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カテゴリ 読書 購入 お気に入り 61 - 90件目 / 620件 日付
とてつもない日本 (新潮新書)
麻生 太郎 / 新潮社 (2007-06-06) / 734円278 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 政治 登録日:2012年12月08日 10時06分24秒 2012/12/08
読了:  2012年12月08日
元首相の日本論。日本人が国際的な自分たちの価値を過少評価していて、もっとポジティブであるべきという主張は強く同意。ポップカルチャーへの認識含めた、その他の部分も概ね賛同できる。
高齢化についてもネガティブばかりとらえずに、年齢関係なく元気なら仕事をしてもらい、安全な日本に海外の富裕な老齢者には住んでもらえばよいという発想も斬新だが、賛成。
よく見たら2007年の著作で首相になる前に書いている。その割りには、自己宣伝が少ないところにも好感が持てる。その後の知見で続編を書いて欲しい。

・アジアにおける「ソート・リーダー」は日本だ。「成功のみあんらず、むしろ失敗例を進んでさらけ出す」「実践的先駆者」である。
「ナショナリズムの扱い方」についても失敗を経て、成熟したのは、まさに「ソート・リーダー」になり得るのでは無いか?
⇒アジアに対する日本の位置づけの論理として優れていると思った
・環境問題も日本は「ソート・リーダー」たり得る。GDP1単位を産み出すのに。アジア主要国は原油を1必要とするのに、北米はは0.5、日本は0.25。日本経済のエネルギー効率はアジアの4倍、北米の2倍である。
・日本は「ビルトイン・スタビライザー」=安定化装置の役割も担っている。アジアに対する経済援助、ODPは多額。2007年までの11年間で合計300億ドル。
・Peace and happiness through Economic Prosperity and Democracy.(よくつかう言葉)
・九州工業大学情報学部を創設させたのが1985年。九州のIC生産のシャアは4割りになった。九工大はつんベンチャー企業数が25社で全国で8位。
・江戸時代の日本は、世界的に見ても珍しく平和に、ガバナンスがうまくいっていたから、民主主義、平和、自由、人権といった「普遍的な価値」が定着しやすかった。
社長、商標登録はお済みですか?
平野 泰弘 / ダイヤモンド社 (2012-07-27) / 1,620円16 users
読了:  2012年11月04日
タイトル通り。期待を裏切らず、登録商標に関する初歩的な知識が実例含めて、手に入る本。エンタメ関係者は一読の価値あり。

以下、読書メモ
2008年にアイホン株式会社とアップル社は、携帯電話「iPhone」に関して、アイホン株式会社が保有する商標権について、アップル社に使用許諾を与え、日本以外の地域では両社の商標が共存することで友好的に合意したと発表。(P94)

「朝専用缶コーヒー」は、誰もが使える名称なので商標登録できなかった。(P110)

「和歌山ラーメン」が商標登録できて、「喜多方ラーメン」ができなかったのは、申請者の組合にはいらずに既に「喜多方ラーメン」で商売をしているお店がたくさんあったから。(P125)

東京スカイツリーの中国語表記は「東京晴空塔」で、商標も出願している理由は、自然な訳である「東京天空樹」が、既に中国企業によって登録されていたから。(P142)

「キティ」の友達としてサンリオが描いたウサギのキャラクター「キャシー」が、オランダの絵本作家ディック・プルーなーが創作した「ミッフィー」の著作権と商標権を侵害していると訴えられ。
東日本大震災を契機に、サンリオとオランダのメルシス社は、和解し、共同で15万ユーロを義援金に充てた。(P160)

「白い恋人」の石屋製菓が、吉本興業のジョーク商品「面白い恋人」を提訴して、「面白い恋人」の年間売上6億円の20%を損害賠償請求し、係争中。(P180)

「コンバース」を正規輸入ではない会社が、並行輸入した件が、「商標権侵害」と認められたのは、商標権の「出所表示機能」「品質保証機能」という商標権の目的と権利の考え方の基づく。(P186)

商標登録のプロセスは、
調査⇒出願⇒審査⇒登録
1)商標および指定商品、指定役務(45の区分に別れていて区分ごとに課金対象)を決める
2)商標調査(類似があるかどうか)
3)提出書類の作成と出願
4)特許庁における審査(一般的には半年〜一年間0
5)商標登録の手続き
6)登録証の発行
7)商標権の更新(10年ごとに更新手続き)
少女時代と日本の音楽生態系 (日経プレミアシリーズ)
三浦 文夫 / 日本経済新聞出版社 (2012-10-10) / 918円9 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 音楽 登録日:2012年11月04日 15時24分56秒 2012/11/04
購入:  2012年10月21日 893円
読了:  2012年11月01日
韓国と日本のポップミュージックを比較しながら、J-popの歴史とポピュラー音楽産業の構造を描いた名著。文化論とビジネス論がバランス良く混じっているところが好き。現在進行形のポップミュージックを語るには、両方の視点での理解が不可欠だから。
筆者は、日本のコンテンツ業界に欠くことのできない存在で、関西電通時代にradikoの成立に奔走された頃から、良く存じ上げている尊敬する先達。大学教授の肩書きは似合うけれど、もっともっと実業に関わっていただきたい。
この本でも、普通の広告マンや研究者にありがちな、上っ面な批評では無く、業界事情に精通した上で、ポリシーとビジョンを持って書かれているので、オススメです。

以下、読書メモ。
ベリー・ゴーディは1929年デトロイト生まれの元ボクサー。「モータウン」を1959年に設立
渡辺晋は1927年生。早稲田大学時代にジャズバンドを結成、1955年に渡辺プロダクションを設立。
ベリー・ゴーディ、渡辺晋、イ・スマンの共通点は、エンタテインメントビジネスを近代化し、その地位を向上させたこと(P85)

「SMタウン」は、2008年行こうに、ソウル、上海、バンコクなどで開催、2011年にはパリ、そしてニューヨークのMSGで行われた。(P134)

2011年5月に韓国政府は「コンテンツ産業振興基本計画」を発表、コンテンツ産業のGDPに占める割合を2009年の2.7%から15年には5%まで引き上げるとした。そのために2013年までに一兆6000億ウォン(約1100億円)の国家予算を投じる。ソウル郊外にアジア最大のコンテンツシティを建設し、「アジアのハリウッド」とするとしている
韓国コンテンツ振興委員は、海外展開を目的とした事業の最大50%まで補助している。
2011年11月に訪韓したグーグルのエリック・シュミット会長は、李明博大統領を会談し、YouTubeにK-pop専門チャンネルをつくることを約束した。
(P157)
⇒日本との差に愕然とする。日本政府に爪のアカを煎じて鼻の穴から突っ込みたい気持が押さえきれない。

