ホーム   本・雑誌   Web   洋書   音楽 ウォッチ  プロフィール  メディア記録  印刷  RSSフィード
sunjin_fuuraiのバインダー
並べ替え:
カテゴリ 読書 購入 所有 お気に入り 211 - 240件目 / 445件
聖者の戦い (小説フランス革命 3)
佐藤 賢一 / 集英社 (2009-03-26) / 1,620円41 users
読了:  2010年01月20日
◆さいたま市図書館、10/01/19
・タレーランの発議「聖職者の年金と教会の財産を没収して、直ちに国有化するべし」17.p
・革命の舞台はヴェルサイユからパリに移る、革命の展開をめぐる保守派と急進派の戦い、ネッケルの人気は凋落、ジャコバン・クラブの誕生、新聞の発刊相次ぐ(前年の十数紙から二百紙を超える)・言論統制強まる、宣戦布告の権限はどこに帰属するか(国王か、議会か、まだ立憲王政を公然と否定する意見はない)、157-190.p
・主役はミラボー、ラファイエット。タレイランとロベスピエールは未だ舞台の脇役、デムーラン、マラー、ダントンは議会の外の扇動家、新聞と街頭闘争
・1789年クラブの発足(ラファイエット)、ミラボーとアントワネットとの会話(立憲王政へと動く)、209-224.p
バスティーユの陥落 (小説フランス革命 2)
佐藤 賢一 / 集英社 (2008-11-26) / 1,620円40 users
読了:  2010年01月19日 星4つ
◆さいたま市図書館、10/01/17
・ネッケルの罷免を契機にパリ蜂起、デムーラン(Wiki)、ダントン、マラー、パリ市長フレッセル、パリ市の民兵隊創設(103.p)
・バスティーユ陥落、天秤がどっちに傾くか、憲法制定議会の面々は戦々恐々、国王は妥協を選ぶ、ミラボーは国王に「パリを祝福するよう」薦める(174.p)ミラボーとロベスピエールの乖離、貴族続々と亡命、ブルトンクラブ⇒封建制廃止法案(法案決議の日、ミラボーは議会欠席)、国王の拒否権をめぐる議論(ミラボーは孤立無援の戦い。しかし王制廃止の考えはまだ皆無に等しい。立憲王政の枠内の議論)、暴動は地方に波及、ブルジョアと貧民階級の分裂、パンを求める女たちのヴェルサイユ行進
プリゴジンの考えてきたこと (岩波科学ライブラリー (67))
北原 和夫 / 岩波書店 (1999-04-22) / 1,296円23 users
読了:  2010年01月17日
◆さいたま市図書館、10/01/15
・日本では純粋科学である分子生物学上の発見は、研究室中だけのことであり、日常生活に影響を与えるようなものではないと一般的には思われている。/ヨーロッパでは、科学の新発見が、個人個人の存在基盤を揺るがすものとして意識されていたということになる。4.p
・(プリゴジンの言葉)戦争末期まで、アウシュヴィッツへの列車は連日休むことなく動いていた。そして、毎日多数の人々がガス室に送り込まれた。連合国は大いなる罪が行われていることを知りながら、なぜアウシュヴィッツ収容所行きの線路を破壊しなかったのか不可解な歴史だ。44.p
・時間には幾何学的時間と統計的時間がある。力学、相対論の時間は幾何学的であって、光速一定の条件から長さに還元されるものである。そこには発展とか進化の概念がない。しかし、我々の実感からして時間には向きがあって、世界はある方向に発展進化している。不可逆現象と結びついた統計的時間が過去と未来を区別する。50.p
・鉄のような物質が温度によって強磁性になったり、常磁性になったりするのは、一個一個の原子レベルでも大きな変化が起こっているような気がするが、実際にはそうではない。原子の持つスピン自体は質的に変わっているわけではないし、隣り合うスピンの間の力も変わらない。結局、スピンの間の揃おうとする力と、温度によって与えられる揺らぎとの拮抗で、マクロに強磁性状態になったり、磁性を持たない状態になったりするのである。/ところが、本来のニュートン力学の考え方からすると、揺らぎとか温度などという統計的な概念はなく、すべての原子のスピンに関する運動方程式を解けばマクロな状態も説明がつく(べきだ)という論理になっている。57.p
