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カテゴリ 読書 購入 お気に入り 1 - 30件目 / 620件 日付
沈まぬアメリカ 拡散するソフト・パワーとその真価
渡辺靖 / 新潮社 (2015-10-23) / 1,728円21 users
読了:  2016年01月31日
アメリカ社会の研究家による力作。
アメリカのコミュニティを宗教や思想、価値観という軸で、アメリカ国外を視野にまとめている。アメリカ型民主主義、アメリカ的価値観が国外でカスタマイズされている様子を描いていて、興味深い。ユニークで意味のある視点だと思った。
アメリカ内のコミュニティに関する著書も読んでみようと思う。
ルポ風営法改正 踊れる国のつくりかた
神庭亮介 / 河出書房新社 (2015-09-12) / 1,944円9 users
読了:  2016年01月23日 星4つ
新聞記者による、クラブ摘発問題〜風営法改正に関するルポ。クラブカルチャー側の人々の立場に立って書かれているが、正確な記述でためになる。知己の名前がたくさんでてきているけれど、本当にみんな頑張ってくれて感謝です。日本の音楽文化にとって大きな貢献をした皆さんだと思う。
でも、日本のクラブカルチャーを豊かにするためにやれることはたくさんある。僕も微力ながら手伝いたいと思う。
フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 (朝日新書)
速水健朗 / 朝日新聞出版 (2013-12-13) / 821円123 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 政治 登録日:2015年01月18日 16時43分37秒 2015/01/18
読了:  2015年01月17日
「ラーメンと愛国」に続いて、日本人にとっての「食」の価値についてまとめた好著
ファストフード、コンビニフードなどを好む「フード右翼」と
オーガニックに傾斜する「フード左翼」に二極化している現状をという分析は、言い得て妙だ。
食を政治と結びつけようとする
著者自身がこの本を書く過程で、右翼から左翼に「転向」していて、理由は美味しいからというのも興味深い
この世代の社会評論としては卓越していると著者の今後の論考を期待したい。


<メモ>
ベジタリアン、ビーガン、有機農法の生産者、マクロビアン、ローフーディストとそれぞれに主義主張の中身は違っている。健康目的のベジタリアン、動物愛護の観点で肉食しない(これが多数派)、自然環境保護に繋がるから肉食を断った人
ビーガンとマクロビアンはどちらも動物性タンパク質は口にしないが、体系や背景の思想が全く違う、ローフディストとマクロビアンは、自然と調和という近さはあるが、熱処理の有無、フルーツを食べる食べないなどの差異が、反目に近い関係を生んでいる(P45)

自然環境の保護を真剣に考えるのであれば、人は都市で生活するべきである。
狭い場所に集積して居住し、公共交通機関と使って生活を営む、都市生活者の1人当たりエネルギー消費量を考えれば、人が拡散して個々に自動車を利用しながら生きるよりはるかにエネルギー効率が良い。(P123)
(010)格付けしあう女たち (ポプラ新書)
白河桃子 / ポプラ社 (2013-11-05) / 842円54 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会学 登録日:2014年03月23日 12時00分44秒 2014/03/23
読了:  2014年03月23日
短時間で読めて、わかりやすい好著。
日本人の等質な社会における、緊密な関係に生じる、微妙な「差異」をカーストと呼ぶのが流行っているのは、ぼんやりしっていたけれど、「女子カースト」という言葉まであるとは知らなかった。
「ロンハーマン」も「チャンルー」もよく知らないので、著者のターゲットの範疇なのかもしれない。
ありがちな、些末な事象を大げさに取り上げて、鬼の首をとるような社会分析本では無く、細かな出来事やアンケートからきちんと拾いながら、本質的な分析と前向きな提言があるのが素晴らしいと思った。
ミクロ視点からの提言ながら、近未来の日本人に対するメッセージもあり、内容も含めて共感した。

以下、なるほどと思った箇所を要約して引用。

●女子カーストのものさし
1)恋愛カースト(彼氏の有無など
2)外見カースト(美魔女は男性からは受けないけれど、女性からは絶大な支持があるのが例
3)社会的ステータス、自分だけで無く夫や子供
この3つで決まる

●女子カーストが生まれる4つの原因
1)ヒマがある集団
2)狭くてぬるい均質な集団
3)逃げられない集団(会社、ママ友
4)「悪の種が集団に紛れ込んだ場合」

●女子のカーストをサバイバルするための3つに技術
1)複数の足場を持つこと
2)問題解決能力を持つこと
3)自分を肯定すること
成長から成熟へ さよなら経済大国 (集英社新書)
天野 祐吉 / 集英社 (2013-11-15) / 799円105 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 社会学 登録日:2014年01月06日 00時10分59秒 2014/01/06
読了:  2014年01月06日
昨年10月に惜しまれつつ亡くなったので、遺稿になるのだろうか?
筆者の人生と照らし合わせながら、高度成長期を経た日本の新しいあるべき姿を提言している。
締めにある「日本は一位とか二位とかを争う野暮な国じゃ亡くていい。「別品」の国でありたいと思うのです」という言葉は、筆者が言うだけに説得力がある、
個人的には、「別品」であることが、日本が国際競争を勝ち抜く唯一の方法だと、野暮なことを僕は思っている。

「マスク」も「原発」も「テレビショッピング」も「福袋」も「リニア新幹線」も、そのおかしさは、みんないまの世の中という入れも自体の歪むからきているんじゃないかと思うんですね。
その入れ物は、大量消費社会という入れ物です。大量生産・大量消費という巨大なシステムから、次々のはき出されてくる膨大な種類と量の商品やサービスを、僕らは否応なく消費させられている社会に住んでいます。(P22)

70年代から80年代にかけての20年間は、欲望の計画的廃品化がピークに達して、メーカーとしては、キャンペーンのセンスの違いが大きくものを言うことになる。(P109)

「おいしい生活」を標榜したこの広告は、もっぱら「豊かな生活」を売り物にしていたほかの百貨店との差異化に見事に成功しました。が、当時、浅田彰さんは、この広告を書いた糸井重里さんは、差異化のためではなく差異化の袋小路から抜け出すつもりでこの校区を創ったのでは無いかと言っていました。(P117)
やさしさをまとった殲滅の時代 (講談社現代新書)
堀井 憲一郎 / 講談社 (2013-10-18) / 3,154円78 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 登録日:2014年01月06日 00時13分23秒 2014/01/06
読了:  2014年01月05日
時代の気分を見抜いて、言語化するのが巧みなコラムニストだと思う。