安室奈美恵の2009年リリース「PAST<FUTURE」は、日本、台湾、韓国、香港、シンガポールの五ヶ国で初登場一位をいう快挙。
(P181)
使える! 通じる! おやじギャグ英語術
佐藤卯一 / 飛鳥新社 (2012-02-25) / 1,296円42 users
読了:  2012年10月23日
1965年からはとバスの外国人向けのツアーガイドで、今の現役という筆者。
場を和ませる「おやじギャグ」視点での英語論。
企画モノっぽいタイトルだけど好著。
比較文化論にもなっていて、日本人が自分たちの文化や習慣をどう説明するかということに明確な方針を持っているのが素晴らしい。
観光旅行中というシチュエーションのガイドという立場だからという前提はあるけれど、宗教に関する説明も明快だ。
気軽に読める本だし、オススメ。

面白かった英語でのギャグ
This is a pen.
It's first English sentence we learn in Japan. But we never use it in life.

Even Homer somtimes nods.
(ホメロスも居眠りする=弘法も筆の誤り)

皇室はthe Imperial Family
天皇はemperor

I am a believer of Japanese deities.
deityは神、神格や神性という意味で多神教の神様を意味する。Godを使うよりクリスチャンにとって受け入れやすい。

Japanese tolerant people. We accept all deities.

We are both Shintoists and Buddhists at same time.
When we have happy occasions like a wedding, the ceremony is held at Shinto shrine.When someone dies, the funeral ceremony is held at a Buddhist temple so that the dead person can go to Buddhist Paradise.
Once a year, all Japanese become Christians when Christmas comes.
Japanese are very religious people. Very flexible!

和語には「お」がつき、漢語には「ご」がつく。

The shogun took the political power from the Emperor
The last shogun returned the political power to the Emperor.
Shogun= the head of samurai warriors
ソーシャル時代に音楽を“売る"7つの戦略 “音楽人"が切り拓く新世紀音楽ビジネス
購入:  2012年10月25日 1,680円
読了:  2012年10月18日 星5つ お気に入り
すいません。四人の著者の一人です。忌憚の無いご意見を伺いたいです。
FBページもあるので、よければいらしてください。発刊後に継続的に意見交換をする場を持っていきたいと思ってます。
http://www.facebook.com/socialmusic7
ゆれる [DVD]
カテゴリ:DVD DVD / 日本映画 登録日:2012年10月14日 13時17分30秒 2012/10/14
読了:  2012年10月14日
観逃していたのでチェック。西川美和監督は若いのに日本的というか日本文学的というかそんな情緒が映像の質感と台詞にあって、熱狂的なファンがつくのは理解できる。才能あると思う。カタルシスとかハッピーエンドとかなくて、投げ出すようなエンディングは、もはや持ち味と言えよう。
俳優陣がみんな上手に見えるのは監督の力もあるよね?佳作です。
グロービッシュ実践勉強法
手島 直樹 / 日本実業出版社 (2011-08-02) / 1,512円46 users
読了:  2012年10月06日
非ネイティブの英語をポジティブに捉える「グロービッシュ」に関する実践的な提案。参考になる視点がいくつか提示されている。
グロービッシュって言葉(概念)は聞いたけど、どういうこと?って思った人の入門に良いと思う。
リアルフリーのビジネス戦略
高橋 仁 / 幻冬舎 (2012-01-27) / 1,000円105 users
読了:  2012年09月30日
意欲的なビジネスモデル提唱本。
価格破壊の「脱毛サロン」のチェーン店で成功している著者が、自らのビジネスを先に進めて、エステのサービス自体は無料にして、成り立たせることに挑戦すると言っている。
ユーザーのネットワークをコミュニティとすると同時に高ブランドメディア化するという考え方自体は目新しくないけれど、それに具体的に挑戦しているのは、「評価経済」時代を標榜している岡田斗司夫のオタキングex以上にラディカルだなと思った。どうなるか知りたい。

ジンコーポレーションの基本方針
・徹底した薄利多売
・会員組織が大きくなるほど広告費は限りなくゼロに近づき、固定コストを引き下げてくれる
・膨大な課員数を持つコミュニティはマーケティングや商品開発に活かせる資源
・囲い込んだ会員に物を売っては駄目。短期的な利益を負わず、コミュニティを拡大することを追求
・サービス・商品で無く、コミュティにそのものから利益が得られたら、リアルフリーは完成する

リアルフリービジネス事業計画書
1)対象とする業界・・業界現状とその業界でリアルフリーが成立すると考えた理由
2)コストを引き下げる具体的な手段・・人件費、原材料費、店舗運営費などを既存企業に比べて劇的に下げる方法
3)価格戦略・・・企業時から10年程度の価格の推移
4)その他・・・既存企業に対して優位を築くための方法
mailto:realfree@jin-co.jp
東京プリズン
赤坂 真理 / 河出書房新社 (2012-07-06) / 1,944円135 users
読了:  2012年09月30日
凄い小説。
東京裁判の欺瞞と自分の人生を重ね合わせている。
重く深い内容で、読み切れなかった感があるので、もう一度ちゃんと読みたい。
僕と同じ年齢の著者が何故、天皇の戦争責任と日本人にとっての太平洋戦争について、小説にしたのかその背景を知りたい。
成功のコンセプト
三木谷 浩史 / 幻冬舎 (2007-10) / 1,512円175 users
読了:  2012年09月21日
三木谷社長が楽天を成功させた秘訣についてまとめた本。いわゆる成功譚ではあるけれど、参考になるところも沢山ある。
これから事業を興そうと思っている若者には有益と思う。

なるほどと思った三木谷語録。特に三つ目は強く同感。
・改善することが前提の改善モデル
・改善は凡人を天才にする方法なのだ
・ビジネスで成功するかどうかの鍵は、結局の所、仕事を人生最大の遊びにできるかどうかだ

