は、(株)ブランディングと(株)F1メディアが行っている。
・主催者ブランディングの目的は、将来的なモバイルコマースの市場拡大を見越して、モバイル通販の普及を図ることだったと言われている。
・TGCでは、ファッションショー当日から24時間以内のウエイ上げが2000万円とも3000万円とも言われている。
・「ガール」は、従来の年齢区分と違って、「エイジレス」を謳いながら20代を中心とする女性達に用いられる。現在では、ヤング(18〜23歳)、ヤングアダルト(23〜27歳)、アラサー(30歳前後3歳)と重なる。
・ガールズマーケットの誕生は2009年。「福岡アジアコレクション」が始まり、大丸心斎橋店「うふふガールズ」、「イセタンガール」がオープンした。
・TGCのクロスメディアは、モバイルを軸としている。リアルタイム配信メルマガ、店舗情報の提供など。
・TGCでは、効果的な「AISAS」が行われている
・「ガールズアワード」も注目。フジテレビが主催なのに、音楽軸では無くファッション軸な理由は
  1)音楽軸だと旬のアーティストが違い、ファンも流動的。ファッション軸にすると息の長いファッションモデルの存在により一定の集客が見込める
  2)音楽軸のファン層はアーティストにより男女比率が違う。ファッション軸だと女性向けに集約でき、イベントとしての訴求力が高まる
  3)ファッションをメインとするイベントへの好感度が高く、企業のイメージアップにも貢献する。
・ガールズイベントのメリット
  1)誰でも参加できる。従来の「コレクション」はブランド側から招待された関係者向けだった
  2)人気のファッションモデルが観られる
  3)話題のアーティスト、有名人が観られる
  4)ファッションが楽しめる
  5)ほぼ1日楽しむことができる。協賛企業にも長時間のPR活動が可能
  6)いろんなお土産がもだえる。協賛企業は試供品配布。
・80年代生まれの特徴(「クリスタルジュニア」&「ハナコジュニア」)
  1)子供の頃から豊かだったが、バブル崩壊や環境問題などで楽観的ではいられなかった
  2)デジタル機器を高度に使いこなすが、バーチャルでは得られないリアル体験の価値を知っている
  3)同じような趣味、嗜好のグループ(島宇宙)の住人だが、ファッションでは流行が触媒でつながる。
・06年から11年までの5年間のファッションの変化
  1)背伸びしないで旬を着る
  2)個性的なファッションの現象
  3)ブランドバックはもういらない
  4)「盛り」は控えめに
  5)ギャルのメジャー化
・赤文字系エレガンスの非常にお嬢様指向の強い一部分を除いた全てのヤングマーケットが講義の意味でのガールズマーケットになる(図あり)
・市場規模は7000億円と試算(図あり)
・雑誌「Sweet」の成功は、年齢や職業でターゲティングせずに、「一生女の子宣言」がコンセプト。「年齢関係なく、女の子で有り続けたい」と願う女性をターゲットとする
・ガールズブランドの中国進出
 ・バロックジャパン:07年香港支社、09年上海支社、11年はグルーバル化元年。既に香港、台湾、上海で26店舗、中国で数年後に100店舗出店計画。
 ・マッシュスタイルラボ:「スナイデル」で11年上海一号店、
 ・レヴェントン:元読モ上津由貴奈がディレクションする「べべローズ」が、TCHLDを事業パートナーに中国進出。11年秋に上海に2店、12年春までにFC含めて14店計画
 ・クロスカンパニー:11年に現地子会社設立、3年以内に120店舗出店予定
 ・ポイント:07年から台湾、香港での出店ノウハウ蓄積。10年に上海有力ショッピングセンターにオープン。店舗100坪以上の大型店舗も積極展開11年2月期に41店舗展開
・ギャルママも有望市場、「女性目線」が重要。
 1)パナソニック「フェミニンプロジェクト」
 2)トヨタ「パッソ」フルモデルチェンジ
 3)ファミリーマート「さくらプロジェクト」

 ※図表はevernoteに
レッドゾーン(下) (講談社文庫)
真山 仁 / 講談社 (2011-06-15) / 788円163 users
読了:  2012年04月30日
大団円となるラストの鷲津構想は、国際経済の視点でも素晴らしい。
レッドゾーン(上) (講談社文庫)
真山 仁 / 講談社 (2011-06-15) / 788円178 users
読了:  2012年04月29日
『ハゲタカ』シリーズ第三作。中国の国家ファンドや米国の黒幕まで絡んで、スケールアップして絶好調。殺人事件もあってミステリーサスペンス的な要素も。
ハゲタカ2(下) (講談社文庫)
真山 仁 / 講談社 (2007-03-15) / 21,852円333 users
読了:  2012年04月29日
読み始めると止まらないね。
ハゲタカ2(上) (講談社文庫)
真山 仁 / 講談社 (2007-03-15) / 771円347 users
読了:  2012年04月28日
『ハゲタカ』の続編は、単行本は『バイアウト』からの改題。
登場人物のキャラクターがより際立ち、ドラマの舞台も大きくなって、エンターテインメントとして素晴らしく面白い。
ハゲタカ(下) (講談社文庫)
真山 仁 / 講談社 (2006-03-15) / 792円437 users
読了:  2012年04月26日
あっという間に読んでしまった。真山仁にはまりそうな予感。
ハゲタカ(上) (講談社文庫)
真山 仁 / 講談社 (2006-03-15) / 843円522 users
読了:  2012年04月25日
NHKでドラマになったのは知っていたけれど、『ベイジン』が良かったので、読むことに。非常に面白い。ビジネスのリアリティと人間ドラマとしてのエンタメ性がハイレベルで両立している。
そうだったのか!中国 (集英社文庫)
池上 彰 / 集英社 (2010-03) / 788円295 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 政治 登録日:2012年04月21日 13時32分14秒 2012/04/21
読了:  2012年04月24日
プライムタイムのテレビは、ほとんど観ないので、いつの間にか有名になった池上彰という印象なのだけれど、素晴らしいね。
何故、この人は、何でも詳しくて、こんなにわかりやすく説明できるのだろう?すごく見習いたい。
中国(人民共和国)現代史と社会について書いたこの本も大変、わかりやすい。毛沢東の功罪もよくわかる。今の中国政府の7割功績というのは明らかに過ちだね。
著者には珍しく、中国に対する否定的なトーンがはっきりわかる部分もある。
これから中国との関係は深まる一方だろうから、今の日本人必読書と思う。
中国では人の命が軽いということは感じるし、日本人は分かっていた方が良いと思う。これを利己主義というのは簡単だけれど、長い歴史と莫大な人が居る国を統治するとには(悪い)権力が必要なのかもしれないと思わされる部分もある。

