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細田 瑳一 , 杉本 恒明 /南江堂 (1991-09) / 48,932円1 users
購入:  2010年12月31日 48,932円
読中: 
島 健二 /南江堂 (2000-01) / 5,775円1 users
購入:  2009年08月05日 5,775円 所有
読了:  2009年08月13日 星5つ お気に入り
○生命活動と血糖
生存のために必須の条件は、ATPの代謝回転の円滑な進行であり、人の身体では一日約600回、脳だけを見れば3000回に達する。これを保障する最も基本的な条件の一つが一定濃度の血糖である。..ATPの含量は、成人では身体全体で約100グラムである。一日の消費カロリーを2400kcalとし、ATPの合成効率を約50%と仮定した概算で、ATPの必要総量は、ほぼ61kgとなる。これを100グラムで除した610が一日平均のATPサイクルの回転数である。1.p
生物はおそらく還元糖によるグリケーションに絶えず侵されながら、これに打ち勝ちあるいはこれを避けつつ進化してきた云々、2.p(この部分、特に下線部の進化的意味が分からないな!!
・細小血管症がどの程度淘汰圧として働くかは必ずしも明らかではない。
・糖負荷2時間の200(11.1mmol/lとある)という診断基準値は、網膜症の発症が目立って多くならない範囲ということで定められた。
・高血糖は(細小血管症の引き金になるのみならず)高血糖自体が更に血糖を上昇させるという悪循環を招く可能性..グルコース毒性(glucotoxicity)と呼ばれる。すなわち、高血糖それ自体がインスリン分泌やインスリン抵抗性を増悪させ、糖尿病を増悪させる。3.p
○血糖調節機構の破綻
糖尿病にみられる高血糖は主としてインスリン作用障害(インスリン抵抗性)とインスリン分泌障害、両者が色々の度合いで関与し発生する。糖尿病に見られる高血糖は主として肝からの糖放出増加が原因で、末梢組織のブドウ糖消費の低下が主因ではない。7.p(この点について、必ずしも意識的ではないが、僕は全く逆に理解していた可能性がある。尤も、この点の臨床的意味合いについては、どっちを主因・副因と捉えるかで、どういう差異があるだろうか?この部分、誤解していた可能性がある。「血糖は、肝、腎からのブドウ糖放出、中枢神経系、筋肉、脂肪細胞など末梢臓器でのブドウ糖利用の両者のバランスによって極めて狭い範囲に維持されている。中枢神経系はインスリンに関係なく一定量のブドウ糖を消費しているため、血糖維持機構の破綻に直接関係はしていない。従って肝、筋肉、脂肪細胞でのブドウ糖放出量及び消費量の変化によって血糖量は変化することになる。」11.pここでは「放出と消費のバランス」を問題にしている。サマリーの「糖放出増加が原因で、末梢組織での糖消費の低下が主因ではない」との記述と矛盾するように思えるが、どういうこと??09/08/13追記
我々が検査値から知ることの出来るのは、空腹時血糖値の高値、食後高血糖、ブドウ糖負荷後の遷延する高血糖(糖忍容力低下)などである。この異常血糖値の裏に隠されている生体内の出来事、これが血糖調節機構の障害である。同じ高血糖をみても、それが惹起された機序をよく理解しているか、そうでないかで、高血糖の病態生理的意義あるいは実地臨床での解釈の仕方が異なってくる。7.p(僕が、自分の高血糖に関して、最も関心を持っているのは、まさにこの点である。血糖値の変化を継続的に調べ、また血糖値に関する本を読むのもこのためである。いままでに三人の内科医に診てもらったが、残念ながら検査値以外には関心を持っていない。果たして検査値に関心を持っているのかも疑わしい。血糖値は、この半年から九ヶ月間に、かなり劇的に下がって正常化しているのだが、薬も服用せずに、なぜそういうことが起こったのか聞かれたことがない。そもそも「それが惹起された機序」を理解する必要があるという認識自体を持っているのかどうかも疑わしいとする根拠だ。