インターネット商店街のインフラでは大成功した楽天だけれど、電子書籍ビジネスの参入では、ケチがついた状態になっている。ユーザーからのブランドイメージも下がっていると思う。商店街はBtoBモデルだけれど、電子書籍はBtoCモデルだ。「読書」ということをもっとリスペクトして、楽天KOBOが「改善」を重ねていってくれることを期待したいなと強く思った。
首長パンチ--最年少市長GABBA奮戦記
樋渡 啓祐 / 講談社 (2010-12-08) / 1,620円43 users
読了:  2012年09月16日
佐賀県武雄市で、史上最年少市長になった樋渡さんの著作。1年半前の本だけど、臨場感あり。ところどこはイニシャルになっているけれど、実名も沢山でてくるから、関係者には、それこそパンチのある本だろうな。でも、暴露本的な気分の悪さは0。むしろ信念がある人の潔さがある。政治家にありがちな自慢話では無くて、読後感は青春小説みたいな爽やかさ。
ブログも面白いけれど、書籍にまとまっていると読みやすい。定期的に続編を書いていって欲しいな。地方自治体改革の貴重な記録でもある。
観光と農業が主産業で人口5万人に地方都市のがんばりは、日本中の小さな街にとって、ロールモデルになる。日本再生のヒントは、こういう現場にあるのだと思う。オススメです。
本当は怖い洋楽ヒットソング ~あなたの知らない、あの曲の本当の意味~
読了:  2012年09月09日
面白くて、ためになる。
「Mary Jane」はマリファナを歌っていた「Marijuana」⇒スペイン女性の2人の名前「Mari」と「Juanna」からきている。作詞は米国で生まれ育った日本人蓮見不二男のペンネームがクリストファー・リン。慶応大学生、成毛滋の「ザフィンガーズ」ではキーボードで参加、その後、成毛がつくった「ストロベリーバス」に英語歌詞を提供、そこにドラマーとして参加したのがつのだひろという歴史だそうだ。
探偵はBARにいる 通常版 [DVD]
カテゴリ:DVD DVD / 日本映画 登録日:2012年09月09日 09時59分10秒 2012/09/09
読了:  2012年09月09日
脚本は練られていて、ハードボイルド風味のコメディタッチのというバランスは良いと思うのだけれど、大泉洋が主役って言うのは無理があるなというのが率直な感想。
ブロードウェイと銃弾 [DVD]
カテゴリ:DVD DVD / 外国映画 登録日:2012年09月09日 09時57分40秒 2012/09/09
読了:  2012年09月05日
ウッディアレン作品の中でも、評価が高く、興行的にも成功した作品らしい。
実際、面白い。1920年代のニューヨークのブロードウエイが舞台。英語字幕でまたみたい。
アジアで負けない三流主義 (ゲーテビジネス新書)
森 幹雄 / 幻冬舎 (2011-12-24) / 780円7 users
読了:  2012年09月05日
全くの素手から、シンガポールで運送会社を成功させ、アジア各国にまたがる企業群をつくりあげた経営者の立身出世自伝。アジアでビジネスをする際の重要なアドバイスが含まれている。
池上彰の宗教がわかれば世界が見える (文春新書)
池上 彰 / 文藝春秋 (2011-07-01) / 864円418 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 宗教 登録日:2012年08月31日 14時58分39秒 2012/08/31
読了:  2012年08月31日
いつもながらわかりやすい池上解説はさすが。
日本人にとってとっつきにくい「宗教」を有名な宗教の歴史や特徴を日本人向けに上手にまとめている。それぞれの宗教の専門家から俯瞰して総合的に尋ねているインタビューも絶妙。豆知識的にも役に立つ内容がたくさん。
以下、なるほどと思ったことなどのメモ。

気候風土の影響。神様によってすべてが創られたとする一神教の厳しさは、砂漠の中だからこそ生まれ、育ったものでしょう。(P25)
イスラム教では、セックスは神様が私たちに与えてくれものだから、十分楽しめと、「コーラン」に書いてる。但、姦通は極刑。家族社会が崩壊しないように。
結果的に、子供が増える。イスラム教徒の人口は急激に増加している。ヨーロッパから見ると、イスラム教の脅威とは、人口の脅威でもある。(P54)

かつてドイツでは民主的なワイマール体制の中からナチスが生まれた。民主化することによって過激派が生まれてしまうことがある。アルジェリアでは民主化したら、イスラム原理主義勢力が圧倒的多数をとったので、軍部慌てて、クーデータを起こした。民主主義のジレンマ。(P55)

インド人のイメージはターバンを巻いた姿だが、実際にターバンを巻くのはシク教徒だけ。シク教徒はイスラム教の影響を受けて、ヒンドゥ教の一部が一神教徒に変わった新しい宗教で、人口の2%しかいない。なのにターバンがインド人の象徴になっているのは、イギリスがインドを植民地にした時に、少数派のシク教徒を重用したことにはじまる。ヒンドゥと違ってカーストが無いから、才能があれば誰でも取り立てられて、インドのエリートとなり、世界各地にイギリス人に連れて行かれるようになった。(P62)

島田裕己「今は、新興宗教より、既成教団の方が集金力がある。伊勢神宮は遷宮のお金が550億円必要といっているが、50年間,毎年40億円ずつ集めている」(P85)

釈徹宗「戒名は自分でつけても構わない。仏教との自覚も無く死語に名前をつけられて、お金までとられるのはおかしい」(P120)

高橋卓志「三回忌とか七回忌とかはお釈迦さんはまったく言ってない。江戸時代の檀家制度がきっかけに、役所の後追い調査のような意味で広まった」(P134)
「亡くなった人の魂が、49日の旅をして、輪廻か解脱か別れていく。7日ごとに魂を守ってくれる仏さんがいて、最初が不動明王、次が弥勒菩薩、と週番が決まっている。なので初七日や49日には意味がある」(P136)
「お寺を地域医療の核にすれば良い。介護保険制度と成年後見制度を取り入れればテラの仕事のハバが広がる」(P150)

パウロはユダヤ名ではサウロ。熱心なユダヤ教徒でキリスト教を迫害していたが、復活したイエス・キリストに呼びかけられて、目が見えなくなった。アナニアというキリスト教徒が神のお告げに従い祈ると、サウロの目から鱗のようなものが落ちて、見えるようになった。これが「目から鱗が落ちる」の起源。(P162)

山形孝夫「パウロが民族解放にもつながる壮大な救済論を掲げたことと、ローマ帝国の世界平和戦略が歴史の転換点で一致したのが、ローマ帝国のキリスト教国教化。唯一の神、唯一の皇帝、唯一の帝国という考え方でキリスト教徒と国家主義が密接に結びつき、キリスト教の十字架がローマ軍の勝利のシンボルになった」(P172)