以下、読書メモ。
・「コミュニズム」を「共産主義」と訳したのは日本語。
・中国国民党と共産党が共同で日本と戦った第二次国共合作による「抗日」戦争で、毛沢東は、国民党軍と日本軍を戦わせて、共産党軍を温存するという作戦に出た。「力の70%は勢力拡大、20%は妥協、10%は日本と戦うこと」との指令を出していた。
・中国には「當案」という調査があり、出身階級が記され、優遇や差別に使われた。労働者、下層中農、革命幹部、革命軍人などは優遇、地主、富農、悪質分子、右派となれると進学や就職で差別された(P59)
・カンボジアのポルポト派は、毛沢東思想の影響で、知識人絶滅策をとった。(P70)
・毛沢東は「大躍進政策」で、空想的に社会主義を実践し、4000万人以上を餓死させたが、中国の歴史の教科書には載っていない。(P92)
・「文化大革命」は、鄧小平が否定したが、それでも「7分の功績と三分の過失」と総括している。(P132)
・チベット仏教は、紀元四世紀にチベットに入って、土着のポン教と混交してできた。(P138)
・日本の台湾支配は植民地支配で犠牲者も出したが、反面、台湾近代化の大きな役割を果たしたと台湾でも評価されている。(P172)
・中国から来た役人や軍人は、台湾のインフラ(水道や電球)に驚いた。国民党役人は腐敗していて、「犬が去って豚が来た」と表現。犬(日本)はうるさくても番犬には成ったが、豚(国民党)は、食べてしまって寝ているだけという皮肉。(P173)
・国民党政府に反対する住民運動「二・二八事件」では、国民党政府は28000人を無差別虐殺した。(P175)
・朝鮮半島の勃発で、米国が方針を変えて、台湾国民党政府が共産党にとられずに済んだ。(P176)
・南京市内の長江大橋は、ソ連殿関係悪化してソ連人技術者が引き上げた後に完成させた「自力更生」の象徴。(P206)
・保守派のニクソンだから、中国との国交正常化で議会が説得できた。(P217)
・キッシンジャーと周恩来の会談では、日本の悪口で意気投合していたらしい。(P222)
・中国人は「最初に井戸を掘った人の事を忘れない」ので田中角栄は特別扱い、(P233)
・1978年鄧小平が「思想の解放」を呼びかけ「北京の春」が訪れたが、1979年に壁新聞に自分の批判がでるようになると鄧小平が態度を変え、民主化運動を弾圧するようになった。(P256)
・一人っ子政策が、子供ができても届けない「黒ハイツ」が出現させ、今や一億人位の無戸籍が居るのでは無いかといわれている(P287)
・1989年胡燿邦の死の追悼をきっかけに「天安門事件」が起きる。ソ連はゴルバチョフ大統領のペレストロイカの頃。民主化に理解があった趙紫陽を、鄧小平は解任したが、保守派の李鵬ではなく、経済改革派の江沢民を総書記に起用した。政治の自由化は断固阻止、経済面の「改革・開放」路線は維持という方針。(P323)
・反日教育の理由は共産党の政治的正当性を主張するため。(P326)
・イギリス軍がアヘン戦争を開始する中国派兵を決めるイギリス議会の採決は271対262の僅差だった。(P330)
・第二次世界大戦終了後に、共産党政府は香港をイギリス統治下で発展させる道を選んだ。「長期打算・充分利用」と表現。また、周恩来は後に、アメリカの中国封じ込め政策にイギリスを荷担させないという計算も合ったと語っている。(P332)
・香港島と九竜半島はイギリスが割譲を受けていて、租借していたのは新界だったが、中国の巧みな交渉で、割譲部分も返還。(P335)
・江沢民が2002年に唱えた「三つの代表」という概念で、資本家も共産党に入党できるようになった。(P356)
・中国では警察、検察も共産党から「指導」される立場なので、共産党幹部の汚職を捜査摘発できるのは、共産党内部の規律委員会になる。(P363)
・都市の住民と農村の住民は戸籍も違って、結婚しても変えられない。現代の身分制度となっている。(P369)
ベイジン〈下〉 (幻冬舎文庫)
真山 仁 / 幻冬舎 (2010-04) / 700円175 users
読了:  2012年04月23日
最後は、中国での原発に事故が起きるけれど、福島原発事故の前に書かれていることも興味深い、世界の原子力ビジネスの現実も描かれている。
オススメです。
ベイジン〈上〉 (幻冬舎文庫)
真山 仁 / 幻冬舎 (2010-04) / 700円199 users
読了:  2012年04月22日
面白かった。主人公は二人。一人は原子力発電所の安全に注力する日本人技術者(田嶋)、もう一人は、文化大革命での悲惨の状況を超えて、共産党でのしあがろうとする中国人(鄧)。衝突し続けながらもいつしか尊敬し合う二人という設定。
一番、興味深いのは現在の中国の社会状況、政治のグレーな仕組みなどがリアルに描かれていて、中国社会の理解になると思う。
多くの登場人物にモデルがいそうなので、調べてみたいなと思った。
国家の「罪と罰」
佐藤 優 / 小学館 (2012-02-01) / 1,728円37 users
読了:  2012年04月16日
非常に読み応えがある。
実際に北方領土返還交渉に中心的に関わってきた元外交官のリアリティはすごい。
SAPIOの連載をまとめたものだけれど、国際政治やインテリジェンス(国家防諜)の根底にある、見方がわかって勉強になる。社会観、人生観にもつながる重要な視点だと思った。