・血糖値は、ブドウ糖の供給と消費のバランスで規定される。(供給は外部から及び内部からに分けられ、内部はまた糖原分解と糖新生とに分けられる。消費はインスリン依存性と非依存性とに分けられる。インスリンは、ブドウ糖の内部供給及びインスリン依存性消費の両方に関わる
・絶食時のブドウ糖の供給源は、肝臓(糖原分解と糖新生)と腎臓(糖新生)で、一般的には前者が主になるが、絶食が長期(5~6週)にわたると後者の役割が増大する。
・糖原は、体重70キロの健常人では250~500グラム存在し、75%は筋肉に、残りが肝臓にある。
・糖新生系の反応は、インスリンとインスリン拮抗ホルモン(グルカゴン、コルチゾール、カテコラミンなど)の濃度比及び素材の供給量によって規制される。
・ブドウ糖の細胞内取込はブドウ糖輸送担体(GLUT1~7の6種類ある。但しGLUT-6は存在しない)によって行われる。構造的には似ているが、分布組織、インスリン依存性などの性質が異なる。
・赤血球、血管脳関門にはGLUT-1、脳にはGLUT-3があり、その活性は共にインスリンに依存しない。
・肝細胞、膵β細胞にはGLUT-2があり、これもインスリン非依存性である。
・骨格筋、心筋、脂肪細胞には、主にGLUT-4があり、その活性はインスリンによって規制され、インスリン依存性である。但し、運動によってもGLUT-4のトランスロケーション(糖の運搬機能)は高まるが、インスリンとは異なる機序によって起こる。
空腹時血糖値の上昇に伴うブドウ糖産生量と消費量の関係(図6、12.p参照)、血中インスリン濃度は空腹時血糖値の上昇に伴い上昇し、釣鐘上に変化し、その頂値は日本人は120付近にある(欧米人は140)。...頂値以下の血糖値ではインスリン分泌を亢進させて、極端な高血糖発現を抑制しているが、膵β細胞が代償して過剰インスリン分泌、高インスリン血症を惹起し得なくなると空腹時血糖値が顕在化してくると解釈できる。(この際、三者の関係は)空腹時血糖値の上昇と共にブドウ糖消費は低下していないことから、肝でのブドウ糖生産亢進が空腹時高血糖の第一義的要因ということが出来る。12.p
食後高血糖、(ブドウ糖負荷後の遷延する)高血糖は腸管からブドウ糖が吸収され血糖値が上昇し始めても、肝でのブドウ糖産生が充分に抑制されず、また末梢での糖利用が高血糖に見合う程度に上昇しないところに原因がある。これは「原因」というより、単に食後高血糖の現象的記述に過ぎないように思われる。
・(ブドウ糖負荷による血糖の変化の流れを総括すると)糖尿病による食後高血糖は、血中へのブドウ糖流入量の増加が原因で、消失量が低下したためではない。また流入量の増加は、筋から放出された過剰の乳酸、アラニンが大きく寄与しているとは云い難く、肝でのブドウ糖産生が抑制されないことが重要。...(その機序)この原因の一つに食後のインスリン分泌の初期相の欠如、または食後の血糖上昇に速やかに対応する血中インスリン上昇が生じないことが問題。14-15.p
低血糖に対する防御機構速効型インスリンを注入して血糖値を下げていくと、平均値で68でグルカゴンとエピネフリンが分泌され始め、66で成長ホルモン、55でコルチゾールの分泌が開始される。拮抗ホルモンの分泌が始まる血糖値を当該ホルモンの分泌閾値という。更に下がって53に達すると自律神経症状が出現し始める。大脳の機能障害である認知障害の出現する平均閾値は48である。拮抗ホルモンの分泌は血糖の降下スピードによって規定されるのではなく、血糖の絶対値によって決まる。24-25.p
・糖尿病では、低血糖に対する膵グルカゴン分泌反応が低下している。Ⅰ型ではほとんど完全欠損、Ⅱ型ではほぼ半減している。26.p