安蘇谷正彦「アメリカ人が神道に入信したいとしたら、住んでいる地域の神社にお願いするしかない。氏子総大会を開いて決めること。」
「神道は稲作と結びついた日本人にとっての生活様式で、そこに仏教が入ってきて、神道でありながら、仏教徒でもあるという神仏習合は日本人の縦走性を示していておかしなことではない。」(P205)

飯塚正人「イスラム教徒に言わせると、モーセやイエスなどの預言者に対して神は伝えてきたのに、人々がその教えを曲解している。だから「コーラン」という最終的に正しい物をムハンマドに送って、それそそのまま保存しろと言った、ということ。」(P218)
「『ハディーズ』には、礼拝の方法などイスラム教徒がとるべき行動が書いてある。コーランを理解するための参考書」
浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)
島田 裕巳 / 幻冬舎 (2012-02-29) / 821円180 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 宗教 登録日:2012年08月17日 18時09分46秒 2012/08/17
読了:  2012年08月17日
仏教を中心に、日本における宗教の状況と歴史が総合的にわかる良書。勉強になった。

仏教の僧侶は、本来は俗世間を捨てて「出家」して修行するというものだったが、日本では、導入から仏教が国家主導で始まったので、正式な僧侶になるためには国家の許可が必要とした。(勝手に出家したのは「私度僧」と区別された)
僧侶が官僚だった頃の宗派は、「学派」に近かった。 (P21)

江戸時代に「本末制度」が導入されて、個々の寺院が本山と主従関係を結ぶことが強いられて、教団組織が明確化されて、それぞれが独立性をもつ宗派としての意識が強化された。(P25)

宗教法人は「認証」で一定の条件を満たしている団体は届け出さえすれば宗教法人格を獲得することができる。公益法人の「認可」とは違う。(P26)

日本の仏教は、中国で流行していた最新の仏教が伝えられた。インドとは違う流れで、日本には法華信仰、密教、浄土教信仰、禅という4つの流れが生まれた。(P29)

密教はインドの大乗仏教の最後の段階で生まれた、仏教信仰が土着のヒンドゥ今日と習合して生まれた。他の大乗仏教の教えは、まだ秘密の教えに達していない「顕教」としてとらえられる。(P31)

浄土教信仰は来世信仰の一種で、死後に西方極楽浄土に生まれ変わることを願うもの。浄土というとらえ方はインドの仏教には無い。インドでは輪廻の繰り返しによって区がもたらされることを強調する。(P32)

法華信仰、密教、浄土教信仰が公家、武家、庶民まで広がったが、禅は限定的だった。ただ、茶道華道武士道に影響を与えて、日本独自の文化を形成することに大きく貢献した。(P33)

神仏習合を正当化する理論は「本地垂迹説」が名高い。他の宗教でも「シンクレティズム(諸教混交)」の一種だけれど、どちらかが取り込まれるのでは無く、仏教と神道が独立性を保ったところに特徴がある。(P34)

織田信長の比叡山焼き討ちや豊臣秀吉の検地刀狩りは、寺社勢力から領地や兵力を奪い、世俗の権力の支配下におく試みだった。徳川幕府の成立でより強固になっていく。(P49)

最澄のでし円仁が著した『入唐求法巡礼行記』は、玄奘『大唐西域記』、マルコポーロ『東方見聞録』に並ぶ世界三大旅行記。(P65)

禅を基盤とた文化は、水墨画、茶道、五山文学(漢文学)がある。
国が亡びるということ
竹中 平蔵 , 佐藤 優 / 中央公論新社 (2012-04-24) / 1,404円48 users
読了:  2012年08月16日 星4つ
名実共に小泉改革を担ったエコノミストと、ロシア政策における外務省の頭脳だった外交官による対談。非常に刺激的、かつ示唆に富んだ名著。
国家の役割を明確にして、日本人の幸せについて本気で語り合っている本は、なかなか無い。
この2人の識見と覚悟や行動力を日本の国力向上のために活かして欲しいと心の底から思った。

日本のTPP参加の真の意義は「日米同盟の深化」で、中国は脅威を感じているし、ロシアは中国への牽制として、日米のTPPを好意的に捉えている。むしろ準同盟とみなして協力しようとしている。(P35)

東日本大震災では「日本の基礎体力」の高さが見えた側面もある。本震前のP波を関知して、新幹線の中央制御が作動してブレーキをかけた。だから脱線が起きなかった。都市ガスも自動的にすあっとダウンするマイコンメーターがあるので、家庭からの火事がほとんどなかった。
それでけに中央制御がきちんとしている国ほど、サイバーテロ対策をきちんとやらねければいけない
(P57)

日本の官僚社会は世界の中で見ると「低学歴社会」。アメリカでは博士号がほとんど、日本は学部卒が基本。だから、日本の官僚は国際機関になかなか就職できない。(P64)

ギリシャ危機の背景。実は「ギリシャはヨーロッパでは無い」から。というのが佐藤の見解。
ヨーロッパは「キリスト教共同体」「ギリシャ古典哲学」「ローマ法の伝統」のうつの原理が揃って成り立つ。歴史的に言うと、西ローマ帝国の流れ。
ギリシャは東ローマ帝国の伝統を引き継いでいて、ローマ法の伝統が希薄。「合意は拘束する」という原則が通用しない。
しかも、今のギリシャ人は古代ギリシア人とは無関係な黒海沿岸のロシア帝国のギリシャ人。
ロシアと結びつきが強いのだが、東西冷戦構造で、英国のチャーチルがギリシャを「西側」にいれた。
ギリシャ人はEUに対して「頼まれて、こちら側にいるんだから面倒をみてもらって当然」という感覚がある。(P86)

竹中のエコノミスト視点だと
通貨が統合され、財政が統合されないことで、ポピュリズムに対する通過暴落という歯止めが無くなり、財政のモラルハザードが起きている (P93)

佐藤分析によると
「金正日の死を北朝鮮の公表前に知っていた国は無い」ので、情報の統制がとれていると言うことは、北朝鮮の上層部の権力の分裂は今のところ起きていないということを意味する。(P107)

