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山見 博康
/ 研究所
(2008-06-19) /
840円
/ ISBN:9784569699660
本日の一冊は、神戸製鋼所の広報部長を経て独立、現在は広報・危 機対応コンサルタントとして活躍する著者が、企業広報のノウハウ をコンパクトにまとめた一冊。 著者は、これまでにもいくつか良書を出しているPRのプロフェッ ショナルですが、本書では、最新のインターネット広報、そして昨 今話題となっている企業不祥事への対応を含め、幅広く論じています。 PRというとすぐに「自社の商品を宣伝してもらうにはどうすれば いいか」という「攻め」の広報に話題が集中しがちですが、実際に は守りも含め、社会とのコミュニケーションを正しく取っていくこ とが、信用につながります。 本書は、そういったベーシックな広報活動を説いているため、一見 地味ですが、一般にはまだまだ知られていないインターネット広報、 メディアトレーニングのノウハウなど、かなり細かい部分まで突っ 込んで論じています。 新書ということで、必要最低限、広報のツボを押さえておきたい向 きには、適した一冊と言えるでしょう。 何事も、起こってからでは手遅れ。メディアとの付き合い方、正し い対応方法を知る上で、ぜひ読んでおきたい一冊です。
ビル・レーン
/ 研究所
(2008-05-10) /
1,890円
/ ISBN:9784569700038
本日の一冊は、「20世紀最高の経営者」と謳われたジャック・ウ ェルチの専属スピーチライターが、ウェルチの「人を動かす」ノウ ハウと、驚愕のエピソードを語った一冊。 ウェルチに最後まで原稿を見せなかったというだけあって、内容は ウェルチも真っ青の赤裸々なエピソードが満載です。 CEO就任以来、社内のコミュニケーションに徹底的にメスを入れ、 スピーチが気に入らなければ、即刻「クビ」を言い渡したというウ ェルチの言動が、じつに詳しく記録されており、他のどんなウェル チ本よりもウェルチの素顔にせまっています。 ノウハウとしても秀逸で、「聞いている側に結論をもたらすスピー チ」をする、自分の成長をアピールする用語、データ、エピソード、 見解を入れる、など、ビジネスプレゼンで必要な心構え、テクニッ クがバッチリ学べます。 惜しむらくは、著者がGEに20年以上も在籍していて、その特殊 性に気づかないまま本書を執筆してしまったということ。 超大企業のリーダー、マネジャーを対象に指導してきた著者のノウ ハウは、確かに役立ちますが、そのうちいくつかは、大企業の幹部 クラスだけを対象にしたお話です。 ただ、それだけに大企業や外資系企業でトップを目指す人には役立 ちますし、スピーチ論を超えたリーダー論としても楽しめます。 やや著者の自慢話が鼻につきますが、これぐらいの人でないとおそ らくウェルチの側近は務まらなかったのでしょう。 足し算要素も、引き算要素も多い本ですが、トータルで見れば、や はり読んでおいて損はないと思います。
松下 幸之助
/ 研究所
(2008-05-10) /
1,000円
/ ISBN:9784569700090
「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助の肉声が入ったCDつきで、 仕事で成功するための考え方や、生きがいを見つける方法が語られ ています。 もちろん、受け手として存分に楽しんでいただくのも結構なのです が、昨日の流れから行くと、これはぜひ語り手として、リーダーと してどう伝えているのか、に注目して聴いてみたいところ。 これらの講話を通して、松下幸之助は何を伝えようとしたのか、そ の真の狙いを解き、またそれをどう伝えようとしたのかを読む。 こうすることによって、いかに松下が人心を掌握したか、その本質 も見えてくると思います。 本業でない高校野球と本業である仕事を比べて、どうして高校球児 に負けない情熱をもって仕事に取り組めないのか、と説く。 他社に引き抜かれて社長になり、憂き目にあった中堅社員のエピソ ードを通じて、自己認識の大切さを説く。 さすが何万人という社員を束ねた松下だけあって、いずれの話から も人心掌握の秘訣を学ぶことができます。 価値観もビジョンもさまざまな社員に、どうやってやる気になって もらうか。おそらくどこの社長も悩んでいることですが、それに対 するヒントが、この本にはあると思います。 経営者の方は、ぜひ読んで(聴いて?)みてください。
森永 卓郎
/ 研究所
(2008-04-19) /
840円
/ ISBN:9784569648972
