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岡 潔 / 研究所
(2008-02-01) /
1,050円
/ ISBN:9784569695525
本日の一冊は、世界的数学者にして憂国のエッセイスト、故・岡潔 さんによる珠玉の言葉集。 氏の著書から現在に通ずる教訓を集め、一冊の本にまとめたもので、 内容は、「情緒」の大切さとその育み方に関するものが主となっています。 「情緒」というと、道徳教育ととられるかもしれませんが、著者が、 そして本書を選んだ土井が問題にしているのは、この「情緒」が、 人の生き方や働き方、さらには社会にまで影響を及ぼしているので はないか、ということ。 本書を読む限り、現在のさまざまな企業不祥事や殺人、自殺などの 社会問題が、すべてここから来ているのではないかと思われるのです。 現在の世の中で、「愛」を否定する人はないと思いますが、著者い わく、「愛は自他対立する。愛を連続的に変化させるといつの間に か憎しみに変わる」。 だからこそ人には「情」が大切であると著者は説いているのです。 ほかにも、現在のわれわれが過度に重視している「時間」に対し、 「時間とは時の簡単な模型にすぎない」と説き、現在ブームとなっ ている社会貢献に対しても、「このくにの善行は『少しも打算、分 別の入らない行為』のことであって、無償かどうかをも分別しない」 と説く。 いささか古い本ではありますが、それだけに現在の社会にはない価 値観を教えてくれる、貴重な一冊だと思います。 個人的におもしろかったのは、巻末にある著者と松下幸之助の対談。 「私はすべてを肯定するのですよ」と語る松下に対して、「さすが に実業家らしいですね」と岡が皮肉を言うなど、価値観の違う2人 のバトルは一読の価値ありです。 人間にとって最終的に問題となるのは、どんな理想を掲げて生きる のかということ。本書は、そのヒントとなる一冊だと思います。 |
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