イランの国内情勢は権力が三つに割れている。
イスラム聖職者(アヤトラ・ハメネイ最高指導者)たち。この人達が石油利権とガス利権を持っている。イスラム原理主義者でイスラム革命論者。
二つ目はペルシャ帝国主義者(アフマディネジャード大統領)宗教的要素よりもイラン人であるということを重視して、シリアの影響力を拡大しようとしている
第三勢力は軍産複合体である革命防衛隊。
この三つのグループがせめぎ合っている。お互いに相手のメンバーを逮捕したりしている。
ただ、「イランが核を持つべき」という点では意見が一致している。

ポピュリズムとデモクラシーの決定的な違いは、「みんなの言うことをリーダーが聞く」か「リーダーがみんなを説得する」のかだ。(P196)

竹中曰く、
私の立場は「人並み派」。世界の先進国は名目性料率が3〜4%なので、その程度はできるのではないかと行っている。通常の成長すら目指さないのは「慎重派」ではなく「異常派」ではないか?
最新 日本言論知図
萱野 稔人 / 東京書籍 (2011-08-05) / 1,512円74 users
読了:  2012年08月10日
あらゆる分野に関する言論をまとめた本。問題意識と考え方にはとても共感する。対談部分も非常に面白い。ただ151の項目で抽出された個々への分析自体は、当然かも知れないが踏み込み切れず、本当に入門編的なさわりの紹介になっている。自分が興味のある事象については物足りず、知らないことについては勉強になる。そんな本。

1984年に東京大学坂村健が開発した「トロン」というOSを文部省が学校向けの標準規格にしようとして、アメリカ政府から輸入障壁だとクレームが付いて実現しなかった(P9)
という話は、改めて、今の日本を象徴しているなと思った。

調整型試行の始まりは聖徳太子。神道と仏教を混ぜ合わせたこと。良く言えば柔軟性、悪く言えば曖昧さ。(P175)

米国がイラクのフセインを攻撃したのは、石油そのもの利権では無い。フセインがユーロで石油代金を受け取るという宣言をして、ドル基軸通貨制に挑戦したから(P242)

「1時間働くのと、1時間大臣室に並ぶので、大臣室に並ぶ方が儲かる国は決して経済発展しない」という喩え話がある。(P246)
オーディション社会 韓国 (新潮新書)
佐藤 大介 / 新潮社 (2012-06) / 756円36 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会学 登録日:2012年08月02日 18時47分55秒 2012/08/02
読了:  2012年08月02日
共同通信社のソウル特派員による韓国社会のレポート。
韓国と韓国人に愛情を持ちながらも、現状の問題点を鋭く抉っている。
日本には伝わってこない内容が多く、勉強になった。

・オーディション番組が大人気なのは、歌唱力と並んで、参加者の人生模様が評価の対象になり、「代理満足(テリマンジョク)」があるから。自分が目標を成し遂げられなかったときに、第三者がそれに変わる目標を達成することで自分の欲求を満たす行動のこと。競争が激しい韓国社会を反映している。

・韓国社会では人物評価で「スペック」という言葉が使われる。学歴、海外経験、資格、職業、財産、家柄、人脈、容姿などが、価値基準となる。(P71)

・「非正規(ピジョンギュ)」=非正規雇用者が社会問題化している。ベストセラー『88万ウォン世代』では、大卒の就職率が50%を切る中、非正規の平均月収が88万ウォン(11万円)だったという調査からのネーミング。
 左派の金大中、その後の盧武鉉が非正規雇用の労働形態を強化した「戦犯」とされている。(P99)

・「三放世代」=恋愛、結婚、出産を諦めたこと
・「余剰」という名前の雑誌がある

・2011年、釜山の韓進重工業の造船所で整理解雇に反発して、キムジンスクさんが、クレーンにに上って、地上35メートルで抗議行動をした。女優キムヨジンが、ツイッターで支持表明。「ソーシャルテイナー」という造語も生まれた。309日目に労働者側の勝利で終わる。
(P117)

・「45定」=45歳で肩たたきに会うので、定年。「56盗」50代60代で職場にいるのは盗人。という言葉があるくらい、サラリーマンの地位も安泰では無い。
・老後の備えが無い韓国の高齢者は貧困に陥りやすい。高齢者貧困率は45%でOECD加盟国で一番高い。日本(22%)、ギリシャ(23%)、米国(24%)の二倍。(P190)
10万人に愛されるブランドを作る!
中田 華寿子 / 東洋経済新報社 (2012-04-20) / 1,620円52 users
読了:  2012年07月25日
スターバックスコーヒージャパンのマーケティング部から新業態の生命保険会社ライフネット常務取締役に転職した筆者によるブランド論。とても勉強になった。
スターバックスは世界中何処にいっても、スタッフの対応が良いのが不思議だったけど、理由がわかった気がした。

以下、気になったところの_φ(・_・

ブランドの定義:企業と消費者との間に、心地よい関係が確立された状態。(P8)

「マーケティング3.0」の時代は、むしろベンチャーや小さな企業のほうが有利。組織が重層化されていない分、経営者や商品開発担当者が想いを、よりダイレクトに、よりタイムリーに消費者に伝えることができるからです。(P44)

スターバックスは「コーヒー・ビジネス」とは一度も称していない。開業当初も今も「ピープル・ビジネス」と称している。
創業者の想いは、「自宅と職場・学校の間に人々が寛ぐことができるサード・プレイスを創る。そこには一杯ずつ抽出した最高のコーヒーが欠かせない」(P50)

何度もストーリーを人に話すことで洗練されたストーリーに進化していくものです。(P104)

スターバックスのミッションステートメント
・働きやすい環境を提供し、社員が互いに尊敬と威厳を持って接する
・事業運営上の不可欠な要素として多様性を積極的に取り入れる
・コーヒーの調達・焙煎・流通において、常に最高級のレベルを目指す
・顧客が心から満足するサービスを提供する
・地域社会や環境保護に積極的に貢献する
・将来の繁栄には利益率の向上が不可欠である事を認識する (P125)

ライフネット生命がマニフェストをまとめる際に4つのキーワード
正直さ:顔が見える会社として情報開示を徹底する
わかりやすさ:家族に説明できる、わかりやすい保険
安さ:インターネット販売に特化することで負担の少ない保険料を実現
便利:見積もり、申し込みは24時間365日、いつでもOK (P130)