「迷惑くらいはかけよう」というメッセージには強く共感する。
TPP 知財戦争の始まり
渡辺惣樹 / 草思社 (2012-02-11) / 1,620円28 users
読了:  2014年01月03日
 TPPを推進する米国の意図を、「自国の知的財産権を最大化することで、米国に売上と雇用をもたらす」ためだと看破した見事な本。米国が説く"自由貿易の拡大"がまやかしだということは知っていても、農業や工業製品や、金融分野ですら無く、一番の目的は知財だというのは驚きだった。
中国への対抗策、包囲網という意味では、ペルー来航と構図は同じという、近現代史専門家ならではの指摘は鋭い。コンテンツビジネスに関わる人は、目を通すべき本だと思う。
 21世紀に国際社会のパワーゲームで日本がどういう立場に居るのかよくわかる。その象徴的かつ代表的な分野が知的財産権になるということを音楽プロデューサーとして肝に銘じたい。大ピンチだし、すごいチャンスがあるのが、今の日本のコンテンツ業界なんだなと改めて思った。
TPPに対する判断を本書だけでするのは危険かもしれないけれど、確実に持つべき視点の一つだ。コンテンツビジネスに関わる全ての日本人に激しくオススメしたい。
 善悪、是非の二元論では無く、米国のルールを取り込みながら、中国との間を取り持つようなスタンスがとれるのが日本にとってベストシナリオなのだろうけれど、現状の政府の力は難しそうだ。

<以下、読書メモ>
 平成の日本開国と言われるTPP交渉への日本の参加は、アメリカの強い圧力の下で決定された。〜アメリカの狙いは、日本国内で手厚く保護されているコメや酪農製品の市場であり、まだ十分に開放されていない金融市場や規制の多い医薬品の市場だと考えられている。〜実は、平成の開国もアメリカの狙いは、中国マーケット攻略を年頭に立案された壮大なゲームプランの一環にすぎないようなのだ。
 平成のアメリカの狙いは、中国に訃報に蚕食されている目に見えないアメリカの知的財産権を保護するための、防衛の意味合いの強い戦いのようんだ。 (P14)

日本開国計画を立案したのは、アーロンHパーマーというニューヨークのロビイスト。〜 パーマーが日本開国提案書を時のテイラー政権に提出したのは1849年のことであった。そこには、日本の開国は「サンフランシスコ上海を結ぶ蒸気船の石炭補給基地を提供するために必要であることがはっきりと記されている。(P19)

 アメリカの南北戦争の本質は、合衆国から離脱を表明した南部連合と、リンカーン大統領率いる北軍とのあいだで戦わされた経済戦争であった。決して奴隷解放をめざした戦いでは無く、関税政策をめぐる対立であった。〜 自由貿易を主張する南部連合と保護貿易で工業化を図り国内マーケットの拡大をめざすリンカーン政権との戦いだった。(P32)

 もはや関税のそうされ経済は活性化しない?
 日本政府はTPPによる無関税化での経済成長は2.7兆円と試算した。(内閣府2011年10月25日)これは10年間の累計の数字だという。1年でわずか2700億円程度の成長である。
 それでは、日本を完全に自由化させることで、アメリカはどの程度の成長が見込めるのだろうか。国際貿易を経験している者は、直感的に日本の数字を2.5倍する。アメリカの人口が約日本の二倍強の3億人だから、おおよそそうした数字になるのだ。(P35)

 アメリカは農業分野(穀物生産)が、国家の安全保障上の観点からも、きわめてセンシティブな問題を抱えていることを重々承知している。
アメリカの人口にアイルランド系が占める割合はおよそ12%(2007年統計)、ドイツ系の17%に次いで二番目の数字。アイルランド人のほとんどが、1845年から49年に発生した大飢饉から逃れるためにアメリカに渡ってきている。
 この大飢饉でアイルランド人は150万人が餓死し、100万人がアメリカに新天地を求めたのだ。人口800万人の国アイルランドを襲った未曾有の飢饉は、当時の宗主国イギリスが、穀物の関税を撤廃したことが密接にかかわっていることをアイルランド系の人々は知っている。(P40)

 日本の将来のあるべき農業の青写真ができあがっていれば、TPPという外圧を能動的に、そしてクリエイティブに利用することは可能である。(P43)

 日本の専門家の分析からも高関税がかけられている米国産農業産品の日本向け輸出にアメリカが大きな期待を掛けているはずが無いことは明らかだ。
 「日本の米国からの輸入の75%は無税であり、米国が輸出増加を期待する有罪の農林産品は、12.5%とシェアが低く、米国の輸出の0.6%に過ぎない。(P49)

 アメリカ政府はじっくりとサービス分野の研究をした。〜 その研究を通じて、知的財産権の輸出はまだまだ増やせると結論づけた。
 その研究の成果は、「The Prioritizing Resources and Organization for Intellectual Property Act 0f 2008」と呼ばれる法律で2008年10月13日に発行している。通称「PRO-IP法」「国家の資源および組織を知的財産権振興に優先的に活用する法」(P53)

 アメリカは、全産業を知的財産権高度集積産業(IP Intensive Industries)と、そうでない産業に明確に二分するのである。〜 石油、石炭関連、化学品、コンピューター関連、輸送機器、医療機器一般、情報ソフトウエア
 その上で結論は、
 知的財産権高度集積産業は、好不況時を問わず、高いスキルを必要とする職を増加させ 〜
 給与レベルは60%高い
 生産量、販売量は2倍以上、
 輸出をリードし、国際競争力が高い
 貿易黒字を産んでいる
 R&D投資は非産業に比べ13倍におよび
 したがって、我が国のイノベーションのたまものである知的財産権を護ることは、多くのアメリカ産業の将来にとってきわめて重要な課題である。
 アメリカは知的財産権高度集積産業に国の将来を見いだした。国策として、知的財産権高度集積産業を育成し、その成果物を徹底的に保護することに決めたのである。  (P64)

 ブルネイとベトナムという、知的財産権侵害の悪質さが高い国で、コントロールできメカニズムをつくろうとしている。(P66)

