|
|
|
 暮らしの哲学と比べると,読んでいてひっかかる部分が多かった.団塊の世代,政治,経済,IT,科学等に対する著者の考え方は,かなり偏っているように感じた.哲学は,自分の頭の中だけで考えることができるのかもしれないが,政治や経済などは,相当外部の情報を取り込まないと考察することはできないように思う.テレビもインターネットもあまり見ることなく,考えることはできないのではないか.
本を読んでいて,「(すべての)〜は〜である」と断言している記述があると,疑い深くなる.2008年8月9日のMORI LOG ACADEMY「危うい論理性」という記事を思い出した.強調したいために,わざとそういう表現を使うこともあるとは思うが.
 一般人が気にとめないで,見過ごしてしまう現象に着目して文章化できるのは,さすが哲学者だと思った.
特に人間存在に関する考察はユニーク.文体もユニーク.
本書は著者が亡くなる1年前ぐらいから死ぬ直前までの連載をまとめたものらしい.死を意識しながら文章を書いていたと考えられるが,その内容から,とても強い人だったのだなと感じられた.
エッセイの中で,無神論者と父の死にふれている箇所があって,死んだら何もなくなるというのに,記憶の中の父の存在は,なんで父が死んでもすぐに消えてしまわないのだというようなことを述べていて,妙に納得した.
 第二章 自由論は,文庫版 クレィドゥ・ザ・スカイの解説で述べられていた内容を,さらに,充実させた内容となっており,興味深く読んだ.
他者を選び取り,受け入れるということは,一人で生きることよりも自由であり,また,それによって,大きな感動を得ることができる.
他者を受け入れないということは,未来の可能性を留保したこととなり,何も捨てていないようで,実は大きなものを捨てている.
 アンチWeb2.0な本.
WikipediaやYouTubeによって,アマチュアが礼賛されて,プロの仕事が減りつつあることを危惧し,警鐘を鳴らしている.
Wikipedia,YouTubeなどのUGCを称える書籍が多い中で,ここまで批判的に書いている本は珍しいと思った.
 * ITはGPT (一般目的技術,汎用技術)である
* GPTが社会に影響を与えるのには時間がかかる
* 社会組織の大きな変革がなければGPTは導入できない
* Earth Class Mailというサービスは興味深いと思った
* アメリカの電子政府は日本と比べてかなり進んでいることを知った(免許証の更新もインターネットでできる)
 スカイ・イクリプスのエピグラフで知った.
 スカイ・クロラシリーズの内容を忘れかけていたので,誰のエピソードなのか,わからない話がいくつかあった.この本単体でも,楽しめるとは思うが,作者の意図は,スカイ・クロラシリーズを読み込まないと想像できないと思う.
 並の精神力では,スティーブ・ジョブズのまねはできないと思った.
常識的に無理だと考えられることをやってのけている.
ジョブズと同様の行動をとったら,良心の呵責に苛まれることになると思う.
挫折や死の恐怖を味わっても,謙虚になることなく,さらに自分の考えや行動に自信を深めることができるというのはすごい.
 わくわくしながら,読み進めることができた.
スケールフリー・ネットワーク(ベキ法則に従うネットワーク)が,インターネットやWWWだけでなく,人間関係,ウィルスの感染,食物連鎖,遺伝子,テロリスト,経済など様々な領域にまたがって普遍的に存在しているということを知った.
耐故障性などを考慮した結果,インターネットなどはスケールフリー・ネットワークになっていったが,実は,はるか昔から生物もその構造の中にスケールフリー・ネットワークを持っていたというの |