・我々が日常目にする巨視的な系は、平衡状態では静止した均質な状態である。例えば空気のような気体の場合、その存在を敢えて意識しない限り気付かないほど安定した状態である。しかし、一モルの気体はアボガドロ数という一兆のそのまた一兆の莫大な数の分子からなり、それぞれの分子は互いに衝突して複雑な運動をしている。この複雑さは、むしろマクロな安定性を保証する前提となるのである。90.p
・(閉鎖系では)平衡状態とは、エントロピー最大となる状態である。従って、非平衡状態ではエントロピーは生成されて最大値に向かおうとする。しかし外界と接触している開放系では、エネルギー、物資の流入・除去に際して、エントロピーも流入・除去されるが、物質内部で生成される部分のエントロピーをエントロピー生成と呼ぶ。これは物質内部の不可逆過程に伴うものである。/エントロピー生成がゼロという状態が平衡状態である。従って、エントロピー生成が小さいということが平衡状態に近いということである。外的条件を与えて、平衡状態に戻らないような仕掛けをしても、系は出来るだけ平衡状態に近い状態に落ち着こうとする傾向がある。実際に、平衡状態から余り離れていない場合、すなわち、熱流と温度勾配が余り離れていない場合、エントロピー生成速度は次第に減少していく。/ところが、平衡状態から遠く離れた場合、熱流と温度勾配の間の比例関係は破れてくる。何が起こるかというと、流体全体が動き出し、もっと効率よく熱を下から上に輸送する。流体は下から暖められて膨張して軽くなり、浮力によって上昇しようとする。しかし浮力が充分でないと、上昇しようとしても流体の粘性によって上昇は抑えられる。ところが温度差が大きくなると、熱伝導だけでは舌からの温度上昇を押さえられなくなり下方の流体は温まってきて、浮力が粘性に打ち勝って流体が下から上に動き出す。それと同時に、上の流体が下降する。これが対流発生の機構である。このように非平衡状態を強めると、新しいマクロな状態に転移する。この新しい状態においては、対流という秩序あるパターンが形成される。この新しい状態は平衡状態あるいは、その延長上にある熱伝導状態とは著しく異なる。というのは、粘性によって対流の持つ運動エネルギーが内部エネルギーに散逸していて、これがエントロピー生成の原因になる。熱伝導もエントロピーを生成する。つまり、新しい状態ではエントロピーを生成しながら、対流の構造が維持される。エントロピー生成を伴いながら、生成維持される構造を「散逸構造」と呼ぶ。/このような視点で自然現象を見ていくと、むしろ身の周りの大部分の現象は非平衡現象である。つまり、物質やエネルギーの移動が維持されている系である。我々のような生命現象も非平衡系における散逸構造と見なすことが出来る。93-95.p
革命のライオン (小説フランス革命 1)
佐藤 賢一 / 集英社 (2008-11-26) / 1,620円56 users
読了:  2010年01月18日 星5つ お気に入り
◆さいたま市図書館、10/01/17(国民公会が新たな公権力として登場して来る姿が、後の主役として登場する人物像と共に、臨場感ある筆致で生き生きと描かれている。ほんの輪郭に過ぎないとは言え、国民公会の姿をはじめて具体的に思い描くことが出来たような気がする。
・ミラボー、ロベスピエールの個性の描き方が堂に入っている。/マルリに向かうネッケルの馬車に強引に乗り込んで交わされるミラボー、ロベスピエールのネッケルとの駆け引きは(実際にそんなものがあったかどうかは兎も角)、実に面白い。185-201.p
・三部会⇒国民公会への改組、憲法制定議会への進化、憲法制定議会を解散させるか公認するか、王権への掣肘
- 1 users
