ホーム   本・雑誌   Web   洋書   音楽 ウォッチ  プロフィール  メディア記録  印刷  RSSフィード
並べ替え:
カテゴリ 読書 購入 所有 お気に入り 1 - 8件目 / 8件
生物時計はなぜリズムを刻むのか
レオン・クライツマン , 本間 徳子 /日経BP社 (2006-01-11) / 2,376円26 users
読了:  2011年01月02日
・10/12/28、岩槻図書館で借りる。生物の体内時計の研究史の概説、これはこれで面白いが、現在の関心の対象とは多少ズレている。
投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い
マイケル・J・モーブッシン /日経BP社 (2007-02-22) / - 164 users
読了:  2010年01月09日
◆さいたま市図書館、10/01/07
投資の哲学、投資の心理学、イノベーションと競争戦略及び科学と複雑系理論の四部構成。理論的支柱は第四部の「複雑系理論」で、前半は金融、投資市場の豊富な具体例をあげて、無数の集団的行動の集積が「ある種の秩序」を形成していくかを挙証している。お陰で、マンデルブロの『禁断の市場』では、市場分析でのべき乗法則の意味合いが、いま一つ曖昧だったが、やや具体的に理解できたようだ。(10/01/09)
○「現実の世界は平均値ではなく、異常値に支配されている-ウォール街が注目する米経済界の俊英が、生物学、統計学、心理学などの幅広い知見と独自の視点で、ファイナンス理論の常識を覆した話題のエッセイ」という日経BP社の既刊案内が面白そう。殊に世界は平均値ではなく、異常値に支配されているという一節が興味深い。
○Amazonの「愚かな投資家がたくさん集まれば、株式市場は正しく機能する」という著者からの内容紹介はもっと面白い。はたして「愚かな政治家がたくさん集まれば、国の政治は正しく機能する」と言えるだろうか??偶然性と必然性の関係を如何に読み解くかは、量子力学の課題の一つだけれど、へーゲルは「必然性とは、認識された偶然性である」と喝破した。なにやら、対立物の統一を思い起こさせるアイロニーを感じさせる。トルストイは「戦争と平和」の中で、ナポレオンのモスクワ撤退の場面で、戦争の大きな必然的な流れは無数の偶然の出来事の集積の結果だと描いていた。
◆第四部、科学と複雑系理論
一見無秩序でランダムな集団的行動がもたらす秩序、分散化されたシステムでは、たとえ個々の構成要素の能力が限られていても、複雑な問題を極めて効率的に解決することがある。知識を組織全体にまんべんなく分配することにより、安いコストで、集団の知恵を活用できるのである。また、我々は分散化された問題解決システムを十把一絡げにしてしまいがちだが、システムごとに特徴があり、その特徴がシステムのパフォーマンスを左右する。例えば株価は、投資家がそれぞれの多様な行動をとるときに効率的な値動きを示す傾向がある。ひとたび多様性が失われ、投資家の誤りが同じ方向に向かうと、株価が極端に高くなったり安くなったりする。187.p
・投資家は二つの理由から、集団行動の正確性に注目すべきである。一つは、情報の集積力こそマーケットの効率性をもたらす中核的機能だという点である。ここで効率性と言うのは、ある特定の投資家が、合理的な方法を用いて市場平均よりも優れたリターンを手にすることが出来ないことを意味する。もうひとつは、集団に蓄積される情報を活用する企業が、競争優位にたつことができるかもしれないという点だ。189.p
・株式市場を複雑系ととらえれば、投資家は二つの罠を避けることができる。一つはすべての結果に対して個別の原因を探そうとすることである。複雑系では、小さな混乱や動揺が集まって大きな変化が生じる。原因と結果が直ちに結びつくわけではない。..もうひとつの罠は、マーケットそのものを理解しようとせずに、個別の情報にこだわってしまうことである。213.p
・複雑系は、そこに含まれる異質の構成要素の一つ一つを分析しても、全体の性質や特徴を理解できない。複雑系は線形ではないので、部分を足しあわせても全体と等しくならない。原因と結果という文脈で考えると、納得の行く説明が出来ない。このようなシステムの代表例が株式市場である。217.p
・ジップの法則(べき乗法則)は、順位×サイズ=定数という単純な数式で表される。
マンデルブロは、ジップの法則に二つの修正を施し、より一般的なべき乗法則を導いた。一つは、1位から3位までのサイズを、1/(1+C)、1/(2+C)、1/(3+C)としたこと。二つ目は分母を(1+C)乗すること。その結果、1位から3位までのサイズは、1/(1+C)^(1+C)、1/(2+C)^(1+C)、1/(3+C)^(1+C)...