 中国における知的財産権の保護と行使が進めば、アメリカ国内の雇用情勢は2〜5%の改善が見込まれる。これは923000の新規の職場が創造されることを意味している。(P74)

2006年1月中国は技術立国を目指して、野心的な科学技術開発中長期瀬計画(MLP)を発表した。2050年までに科学技術開発で世界のトップを走るという計画である。〜そこにいたるまたの方策は実に中国らしい、自国に都合のよいプランのオンパレードである。政府調達品は国内開発技術を優先させること、そのために国内企業への融資面での優遇措置をとること、欧米各国は中五国のこうしたやり方を、中国的イノベーション政策(Indigenous Innovation Policy)と呼んでいる。(P77)

 金融サービスの自由化の問題とは、外国資本の金融機関に対しての各種規制の撤廃を目指す者である。〜しかし、これも記述の農業問題に似て、オバマ台頭量がめざす広範囲にわたる産業横断的な輸出増進や職場の創出には繋がらない。(P98)

 日本も中国の知的財産権侵害で、相当な学の損失を被っているはずだ。アメリカの2.5倍と考えれば、1.5兆円となるが、おそらく日本の損失額はアメリカの4兆円を上回る可能性が高い。日本の対中貿易額のほうがアメリカのそれよりも高いからだ。
 知的財産権の輸出は一般の製品の輸出と比べたときに、大きな特徴がある。知的財産権の創造には巨額の開発費がかさむ。しかしそれを消費者に提供する物理的コストはほぼゼロに近い。
 〜アメリカが目指している政府調達システムが導入され、日本も中国の侵害行為を防ぐことができれば、TPPのメリットは十分にありそうだ。
 日本企業のトップも政治家も、中国に強い姿勢はとれない。だから、こういうときこそは、外圧は使うべきなのだ。
(P109)

 ライオンキングの手塚プロダクションからの盗作に代表されるアメリカの悪例は、おそらく彼ら自身がこれからの中国の不法を攻めるときの足かせになっていくだろう。
 〜日本側の注意も必要である。手塚スタジオのように自らの権利を主張しないことは、国際秩序そのものを破壊する可能性がある、「日本的な大人な対応」は、今後、明確な形で否定されていくだろう。〜日本が中国に奪われている知的財産権だけで無く、アメリカに奪われている知的財産権の回復にも繋がる可能性が大いに期待できるのだ。(P113)

 特許のライセンス料の相場は、製品販売価格の5%前後である。(P125)
サイバービア 〜電脳郊外が“あなた”を変える
読了:  2014年01月02日
20世紀に電車と自動車のおかげで郊外というものが生まれたのと同じように、オンラインでは21世紀の初めに新たなテクノロジー(インターネットや携帯電話などの通信機器)のおかげで、多くの人々がサイバービアに移住している姿を描きだしていく。(P20)

2008年はじめにアメリカの専門家委員会が報告したところによると、FacebookなどのSNSの大流行は、人々がオンラインポルノをあまり見なくなったことと、完全に符合している。(P134)
謎の独立国家ソマリランド
高野 秀行 / 本の雑誌社 (2013-02-19) / 2,376円355 users
読了:  2013年12月28日
抜群に面白い!著者のモットーは「誰も行かないところに行き、誰もやらないことをやり、誰も知らないものを探す。それをおもしろおかしく書く」だそうだが、真骨頂な作品。講談社ノンフィクション賞受賞も当然と思う。
アフリカの角で海賊が出没して、内戦していて無政府状態なところだと思っていたソマリにソマリランドという独立国家があり、伝統的な氏族主義を活かしながら、平和を守り、民主的な運営がされているというのは、脅威的。
日本の戦国大名などに喩えながら、日本人には理解しにくい、氏族の関係性をわかりやすく、そして面白く楽しく説明してくれている。
内戦を終わらせられたたのは「ヘール」という掟に基づいて、長老同士が話し合って、「へサーブ」という名の精算を行ったからというのも興味深い。「ヘール」の中には、「ビリマゲイド」(殺してはいけない者の掟)というのがあて、女性、子供、老人、賓客、傷病者、宗教的指導者、共同体の指導者、和平の使節、捕虜に危害を与えることを禁止している、というのは、「ジュネーブ諸条約」にも匹敵する戦争法。
政党制度を、氏族とは全く別の「公器」として国民に選ばせ、選ばれた3つの政党を通じてのみ政治活動ができるという仕組みは、なるほどと膝を打った。日本も見習うべき事がある制度だ。政治は政治家に任せ、氏族は監視し、欠点を補う。氏族は武力を持たず、唯一武力を持つ政府軍は政治に関与しない。
著者は内戦状態のソマリア南部にも行き、命の危険にもさらされているのだけれど、めちゃ明るくて、悲壮感が無いのが良い。ほかの本も読んでみたくなった。

ソマリランドはイギリス領で、間接統治されたので、長老や氏族の力が残っていたから、独立して平和になれた。イタリア領だった南部は、氏族の仕組みを壊し、しかもイタリア人移民が1万人以上残って、社会の仕組みを変えてしまったから、内戦を解決する方法が無くなった。(P118)

ソマリアは政府が機能しなくなって、紙幣を刷らなくなってから、インフレが起きなくなり、結果、周辺国の通貨よりもソマリアシリングより強くなってしまった。経済学の常識をひっくりかえしてしまった。(P233)
超訳 小説日米戦争
佐藤 優 / ケイアンドケイプレス (2013-09-26) / 1,728円27 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 登録日:2013年12月28日 10時56分52秒 2013/12/28
読了:  2013年12月27日
1920(大正9)年に書かれた、日米戦争の小説を、現代の教訓とするべく現代語訳された本。
特に後半部分の「解題」は、洞察に富む貴重な内容だ。
日本は1904年の日露戦争から、1939年の太平洋戦争まで、本格的な戦闘がなかった、経験の無い人が大東亜戦争の指揮をとっていた、という指摘は目から鱗だった。

以下、読書メモ

アメリカは帝国主義曲として、中南米への影響力を拡大し同時にヨーロッパの影響力を排除する、これがいわゆる「モンロー主義」である。
しかし産業革命が進展した19世紀も終わりに近づく頃は、アメリカは更に帝国主義的に拡大に乗り出す。(P184)