タグ 医学 カテゴリ:Web Web 更新日:2010年01月17日 10時02分12秒 2010/01/17
読了:  2010年01月17日
・英ロイヤル・ビクトリア病院(ベルファスト)のUna Bradley氏らによる健康な過体重者または肥満者24人から得たデータを分析した結果。
・低脂肪食(カロリーの20%を脂肪から、60%を炭水化物から摂取)、および低炭水化物食(カロリーの20%を炭水化物から、60%を脂肪から摂取)のいずれかを8週間摂取する群に割り付けた。
・いずれの食事も身体中心部からの体重減少を促進し、インスリン感受性に対する効果は同程度であった。しかし、血管コンプライアンスの尺度である増強指数に関しては、2種類の食事に有意な差が認められ、従来の血管危険因子の変化によっては説明不可能であった。これは懸念すべき所見であり、確認された場合、低炭水化物食が血管健康状態に対して長期的に負の効果を及ぼす可能性を示唆するものである。
- 1 users
タグ 医学 カテゴリ:Web Web 更新日:2010年01月17日 09時45分12秒 2010/01/17
読了:  2010年01月17日
・米アパラチアン州立大学人間行動研究所のデビッド・ニーマン教授が行ったいくつかの無作為化比較試験の結果
・45分のウォーキングを週5回、12~15週間行った人では、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくい。
・運動をすることで免疫に関わる働きをする細胞(NK細胞)が活発に血液に流れ込み、ウイルスや細菌を撃退する。この免疫システムは数時間を経ると通常の状態に戻るが、運動を繰り返し行うことで効果が長続きし、病気の発症を減少させる。
政党なき時代―天皇制ファシズム論と日米戦争
中村 菊男 / 毎日ワンズ (2009-10) / 1,575円1 users
読了:  2010年01月15日
◆さいたま市図書館、10/01/13(1967年発刊の『天皇制ファシズム論』を底本とする再刊本。筆者の基本的見解は「この政治体制は(特に近衛内閣以降の翼賛会運動を中心に考えているようだが、広く満州事変以降と見てもよいか?)その推進力が軍部であったという意味において軍国主義と呼びうるが、権力の一元的集中化が行われず、政治の最高首脳部のリーダーシップが確立されなかったという意味で、ファシズムではなかったといいうる」313.pに代表される。概ね、この見解には同意できる。尤も、そもそも、このような概念的な規定論争にどれほどの意味があるのか、現在では疑問をもっているが。
・戦後、統制派と皇道派の対立が極度に過大評価されているが、事実と相違している。/日本においては、官制上、陸軍と海軍は判然と分かれているし、両者の対立は戦争中しばしば見られた。また、軍政を司る陸軍省と作戦の本拠たる参謀本部との間に対立が見られたこともあった。さらに、中央部と出先の対立があり、上層のものと中堅ないし下層のものとの対立があった。..軍部内で、陸軍、海軍の双方にわたって独裁権力を発揮した軍人は一人も居なかった。55-56.p
・日本の現代史の中核体は、官僚主義であった。この官僚主義の土台の上に反議会主義、反自由主義、民族主義、国家主義というファシズム的イデオロギーをかぶせ、言論・集会・結社の自由の拘束、社会主義ないし労働運動の弾圧というファシズム形態を学び取ったものと思われる。64.p(すなわち本体は官僚主義であって、ファシズムではない。)
戦争責任について、抽象的次元における日本軍の建前は、天皇の統帥下の軍隊になっており、その目例系統に分裂はないはずである。いわゆる「上御一人」に統一いるはずである。しかるに天皇大権の輔弼は国務事項については国務大臣が、統帥事項については帷幄機関がするすることになっているが、その帷幄機関は陸軍と海軍に別れ、陸軍では参謀総長が、海軍では軍令部長がその任に当たっていた。ここですでに分裂があったわけである。91.p
◆第四章満州事変は何故起きたか