気になった箇所の抜き書き
19世紀から20世紀の古典的帝国主義は、宗主国が植民地を軍隊の力を背景に直接、倒置して収奪と搾取を行ったが、現地住民の反乱やサボタージュでコスト高になって植民地を手放した。貿易や投資の方が国益に適うならば帝国主義国は平和的手段を選択するが、「食うか、食われるか」という帝国主義の基本的なゲームのルールはかわらない(P11)

北方領土の「返還」は、日本の領土をロシアが盗んだことになるので認めないが、ロシアが善意で「引き渡し」するのはあり得るというのがプーチンの論理。(P15)

2022年9月17日の「平壌宣言」の主旨は「北朝鮮が拉致問題を解決し、大量破壊兵器開発を断念するなら、日本は金正日体制に対する安全を保障するように米国に働きかけると共に、北朝鮮を経済支援する」というものだったが、完全に破綻している。(P30)

2009年4月のロシアでのオバマ発言はロシア人の心をつかんだ。ロシア語への思い入れが強いロシア人に対して、難解なロシア語を勉強しているという姿勢と、ロシア大統領の英語力が優れていると持ち上げる姿勢がロシア人の琴線に触れる。(P41)

ロシア人の政治家観は、古代アテネの「陶片追放」に近い。選挙とは、「悪い候補者」「うんと悪い候補者」「とんでもない候補者」の中から、「悪い候補者」にする消極的な選択だと考えている。(P65)

ロシア人は確固たる国家観を持っている外国人だけを尊敬し、信頼する。(P68)

ロシアのプーチン大統領の支持基盤は二つ。一つは「サンクトペテルブルク出身の改革派経済官僚」。もう一つは「シロビキ」で、KGB出身者だが、鉄の規律の軍団と言うより、大学のボート部、応援団のOB会に近い。利権集団である。(P73)

「クライ」は、ロシア語でもウクライナ語でも「地方、田舎」の意味。「ウ」という接頭辞は「〜のそばに」という広がりを意味する。ウクライナは田舎という意味。
また、西部のガリツイア地方は、元はハプスブルク帝国に属していて意識が違う。(P138)

外交の世界に相互主義という概念がある。相手が約束を違えた場合は、それと同程度にこちらも約束違反をする権利があるという考え方。この考え方で石川議員に特捜部取り調べの録音を薦めた。(P188)

ウィキリークスハ、既存の国家システムを破壊するという明確な目標を持った政治運動だ。アサンジ氏の思想は、アナーキズムにきわめて近い。(P280)

ナショナリズムは、政治思想に留まらず、近現代人にとっては宗教の機能を果たしてる。我々は誰もがいずれかの民族に古来属していると考えるが、これは近現代人が民族のイメージを過去に投影しているからである。学問的には民族の歴史は250年程度しか遡ることができない。それ以前の人間の世界に民族というかんねんは存在しなかった。「民族」は国家をまとめ上げるために生み出された「道具」としての位置づけ。
現在、中国では、中華帝国の漢人という自己意識とは異なる中国人という民族意識が生まれている。その過程で日本が敵のイメージに定められてしまった。近代社会が形成される過程で、資本主義、工業化、民族の形成は不可避だ。靖国神社、歴史認識、尖閣と中国が次々と門戸を言ってくるのは、中国で本格的な近代化が始まっているからだ。中国の近代化が完成するまで、中国人からは日本は敵のイメージにされ続ける。その現実を冷徹に認識する必要がある。(P359)

中国ではナショナリズムという新しい宗教が形成されている。中国ではエリートは儒教、大多数の民衆は道教だった。近代化の過程で識字率が急速に向上すると、広範囲の人々の間で情報の共有が進んで、民族という自己意識が進んでいくのである。
この状態が中国の国家体制に与える影響は両義的だ。共産党指導部は民族の代表と装うことで、民衆のエネルギーを国家体制強化に利用としているが、失敗する。ナショナリズムでは民衆の代表の統治が理想とされるから。
また、中国ナショナリズムの昂揚は中五国国内の少数民族の民族意識を刺激する。特にウイグル人、チベット人は、中国人を敵と見なすようなる。中国が宗主国で、ウイグルやチベットは植民地であるという自己意識を強める。(P360)
ソーシャルメディアマーケター美咲 2年目
池田 紀行 / 翔泳社 (2012-03-16) / 1,620円36 users
読了:  2012年04月15日
献本いただいたのに机の山の中で埋もれていて読むのが遅れて反省。とても勉強になる本だった。
ソーシャルメディアをマーケティングに活用しようと思っている人の入門編にもなるし、既にやっている人には経験の整理、知識の確認になる。
目的の明確化、手段との区別というのは常に大事なことだけれど、ソーシャルメディア活用の際には、留意しないと、流されがちだよね。多対多のコミュニケーションに自分がいること自体が面白いからね。
特に後半のSMM(ソーシャルメディアマーケティング)のROI(効果測定)については、細かいけれど、適切で重要な内容だった。オススメです。
内向の世界帝国 日本の時代がやってくる
増田 悦佐 / エヌティティ出版 (2009-11-26) / 1,836円28 users
読了:  2012年04月12日
経済おける世界の覇権国の歴史、変遷を独自の視点で解き明かした本。
17世紀のオランダ、18,19世紀のイギリス、20世紀の米国の共通点として、三段階の現象があるという。
第一段階は、二世代前の人口の急激の減少。第二段階は経済活動の加速。政治や文化は劣っても経済だけは一流という自意識を持つ。第三段階は経済に偏った自信過剰が暴走して金融恐慌を呼ぶ。
この段階が日本に当てはまるので、次の経済覇権国になるという論理はにわかに信じがたいが、日本の優位性の説明については、納得のいくところが多い。
悲観論が多いマクロ経済視点の中で、本書の価値は大きいと思う。
パギャル消費 女子の7割が隠し持つ「ギャルマインド」研究
西井 美保子 / 日経BP社 (2011-11-17) / - 28 users
読了:  2012年04月10日
ギャル的な価値観、消費行動は、いわゆるギャルでは無く、マインドの一部にギャル的な感覚のある女性(パギャル)まで呑み込んで、1兆円市場を形作っているという趣旨の本。面白い観点。
街を見ていたり、若い子達と接していて実感と合致する分析だった。