第一次世界大戦は、本質的にヨーロッパを舞台とした戦争であり、疲弊したヨーロッパ諸国にとって代わるように、アメリカと日本が存在感を増してきた。共に潰瘍国家であり、共に中国市場獲得を狙う日本とアメリカの違いが対立、近い将来、軍事衝突になる可能性は高かった(P187)

サイバー戦争の時代に、サイバーテロに対してもっとも高い防御力を持っているのは北朝鮮。インターネット網が整備されて無く、軍事技術はローカルネットワークを用いている。技術が行動に発達すると、思いがけない逆説的な事態が生じることがあるという興味深い教訓だ。(P193)

地政学では、国家を大きく「大陸勢力」と「海洋戦力」に分けて考える。(P238)

戦後の国際貿易のルールは、GATT体制(後にWTO)で定められている。〜これに対し、TPPは別個に一部の国家がグループをつくりその中だけで通用するルールを作るという動きである、つまり、WTOといい普遍主義が限界を迎えたため、TPPというブロック経済圏がつくられつつあるのだ。(P257)
都市と消費とディズニーの夢  ショッピングモーライゼーションの時代 (oneテーマ21)
読了:  2013年12月15日
グローバリゼーション下における近年の世界の大都市の変化を「ショッピングモーライゼーション」と名付け、分析した良書。日本における都市開発の歴史と、世界のショッピングモール、そしてディズニーが果たした役割などを加えて、社会論として見事にまとめあげている。
既に起きている現象をニュートラルな立場から、リアルに概念化するという著者の得意技が炸裂していると思う。
日本人の近未来のあるべき姿を考えるのだめにも必読。

以下、読書メモ。
●最適化する都市=ショッピングモーライゼーション
公共性の高いスペスの収益化を行う場合の選択肢が、ショッピングモールとして施設を作り直すという手法です。こういった一連の減少を筆者は、ショッピングモーライゼーションと名付けています。
背景には、事業者の民営化、流通や観光、交通といった産業における国際都市間競争が存在。(P47)

日本では、なぜかショッピングモールは下層階級の消費と結びついているような誤解が生じている麺がありますが、世界的にはショッピングモールとはアッパーミドル層の消費の象徴です。(P51)

「マクドナルド化」なとの言葉を生み出したジョージリッツァという社会学者が、「消費の殿堂」という概念を提示しているが、「行き過ぎた消費社会」の親玉と捉える立ち位置は、筆者とはまるで違います。(P56)

ウォルト・ディズニーは、ディズニーランドの次に構想していた都市は、SPCOT(実験未来都市)となづけられていた。犯罪も交通渋滞もない、和気あいあいと暮らせる都市。(P92)

●街と消費のかかわり、パサージュ(19世紀半ばのパリの中心部の街路)から百貨店へ。(P108)

●ルート66の廃線とアメリカ人のノスタルジー
ルート66はシカゴやデトロイトのある五大湖周辺から西海岸へと向かうハイウエイ。移住者達の特別な思いをかきたてる存在。上野駅が東北の農村から上京した人が特別な場所である感じに近い。
映画「カーズ」もルート66をモチーフにした映画の一つ。(P121)

ルート66が廃れ、新しい道=フリーウエイが使われるようになった。インターステイトハイウエイ工事は、自然を破壊し人の生活を画一性をもたらし、アメリカの地方都市を無個性にしたという批判がアメリカでは常套句になっている。日本の1970〜80年代の郊外化を、三浦展が「ファスト風土化」と同じ状況。(P122)

日本におけるショッピングモールの歴史は、二子玉川の玉川高島屋ショッピングセンターから始まったというのが定説になっている。(P163)
5年後、メディアは稼げるか――Monetize or Die?
佐々木 紀彦 / 東洋経済新報社 (2013-07-19) / 1,296円74 users
読了:  2013年12月02日
東洋経済オンラインの編集長によるメディア論。実際にサイトを運営しているだけに具体的、実践的で説得力がある好著。日本のメディア特にネットメディアの現状を知るのにためになる。

単価の低いアドネットワークに依存する限り、たとえ5000万PVあっても、月の収入は500万〜1500万円にしか鳴りません。この収入規模では、クオリティの高いコンテンツを掲載し続けるのは不可能です。
ウエブメディアは、短期的な小銭稼ぎのためにアドネットワークに頼りすぎると、泥沼の値引き地獄に期刷り混まれてしまうのです。だからこそ、ウエブメディアには、アドネットワーク異存に陥らないだけの人気とブランド力、そして広告の営業・企画力が必要となるのです。ウエブの世界では、神の世界以上に「各カテゴリーのトップが一人勝ちする」傾向が強まるはずです。ナンバー2,3には未来はありません。(P125)

現時点でウェブメディアにおけるジャーナリズムが弱いのは、収入の大半を広告に依存していることに無縁ではありません。(P138)

有料化の3つの条件(P140)
・媒体が、経済系かエリート(高所得者)系かデータ系のいずれかであること。(ファイナンシャルタイムス、ウォールストリートジャーナル、日経新聞)
・紙で築き上げたブランド力
・無料サイトとしての圧倒的な実績

これからのメディア人が優先すべきは、自分の属する媒体の利益最大化ではありません。最終目標におくべきは「読者満足度の最大化」であり、「収益機会の最大化」です。自分は紙の編集部なので、意地でも紙に出し、ウエブは拒否するーこうした姿勢では新時代は生き抜けません。(P160)

自動車メーカーの社員であれば、クルマがどうつくられ、うられているかを知っているはずです、それなのに、記者は編集者は「編集と広告のファイアーウォール」を言い訳にして、メディアビジネスをしっかり学んできませんでした。ファイアーウォールをまもりながらも、広告を理解し、ビジネスマインドを育むことは十分可能です。

元イェール大学准教授、ウィリアム・デレズウィッツ曰く
「リーダーシップにとって、真に必要なのは想像力であり、新規かつ逆張り的な桃の見方を考え出し、それを表現する勇気です。〜孤独とは、ひとりで静かな時をすごすことへの自信と心地よさです」
(P172)