・満州事変から日華事変を経て大東亜戦争に至る過程は、「下克上」的現象であった。究明すべきは点はここにある。/戦後、日本の一方的「侵略行為」のみが糾弾されているが、その前に、中国人による反日運動がいかに激しかったかを考慮しなければならない。/政治的指導力の欠如/第一次大戦後の軍備拡張と縮小という相矛盾した傾向/政党政治の退廃/大正デモクラシー、98-101.p
◆第五章日華事変の原因とその発展
・発端となった盧溝橋事件は柳条湖事件のように現地の少数の人々によって計画されたものではない。..現地の偶発的な衝突事件が日華両国に刺激を与えて連鎖反応的に拡大していったものと見られる.」その転機に日本はなぜを打てなかったか。それは近衛首相を中心とする政治のリーダーシップが確立していなかったことに原因がある。近衛の性格、明治憲法の構造的特殊性、当時の下克上の政治情勢などがリーダーシップの確立を妨げていた。170.p
◆第六章大政翼賛会の性格
・近衛の真の狙いは軍部の行動を抑制するために政治力を結集し、国務事項と統帥事項の統一をはかろうとするものであるから、当然摂政・関白的地位のものでなければ出来ないはずのものである。抽象的には天皇によって総覧されている「統帥権」具体的に掌握しようとするわけであるから、それは当然「幕府的存在」になる。ところが、このような「幕府的存在」は憲法の認めるところではない。そこに、近衛の悩みがあった。202.p
・一方、平沼は大政翼賛会を共産主義者の策謀とみた。このような見方をする者は平沼のみならず観念右翼、財界人の中にも、特に多くいた。212.p
大政翼賛会の富田健治の評価、国民的政治力を結集して軍部を圧倒し、もって支那事変を解決に導くという点では完全に失敗した。他方、陸軍や観念右翼の企図したナチス流の一国一党の主張に抗して、彼らの全体主義的独裁の企図を挫折せしめた点に
最大の功績があったのではないか。219.p
◆第七章日米交渉の経過と問題点
三国軍事同盟締結に至る日本側の事情、1.ソ連を牽制し、更に英仏をも対象に企図した、2.陸軍及び右翼団体(国家社会主義的・革新右翼)の親独熱、3.日・独・米・ソによる新秩序体制の幻想、4.近衛の新政治体制運動の台頭と既成政党の解消とともに全体主義的雰囲気に包まれた、5.ノモンハン事件の休戦とともに日ソ関係は好転し、革新右翼の中に英米の旧秩序に対してソ連を新秩序とする見方が台頭、6.南方資源の開発願望、226.p
・日米交渉に臨む日本側の基本的態度に分裂があった。すなわち日米間に戦争があってはならないとする英米宥和派と米国の国力を過小評価し、イギリスの没落を必至と見て、三国同盟によって米国を牽制しようとする枢軸派との対立である。両派の対立を一本にまとめる政治的リーダーシップはなかった。258.p
「無限」に魅入られた天才数学者たち
読了:  2010年01月15日
◆さいたま市図書館、10/01/13
・数はすべて、有理数か、または無理数である。有理数は無限にあるが、ある長さの線分から有理数をすべて取り去っても線の長さは変わらない。無理数は有理数よりも無限に多く存在するのである。
・有理数を係数とする多項式の根になっている数は「代数的数」という。代数的数の集合は、有理数の集合と同じサイズを持っている。
・一方、代数的数でないものを「超越数」(例えばπ)という。数直線上の数のほとんどすべての数は「超越数」である。数直線上に有理数も無理数も無限に存在するが、超越数の無限は「より高次の」無限である。仮に数直線上の数を、無作為に一つ「選んだ」とすると、その数は確率1で超越数になる。尤も、無限にある数の中から、たった一つの数を「選ぶ」ことは出来るのか?98-103.p
・自然数は「数えられる」。問題は、実際に数えるかどうかではなく、数えるというプロセスに注目すれば、自然数は、無限ではあるが数えられるので、これを「可算無限」という。/カントールは、対角線論法を使って、自然数を使って、すべての有理数を対応させられることを示した。すなわち整数と有理数は「同じだけ」あることを示した。言い換えると、整数の無限と有理数の無限は、「同じ階層に属している」123.p