以下、メモ。

ギャルマインドは、「心(ラブ)」「技(デコ)」「体(ガッツ)」で構成されている(P19)

18歳〜34歳の女性800人アンケートによると、真ギャルが12.3%、パギャルが55.5%で、約7割がギャルマインドを隠し持っている。40歳でも1〜2割はいる。(P23)

ギャルは携帯で音楽を聴く。加藤ミリヤ、YU-A、西野カナを代表とした「辛いことや悲しいこととどう向き合うかをとうとうと語る歌」を「ギャル演歌」と名付けたのは、関西学院大学准教授の鈴木謙介氏。(P61)

ギャル演歌とケータイ小説の共通点
1)一文が短く、改行が多い
2)報われない恋愛モノが大ヒット
3)状況描写があまりなく、もっぱら主人公の目線で心の動きがつづられる
4)書き手と読み手の距離が近いから、同世代の感覚でわかる(P63)

カラオケでは、アゲ歌で踊って、ギャル同士の連帯感を深める(P66)

15歳から29歳の女性に「腐女子度」を訊くと42%は、自覚がある。オタギャルのバイブルは少年マンガ。10代ギャルは、ワンピース、君に届け、僕の初恋をキミに捧ぐ、20代はワンピース、のだめ
(P67)

つけまつげは、使用率40%を超えるギャルの必須アイテム。カラーコンタクト、メザイク(二重まぶたにするためのツール)と合わせて、三種の神器。(P143)
お金と正義(下)
神田 昌典 / PHP研究所 (2006-09-20) / 1,404円42 users
読了:  2012年04月09日
戯画的な設定で軽い文体だけれど、経営コンサルタントが本業の筆者が伝えたかった「物語」は理解できる。
巻末の物語の構成論は、別の意味でも勉強になった。
人たらしの流儀
佐藤 優 / PHP研究所 (2011-05-26) / 1,188円180 users
読了:  2012年04月07日
国際政治の裏側からキリスト教神学まで、深い造詣を持つ著者の中では、ライトで読みやすいエッセイ的な本。著者に興味を持った方の入門には最適だと思う。けれど、決して浅くは無く、人間関係について考えさせられる本。動物行動学の人間篇みたいな側面も。
格差社会論はウソである
増田 悦佐 / PHP研究所 (2009-02-26) / 1,944円72 users
読了:  2012年04月06日
証券会社のアナリストによる、世界の中の日本論。非常にユニークだが、的を得ている。
メディアの通説の誤りを独特の歴史観と様々な数値から指摘している。語り口調の文体は読みやすく、面白い。
「知識人は、悲観論を語ることで(無意識に)自分たちの存在意義を見いだそうとしている」という指摘は同感。
他にも「(諸外国と比べて比率が著しく低い)極貧層4〜5%への対処に取り組む日本は課題先進国」
「変化の激しいIT産業の国際競争力で日本が23位に落ちたことを強調して人口1億人以上の国の中での
総合経済力が2位である情報をださないマスコミ」「日本の農業問題は経営規模の拡大化と既存の農民と調整なので、農業後継者が少ないことは、スムーズな調整という意味で日本にとってプラス」など、興味深い指摘が多い。

興味深いデータとしては、
・BBC2008年調査で日本は世界に好影響を与えた国で31%と1位。悪影響を与えた国では2%で2位。つまり好感度世界一位の国。
・国家公務員1種採用試験申込者数が、1997年の45000人をピークに減り続けている。(P103)
・世界一観光業者に好まれる「ベスト・ツーリスト」賞も受賞している(P130)
などもある。
江戸の卵は1個400円! モノの値段で知る江戸の暮らし (光文社新書)
丸田勲 / 光文社 (2011-04-15) / - 55 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 日本史 登録日:2012年04月06日 19時52分22秒 2012/04/06
読了:  2012年04月05日
江戸時代、町人文化が花開いた文化文政期(1804〜1829)には、(当時のパリやロンドンが60万人だった)江戸は100万人の人口を持つ世界一の都市だった。江戸の生活、社会、文化を物価から眺める本。読みやすいし、面白い。

以下、気になったところをメモ。
・江戸は都市機能も良好。水道も引かれ、金鉱の農家の肥料を買い取って使う循環型社会で、清潔だった。1200以上の寺子屋があって、識字率70%も世界一!

・金貨一両=銭四分=銭16朱(四進法)、金貨一両が銀65匁、金銀銭の三貨制度。庶民は銭を使った
本書では、現代の物価と換算は、一文=20円、銀一匁=2000円、金一両=128000円

・当時の米の消費は成人二人に子供一人の家族で1日一升。今は一人当たり1日1合という計算になる。
ちなみに、家賃は安くて、食費(特に米)は高かった。
傘は高級品で、1本600文〜800文