アクステルは、企業規模の分布は、政治や規制の状況、企業買収の増減、新興企業や企業倒産の動向、労働人口における大規模な人口学的推移(例えば、女性労働者の大量増加)などの要因では左右されないことを示した。
べき乗法則をもたらすメカニズムはまだ完全には解明されていないが、べき乗法則を発生させるモデルやプロセスは多数存在する。225-227.p
・企業規模の分布と成長率の研究から、以下の四つの法則が抽出できる。
1.企業規模の分布はジップの法則に従う。
2.企業成長率の分散は企業規模の増大とともに減少する。
3.大企業の成長はしばしば失速する。
4.多くの企業が同じライフサイクルをたどる。232-235.p
株式投資 第4版
ジェレミー・シーゲル /日経BP社 (2009-07-23) / 3,024円53 users
購入:  2009年07月21日 1,500円 所有
読中: 
○Amazonの内容紹介に「200年間の市場価格に基づき株式投資の最適戦略を明らかにした画期的名著」とある。無数にある「投資」に関するハウツウ本は、単なる時間の浪費であり、全く読むに値しない。バーンスタインが「シーゲルはデータを芸術に換えた」と評価するこの本は、単なる「投資戦略」を超えて、景気循環と株価との内的関連を考える上で不可欠の一冊だ。
○09/07/23に第四版の日本語訳が出版されるが、この機会に第三版を古本で購入。
神と科学は共存できるか?
スティーヴン・ジェイ・グールド /日経BP社 (2007-10-18) / 2,052円71 users
○日経BP社の出版案内で興味を持つ。
Amazonの内容紹介から現代進化生物学の残り 1 人の大物であるスティーヴン・ジェイ・グールドは? 2002年、癌でこの世を去ったグールドは生前、宗教と科学の問題に誰よりも早く言及し、考察した書を世に出していました。それが本書、『神と科学は共存できるか?』( ROCKS OF AGES)です。グールドはこの問題の当事者でもありました。人類の生物学的進化を否定する一部キリスト教原理主義者の「創造主義運動」と長年対決し、学校教育から「進化論」を押しのけ、「創造論」の授業を押し込もうとした運動に裁判で勝利した経験の持ち主でもあったのです。ドーキンスが否定し、ウィルソンが融合を考えた、科学と宗教の関係。グールドはこう考えました。科学と宗教は、重なりあわず独立して存在しているが、そのうえで互いに尊重すべき知的体系という関係にある、と。そして、科学と宗教を「対立構造」で見立てるのが間違いであり、愚かしい、と主張します。その立場を彼は、あえてカソリックの言葉を使用し、「非重複教導権(マジステリウム)の原理」と名づけ、本書を貫くテーマにすえます。グールドは、そもそも科学と宗教が対立構造にあったケースは、古代からむしろ例外的であったこと・むしろ近代に入って科学の万能性を訴えるために、宗教の非科学性を強調すべく、対立構造がしばしば捏造されたことを、指摘していきます。
大暴落1929 (日経BPクラシックス)
ジョン・K・ガルブレイス /日経BP社 (2008-09-25) / 2,376円178 users
所有 読了:  2009年05月31日
投機ブームに伴う新たな仕掛け、現実に需要があればいずれ必ず満たされるのが、資本主義の非凡なところである。過去の大規模な投機ブームをみると、投機家が心置きなく自分の仕事に集中できるような仕掛けが必ず登場していることが分かる。フロリダの場合は、それは「手付証書」の売買だった。土地そのものではなく、表示された価格で土地を買うことが出来る権利が売り買いされたのである。土地価格の10%に当たる手付金を払えば、この権利を表す手付証書を手に入れることが出来、この証書は転売可能だった。41.p
・株式市場にも、投機家が全エネルギーを投機に集中できるような仕掛けが用意されている。不動産市場の泥臭いやり方に比べれば株式市場のほうがよほど洗練されていた。それは信用取引、すなわち証券会社から金を借りて株取引をする仕組みである。42.p
