
本日の一冊は、フィナンシャル・タイムズ紙の「年間ビジネス書No.1」
に選ばれた全米で話題のベストセラー『Fooled by Randomness』の
待望の邦訳。
オビに「ウォール街のプロが顧客に最も読ませたくない本!」とあ
るように、専門家が伏せておきたい、金融市場における「まぐれ」
の実態を、不確実性科学の研究者でありトレーダーでもある著者が
思いきり暴露した本です。
著者に言われるまでもなく、人間は成功すると自分の実力だと思い
込み、失敗すると運が悪かったと思う生き物ですが、この性質が、
投資の世界ではしばしば、悲劇と虚構を生みます。
本書を読むことで読者は、いかにビジネス界でまことしやかに言わ
れていることが当てにならないものか、理解できると思います。
科学的な態度を持たずにメディアに触れることがいかに危険か説く
と同時に、情報を判断する際にリテラシーを持つことの大切さを教
えてくれる、じつに貴重な一冊です。
著者の好奇心のおもむくままに話が進められ、話があちこちに飛ぶ
ので、正直疲れることもありますが、実体験に基づくエピソードと、
物事を冷静にとらえるための理論的枠組が示された、刺激的な一冊です。
個人的には、ベストセラー『聖書の暗号』や『ダヴィンチ・コード』
をバッサリ斬ったところが痛快でした。
※参考:『聖書の暗号』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102212213/
※参考:『ダヴィンチ・コード』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4042955037/
投資をする人は、バートン・マルキールの名著『ウォール街のラン
ダム・ウォーカー』と併せて読むことをおすすめします。
※参考:『ウォール街のランダム・ウォーカー』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532352606/
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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大事に育てていかないといけない自分の財産は、心に深く根ざした
自分の知性への不信感だと私は考えている
確率とは、私たちの知識が不足していて、確実なことはわからない
と認めることであり、自分の無知を相手にするためにつくられた方
法なのだ
運の助けを借りずに得られたものは偶然に左右されにくい
どんなに成功する可能性が高くても、失敗したときに失うものが大
きすぎれば可能性の高さなんて関係ない
仕事について検討するなら、その仕事で成功した人の例ではなく、
その仕事を選んだ人の平均を考えなければいけない
予測が専門の人もそうでない人も、ほとんどの人は、北アメリカの
どこかで壊滅的な洪水が起きる可能性よりも、カリフォルニアで地
震があって壊滅的な洪水が起きる可能性のほうが高いと判断する
ボラティリティは実際の価格の動きよりもマスコミの論調で決まる
世界はどんどん複雑になり、一方私たちはどんどん単純化されたも
のにばかり接するようになる
平均的なリスク・マネジャーは、平均的なトレーダーよりもお金が稼げる
あるアイディアがいろいろな時代を経て長い間生き残ったとしたら、
そのアイディアは相対的により適応しているということだ
私たちに見えて、私たちが勘定に入れるのは勝ち残ったものだけだ。
敗れ去ったものは取り除かれている
中央値が八ヵ月だというのは、患者の五〇%が八ヵ月以内に死に、
五〇%が八ヵ月以上生きるということだ(中略)ここには非対称性
がある。死ぬ人たちはとても早く死んでいるけれど、生き延びた人
はとても長く生きている
私がずっと市場でやってきた仕事は、「歪みに賭ける」と言うのが
一番合っている。つまり稀な事象で儲けるのだ
白い白鳥を何羽見ようと、すべての白鳥は白いと推論することはできない
市場(と人生)は、勝った負けたの単純な世界ではない。負けたと
きの損失の大きさと勝ったときの収益の大きさは、まったく違って
いることがある
◆理論のあり方は二つしかない
1.検証が行われ、適切な形で否定されて、間違っていることがす
でにわかっている理論
2.まだ反証が成功していないので、間違っているかどうかはわか
らないけれど、間違っていることが証明される可能性のある理論
芸術家や芸術家の集団が描いた絵を大量にコンピュータに取り込ん
で、彼らの絵に共通する特徴を(何十万という特徴の中から)一つ
見つければ陰謀論なんて簡単につくれる