・駕籠は贅沢品で、日本橋から吉原まで二朱。江戸っ子が見栄をはって、駕籠で吉原通いをした。

・子供の9割は私塾である寺子屋に通い、読み書きそろばんを習った。識字率70%は、イギリス20〜25%、フランス14%に比べても非常に高い。

・庶民向けの弓戯場として「矢場」が盛ん。矢返しする女は娼婦でもあった。危険なことを「やばい」というのは、この「矢場」が語源。
・吉原は官許の色里だったが、派手好みだし、しきたりが多い。闇の遊女が集まる場所は「岡場所」と呼ばれ、気楽に遊べる場所として人気だった。
十字軍物語〈3〉
塩野 七生 / 新潮社 (2011-12) / 3,672円104 users
読了:  2012年04月03日
大ファンである塩野七生さんの最新刊。今回も素晴らしかった。
僕の西洋史は、「塩野史観」に思い切り染まっているので、ローマの歴史とルネッサンスの輝き、ヴェネツイアに代表されるイタリア都市国家が軸になっている。今回の十字軍物語で、その間の中世の見方の基準ができた気がしている。
個人的に、この1500年間は、人類史における「一神教暗黒時代」だと思っているのだけれど、ルネッサンス前の数百年前は、その中でも最も暗黒だね。カトリック教会が人間を不幸にしていたとしか思えない。当時の人たちは教会に救われたと思っていたのだろうけれど。キリスト教とイスラム教の争いにユダヤ教徒が絡むという構図は現在にも続いているけれど、はやく人類が絡み合った悪しき糸から早く脱出する知恵を持って欲しいと思う。宗教は本当に信じている人と、現世的な欲得のために建前として利用する人が居て、同一人物に両面あったりしてややこしいよね。先祖と自然を崇拝して八百万の神に祈る日本など東洋の宗教観の方が健全だなと改めて思った。
この本は宗教という面だけで無く、様々な人々の群像としても非常に面白い
第三次十字軍で活躍するイギリスの獅子心王リチャードや、第六次を率いる神聖ローマ軍の皇帝フリードリッヒはリーダーとして非常に魅力的だ。自国の拡大しか考えずに権謀術ばかり長けたフランスのフィリップ王や、どう見ても無能にしか思えないフランス王ルイ。キリスト教史観に縛られた欧州の歴史家評価と塩野さんの評価のずれも面白い。
最後にはモンゴルの脅威が出てきて、自分の中で歴史が繋がった感覚が持てた。読んで良かった。
勝負は試合の前についている!
読了:  2012年03月29日 星3つ お気に入り
アメリカNYでスポーツマーケティング会社を経営する筆者のアメリカスポーツビジネス事情。実例も抱負で非常に面白い。勉強になる。スポーツチームとホームグランドの都市の関係など、日本のスポーツ界、エンタメ業界がアメリカから学ぶことは、まだまだあるんだな。アメリカの奥深さを感じた。スポーツチームを商品であると同時に公共財として捉えて、それを最大化しようとする努力は素晴らしい。

以下、読書メモ。

●MLBのオーナーの条件は、(P12)
1)球団経営を主な目的とする所有
2)営利目的での所有
となっていて、法人による球団保有は禁止。

●JPモルガンによると、四大スポーツでは、過去に200回以上のチーム売買。最も投資収益率が低いNHLでも年平均成長率は11%。NFLは34%と高い。(P14)

●MLBがスト後の15年間で売上高を5倍増の70億ドルにした期間に、日本のプロ野球の売上高は1200億円とほとんど変わっていない(P19)

●米国スポーツビジネスの黎明期を創り出したパイオニアであるビル・ヴエッグ氏は、数々の球団のオーナーを歴任。エンターテインメントとしての野球を推進。1991年にはMLB殿堂入り(P28)
・ユニフォームの背中に選手名を入れた(選手が誰かわかりやすくするため)
・ホームランが出た際に花火を打ち上げた
・夏に半ズボンのユニフォームで試合を行った
・チャンスに代打を出すかどうか、観客の多数決で決めた
・観客席を明るい色に塗り替えた
・スタジアムから最寄り駅まで街灯を設置して足を運びやすくした
・7回表終了時に「私を野球に連れて行って」を歌うようにした。(歌好きの実況アナウンサーのブースに隠しマイクを仕掛けて球場中にオンエア)

●その息子のマイク・ヴィレッグ氏は、独立リーグのセントポール・セインツのオーナーとして手腕を振るっている。球団スローガンは「Fan is good」(楽しいことはいいことだ)(P31)
製品(=試合)自体のクオリティが低くても別の付加価値を付けて、ブルーオーシャンを開拓しているセイントの施策は、
・ジャグジーに入りながら観戦できるジャグジー席
・キャンピングカーを改造したパーティー席
・温室を改造したような「サンルームスイート」(冷房完備)
・スポンサー看板に垂れ下がるロープにぶらさがる「特別席」
・山荘風のロッジ席
・球場内に卓球台が置いてあって、遊べる
・始球式のボールをブタが持ってくる
・「終球式」をファンが行う
・最小観客動員試合の記録達成を祝う日(5回までファンは球場の外でBBQして待つ)
・マリオブラザーズの日(3/10)
・こどもの日(大人は入場禁止)
・コンパスの日(飛行機型のコンパスを先着2500人に無料配布)

●MLBと提携しているマイナーリーグは、メジャー球団とPDC(Player Development contract)を結んで、人件費、備品などを負担させている。

●メジャーリーグ球団は、球場は戦略的に重要。日本のように使用料を払うことは無く、逆に「チーム移転」をちらつかせて、飲食などの利権を得ている。(P56)

●レッドソックスは、関連会社FSGで、様々なサイドビジネスを展開。得たノウハウで他球団ともビジネスして大きな利益をあげている。(P58)
球場で写真をとると、urlの書いたカードを渡されて、後日アクセスすると、その写真のマグカップなどが買えるサービスとか。

●球団の経営状況が悪化した場合は、リーグが暫定保有するという中古車販売業者のような役割を果たす。球団資産価値の値崩れを防ぎ、リーグ全体のマーケットの低下を防いでいる。(P130)

●米国モデルが、リーグ全体で利益を得る「共産主義型」なのに対して、欧州サッカーリーグは、開放型の自由モデル。(P134)

●ブルックリン・ドジャースのLA移転を決めたオーナー・オマリー氏は、NYのファンから憎まれ、「ヒットラー、スターリンと並ぶ3大悪党」と言われている(P168)

●NFLが全球団をまとめてテレビ放映権を売ろうとした際に、放送局から反トラスト法で訴えられたが、スポーツは社会の公共財などで適用外という主張を認めさせた。(P196)

●LAオリンピックを成功させたユベロス氏は、分野ごとに1社に独占的に与えるスポンサーシップ制度を考案して、協賛金を引き上げた。その後MLBのコミッショナーとしても同じ手法を用いた。「2・2・1」プログラムというテレビCMなどのメディアスポンサー料で200万ドル、全チームへのスポンサー契約で200万ドル、ロゴ使用などの権利スポンサーで100万ドル。の3年契約でMLBの財政を立て直した。(P222)

●独占が進むスポンサーシップ制度に対抗するゲリラ的な作戦が「アンブッシュ(奇襲攻撃)・マーケティング」が始まる。ナイキは選手個人との契約等で対抗した。また、VISAカードがスポンサーになった1992年アルベール冬期オリンピックの本部ホテルのカードキーの裏をアメックスがスポンサーして便乗するという作戦が成功した。(P229)