ライフネット生命のマーケティング部員は
・他社が出来ないことは何か
・他社がやってこなかったことは何か
・他社がやりたくないと思っていることは何か
の3つを考える習慣がある (P205)
円高の正体 (光文社新書)
安達誠司 / 光文社 (2012-01-17) / - 167 users
読了:  2012年07月19日
円高を「悪」と断定し、立証している本。
統計データを基に、論理的に展開しているので、説得力がある。
専門家による反論を読んでみたいと思った。

・円高と連動して、名目GNPが減少している=産業全体への正の効果よりも負の効果の方が大きい。(P52〜P54)
・購買力平価からわかることは、物価上昇率が高い国との為替レートは安く=通貨安、物価上昇率が低いと高くなる=通貨高(P122)

・マネタリーベース(通貨供給量)みるソロスチャートを、実際に銀行から市場に出た供給量で見る、「修正ソロスチャート」の有効性
「当事者」の時代 (光文社新書)
佐々木 俊尚 / 光文社 (2012-03-16) / 12,903円382 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会学 登録日:2012年07月06日 23時43分32秒 2012/07/06
読了:  2012年07月05日 星1つ
どう表現すればよいのだろう、「思想書」とでも呼ぼうか?
著者は、丁寧なリサーチは行わないので、ジャーナリストとは定義しにくい。独自の感性で受けた天明を事象と結びつけて、新たな価値を提示するというのは、これまでの著書でもあったが、今回はまさにそうだ。賛否両論あるだろうが「思想家」と捉えるとわかりやすいと僕は思っている。
ただ、そんな著者においても、この本は、また極端だ。一章にある自身の新聞記者経験の部分は、非常にリアル。「記者クラブ」という表の関係性と「夜回り共同体」という個対個をベースにする関係性の二重構造を説明するくだりは鮮やか。おそらく実情を鋭く抉っているだろう。
ただ、二章以降の日本の戦後社会の変遷の描写になると、怪しくなっていく。「マイノリティ憑依」という「自分の勘」が産み出した結論に導くための、事象のピックアップや論理構成はかなり危うい。もし、僕が社会学者だったら、この本の否定を実証的にやらざるを得なかっただろう。一介の音楽プロデューサーでよかった^^
自分の勘をベースにするなら小説にして欲しかった。面白かったもしれない。これだけ論理が脆弱なら、「自己啓発本」にしたら、いっそわかりやすい。売れたかもしれない。
「ジャーナリストが書いた社会評論」と、この本を捉えるのには無理がある。事実のパッチワークは、どんな結論にも組み上がるということを改めて確認。
「思想家」としての著者が好きなだけに、ちょっと辛い気持になった。

以下、気になったことのメモ
・「安定していたけど息苦しく、波乱は無いけど退屈」という戦後日本社会のサラリーマンの生活感覚だった。だからニュースが「時代を生き抜いていくための処方箋」にはなりようながく、ニュースがエンターテインメント化していった。(P134)
⇒そうかなと思わせるもっともらしさはあるけれど、そんな単純化してよいのかという疑問は残る。

・戦前までは大衆と知的層は完全に分離していた。1950年代後半から垣根が取り払われ「中間文化」と加藤秀俊が呼んだ新しい文化が台頭。その担い手は、新書ブームと週刊誌というニューメディアだった(P151)
⇒よく知らないので事象確認したい

・第二次世界大戦に対して、「加害者として日本人」という視点が1960年代後半までは無かった。それ以前は、「大日本帝国の軍部に騙された庶民」という感覚だった
・1970年の「七・七告発」で、小田実から始まった<被害者=加害者>論が、津村喬や在日、華僑などの「内なる異邦人」との接続へ展開し、一気に学生運動全体への広まった(P271)
⇒この辺も知らないので勉強したい。
ただ、学生運動での戦争観の変化を、「被害者への憑依」とまとめるのが仮に適切だったとしても、それを日本人全体に広げるのは無理があり、しかもそれを「マイノリティ憑依」という社会論に展開するのは過剰な飛躍だと改めて思った。やはり「思想書」だし、小説で読みたかったプロット。
つなげる広告 共感、ソーシャル、ゲームで築く顧客との新しい関係性 (アスキー新書)
購入:  2012年06月08日 780円
読了:  2012年06月30日
広告の視点からソーシャルメディアの意味についてまとめた好著。
冒頭にスターバックスCEOハワード・シュルツの「イノベーションとは商品を見直すことでは無く、関係について考え直すことである」という言葉を引用している。
事例も抱負で、ソーシャルメディア時代のコミュニケーションの在り方について示唆に富む本。

米国企業のソーシャルメディア対応成熟度の5分類
5)ラガード(遅延者):休眠状態。保守的で規制が多い、もしくは興味が無い
4)レイトマジョリティ(後期多数採用者):テスト段階。組織のポケットの中で開始して、混沌が分散している
3)アーリーマジョリティ:調整段階。マネージメントがソーシャルメディアから得られるメリットとリスクを認識し、氏ロースを割いて管理を始めた状態。分散した混沌から中央集権的なアプローチに成り。組織全体で一貫性を持つようになる
2)アーリーアダプター:拡大、最適化段階。スターバックス、コカコーラ、家電量販店ベストバイなどのように、リーダーがソーシャル化した各組織を連携させ、マーケティングにおけるソーシャルメディア活用の最適化と統合化を行っている
1)イノベーター:社員への権限委譲段階。ザッポスなどごくわずかだが、全関係社員がトレーニングを積み、権限委譲がされている (P8)

広告の未来像は、ユーザー行動の「ビッグデータ」と従来型マスメディア広告のさらなる高度化の延長線の交差する点に設定されているのでは無いか?(P28)

日本のフェイスブックユーザーは1000万人(2012年3月の月間利用者数の公式発表)、ツイッターは1400万人。上位16%への普及が全体への普及につながる分岐点と考えると、日本のインターネット人口9462万人(2010年12月末総務省発表)の16%は1513万人。日本のソーシャルメディア普及は、「キャズム理論」の分岐点を超えつつある。(P34)

コカコーラ社は「スーパーボウルのテレビ視聴者の60%はスマフォなどテレビ以外の端末画面を観ながら観戦する」という調査結果に基づき、CM内容をソーシャルメディア上で話題にされることを前提につくった。 (P54)

「ソーヤ効果」は、退屈な仕事を「遊び」に買えることで人のモチベーションが向上するというエピソード。ペンキ塗りの仕事を。友人が「やらせてくれたらリンゴをあげる」と言うまでやらせなかった。
行動科学者のエドワードLデシによると報酬等の外発的動機付けは、短期的は行動させるが、内発的動機にダメージを与えてしまうという。
米国人気作家ダニエル・ピンク『モチベーション3.0』によると、社会と経済の成熟で「報酬と罰則というアメとムチで人の行動をコントロールするのは難しい」(P84)