・有理数と代数的数は離散的にしか(言い換えると「飛び飛び」に)存在しない。その隙間を埋めて、数直線に連続性を与えているのは、πやeのような「超越数」である。カントールは、超越数は不可算であり、より高次の無限に属することを証明した。125.p(要するに、「無限」は一つではなく、無限にも階層があることを示した。)
・(次に、次元が異なる場合、無限の順序関係はどうなるかと考えた。当然、平面上には直線上よりも多くの点がある、と直感的に考えていたが、この問題を考え抜いた末)区間0-1の平面上の点は、すべて線分上の点に対応させうることを証明した。すなわち「平面上には直線上と同じ数の点がある」のみならず、同様の方法で「三次元、四次元、更にもっと高次の空間でも、そこに存在する点の数は、直線上に存在する点の数と同じだ」ということが示された。言い換えれば、無限に関する限り、次元には関係がないのだ。すなわち連続空間は連続体と同じ数の点を持つ。カントール自身は、この結果を「我見るも、我信ぜず」と、デデキントへの手紙に書いた。138.p
第11章「悪意に満ちた妨害」は、「無限」をめぐるクロネッカーとカントールの対立がテーマ。カントールの師クロネッカーは、整数を唯一の実在と認め、それ以外の数はすべて虚構と考えていた(「神は整数を作られた。それ以外の一切は人間が作ったものである」というクロネッカーの言葉は、安易には否定できない。)。我々が当たり前の如くに捉えている有理数や無理数、πやe、更には虚数の概念を数学的操作の対象として採り入れるためには、いかに多くの思想的な苦悩に満ちた戦いの歴史が不可欠であったかを、このエピソードは語っている。同時に、常識とは何か、常識を疑ってみるとは、どういう事かをも教えている。一方、カントールが、この時代になって初めて現れたことを、どう理解したら良いか?
ラッセルのパラドックス&カントールの最後の遺産、すべてを含む集合はありえない。従って、最大の基数というものもありえない。197.p
ゲーデルの不完全性定理、任意の系が与えられたとき、その系の内部では証明出来ない命題が常に存在する。204.p
ミツバチの知恵―ミツバチコロニーの社会生理学
トーマス・D. シーリー / 青土社 (1998-09) / 3,456円7 users
読了:  2010年01月13日
◆さいたま市図書館、10/01/11
投資の科学』で、無数の集団的行動の集積が「ある種の秩序」を形成していく一つの例として、この本を取り上げミツバチのコロニーについて関説していたので、興味を覚える。
・本書の主題は、集団レベルの生物的組織化の構築/(ミツバチのコロニーは)自然選択の結果作られた、ある種が独立的な個体から統合された社会構造を持つものへと次第に変化した、その社会協調の仕組みは何なのか、という生物学上重要な問題に対する答えをまざまざと体現している。11.p
・社会性動物が自然選択を経て、独立した一個体から統合された社会構造を持つものへと次第に進んできた社会的協調の仕組みは何なのか?/機能的に組織化された集団に共通して見られる特徴の一つが労働の分業化である。その集団がうまく機能していくために必要なすべての仕事をいくつかに小分けして、メンバーがそれぞれを専門的に受け持つのである。その分業体制は永続的な場合と一時的な場合があり、前者では各個体がそれぞれの異なる労働に合わせて形態も著しく変化させることが多いが、後者では普通各個体の形態に変化は起きず、皆同じような構造である。/恒久的専門化と一般的専従化の違いを考えることで、生物学上の組織についての重要な問題点が浮かび上がってくる。(何故このような違いが生まれるか?)永続的に専門化してしまうメンバーが集団内に居れば、環境に変化が起きたとき、専門化したメンバーは仕事を変更できないので、変化に対応する集団の柔軟性はやや失われる。このような集団が変化に対応するには、各専門メンバーの出生と死亡の割合を変更して徐々に分業体制を調整するしかない。307.p