本日の一冊は、ベストセラー『年収300万円時代を生き抜く経済学』 で知られる庶民派エコノミストの森永卓郎さんが、資本主義の正体 と、そこに参加する利害関係者の思惑、庶民を騙すためのトリック を明かした、注目の一冊。 ※参考:『年収300万円時代を生き抜く経済学』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334973817/businessbookm-22/ref=nosim 話題となった前作は、批判も含め大変な話題を呼びましたが、今回 の本も相変わらずの小泉政権批判を含め、著者の主張がかなり色濃 く出た作品です。 ただ、それでも、時の権力者が自分に都合のいいシステムを作ると いう、古代から続いている原理原則を知らしめたのは意義があります。 「権力の側にいる者が、その他の無知な大衆から収奪する」。 あまりに現実的なひと言ですが、本書の内容は、これが実際に行わ れていることを実感させる内容です。 役員報酬や株主配当は増えているのに雇用者報酬は増えていない、 経団連は、勝ち組企業が有利になるよう政策に働きかける機関、な ど、歯に衣着せぬ文章が痛快な一冊です。 政治やマクロ経済はちょっと…という人は、興味を持つためのきっ かけとして、読んでみてはいかがでしょうか。
堀 紘一
/ 研究所
(2008-04-19) /
840円
/ ISBN:9784569698373
本日の一冊は、三菱商事、ハーバード・ビジネススクールを経て、 ボストンコンサルティンググループの代表を務めた堀紘一さんが、 リーダーシップを高めるための考え方を説いた一冊。 いまどきはリーダーになりたい人が減っているようですが、著者い わく、「リーダーシップを身に付けなければ、いつか必ず後悔する」。 その理由は、日本もアメリカや中国、インドのように格差社会が進 んでおり、将来的にリーダーとそれ以外の年収格差が広がること、 そしてリーダーシップこそは、「どんなにITが発達し、どんなに 低賃金の労働者が増えたとしても、絶対に取って代わられることの ない能力」だからだそうです。 では、そのリーダーシップはどうやって磨くことができるのか。本 書では、この点に関し、興味深い視点が示されています。 いわく、「リーダーシップというものは結局、他の人が何を感じる かということに尽きる」 だから、「他の人がどういう状態に対して喜び、どういう状態に対 して不愉快に思うか、これをよく理解することで、リーダーシップ は確実に身に付けることができる」というのです。 具体的には、「長期と短期のトレードオフを教えてあげることで、 今の状態を納得させ、より先の状態に目を向けさせる」「各人の個 性や特徴を見分ける」「自分で気づかせる」など。 ほめ方や叱り方、人事評価のポイントも示されており、新人マネジ ャーには、手頃な一冊と言えるのではないでしょうか。 ただ、惜しむらくは、読者の魂をゆさぶるほどの強いメッセージが 感じられなかったという点。 年収が高いから、ではなく、リーダーになることでどんな人間的成 長が実感できるのか、そして社会的意義とは何なのか、この辺をも っと熱い情熱で語って欲しかった。 実用性も含め、やはり『課長の教科書』の方が一枚上手だと思います。 ※参考:『課長の教科書』 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4887596146/businessbookm-22/ref=nosim
岡 潔
/ 研究所
(2008-02-01) /
1,050円
/ ISBN:9784569695525
本日の一冊は、世界的数学者にして憂国のエッセイスト、故・岡潔 さんによる珠玉の言葉集。 氏の著書から現在に通ずる教訓を集め、一冊の本にまとめたもので、 内容は、「情緒」の大切さとその育み方に関するものが主となっています。 「情緒」というと、道徳教育ととられるかもしれませんが、著者が、 そして本書を選んだ土井が問題にしているのは、この「情緒」が、 人の生き方や働き方、さらには社会にまで影響を及ぼしているので はないか、ということ。 本書を読む限り、現在のさまざまな企業不祥事や殺人、自殺などの 社会問題が、すべてここから来ているのではないかと思われるのです。 現在の世の中で、「愛」を否定する人はないと思いますが、著者い わく、「愛は自他対立する。愛を連続的に変化させるといつの間に か憎しみに変わる」。 だからこそ人には「情」が大切であると著者は説いているのです。 ほかにも、現在のわれわれが過度に重視している「時間」に対し、 「時間とは時の簡単な模型にすぎない」と説き、現在ブームとなっ ている社会貢献に対しても、「このくにの善行は『少しも打算、分 別の入らない行為』のことであって、無償かどうかをも分別しない」 と説く。 いささか古い本ではありますが、それだけに現在の社会にはない価 値観を教えてくれる、貴重な一冊だと思います。 個人的におもしろかったのは、巻末にある著者と松下幸之助の対談。 「私はすべてを肯定するのですよ」と語る松下に対して、「さすが に実業家らしいですね」と岡が皮肉を言うなど、価値観の違う2人 のバトルは一読の価値ありです。 人間にとって最終的に問題となるのは、どんな理想を掲げて生きる のかということ。本書は、そのヒントとなる一冊だと思います。 |
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