楽天レシピのポイント投与は、クックパッドに負けたのは、まさに内発的動機付けと外発的動機付けの比較例。(P87)

ルーマニアの伝統チョコレート「ロム」はルーマニアの国旗模様のパッケージが目印。ださいと思われて若者に売れなかったので、アメリカの星条旗模様にしたところ、不買運動がはじまった。1種看護に「ジョークだった」と発表して、ロムのファンは増え、売上は急増した。(P98)
金融が乗っ取る世界経済 - 21世紀の憂鬱 (中公新書)
読了:  2012年06月06日
日本に長く住むイギリス人による、アングロサクソン型グローバル金融の批判。資本主義や高度金融化社会が、必ずしも英米型とイコールでは無いということを丁寧に説明している。日本人にとっては勇気をもらえる本だし、相対化して世界を視るために有意義な本だと思った。

著者は「日独資本主義と英米資本主義の相違」が研究テーマ。
日本を準共同体的企業の国、ドイツを労使共同決定企業の国と定義し、共に国家の役割を相当重視して、福祉保障も積極的に追求する諸制度を持っていると分析している。

小泉竹中改革は、米国の新古典派経済学の大学院で洗脳された新自由主義思想に基づく。それは、
・消費者主権思想に基づく規制撤廃
・効率の観点からも、道徳的な観点からも望ましい競争原理の貫徹
・株主価値最大化を基調とするコーポレートガバナンスの導入
・株式市場を経済の主軸都市、自己責任の徹底による、肥大した市場主義福祉国家のスリム化
などであり、英米型モデルの勝利とも言うべき。

金融化はグローバル化と似ている。
・金融業に携わっている人たちの取り分が大きくなる傾向にあること
その理由は
・金融派生商品など新技術の導入によって、貯蓄する主体と実体経済との間で金融業者の仲介活動が複雑怪奇、投機的になっていくこと
・企業のステークホルダーに対する経営者の責任が「株主」に絞られていく制度や意識
・「貯蓄から投資へ」スローガンの下、「証券文化」の奨励に重点が置かれるようになっていること

第二次大戦後の35年間は経営者は真摯な責任感を伴う公正な経営行動を「アメリカの理想」の重要な要素と考えていた。その期間、指導者層の報酬は従業員の平均給与の20倍〜30倍だった。(イギリスは22倍、日本は11倍)ところが、今や475倍になっている。

「日本型経営」の美点は、経済効率だけでなく、所得分布がわりに平等であったこと、失業が少ないこと、経営者に使役の他に公益も考える修正があったこと、教育、医療制度が良く整備されていたこと、小敵取引に自己の利益と関係の無い愛他に対する「思いやり」が入ること、官僚が郵趣で腐敗が少ないことなどであった。これはEヴォーゲルが『ジャパンアズナンバーワン』で褒めた側面であった。それらがバブル崩壊後ともに重要視されない特質となってしまった。

アメリカの大学の工学部、物理学部の卒業生の優秀は人たちが、しばしばヘッジファンドや証券会社にスカウトされてします。優秀な医学博士は、感謝の病気を診るより、保険会社で支払い基準の設定の仕事に入った方が得なのである。

30〜40年すれば、西太平洋における覇権国家は中国になっているだろう。
・今後の米中の相対的経済成長力
・政治的課税力ー国庫歳入の成長率
・国威発揚の意思の強さー軍事予算拡大の用意
・人的資源
などの条件から考えて必然だが、大問題が3つある。
1)アメリカに(ソ連における)ゴルバチョフがいるか、数千万人もの死者が出そうな戦争に決済が委ねられるだろうか
2)徐々に東洋のモデルとなるだろう中国の経済は、米国と同様な個人所有権がオールマイティの組織になるのか、そしてアメリカのような成功した人と層で無い比との格差が大きい社会になるのか、それとも儒教的な家父長主義的な政策をとって平等な社会になるのか
3)土壇場になっても日本は依然として中国に密着しているのか、独立国家として、米中が何千万人を殺しかねない衝突に突き進まないように、有効に立ち回れるのかどうか
イーオン・フラックス [DVD]
カテゴリ:DVD DVD / 外国映画 登録日:2012年06月02日 21時51分30秒 2012/06/02
読了:  2012年06月02日
ところどころB級感が漂うけれど、シャーリーズセロンが美しくて許せる。
ゲーミフィケーション―<ゲーム>がビジネスを変える
井上 明人 / NHK出版 (2012-01-25) / 1,512円291 users
読了:  2012年05月25日
 ゲームの要素、考え方をゲーム以外の分野で使う「ゲーミフィケーション」の入門的解説書。具体例も多く、比喩も巧みで非常にわかりやすい。筆者は、震災時に「節電ゲーム」#denkimeterを行って話題になった。
曖昧な使われ方をしている「ゲーミフィケーション」について、理解を深めることができた。
 人類は昔からゲームをプレイしていたが、10年位前からのインターネットの急成長で状況が変わった。安価で精密なセンサー、ビッグデータ、ライフログ、スマートフォン普及などで、ゲーミフィケーションは拡大している。オバマ大統領選でも「ソーシャル」は注目されたが、「私の資金集め」ページは、「ゲーム」の要素も大きかったというのは、納得できた。
 音楽ビジネス、アーティストビジネスにおいても、「ゲーミフィケーション」な発想を活用して、ユーザーとの関係を深めていきたいと思う。

以下、読書メモ。
・2009年2月にDARPAが実施した「紅い風船を探せ」プロジェクトは、「全米に散った風船10個を探せ。手がかりは無い。方法は自由。見つけ出したら4万ドル」の勝者は、MITのメディアラボチーム。捜索者に登録して貰うサイトを用意して、捜索者を紹介する仕組みにして、発見者は2000$、発見者の紹介者は1000$というルール。全米に散らばった10個の風船の発見まで、たった9時間だった(P46)

・現在、フェーミフィケーションが話題になっている大きな理由は、顧客に製品やサービスを繰り返し利用して貰い、関係性を維持する(アクティブ率を高める)ことに大きく貢献する可能性が見えたからだ(P56)

・ゲーミフィケーションとは、外発的動機付けとの境界線的な要素(報酬)を求める内に、内発的動機付けを駆動させるようなメカニズム(P60)