起業家ジャーナリスト
有料ニュースサイト「My News Japan:編集長兼社長の渡邉正裕氏。有名企業の社員に取材し、労働環境を採点する「企業ミシュラン」をキラーコンテンツ。月額1890円を2013年5月で会員1949人。著書「10年後に食える仕事 食えない仕事」は10万部のセールス。
人気政治ブログ「ディッシュ」を運営するアンドリュー・サリバン。タイム、アトランティックのカリスマブロガーから独立。120万UU、800万PV、年間19.99ドルで年間収入65万ドル。
グローバル情報誌「モノクル」編集長のタイラー・ブリュレ。BBCレポーターから、ライフスタイル誌「ウォールペーパー」の立ち上げに成功し、名声を確立。ウエブ、ラジオ、動画配信、セレクトショップやカフェも。
(P188)
アメリカに潰された政治家たち
孫崎 享 / 小学館 (2012-09-24) / 1,296円86 users
読了:  2013年11月26日
太平洋戦争後占領政策から現在に至るまで、日本の政治に対する米国の影響に警笛を鳴らし続けている元外交官による本書は、アメリカの意図に反したことで政治的な生命が絶たれた首相に焦点を当てている。
ロッキード事件が中国と直接つながろうとした田中角栄に対する米国の陰謀だというのは、史実になりはじめているけれど、岸信介の退陣は、引き金となった反安保運動が米国の策略があるという視点は知らなかった。

もともと日本の原子力推進政策は、1954年にアメリカがマーシャル諸島のビキニ環礁で実施した水爆実験で第五福竜丸が被爆したことで、核実験反対運動が拡大し、日米関係に亀裂が生じたことから始まりました。毒をもって毒を制するという論法でアイゼンハワー大統領により「原子力の平和利用」が掲げられたのです。(P17)
ラーメンと愛国 (講談社現代新書)
速水 健朗 / 講談社 (2011-10-18) / 821円219 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / グルメ 登録日:2013年12月01日 10時58分07秒 2013/12/01
読了:  2013年11月25日
日本でもっとポピュラーな食べ物「ラーメン」を軸に、日本の戦後史を俯瞰した好著。
中華料理をルーツに持ちながら(支那そば)日本独自の発展を遂げたこと、米国の小麦輸出政策の受け皿となったこと、高度成長による地方都市一律化の中での「ご当地化」など、日本文化の象徴的な存在である事がよくわかった。
筆者が「戦後の日本の社会の変化を捉えるのに、ラーメンほどふさわしい材料はない。ラーメンの変化は時代の変化に沿ったものである。」(P4)と前書きに書かれているが、本書を読むとよくわかる。そして「ラーメンの変遷を追って見た日本の現代時の記録」としても、秀逸だと思う。

以下、読書メモ

日本における大量生産の勃興期は、戦後復興の時代と共に訪れた。筆者はチキンラーメン(日清食品)を、その時代に登場した、アメリカにおけるT型フォードにあたる象徴的な商品として捉えている。(P70)

大量生産の思想、技術を日本にもたらしたのは、アメリカの数理物理学者、統計学者のエドワード・デミングである。(P73)
太平洋戦争での敗北は、経営者、技術者たちからすれば、自分たちの生産した製品の敗北であった。研究開発のレベルは高くても、それを生産する技術が十分に育っていなかった。日本産業界の弱点は、生産技術にあったのだ。生産の現場に無知だった軍部の無益な要求や介入が原因とはいえ、敗戦はものづくりにたずさわる人間たちのプライドを傷つける出来事だったに違いない。(P75)
実はドラッガーとデミングは研究者時代の同期であり、お互いに影響を請け合う関係にあったという。1950年代の日本のものづくり、企業の経営学には、デミングを通し、自然にドラガーの経営哲学が植え込まれいたということになる。(P77)

本格的な大量消費とは、こうしたインフラ整備によって生まれた新しい生活様式である。(P85)

ハーシーは、ミルク入りチョコレートの大量生産をフォードがベルトコンベアーを自動車工場に導入するよりも早く工場に導入した。〜軍の要求したレベルは「茹でたジャガイモよりもややマシな程度」だったという、(P88)
コカコーラの経営者であったロバート・ウッドラフは、「軍服を着たすべての兵士が、どこで戦っていようと、また我が社にどれだけの負担がかかろうと5セントのビン入りコカコーラを買えるようにする」と宣言した。自社のコーラを砂糖の配給制限の適用外となるよう、軍需物資に認定させることに成功。アメリカ軍にコカコーラの技術顧問を同行させ、前線基地に次々とコカコーラの瓶詰め工場を建設し、前述の宣言を実現するのだ。(P89)

ラーメンの語源に定説は無い。しかし、それまで「支那そば」「中華そば」と呼ばれることが多かった麺料理の一般名将が、「ラーメン」に切り替わり、定着したのは、「チキンラーメン」のテレビCMによる影響だった。(P96)

『ラーメンの誕生』(岡田哲著・ちくま新書)によると、北海道の札幌ラーメンと九州の博多ラーメンは、それぞれ別のルートで中国の北方、南方から伝わり、別々に進化した食べ物だというのである。〜札幌ラーメンと博多ラーメンは、「ラーメン」という標準語が生まれたと金、同じ料理のバリエーションであるという都合のいい書き換えが行われただけで、本来は別のルーツを持つ別の料理である可能性が高いのだ(P152)

「チキンラーメン」のCMが日本全国に流れ、「ラーメン」が標準語となった1960年代前後は、沖縄はまだ返還前だった。ラーメンが共通語化した時期に「出版資本主義」の範疇から漏れていたために、沖縄そばはラーメンになることがなかったのだ。(P156)

本書では、ご当地ラーメンが「郷土の気候、風土、知恵が混じり合い、その地域に根ざした」ものであるという言説に異を唱え、観光化のかけ声と共に、あるとき突然、変化したものであって、「地域の個性や特性」を反映したものではないことを指摘したきた。むしろ戦後の日本において、地方が個性を失い、固有の風土が消え去り、ファスト風土化するなかで、観光資源としてねつ造されたのがご当地ラーメンであるというのが、筆者の主張である。(P176)

田中角栄をものさしに日本の戦後を3分割した。インフラ整備と観光課の時代に生まれた札幌ラーメンブーム。中期、角栄が首相となり地方の時代と呼ばれた1970年代から始まる地方の画一化とチェーン系ラーメンと台頭。この時期に地方が個性を失う反動から、フェイクの固有性を強く打ち出すご当地ラーメンも生まれた。
そして後期、バブル崩壊直後に誕生した新横浜ラーメン博物館は、ちりばめられたフェイクの物語を一同にあつめ、偽史としてのラーメン列島神話を形成する。改行した1994年とは、田中角栄が死去した翌年だった。(P182)

