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諸国畸人伝 (中公文庫)
石川 淳 /中央公論新社 (2005-09) / 823円9 users
・昭和54年7月四版で購入(1979)。
・「鈴木牧之」を拾い読み。【北越雪譜】の出版に至る紆余曲折、最初、山東京伝に託してその出版を志すも、京伝の俄の逝去で実現せず、次いで馬琴、結局は京伝の弟京山の手で、初めて実現の運びとなった。「京山という横丁の気質の物識りいて、しかもさすがに江戸の文人だけあって、雪譜という堅い本を世に広めるために、俗中些かの雅ありという適切な趣向をたて通したのは、天の配剤、わるくないものであった。牧之の鈍根と、京山の愚直と。この二つの美徳を根底に潜めて、北越雪譜はまさに名著である」133
世界の名著 21 マキアヴェリ (中公バックス)
マキャヴェリ /中央公論新社 (1979-02) / 1,836円5 users
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・【政略論】から、臨時独裁執政官;ローマに脅威を感じた近隣の40もの部族国家は盟約を結んでローマに対抗した。「ローマ人が、国家存亡の危機のおりに常用した様々な打開策の中で、特に臨時独裁執政官の制度を創設したのはこの時だった(BC501または498年)。この制度は、一人の市民に最高権力を与えるものである。その市民は、如何なる問題についてもどのような審議会の権限にも拘束されずに、決定を下すことができ、またその決定を実施するにあたっても、なにものもこれに異議を唱えることができないことになっていた。
 この施策によって、ローマは当時おかれていた危機を収拾し得たのである。そして、更にこれによってローマは、やがてその版図を拡大するにあたって、共和国を脅かした不測の事態に対して、常に有効適切に対処しえたのだ」267(Whereupon the Romans, resorting to a method usual with them in seasons of peril, appointed a dictator; that is, gave power to one man to decide without advice, and carry out his resolves without appeal. Which expedient, as it then enabled them to overcome the dangers by which they were threatened, so always afterwards proved most serviceable, when, at any time during the growth of their power, difficulties arose to embarrass their republic.《Gutenberg.から;参照、Chap33》⇒同時代のアテネ、ペルシャ戦争に際してのテミストクレス、ペロポンネソス戦争に際してのペリクレスは、独裁官の名称は与えられていないが、事実上、「独裁官」の役割を果たしている。「制度」としての独裁官と「事実上」の独裁官との違いは、前者は任期が決められ、危機の「解消」と共に交替又は退任すること。後者はどうか?
 ナポレオン、ロベスピエール、レーニン、スターリン、ヒットラー、信長、家康など比較考量してみると「独裁」の意味は、一般に考えられるほど単純ではない。
「制度」として独裁的権限を与えられる場合と個人的「権威」(その内実がなんであれ)によって独裁的権限を振るっている場合。

・臨時独裁執政官の是非;「ローマを奴隷化したのは、臨時独裁執政官の称号でも官職でもなかった。ある特定の市民が、終身、政権を手放すまいとしてその権力を行使したことによる」「臨時独裁執政官の権力が法律上の手続きを踏んで授与され、個人の恣意に基づいてつくりあげられるのではないかぎり、臨時独裁執政官という制度は、常に国家にとって有益なものとなるのである。事実、国家を毒するのは、恣につくり出された行政官の職であり、非常手段に訴えてつくられた権力にほかならないのであって、合法的手続きをふんで作られたものなら何の心配もないのである」272⇒スターリンやヒットラーの場合の「合法的手続き」は?
・様々な不測の事態に対処しうる打開策をあらかじめ用意をし、また、それを運用していく方式を提供するような法律を備えていないような国家は、決して完全な共和国とはなりえないであろう。このような次第なので、危急存亡のときに臨時独裁執政官か、またはこれに類似の権威に頼ることのないような国家は事が起これば必ずや滅びる他はないものである。(1-34)
十人会は、時が立つに連れて僭主化し、辺りはばかることなく、ローマの自由を破壊してしまった。臨時独裁執政官のシステムが有益に運用できたのに、十人会はなぜ害をまき散らしたか。(1-35)
三教指帰 (中公クラシックスJ16)
空海 , 松長 有慶 /中央公論新社 (2003-05-10) / 1,782円17 users
読了:  2012年02月08日
・密教では宇宙の真理すなわち法そのものを仏の身体と見て、法身と称し、法身が直接説法すると説く。10p
・(空海は)地水火風空の五大を世界の物質的側面、識大を精神的側面と見て、仏の世界も世俗の世界も同じく物心両面を備えている。故に凡夫も仏も同じく六大からなり、質的に変わらないから、凡夫といえども真理に開眼すれば、即時に成仏しうると説いた。11p
通貨の興亡―円、ドル、ユーロ、人民元の行方
黒田 東彦 /中央公論新社 (2005-02) / 1,944円11 users
購入:  2009年06月18日 150円 所有
読了:  2009年08月14日
「私は、財務省において1971年以降の通貨の興亡を間近に見る機会に恵まれ、1992年から2003年には、副財務官、国際金融局審議官、同次長、同局長、更に財務官として直接それに巻き込まれれるという経験を持った」云々とある。その経歴から類推される、多少とも「深み」のある分析を期待したが、完全な期待はずれ。「円、ドル、ユーロ、人民元の行方」と副題が付いているが、一般論の域を出ない。政策当局者の一人として「あからさまに書けない」という点を考慮しても、浅薄さは免れない。
日本を決定した百年―附・思出す侭 (中公文庫)
吉田 茂 /中央公論新社 (1999-12) / 802円51 users
タグ 歴史 カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 政治 更新日:2009年06月01日 16時29分52秒 2009/06/01
購入:  2009年05月26日 160円 所有
読了:  2009年06月01日
明治の国家体制はあくまで非常時を乗り切るための例外的な体制であり、その形のままでずっと続けることの出来るものではなかった。それは優れた天皇と、共通の記憶によって固く結ばれた強力な元老たちが存在して初めて弊害を齎さずに機能しうるものであった。39.p
・明治の半ばに日本人の道徳的混乱が嘆かれたとき、まだ日本人のよさはかなり残っていた。しかし、古い道徳や倫理は二十年間に急速に崩壊したのである。明治天皇に殉死した乃木大将が、その遺書において日露戦争後の道徳的混乱を激しく非難したのは、こうした矛盾を反映している。41.p
・難しい曲がり角にあった日本にとって、1929年に始まる世界大恐慌は、あまりに大きなショックであった。...この大きな経済的危機に際して、日本の指導者と国民は勇気を持って対処した。彼らは新しい市場を求めて、アフリカや南米やオーストラリアやヨーロッパに出かけていった。それは目覚しい成果を収めたのである。...しかし、この危機を同じようなエネルギーをもって別の形で解決しようとした人々もあった。すなわち軍人たちの一団であり、彼らは1931年に満州において独断で軍事行動を取り、満州国建設へと日本を強引にひっぱっていったのである。...軍人たちの対外侵略を制約しうる政治家は不幸にしていなかった。それはある程度まで責任のある場所に置かれた政治家たちの決断のなさによるものであったが、ある程度までは明治の政治体制の欠点の表れでもあった。52-54.p
○吉田茂の書いたものは、「回想十年」を数十年前に読んだのみ。全体は忘れたが、まだ中ソの親密な同盟が謳われていた時代に、中ソの対立は避けられないと喝破した吉田の慧眼には、イデオロギーで目の霞んでいた十代の僕には目を啓かせられるショックを受けた覚えがある。

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