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 「ある夜の物語」は良かった.
 暮らしの哲学と比べると,読んでいてひっかかる部分が多かった.団塊の世代,政治,経済,IT,科学等に対する著者の考え方は,かなり偏っているように感じた.哲学は,自分の頭の中だけで考えることができるのかもしれないが,政治や経済などは,相当外部の情報を取り込まないと考察することはできないように思う.テレビもインターネットもあまり見ることなく,考えることはできないのではないか.
本を読んでいて,「(すべての)〜は〜である」と断言している記述があると,疑い深くなる.2008年8月9日のMORI LOG ACADEMY「危うい論理性」という記事を思い出した.強調したいために,わざとそういう表現を使うこともあるとは思うが.
 スカイ・イクリプスのエピグラフで知った.
 気に入った話
* 思索販売業
* 蛍
* 愛の鍵
* 復讐
* 最後の事業
特に愛の鍵は,たった4ページで,何度か感情が変化し,余韻が残った.
少し長めで,残酷だが以下もよかった
* 処刑
* 殉教
 子供向けの作家という印象が強かったが,ショートショート一編を普遍的な内容にするためにどれほどの苦労があったかを知り,星新一という作家の見方が大きく変わった.小中学生の頃に,きまぐれロボットという作品を読んだきりだったので,これからまた,少しずつ読んでいきたい.一人の人間の人生を本にする仕事は想像しただけでも大変だ.膨大な参考文献と数多くの人へのインタビューと著者の努力により完成したと思われる本書は,一読に値すると思う.
 最相葉月さんの「星 新一 一〇〇一話をつくった人」と「あのころの未来」を読んで,以前とは別の観点から読むことができた.一話数ページで,かつ,流行に左右されない普遍的な内容にするのはすごいことだと思う.
 タイトルに惹かれて購入.
星新一を再発見するきっかけになった.
「長生きより安らかな死を」の中で,海洋学者オットー・ペテルソンの晩年のことばを紹介していて,それが印象に残った.以下,引用.
「死に臨んだとき、わたしの最期の瞬間を支えてくれるものは、この先になにがあるのかというかぎりない好奇心だろうね」
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