・エピネフリンは、その分泌結果である血中濃度の上昇を身体で知覚できる、ほぼ唯一のホルモンである。発汗、振戦、熱感、動悸、不安感などがエピネフリンの過剰症状である。27.p
○高血糖はすべて糖尿病か
Ⅱ型糖尿病の自然経過不均一な疾患群で、Ⅰ型とその他のタイプを否定して除外診断した集団とするのが良い。自然経過は(その追跡は困難だが)緩やかで、一般的に正常耐糖能、耐糖能異常、食後過血糖を主体とする糖尿病、空腹時血糖の上昇を伴う糖尿病と進展する。耐糖能の増悪因子は肥満・運動不足・加齢などに伴うインスリン抵抗性及び血糖上昇に伴う糖毒性がある。糖毒性はインスリン分泌・作用の両者を傷害する。98-99.p
○過剰のブドウ糖は生体にとって有害か
糖尿病状態による組織障害は糖取込が糖濃度に依存し、インスリンによる調節を受けない眼、腎糸球体、神経、血管、膵β細胞で見られる。一方、骨格筋、心筋、脂肪細胞では、糖取込速度はインスリンによって調節されていて、高血糖により二次的にインスリン分泌不全とインスリン作用不全が誘発される結果、高血糖が更に悪化するブドウ糖毒性が指摘されている。ブドウ糖毒性の機構は、すべてが解明されているわけではない。105.p
高血糖は細胞の酸化ストレスを誘導する高グルコース状態で血管内皮細胞を培養すると、グルコースによる自動酸化や非酵素的グリケーション、活性酸素産生酵素系の活性化により、活性酸素が細胞内外で産生される。114.p
○高血糖の治療
血糖コントロールの有効性(熊本スタディ、「糖尿病学」699.p参照)6年間の観察で合併症を発症しない閾値は空腹時血糖値110、HbA1c6.5%であることが分かった。すなわち血糖コントロールの目標を正常域にすれば、糖尿病合併症の発症を防げるということになる。糖尿病より心筋梗塞や脳梗塞などの大血管障害が、もう少し低い血糖群(IGTなど)からも発症することも重大と認識され、その群も何らかの治療が施されるべきと考えられている。しかし大血管障害といえども、糖尿病そのものが原因となる場合は細小血管障害も多少とも有している例に限られ、血糖の低い例やIGTに合併している動脈硬化性疾患の場合は、おそらく高血糖ではない何か他の因子が原因で、血糖が二次的に上昇しているに過ぎないものが含まれている。123.p
コントロールの目標値血糖値をどの程度にコントロールすればよいか、それも空腹時血糖値か食後血糖値か、明確には数字では示しがたい性質のものである。ブドウ糖は生命維持、活動に必須なものであるが、一方では蛋白のグリケーションなどの不都合を生じるという、一種の両刃の剣である。低血糖にならないという条件で、できるだけ低いほうが良いというのが事実である。現実には、合併症に悩まされずに済む妥協点を求めるなら、第一基準として空腹時140以下、食後200以下、第二水準として空腹時110以下、食後160以下という従来の診断基準の数字を適用するのが現実的・実用的であった。123.p
高血糖が細小血管障害をもたらすメカニズム(に関する諸説)
イ.蛋白のグリケーション、
ロ.プロテインキナーゼC、
ハ.アルドース還元酵素の活性化による細胞内ソルビトール過剰蓄積、124-126.p
○高血糖と動脈硬化の関連
動脈硬化の指標として非高血圧・非高脂血症例においてPWV(大動脈脈波速度)値を比較するとOGTT2時間血糖値140以上で有意に増加しており、動脈硬化を促進する可能性が考えられる。...虚血性心疾患死亡も2時間血糖値140から上昇した。141、143.p
*参考サイト:大動脈脈波速度は「動脈の硬さ」の指標として使われている。その測定方法などについては、「きれいに取れるシリーズPWV編」を参照。

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