ラーメン職人が好んで着る作務衣とは、全集の僧侶が日常的な業務=作務のときに着る作業着とも違い、戦後に甚平とモンペをミックスしたものである。歴史は極めて浅く、日本の伝統ともまったく関係ない。(P209)

スローフード運動は、1986年にイタリアの北西部にあるピエモンテ州で生まれ、90年代に世界的に広がった食文化の保護を訴える運動である。反グローバリズムであり、従来のイタリア左派への反発の意図もあった。(P220)

ラーメンこそ、浅田彰がJPOPやJ文学で指摘した「表層的な模像としたの日本への回帰」を1990年代に果たした代表的な存在と言える。(P257)
アメリカ・メディア・ウォーズ ジャーナリズムの現在地 (講談社現代新書)
大治 朋子 / 講談社 (2013-09-18) / 842円43 users
読了:  2013年11月23日
米国の新聞社/ジャーナリスト事情を、丁寧にリサーチ、分析した本。事情がよく理解できる。

新聞社の置かれている状況の日米の違いが大きく、おそらく日本の新聞社はこの本を読んでも危機感を持たないだろうという気がする。
米国では、権力と対比されたポジションとして、ジャーナリズムがしっかり位置づけられていて、その中に新聞社がいる。また、ローカル紙の数が多く、日本のようなマス部数の新聞社は存在しない。
それに対して、日本の新聞社は、「記者クラブ」という仕組みに代表されるように、社会構造の中に、ジャーナリズムが取り込まれている。大手新聞社の経営がおかしくなったら、NHKの様な仕組みを政治が考え出すのではないかと思うくらい。
単純に善悪では語れないことだけれど、それだけに、米国新聞社/ジャーナリズム事情を知ることは価値があると思った。

以下、読書メモ
米国の人口は日本の約3倍の3億人余りだが、国土は約25倍、新聞の発行総部数はほぼ同じで5000万部前後。新聞の数は、日本が110社、米国は1400社。
地元のニュースに密着し、ローカル路線を取れば、独占市場になる。隣町まで100キロ以上という場所が無数になる。そんな地方のスモールタウンほど高齢化が進み、読者の神晴れの進行が遅い。
(P105)

アメリカのジャーナリズムを追ううちに見えてきたのは、アメリカ社会の多様性。米メディアは、日本以上の厳しい経営危機にさらされているが、そこからはみ出しても、社会にはまだ、多様な受け皿がある。逆に日本の既存メディアは、米メディアほどの経営危機は迎えていないが、そこを出た人はフリーランスという道があるものの、米国のようなNPOメディアはマダホトンドナク、生活は極めて不安定で厳しくなる。米国というと格差社会、弱肉強食というイメージが強いが、少なくともメディア業界でいえば、日本社会の方がいったん「枠」からはみだすと生きづらい。
1万円起業
クリス・ギレボー / 飛鳥新社 (2013-09-11) / 1,512円450 users
購入:  2013年10月30日 1,470円
読了:  2013年11月05日
起業を人生の大問題と捉えるのでは無く、気軽に、片手間に、カジュアルにやることを薦める本。時代を反映していると思う。
ただ、米国人の書いた本なので、実例が米国例だし、そこで描かれる人々の心も米国人的。日本向けに「ローカライズ」した本があれば、影響力を持つだろうなと思った。実例探しで、普通の自営業との線引きが難しいというのはあるけれど。
キレイゴトぬきの農業論 (新潮新書)
久松 達央 / 新潮社 (2013-09-14) / 756円103 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 産業研究 登録日:2013年11月03日 14時20分30秒 2013/11/03
読了:  2013年11月04日
日本の農業に興味がある人には必読の素晴らしい本。
筆者の脱サラで有機農業を始めたという経歴だと、肩に力の入った正義が書かれているように思われがちだけれど、実践的かつ、理知的そして、相対的な価値観で俯瞰して書かれている。
特に「農家は弱者では無く、法律で守られた資産家で、優遇税制は、日本の農業を強くすることに寄与していない」という鋭い指摘や、原発事故の風評被害に対する考え方は、素晴らしい。
そして、何よりも久松農園の野菜を食べてみたくなった。

以下は、読書メモ
有機だから美味しいというのは神話。
野菜の美味しさの三要素は、栽培時期(旬)、品種、鮮度で8割方決まる。この3つが満たされていれば、栽培方法にかかわらず、誰でもある程度、美味しい野菜が育てられる。(P20)

有機野菜は、安全な野菜では無く「健康な野菜」であるべきだ、「その個体が生まれ持っている能力を最も発揮できている野菜」そういう野菜は、栄養価も高く、美味しい。(P31)

中田英寿曰く、
日本人は何でも"道"にしてしまう。武士道や茶道、華道に始まり、はては野球道など。一つのことをとことん追求するのは質の向上にはいいことだし、現場のカイゼン主義で進化を続けるのは、日本人の良さだ。このやり方では、ものづくりに終わりが無い。最後はカイゼンのためのカイゼンに陥り、どうでもいいような細かいところをほじくるようになってします。

競争力とは総合満足度のこと。小さい規模(の農家)ならば、大手が拾いきれないようなコアなお客さんを総合満足度で上回ることが可能です。そのためにも、意図的に、安売りの土俵にのぼるのを避けることが大事です。(P102)

おいしいと感じる仕組み
1)身体に必要なものをおいしいと感じる「生理的なおいしさ」
2)慣れ親しんだ味をおいしいと感じる「文化的なおいしさ」
3)「通の味」のように、学習でつくりあげる「情報によるおいしさ」
4)とまらくなるほど悩ましい「やみつきになるおいしさ」
2,3は動物に無い、人間特有で、4も人為的に精製した食べ物に強く表れる(P119)

農業も失敗の多い仕事だからこそ、理詰めで考えられることは徹底的に考えた方が、勝率が上がる、と思うのです。(P142)

美味しいと言われると「してやったり」という快感なのです。農業生産者というよりも芸人やミュージシャンに近い感覚かもしれません。まずは、自分がやりたくて、やっている。しかし、喜んでくれる相手がいないと成立しないので、自分と自分の野菜を支持してくれるお客さんを探している。(P160)