・紙コップを減らすためにスターバックスが協賛でアイデアを公募。2万ドルの賞金。数百を超えるアイデアから優勝したのは「カルマ・カップ」
 1)黒板を店頭に置く 2)マイカップを持ってきた人がいたら黒板にチェックする
 3)その数が10人になったら、10人目の人は飲み物が無料になる 4)20人目も、30人目も無料(P69)

・ゲーミフィケーションのスタートアップ企業として楽しみなのは「スカベンジャー」(P84)

・「アンロック」による順序づけと、「レベルデザイン」による適度な手応えの手法は重要(P168)

・MDA(メカニクス・ダイナミクス・エクセティクス)モデル(P172)

・RTM(リアルトレードマネー)問題は、中国人が時間をつかって、得たアイテムを日本人に売ることで月額2万円程度を稼ぎ、生計を立てるということも。(P216)

・カーネギーメロン大学教授のジェシー・シェルが2010年に行った公演で語った未来イメージ(P226)
朝起きて歯を磨くと歯ブラシについたセンサーが感知して、歯磨き粉メーカーから「よくできました!10ポイント」と褒められる。朝食にコーンフレークを食べると、ケロッグから10ポイント、通勤にバスを使うと政府からエコポイントが支給され、それは減税対象になる。定刻にオフィスに着いたら会社からポイント、打合せ先にバスに乗らずに歩いて行くと、医療保険会社からポイント....
あんぽん 孫正義伝
佐野 眞一 / 小学館 (2012-01-10) / 1,728円403 users
読了:  2012年05月20日
力作。著者自身が、本編で何度か自負を語っているが、孫さんと、父親に何度も取材。先祖の居る韓国も含め、何度も足を運んで調べている。

プロローグに「リクルート江副、ホリエモンが消えても、孫正義だけは、「ベンチャービジネスの旗手」であり続けている。このエネルギーはどこから来るのか、そして、いかかがわしさはどこからくるのかという疑問と同じ根っこから派生している」とあるが、同感。

週刊ポストの二度にわたる連載に大幅加筆したものだが、著者が、取材やインタビューを重ねるごとに、孫正義に魅力を感じていく様子も感じられる。

帰化に際して、孫という日本に無い苗字を認めさせるために、日本人の妻に先に「大野」から「孫」に改名させ、その事実を「前例」にして、日本人・孫正義になったという逸話は興味深かった。

「孫は豚の糞尿と密造酒という"身体性"あふれる朝鮮部落で生まれた。"身体性"100%の世界から、電子本という、"身体性”0%の世界に飛躍している。」(P220)

「炭鉱のシプシー労働者「組夫」だった叔父がガス爆発事故で死に、その甥が約半世紀後に「脱原発」ののろしを上げる。朝鮮半島から強制連行された一族の血は筑豊にとどまること無く、いまや無人のゴーストタウンとなった福島の原発地帯まで延びている」(P293)
「私が孫正義に魅かれるのは、おそらく彼がそういう家計の歴史を知らずに行動しているからである。孫正義は自分も知らない朝鮮民族のDNAに突き動かされている」(P313)
本当は怖いソーシャルメディア (小学館101新書)
山田 順 / 小学館 (2012-02-28) / - 48 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / IT 登録日:2012年05月19日 18時05分49秒 2012/05/19
読了:  2012年05月15日
著者は、光文社でペーパバックスを創刊した編集者。前著『出版大崩壊』で電子書籍を思いっきりネガティブに書いていたのに続いて、本著ではソーシャルメディアをこき下ろしている。
ただ、いち早く、研究をされているようで、個々の指摘自体は、もっともなものも多い。ただ、そういうネガティブ面、心配なところも含めて、どのように付き合っていくか、どう使っていくかを考えるべきなのにね。この人の存在は日本にとって害の方が大きいと思う。

「フェイスブックは世界に8億居んものユーザーが居るが、その中には階層化されたソーシャルネットワークが無数に作られているだけなのだ」(P28)フェイスブックはハーバード大学のエリート意識が根底にあるという批判は、フェイスブックのある特殊な一側面をデフォルメして、それを本質の様に語っているという意味で、偏見と言ってもいい、酷いミスリードだと思う。「フェイスブックのなかは、日本的に言えば「村社会」なのだ」(P37)というのは、SNSの一つの側面だけれど、それをアメリカ(WASP)陰謀論みたいな論調で書いている。
「SNS企業とウォール街は一体となって利益を追求しているのに、なぜ、若者達は「ウォール街を占拠」せよと訳部のだろうか?それをするなら、同時にシリコンバレーも占拠すべきでは無いかと、私は言いたいのだ。」(P53)は、仮にそういう側面があったとしても、米国資本主義経済の話であって、SNSの仕組みとはちょっと違うレイヤーの話だ。
・ウソをつく人は実名でもウソをつく。ソーシャルメディアの欠点は、発信側と受け取る側の間に誰もいないこと。このまま既存メディアが衰退すると、権力を持つ人間、有名人には天国が、一般個人には地獄が訪れる可能性が強い。(P113)
・電子書籍はおカネに本当に落としてくれるのは、「20代、30代のお調子者」とBL、TLファンの若い女性。三浦展『下流社会』(光文社新書)で書いた地方のロードサイド文化圏に居る。(P135)
・プライバシーはもう守られない(P212)
などの指摘は、鋭い指摘なのだから、「私には答えられない」と言わないで、それをどうすれば良いのか、前向きに提言して欲しい。

以下は、面白かったことのメモ。勉強にはなった。
・フェイスブックのザッカーバーグの目指す「共和国」も原点は、1960年代後半にカリフォルニアで刊行された『Whole Earth Catalog』にある。(P67)
・アドエクスチェンジでは、広告枠を株式取引のように行う。アドテクノロジー(P84)
・「リターゲティング」は、バナー広告の進化形で、ユーザーの行動履歴を使う。(P85)
・グーグルのThink Lisightsに仰天(P190)
・2006年米国公開のB級映画『IDIOCRACY(イディオクラシー)』は、人口冬眠の実験台にされた平凡な男が500年後に目覚めると、米国には知能指数50以下の馬鹿しか居なかった。という話(P217)

プロフィール

音楽プロデューサー、コンテンツオーガナイザー。『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)上梓。(株)バグコーポレーション代表取締役。(社)日本音楽制作者連盟理事
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