・ブローカーズ・ローン(信用取引で買った株を担保に差し入れるローン)残高を見れば、投機がどれほど増えたかがわかる。この指標で見ると、1928年に投機がハイペースで拡大したことがはっきりする。ブローカーズ・ローンは呼べば応えるほど流動性が高いので、コール・ローンと呼ばれることも多い。20年代前半のその残高は10-15億ドルだった。26年初めにはこれが25億ドルになり、年末までにその水準で推移する。27年になると更に10億ドル増え、年末には34億8078万ドルに達した。途方もない額だが、これは始まりに過ぎなかった。28年の初めの二ヶ月は低調でいくらか減ったものの、その後は急激に増え、6月1日には40億ドル、11月1日には50億ドルに達する。そして年末には60億ドルに手が届こうとしていた。44.p(⇒「アメリカ経済の歴史」169.p参照)
新規事業、事業目的ではなく、株を売りさばくためだけの目的で会社を興す。放送と航空関連はことに値上がり期待が強かったため、それだけを頼みに新会社が次々に設立された。..だが全体としてみれば、この年の株式ブームを支えていたのは新種の産業ではなく、ブームは直接間接に既存の産業や企業に依存していた。投機が盛んな時期には、新規な目的のために売り出される新規な株が主役を演じることが多いが29年には端役に過ぎなかった。84.p
投資信託、20年代後半に投機のために考案された仕組みのうち、何よりも特筆に価するのは、投資信託、正確には会社型投資信託である。..アメリカに渡ってくるのは意外に遅かったけれど、発想自体は特に新しいものではない。イングランドやスコットランドでは1880年頃から、会社型投資信託の株を買うという形で投資家の資金をプールする仕組みが出来上がっていた。84-85.p
・28年の一年間で、推定186社の会社型投資信託が組織された。そして翌年初めには一営業日毎にほぼ一社のペースで設立され、年間で265社が誕生した。投資信託が一般向けに販売した有価証券の総額は、27年には4億ドルに過ぎなかったが、29年には推定30億ドルに到達、その年の新規発行額の三分の一をゆうに上回った。そして29年秋には投資信託の総資産額は、27年初めのほぼ11倍に相当する80億ドルを上回っている。88.p
投資信託の魔法の力、レバレッジ効果、魔法の寵児=ゴールドマン・サックス、98-109.p
・フィッシャー教授の予言、株価は恒久的に続く高原状態に達した。ハーバート経済学会は11月に「1920-21年のような深刻な不況が起きる確率は無視できる程度に過ぎない。企業の破綻が相次ぎ、それが長引くような事態は考えなくて良い」と断言した。120.p
・1929年の夏、株式市場がアメリカ人の生活の中で磁石のような存在だったことは疑う余地がない。猫も杓子も株式市場に吸い寄せられた。129.p
・29年の秋までには不況に陥っていたというのが通説になっている。六月には鉱工業生産指数と工場生産指数が共にピークを打ち、下降に転じた(149.p)。投機ブームとその崩壊が重要な役割を果たしたと考えない限り、29年秋以降の経緯について説得力のある説明はできない(151.p)。市場に対する信頼感は、一気に崩れたわけではない。..ナショナル・シティ・バンク会長のC・E・ミッチェルは「米国の産業は極めて健全」と断言。ブローカーズ・ローンに神経質になりすぎていると指摘し、「米国経済の上昇基調を妨げる要因は見当たらない」と述べた。また10月15日には、更に踏み込んで「市場は、現在概ね健全であり、わが国の全面的な繁栄を考えれば株価も妥当な水準にある」と強調している。同じ日の夜、フィッシャー教授が「恒久的に続く高原状態」に関する歴史的発言をし、「ここ数ヶ月のうちに株価は現在よりかなり高い水準に達すると予想している」と言い添えた(158.p)。
暗黒の木曜日10月24日、木曜日、歴史をひも解くと、この日が29年の恐慌相場の始まった日とされている。確かに混乱や恐怖や動揺の度合いから考えれば、そう見なされてもおかしくない。..多くは、持ち主の夢と希望を打ち砕くような値で取引された。株取引を巡る謎は数々あれど、売る人がいれば必ず買う人が現れるというのは最大の謎というべきだろう。だが29年10月24日には、「必ず」ということはあり得ないと誰もが思い知った。買い手がいっかな現れないという事態が頻々と起き、一本調子で下げてからでなければ買いは入らなかった。165.p
・暗黒の木曜日に続く二日間、大勢の人が経済予測の数字を確かめては胸をなで下ろした。..多分に、自己満足めいた楽観論を口にした人も多い。175.p