●米国でもっとも観客を集めるのは、ストックカーのレース。NASCARが運営するファンを巻き込んで成功。B2Bカウンシルというスポンサー企業同士の協議会をつくって、ノウハウ共有、スポンサー企業間のビジネスチャンスの最大化を行っている。(P242)
ソーシャルメディア炎上事件簿
小林 直樹 / 日経BP社 (2011-08-25) / 1,512円65 users
読了:  2012年03月17日
ソーシャルメディアに関するトラブル(いわゆる「炎上」)を、解説した本。30の実例を丁寧に追いながら説明していてわかりやすい。ソーシャルメディアに対する考え方も偏見無く、正しいと思った。特に企業のソーシャルメディア担当者などにとって適切な入門書。

以下は、_φ(・_・

ソニーが2005年にiPodに対抗して「ウォークマン体験日記」というやらせブログが、炎上した。ソニーはやらせは認めずに、「消費者に誤解させた」と謝罪。(P56)

2011年1月14日にドミノピザジャパンが行った「イケメンドミノ25コンテスト」でのトラブル。大量投票が行われて、主催者ドミノが疑われる(おそらく冤罪)ことになり、システム不具合も起こして、コンテスト自体が中止になった(P86)

エイベックスが2チャンネルのネコ「モナー」に似たキャラを『恋のマイアヒ』で使って、しかも
インスパやされた別のキャラクターと主張して、商標登録出願をしようとしたが、抗議の声に、登録取りやめ。(P120)

NTTドコモがプッシュトークのプロモーションでmixi公認コミュを活用したが、マイミク申請などの対応が悪くて、mixiユーザーから相手にされずに閉鎖に。(P124)

2009年10月KDDIがツイッターハッシュタグが、既存とかぶっていたのに強行しようとして炎上。(P126)

匿名アカウントでも個人情報が分かってしまうケース。稲本選手のウエスティンHTLをツイートした女子大生の場合。ツイッターのアカウントのイニシャルから名前を予測して、ミクシィで検索。登録リストから高校名や社名などが推測できる。過去のツイートから行動パターンが読まれるなどで、すべてわかってしまった。(P150)

従業員のソーシャルメディア活用も意識したガイドラインには、米IBMのソーシャルコンピューティングのガイドライン(SCG)、米コカコーラの「ソーシャルメディア利用に関する行動指針などが策定。
天地明察
読了:  2012年03月16日 星2つ
江戸初期(家光〜綱吉)の、棋士が主人公。囲碁よりも算術に興味を持ち、天体研究をして、適切な新しい暦を定めるのがメインストーリー。天才算術家、関孝和との交流も興味深い。
暦にフォーカスしながら、太平の世が定着していく江戸時代の日本を描く歴史小説としてもリアリティが感じられる。
編集進化論 ─editするのは誰か? (Next Creator Book)
読了:  2012年03月12日
素晴らしい。気鋭の編集者達が、「編集とは何か」を自分たちに問いかけながらまとめた良書。
編集者志望者はもちろんだけれど、クリエイティブな仕事に関わる人は読むべき本。
以前からうすうす感ずいていたけれど、音楽プロデューサーやアーティストマネージメントと「編集者」は、本来的には、基本的に同じ職業なのだと確信した。
「同業者」として、この本と、この本を「編集」しようと思った志を賞賛したい。

以下、気になった箇所のピックアップ。
・「編集とは翻訳である」一つの世界を別の表現に翻訳し、そのコンテンツを別の世界の人にも分かって貰うことだというのです。その場合の編集者とは、広いフィールドに飛び出て、それまで出会うことのなかったaとbの間に「動線」を引き、新しい「交通」や「関係」を切り開く者を意味します。(P11)

・編集の仕事は、ブリコラージュ=寄せ集めてつくること(クロード・レヴィ=ストロース)やシャドウワーク=影の労働(イヴァン・イリイチ)とどこか似ています。近代的な「生産」や「市場」の論理だけでは説明できない、数値化しにくい仕事の範疇です。裏方仕事であると同時に、目の前にある異なる素材を巧みに組み合わせプレゼンテーションする創造的な仕事でもある(P12)

・編集は「と」の仕事。「と」はVSにもなるし、andにもなるし。withにもなるし、orにもなる。いろいろな組み合わせで二つの文化をつき合わせられる。by 仲俣暁生 (P28) (P169)

・「聖地は標高1000mに集中している。」「聖地というのは土地の持つ能力なので、宗教は入れ替わってもその場所は聖地であり続ける」『聖地の想像力』植島啓司著より (P29)

・雑誌の原価計算例:実売率(70% )、取次&書店取り分(約4割)、印刷コスト(10万部で約800万円)
単行本の原価計算での印刷費は(5000部で100万円)

・情報アーキテクチャは、編集者リチャード・ソウル・ワーマンが70年代に提唱された広いコンセプト・ウエブにおけるフォーマットデザインは、この流れで「狭義の情報アーキテクチャ」と定義されている(P71)

・インディペンデントで雑誌を発行する人は減っているが、今だからこそ価値があるはず。人の意識の在り方が一方的にふれやすくなっている今日、枠にはまらない発想をもった編集者が自分の手でメディアとをつくりだしていくことは、現実の均質性を突き破る有効な武器となり得るのではないでしょうか。by 庄野祐輔 (P80)
☞この考え方は、「メディア」を「アーティスト」と置き換えれば、僕が「東京エスムジカ」「ピストルバルブ」などをはじめた動機と全く同じだ。そして、今の時代、アーティストはメディアだ。

・小さな会社の戦い方:プロジェクト編集における重要なポイントは3つ。1)新しさ、2)タイミング、3)面白さ。by 草彅洋平 (P91)

・編集者の物づくりは、「思い入れ」と「思い込み」と、あとは最後「客観性」by 福井盛太 (P108)
☞まさに、音楽マネージャーの仕事だ。

・編集という仕事にはあらゆる仕事のスキルが含まれている。予算管理とかマネージメント的なこともしないといけない。編集者って、実はスーパービジネスマンなんです。by 福井盛太(P116)