(放射能汚染の風評被害について)
結論から言えば、「自分の野菜に、放射能納心理的リスクを上回る質的な魅力がなかったので、一部の顧客から支持されなくなった」と考えています。(P164)

日本の販売農家は約200万戸ですが、そのうち7%でしかない販売金額1000万円以上の農家の売上が、全生産額の6割を占めています。こうしたプロの農業者の多くは、「先祖代々の土地を守り、食糧自給の指名を帯びて納的な暮らしを続ける貧しい農家」ではありません。普通のマインドを持った社会人で有り、さらに言えば、多くの場合は農地法に守られた資産家です。社会的な弱者ではありません。
間違った農家増を持つ事は、人々に現実を見誤らせます。「かわいそうな農家」を支援するための税制の優遇措置が、農業生産に寄与していない「名ばかりの農家」の資産形成を助ける一方で、やる気のある農業者の規模拡大や新規参入を阻害することもあります。これは、都市化に伴って、農地が不動産としての勝ちをもってしまう局面において、日本中で起きていることです。
(P183)
戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)
孫崎 享 / 創元社 (2012-07-24) / 1,620円497 users
読了:  2013年11月03日
日本の戦後史を米国におもねることを最優先する「対米追随」と、米国と対峙しながら日本の国益を追求する「自主路線」の二つの軸から捉えた本。筆者は後者の立場をとり、前者の政治家、および米国側の行動を実証的に批判している。
とてもためになる本。
サンフランシスコの講和条約の内容が独立国が結ぶべき内容では無いことをしった吉田首相は一人で署名をしている。米国の権益は、表に出さずに済む行政協定で守られている。
という指摘は目から鱗でした。

満州国の陰の支配者甘粕正彦(映画協会理事長)の青酸カリで自殺した際の辞世の句は「おおばくち 身ぐるみ脱いで すってんてん」

吉田茂は占領下の首相に実にふさわしい人物でした。問題は、1951年の講和条約以降も首相の座に座りずつづけて、占領中の「対米追随路線が独立後全く変わらず継続され、むしろ美化されて、60年以上もつづくことになっていまった。ここが日本最大の悲劇なのです。(P56)

賠償委員長ボーレーは「日本人の生活水準は、自分たちが侵略した朝鮮人、インドネシア人、ベトナム人より上であっていい理由はなにもない」と切り捨てています。
この考えは当時の米国ではけっして特別ではないのです。(P61)

歴史的に検察特捜部は米国と深い関係を持っています。
不当に隠された物資を探し出して、GHQの管理下に置くことを目的に設置された「隠匿退蔵物質事件操作部」が、東京地検特捜部の前身。(P83)

岸は、巣鴨拘置所で「冷戦が起こり始めている。このまま米国とソ連の対立が進めば、米国は自分を使いに来るだろう」と正確に判断しているのです。(P93)

マッカーサーは朝鮮戦争に関する意見の衝突でトルーマン大統領によって解任されました。それは、マッカーサーが進めた「非軍事化」「戦争犯罪人の処分」「民主化の最優先」を軸とする日本占領政策の終わりを意味していました。
最初の国会議員選挙では、衆議院の議席の42%を追放解除者が占めることになります。(P113)

日本は18億ドルを受け取り、5億ドル返したので、ガリオア・エロア資金は13億ドルを受けとっtことになります。一方、1946年から51年までに日本が米軍に払った駐留経費は約5000億円にのぼります。少なめに見積もっても約50億ドルです。

英国は植民地から撤退するときに、多くの場合、あとに紛争の火種を残していきます。かつての植民地が団結して反英国勢力になると困るからです。飛び地の領土をつくり、領土の境界をわざと複雑に設定しています。イギリスの伝統的な手法の一つに思えます。(P172)

1955年の保守合同から1960年代までCIAを通じて自民党に政治資金が提供され続けたことが、米国の公文書であきらかになっています。(P180)

プラザ合意で円高になったが、アジアの通貨はそのままだったので、日本製品が、アジア各国の製品に対して競争力を失った。(P301)
藝人春秋
水道橋博士 / 文藝春秋 (2012-12) / 1,620円191 users
読了:  2013年11月02日
浅草キッド・水道橋博士が、交流も含めた様々な人を評論するエッセイ。非常に面白いし、水道橋博士の観察力と頭の良さがよく表れている。
師匠、北野武に対する圧倒的な尊敬の念がすごい。
そのまんま東、テリー伊藤など、テレビで仕事をしている人に対する分析も適確な印象。
甲本ヒロトと小中学校の同級生というのが知らなかった。
神やぶれたまはず - 昭和二十年八月十五日正午
長谷川 三千子 / 中央公論新社 (2013-07-09) / 1,944円20 users
読了:  2013年09月22日
旧友に薦められて読む。
天皇を中心とした日本の国体が、太平洋戦争(大東亜戦争)を経て、何が変わったのかという日本人の精神史の問題について、新たな視点を示した本。
折口信夫、太宰治、吉本隆明、三島由紀夫などの著作や発言から丁寧に紐解いている。
残念ながら、自分が浅学でしっかりと理解するには至らず。この本の解説本が読みたいというのが正直な感想w
でも、名著なのは(辛うじてだけれど)わかった。
ここで分析し、語られているような太い民族としての精神性を持つことは、日本人にとって、日本の未来にとって大切なことだと思う。
ボールピープル
近藤 篤 / 文藝春秋 (2013-05-29) / 1,944円23 users
読了:  2013年08月20日
フットボール好きによる写真とコラムの素敵な本
創造力なき日本    アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」 (角川oneテーマ21)
読了:  2013年08月15日
村上隆の著作の中でも、サバイバル方法について踏み込んだ内容の本。毒を含んでいるように感じるが、「良薬口に苦し」と思うべき。
そして、「成功者」である筈の著者が、何故、こんな本を書きたくなったのかの真の動機を知りたくなった。

アート業界で活きていくなら、この世界のルールを一から十まで把握した上で、しっかりターゲットを絞り、「ターゲットに向かって弾を撃つ」というやり方をしなければ勝てません。(P6)

現代美術の世界は、絵の上手いエリートだけが目指す物では無く、セカンドオプションのエリアとも言えましょう。そのことをしっかり認識している人達に対しては、先を行っている者として、道標を示してあげたいのです。(P9)