・NY証券取引所は29年秋には創立112周年を迎えている。112年の間には何度か危機もあった。..ただし過去の危機には、始まったときには終わっているという共通点があった。少なくとも、最悪の瞬間はそれと指し示すことができた。これに対して29年の大暴落の際立った特徴は、最悪の事態がじつは最悪ではなく、さらに悪化し続けたことである。今日こそこれで終わりだと思われたことが、次の日には、あれは始まりに過ぎなかったのだと分かるのだった。182.p
・第7、8章、暴落後の日々(大暴落に伴う様々な社会的波紋(自殺、横領事件、政治的反応、フィッシャー教授の弁解、etc)
原因と結果(第9章)、一般的に云って大暴落の原因を説明するほうが、その後の大恐慌を説明するよりははるかにやさしい。恐慌の原因を究明しようとすると、株の暴落が果たした役割を評価するのが非常に難しい問題となる(274.p)。大恐慌の原因は、いまだにはっきりしていない(分かったような説明..周期的変動説等、ナンセンス)。どんな理由なら妥当といえるか。この問いに答えるには、問題を二つに分けて考えると良い。第一に、なぜ29年に経済活動は下降に転じたか。第二はもっと重要な点だが、この不運な年に下降に転じた経済活動は、なぜ延々と下降線をたどり続け、まる十年にもわたって落ち込んだままだったのか(281.p)恐慌が長引いたことと特に関係の深い問題は、次の五つ。
1.所得分配、29年には、金持ちは途方もなく金持ちだった。あの年には総人口の僅か5%を占めるに過ぎない最高所得層が、個人所得総額の約三分の一を手にしていたことはほぼ確実である(285)(⇒「アメリカ経済の歴史」168.p、消費財部門と生産財部門との不均衡⇒「世界経済と世界政治」64.p)。
2.企業構造、持ち株会社と投資信託という新種の経営形態との係り(287)
3.銀行システム、経営基盤の脆弱な多数の銀行(288)
4.対外収支、
5.専門家の経済知識、
・将来のいずれかの時点で株投機が盛んになり、その後に暴落が起きるとしても、29年と同じような影響を経済に与えることはないと考えられる。..経済の欠陥は、その後かなり修正されたことは間違いない。まず所得の分配は、以前ほど偏っていない。29年のアメリカでは最高所得層5%が個人所得総額の約三分の一を手にしていたが、48年には五分の一以下にまで減っている。また29年には賃金・給与・年金・失業保険給付が世帯所得に占める比率は約61%だったが、50年には71%にあがった。..これに対して配当、利息、賃貸料など富裕層特有のいわゆる不労所得は、絶対額こそ増えたが、世帯所得に占める比率は22%強から12%強まで下がっている。304.p
・所得分配について、「超・格差社会アメリカの真実」(参照)には、
2001年には全世帯のトップ1%が、全米の富の33.4%を保有し、次の4%が25.8%。要するにトップ5%が60%の富を握り、次の15%が25.2%、あわせてトップ20%が84.4%の富を握っている。(51.p)(Surveys of Consumer Finannceによる時系列データから)とある。
市場リスク 暴落は必然か
リチャード・ブックステーバー /日経BP社 (2008-05-22) / 2,592円111 users
購入:  2008年12月 2,520円 所有
読了:  2009年06月08日
○二つの金融危機
1987年のブラックマンデー、それまでの二年間に世界経済が生み出した市場の富を上回る資産が一日で軽く吹き飛んだ。市場は危険と背中合わせで、自然の力、避けられない経済の不確実性に由来するものと考えがちだ。しかし、そうではない。突然の景気後退や天災が原因で金融危機が発生することはない。過去数十年の危機の殆どすべては、金融市場そのものの複雑な構造に起因している。..現代の金融危機は、危機が悪化し続けることが、もう一つの厄介な点だ。9-10.p..市場の危機や金融の不安定性は、経済の実態を反映していない。..過去40年間にわたって市場は発展を遂げ、実体経済のリスクは50%以上低減しているのにS&P500種株価指数の過去20年間の平均年間標準偏差は、50年前より高くなった。アメリカ経済の外生的リスクは低減しているのに、金融市場の総リスクが増大していることは、金融システム内に構造的欠陥がある重大な兆候である。11-13.p