・THE BIG ISSUEは、1991年化粧品会社「ザ・ボディショップ」のアニータ&ゴードン・ロディックの出資を受けたジョン・バードによって英国で誕生した。ホームレス問題にビジネスで取り組んだ。英国版は週間10万部。
日本は2003年9月に日本で一番ホームレスの多い大阪で始まった。14都道府県で月2回3万〜3500部を発行している。(P154)
アジアで稼ぐ「アジア人材」になれ!
パク・スックチャ / 朝日新聞出版 (2011-06-17) / 1,620円25 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 登録日:2012年03月10日 16時12分53秒 2012/03/10
読了:  2012年03月10日
日本の教育内容、企業人事の問題点を的確に指摘、同時にこれから伸びるアジアで日本の優位性を発揮すべきと言う著者の主張に概ね同意見だ。
著者が15歳の娘をシンガポールに留学させたのは、日本の教育状況に危機感を持ったからで、そこも同感だ。ちょっと中国を過大評価しているきらいはあるけれど、大局観としては、正しいと思う。グローバル人材と言わずに、アジア人材と言っているところが、実践的でもある。欧米の流儀に必ずじも合わせる必要は無いけれど、アジアで通用する英語は必要という主張は、僕も実体験からその通りと思う。子供が居たら、旧態依然とした日本の中学、高校に行かせるのは躊躇するだろうな。
そして、日本人が世界視点で見たときの。日本の良さ、優位性に気付いていないというのは、僕も歯がゆく感じることが多い。
この主張を在日韓国人で、高校大学は米国で過ごした経営コンサルタントという経歴から来る特殊な意見としてではなく、日本の標準的な問題点だと、読者には認識して欲しい。

以下、読書メモ。
これからはダイバシティ(Diversity/多様性)が必要だが、頭で理解しただけで無く、「体得」が必要。言語、宗教、生活習慣、価値観などが異なる人と実際に接し、差違や摩擦を肌で感じて、その上で「違い」を受け入れ、「違い」に価値を見いだすこと。(P17)

世界的に著名な投資家ジム・ロジャースがシンガポールに移住した理由は、幼い娘に英語と中国語のバイリンガルに育てること。(P25)

日本人は会社が自分や家族の面倒を一生見てくれると信じている。信じようとしているが、実際は無理。(P27)

日本は文化、歴史があり、清潔で便利。日本人は親切で勤勉。世界規模で見れば、日本や日本人の持つアドバンテージは信じられないほど大きい。(P29)

日本人の賃金は「そこそこ」の仕事を担うには高すぎる。世界のトップレベル。「そこそこ」を目指すと、日本の賃金はどんどん下がっていく。(P41)

サムソンの「地域専門家」制度。社員の語学力や勤務状況から候補生が選ばれる。概要は、
・恋人や家族を連れて行けず、たった一人でなにもかもしなくてはならない。
・派遣先の国に一年間滞在するのが何の仕事もしなくてよい
ようするに、体ごとその国に浸り、文化風習、メンタリティや行動パターンを、嗜好やニーズを学ぶというグローバル人材育成方法。(P99)

2004年韓国LG電子から発売された携帯電話「メッカフォン」は、1日5回の礼拝時間をアラームで伝え、メッカの方角もディスプレイするという機能で、爆発的な人気商品になった(P100)

イスラム圏の人口は約16億人、世界の23%。今後20年間で35%増加し世界の1/4をしめるという予測。

大塚製薬が90年より「ポカリスエット」を発売。毎年30%以上の伸び。販促策としてラマダン明けにモスクでサンプルを配布。(P109)

ヤマハ発動機は1997年にジャカルタで子会社を設立、アジア諸国の水事情改善のための小型浄水器事業を開始。微生物を使うので安価で提供できる(P115)

・グローバル人材に不可欠な5つのスキル+α
1)英語力:ネイティブで無くて良いから、どんどん話すこと
2)コミュニケーション力:空気は読んだりしなくてよいので。わかりやすく論理的に説明すること
3)異文化対応力
4)自己理解力
5)専門性
そして、一番大切なのは
「ダイナシティ力」

アジアは人種のるつぼアメリカ以上に多様性で複雑。(P134)

日本の観光消費の主役は既にアジア人。2010年の訪日外国人の消費総額は1兆1490億円(観光庁調べ)邦一期別では中国が2498億円と21.7%で第一位。韓国が1973億円、台湾が1000億円。(P162)

日本政府観光局(JNTO)発表だと2009年の外国人訪問数は、仏が7420万人、西が5223万人と自国の人口以上。日本は679万人で33位。香港、韓国、シンガポールよりも少ない。
魅力的でクリエイティブな世界の総合力格付け「Global Power City Index 2009」では東京はNY、ロンドン、パリに次いで4位なのに、潜在力が活かされてない。(P164)
インテリジェンス人間論 (新潮文庫)
佐藤 優 / 新潮社 (2010-10-28) / 594円118 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 政治 登録日:2012年03月10日 16時12分19秒 2012/03/10
読了:  2012年03月09日 星4つ
もう既に、著者のファンだけれど、この本も素晴らしかった。
インテリジェンス(諜報)的な視点からの政治家論や、過去の思想家の分析。クリスチャンである著者による神学的なキリスト論など、含蓄が有り、人生の智恵になりそうな本。
鈴木宗男は優秀で志も高い政治家だけれど、「騙すよりも騙される方が良い」と思ってしまう人柄の良さが、弱点になっているので、政治闘争を勝ち抜けなかった。そこに哀しみをみるという著者の情緒の深さに感動した。

以下、なるほどと思ったことメモ。

権力には魔物が潜んでいる。潜んでいるというよりも、自分の内部にこの魔物を飼っていかなくはならないのである。そこで生き残る二つの方法
一つは自分自身が阿修羅に成り、闘い自体に喜びを感じるようになること。
もしくは、ドストエフスキーが『カラマーゾフの兄弟』で描いた大審問官。
愛と平和を実現するために、自分の優しさを殺して、人々を騙し続けるのが政治家の業。