かつて芸能民は、商工民や職能民とともに、天皇や神仏の直属民になっていました。それが、社会構造の変化と共に、賤視される存在になっていったという歴史があります。「古来、芸能民はヒエラルキーの最下層にあり、それは今も変わらない」ということを教えています。(P21)

芸術には「大衆芸術」と「純粋芸術」がある。現代美術は純粋芸術に属する。(中略)わかりやく単純化していえば、顧客が大金持ちということです。(P32)

芸術の世界において最も大切にするべき事は「仁・義・礼」
「仁」とは人を思いやること
「義」とは、利欲にとらわれず、なすべきことを選択する人助けの心
「礼」とは、礼節の心。人間関係を尊重する精神です。
知識を重んじる「智」と約束や友情に対して誠実である「信」を合わせれば、儒教でいうところの五常の徳となります。
今の若い人は、礼儀や恩という部分を本当に軽視して、ミーイズムで動いているようにしか見えません。
他人が自分の事を手伝ってくれるのは当たり前なので礼もしない。他人が自分を邪魔する場合は排除する・・・
(P58)

芸術家はいきているうちのことだけではなく、「死んでからのこと」まで考えるべき。(P101)

成功する場合の6つのパターン
1)天才型 レオナルド・ダ・ヴィンチ
2)天然型(超越型) 山下清、(ピカソ)
3)努力型 狩野永徳、村上隆
4)戦略型 ダミアンハースト、アンディ・ウォーホール(努力型でもある)
5)偶然型 印象派の画家達、時の運
6)死後型 パウルクレー、ヘンリーダーガー

理不尽な目に遇い、それを抱え持てるかが問われる。十字架として背負い、それを作品に反映させていくのが、「特殊職業」である芸術家の仕事です。(P123)

プロのアーティストになるための3箇条
1)「仁義礼」を大切にすること
2)アスリートとして身体を鍛え、脳を研ぎ澄ませておくこと
3)戦略性をもって、ともかく描き続けること (P140)
個を動かす 新浪剛史 ローソン作り直しの10年
池田信太朗 / 日経BP社 (2012-12-13) / 1,620円112 users
読了:  2013年07月28日
ローソンの経営方針、コンビニ業界の状況がリアルに感じられる本。
新浪社長の発言も興味深いものが多い。

「GEは、シェアが一以下に良いの事業しかいらない、『選択と集中』と言うが、市場をどう見るかということでもある。コンビニ業界でローソンは二位だけれど、病院内コンビニ、生鮮コンビニでは一位。ナチュラルローソンは働く女性の支持率では突出している。調剤薬局併設型でもトップ。細分化した市場をきわめて、なんばーわんになることで、組織に誇りとモチベーションが生まれる」(P118)

コンビニの契約形態
セブンイレブン:加盟店は粗利益の43%(チャージ率)を本部に払う。本部が土地建物を用意する場合は56%〜76%の粗利益額に応じたスライド方式
ローソン(旧制度):加盟店は34%、本部用意は45%もしくは50%の固定。

現在、全店売上高におけるPONTA会員は44%で微増を続けている。一定以上になったらPOSをやめてもよいと新浪は考えている。(P174)

トライアル率とリピート率から新商品を分析する。(P178)

LINEのクーポン活用でフライドチキンの売上が中高生に爆発的に伸びた。ロッピーにスマフォをかざすと、半額になるクーポンがプリントアウトされるという仕組み
LINEのローソンアカウントのユーザーは412万人、Twitterのフォロワー38万人の10倍以上。しかも、クーポンの引き替え率も通常の3%前後より高い、7%前後を示した。(P194)
若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)
村上 春樹 / 文藝春秋 (2004-10-01) / 551円208 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 登録日:2013年07月15日 16時15分36秒 2013/07/15
読了:  2013年07月15日
文体が苦手で読んでなかった村上春樹だけれど、短編集がよかったので、これを読んでみたらとても面白い。
長編小説の文体や登場人物のキャラクターがあまり得意で無いだけで、エッセイの文章は好きだしな。超、今更ながら村上春樹を読み始めそうな気配。
アヒルと鴨のコインロッカー [DVD]
カテゴリ:DVD DVD / 日本映画 登録日:2013年07月06日 17時49分08秒 2013/07/06
読了:  2013年07月02日
面白かった。不思議な味わいがある。
時間が無くて、集中して観られなかったので、もう一度観たいし、原作も読んでみよう。
レキシントンの幽霊 (文春文庫)
村上 春樹 / 文藝春秋 (1999-10-01) / 497円339 users
カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 文芸作品 登録日:2013年06月23日 10時36分10秒 2013/06/23
購入:  2013年06月20日 480円
読了:  2013年06月23日
「トニー滝谷」を作曲課題にするために読んだのだけれど、他の作品も含めて、久しぶりに小説に耽溺した。
現実の自分のイメージが不可分につながっているような意識の登場人物たち。

関係ないけれど、小説を読むには文庫本という形態は適している気もした。文芸作品は電子書籍で読むというのは興がそがれるのかもしれない。
新・帝国主義の時代 - 左巻 情勢分析篇
佐藤 優 / 中央公論新社 (2013-03-22) / 2,052円24 users
読了:  2013年05月15日
中央公論の連載の再編集だけど、素晴らしい内容。めちゃくちゃ勉強になった。
統計データはおもしろい! -相関図でわかる経済・文化・世相・社会情勢のウラ側-
本川 裕 / 技術評論社 (2010-10-26) / 1,706円103 users
読了:  2013年05月04日
統計データの解説書であると共に、相関図などのグラフを通して、様々な現象を見ることを教えてくれる本。データは大事だし、その設定が大事だなと改めて思った。

統計グラフの種類
・時系列⇒折れ線グラフ、棒グラフ、麺グラフ
・比較グラフ⇒棒グラフ、折れ線グラフ、レーダーチャート、統計地図
・構成比グラフ⇒円グラフor棒グラフ、折れ線グラフ、レーダーチャート
・散布図・相関図⇒点グラフ、折れ線グラフ
・人口ピラミッド⇒棒グラフ

プロフィール

音楽プロデューサー、コンテンツオーガナイザー。『ソーシャルネットワーク革命がみるみるわかる本』(ダイヤモンド社)上梓。(株)バグコーポレーション代表取締役。(社)日本音楽制作者連盟理事
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