・(87年)10月16日の取引が終了すると、株式市場を取り巻く環境は一変する。19日の取引が終わるまでに、ダウ平均は22%以上下げ、一日での過去最大の下落率を記録した。S&p先物の惨状はそれ以上だった。..1987年のブラックマンデーに関する検証を見ると、現代経済理論の効率的市場仮説、すなわち「すべての情報は直ちに価格に反映される」という概念に適合させようとする調査結果であふれている。しかし、個々の分析を見ても、分析結果全体を見ても、市場が大きく見直される事態につながるような原因は何一つ見つからなかった。ブラックマンデーは、新しい情報に合理的に反応した結果生じたものではない。27-29.p
・10/19の大暴落は、未来の市場がどのような種類のリスクに曝されることになるかを鮮烈に示した。市場暴落を招いた原因は二つあった。一つは流動性がコンピューターに支援されたこと、プログラム化された現物先物取引が迅速に執行されることによって、市場に流動性が供給された。もう一つは、革新的な商品、すなわちポートフォリオ・インシュアランスの登場だった。57.p(リスク回避のためのプログラム取引が開発され、ある日突然、市場参加者のすべてがリスク回避のためにプログラム取引の指示に従って同一の行動を取るとすれば、市場機能は完全に麻痺する。売り手と買い手が居て初めて市場は成立するが、ある日突然、売り一色・または買い一色になれば市場は麻痺するというのは、最も単純な真理だ。リスク回避のためのプログラムが完璧であれば、完璧なほど、プログラムは機能しない。みんなが同じプログラムを採用するから。
○第4~7章、巨大金融グループの創出に伴う市場構造の複雑性の深まり及びそれに伴う金融リスクの肥大化
市場の機能不全、最近見られる市場の機能不全の多くは複雑性に起因する。同時にそれが制度設計に伴う特性=「密結合」と結びつくことによって避けられないものとなった。密結合とは、プロセスの構成要素同士が強く依存しあっている状態で、構成要素の一部にエラーが生じた場合、組み替えたり、調整を図ったりする余地や時間がほとんどないことだ。245.p
複雑性と密結合の相互作用、金融市場の密結合は、絶え間ない情報の流れと、即時の流動性供給に対する底なしの需要によってもたらされる。密結合はレバレッジによって強化されるが、レバレッジは流動性から直接生み出される。流動性がその所産であるデリバティブやレバレッジと結びついて、複雑性と密結合の相互作用が起こると、破滅の方程式は完成する。247.p
複雑性と密結合の相互作用に基づくシステムに内在するリスク、原発業界と航空業界のケーススタディ、251-262.p
規制や監視の限界、市場が機能停止に陥ると、保護と規制の階層を厚くする動きが起こる。しかし複雑性に絡めとられた市場を規制しようとすると、意図せぬ弊害をもたらす可能性がある。安全装置を加えることで複雑性が増し、更なる機能不全を誘発して、危機を増幅しかねない。248.p..規制や組織的な監視の階層を追加しても、制度設計が生み出した市場の複雑性や密結合のもたらす問題を解決できるとは限らない。問題の要点は、事後的な規制の強化でリスクをコントロールしようとするのではなく、何よりも複雑性を減らすことが望ましい。277.p
超・格差社会アメリカの真実
小林 由美 /日経BP社 (2006-09-21) / 1,836円100 users
所有 読了:  2009年05月11日

プロフィール
<< 2017年4月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
読書状況
ウィッシュ21 冊
積読4 冊
読中78 冊
読了294 冊
読了数 (月別)
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
アマゾン検索
タグ (6)
6 経済
1 生物学
1 医学
1 市場
1 科学
1 金融
ソーシャル
物々交換
アイデア
カウンター
累計2103  今日0  昨日0
since : 2009/05/22

©2007-2017 sunjin_fuuraiのバインダー