政治家と秘書の関係は恋愛に似ている。
橋本龍太郎と江田憲司秘書官、小泉純一郎と飯島勲秘書官、安倍晋三と井上義行秘書官、加藤紘一と佐藤三郎秘書官。

ロシアで政局を見るコツは男と男の愛と嫉妬である。

小泉氏が昔から靖国神社に強い想いを持っていた訳では無い。経世会の牙城である日本遺族会をとりこむため。すると、中国、韓国が過剰反応して、結果、日本のナショナリズムが刺激され、小泉氏の権力基盤を強化した。中国、韓国とは喧嘩するが、一番強いアメリカとは喧嘩をしないという「マフィアの技法」が小泉氏が長期権力を維持した秘訣。

トルクメニスタンの指導者があえて時代錯誤の中世王朝ような国家体制を構築するのは、ロシア、アメリカのような帝国主義国、トルコ、イランのような地域大国の恐ろしさを理解しているから。国境を開いて祖国が植民地になるよりも、閉ざして、資源を切り売りしながら、国民に最低限度の生活を保証し、数閏年賭けて、トルクメン人と国家の生き残りをゆっくり考えようとする方が、シルクロードの要衝で諸文明の衰亡発展を目の当たりにしてきたトルクメン民族エリートの英知。

何かのために自分の大切な命を捨てられるようになる覚悟を人間に持たせるのが「思想」。イスラム原理主義、マルクス主義、(北朝鮮の)主体思想、キリスト教思想も、基本的には「人殺し」を正当化する論理を含んでいる。だから、思想を扱うことと殺人は隣り合わせにあることを自覚していない思想家は無責任。戦争もその一つの形。
2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)
神田 昌典 / PHP研究所 (2012-01-19) / 907円968 users
読了:  2012年03月05日
著者は「日本一のマーケッター」。タイトル以上に踏み込んだ、歴史論だし未来予測だし、日本論。でも共感するところ、勉強なることが沢山あった。
日本人の優位性を活かして、これから10年頑張りたいと自分も思う。
歴史を70年周期で捉えて、明治維新と太平洋戦争と東日本大震災というのがちょうど70年と説明している。決して、「ノストラダムスの大予言」的なオカルトでは無く、歴史は繰り返すという考え方の中で、そしてあくまで目安としての比較なので、なかなか興味深いし、説得力がある。
140年前の明治維新での転換は人的犠牲が少なかった。(戊辰戦争で1.3万人、西南戦争で1.2万人)一方、70年前の太平洋戦争では、7200万人の人口中300万人超が死んでいる。ここから何を学ぶかという問いかけは興味深い。
日本に生まれからには、日本が沈むときは一緒に沈む覚悟、でも沈ませるものかという著者の姿勢に大賛同。

以下は読書メモ。
●年表
1931:満州事変☞2001:アメリカ同時多発テロ(9/11)
1936:2・26事件☞2006:ライブドアショック
1940:大政翼賛会成立☞2009:民主党政権交代
1941:太平洋戦争勃発☞2011:東日本大震災
1942:ミッドウエー海戦☞2012:国家財政深刻化?
1943:学徒出陣☞2013:国際金融市場の破綻?
1944:学童の疎開促進☞2014:地方への移住急増?
1945:原爆投下、終戦、財閥解体☞2015:東京直下型大震災、大企業の相次ぐ破綻?
1946:新円切り換え☞2016インフレ、預金封鎖?
1950:朝鮮特需☞2020:ようやく新産業の芽が出る?

・人口動態に基づく経済予測で名高い米国のエコノミスト、ハリーSデント氏の予測法を単純化すると、景気は46歳〜50歳の人口の増減で決まるというもの。人生で最もお金を使う年代で節約が難しい。
・北朝鮮の国家体制が落ち着けば、日本・中国・韓国を中心に「儒教経済圏」を形成する。年長者を敬うなどの共通の価値観でアジアを牽引する存在になる。2025年頃にはASEAN含めた経済圏(EU的なもの)がアジアにもできる。
・人口ピラミッドからみた各国の趨勢(p102)
 1)日本は2020年まではまだいいが、その後は一気に下り坂
 2)中国の勢いは2020〜25年頃まで続く
 3)韓国の勢いはますます加速、2025年頃まで続く
 4)東南アジア諸国が勢いづくのは2030年頃〜
 5)インドは2050〜60年には世界最大のGDP国になる
・日本はアジアで最も西欧文化と虜抱くにであり、橋渡しができるきわめて重要なポジションにいる(P109)
・商品の成長カーブ。導入期、成長期、成熟期は同じ期間になる。導入期から成長期の入り口までの期間がわかると商品のライフサイクルがわかる。それが終わるまでにイノベーションを施さないと、その商品は終わる(P125)
・これからの10年は「平成の文明開化」になる。明治との違いは、日本だけで無く世界レベルで起きるので、日本人が模倣するモデルが無い。世界に向けてモデルを創り上げることが日本人の仕事だ。(P157)
・これまでの経営は、「経営の効率性」「商品・サービスの革新性」「顧客との親近感」と相反する3つの要素をすべて強化して、バランスをとる必要があった。以前は会社内に共同体意識があったからできたが、これからは無理。自社の競争力を生み出すコアの文化を明確にして、不得意分野については積極的にアウトソーシングすることによりスピーディーに事業展開できる。(P224)
・音響機器の設計士の脱サラ例。経験を棚おろしし、自分のプロフェッショナリズムを発見。「間違いだらけの音響設計」というブログを発信してオーディオ好きにアドバイス。オーディオメーカーと提携して、SNSで知り合った仲間とプロジェクトチームをつくる。という風にやれば成功する確率が高い(P230)
・次世代産業の立ち上げまでを視野に仕事ができるのは、様々な経験を積んだ40代だからこその特権だ。次世代ヒーロー達に戦後から続いた日本人の魂を橋渡しできるのは40代。過去に収穫された稲穂を奪い合うような浅ましい精神とは決別して、新しい大地を耕し苗を植えているという地道な作業を、共同で取り組むことを決意しなければならない。(P240)
☞素晴らしい言葉で、100%共感する。

プロフィール

音楽プロデューサー、コンテンツオーガナイザー。『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)上梓。(株)バグコーポレーション代表取締役。(社)日本音楽制作者連盟理事
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