・分業体制を持ち、統合された機能で動く集団であれば、集団内の専門化したグループを必要に応じて盛んに働かせたり、活動を抑えたりする調節のメカニズムを持っていなければならない。一方、必要に応じて担当する仕事を変更する一時的な専従方式の集団には、異なった労働状況に対してメンバーの配置を調整するメカニズムがあるはずである。308.p
文明の多系史観―世界史再解釈の試み (中央叢書)
村上 泰亮 / 中央公論社 (1998-07) / - 7 users
読了:  2010年01月13日
◆さいたま市図書館、10/01/08
・「歴史研究の単位」を決めるには、何らかの根本的大革新を選び出すことが不可欠、過去の根本的大革新のリストを挙げてみると、生産技術の大革新の系列と社会組織の大革新の二つの時系列が考えられる。
・狩猟採集社会⇒(農業革命を経て)農耕・牧畜社会⇒(産業革命を経て)産業社会
・バンド社会⇒平等型の血縁社会⇒成層化した血縁社会⇒下位に血縁組織を持つ複合社会⇒血縁中心を脱した社会⇒属性中心を脱した社会、64-65.p
・二つの大革新の歴史的時系列は、交錯しあっているだろうことを強調したい。一方の時系列をそのままの形で理論化すれば、そこから単系的な発展論が導かれる。しかし二つの時系列を交錯させ、さらに文明接触という要因を採り入れることによって、多元的な比較文明論の構成を試みる。(「多系史観」の意味合いはここにある!
・「歴史研究の単位」として文明を捉えると、あらゆる種類の歴史上の変化は、論理的に、次の三つに分類される。
すなわち、1.文明創発的革新、2.文明間接触、3.文明内進化、67.p
・人類史上の大革命についての伊東俊太郎の議論、
人類革命/農業革命/都市革命/精神革命/科学革命
◯都市革命説の問題点、
・人口の増加圧によって大河の氾濫原に進出せざるを得なくなったという「挑戦」に対して灌漑技術の開発という「応答」が必要になったために制度化された中央集権的権力が成立したと説明する。
・しかし水利技術は、都市化以前にかなり発達していたし、逆に都市を持つ社会の灌漑技術が飛躍的に進歩したという考古学的な証拠もない。
・一方、灌漑技術を持たない都市化された文明、焼畑農業に依存する中米のマヤ文明、や地中海複合栽培に依存するミノア=ミケーネ文明、南米のアンデス文明などの例を考えると、「灌漑技術の成立が都市革命を生み出した」という説明には無理がある。
・また、ミケーネ文明やマヤ文明には、大規模な宮殿や城塞はあるが、都市というほどの大集落がなかった点から岩村忍の云うように「都市と文明は必然的な関係によって結ばれているものではなかった」と見るのが妥当。
・農業革命が、それまでの社会とははっきり断絶した新社会を作ったのに比べると、「都市革命」的現象には不連続的な性格が比較的弱いように思われる。「都市革命」的現象は、一つの文明の起点というよりも、文明のピーク、血縁的な階層社会の「文明内進化」過程のピークと考えたい。そのピークに続く次の大きな飛躍は、技術的大革新ではなく、文明接触による大文明帝国の建設という形で現れ、それによって農業革命の技術的含意を展開した農業革命前半期の文明が終了する。77-81.p
・農業革命と産業革命と云う二つの「技術的」革新の間には、いくつかの「文化的」革新の可能性を考えられる。中でも重要な社会的変化の候補としては
イ.人類最古の組織原理として「血縁」が挙げられるが、血縁原理はいつまで続いたのか?
ロ.世界各地の「古代宗教」と、それを超える「有史宗教」との区別は何か、移行はいつ始まったか?
ハ.古代帝国と文明大帝国との区別の基準は何か、そもそも区別出来るのか?83.p
・血縁の関係と古代宗教観念とは同じ社会組織原理に属する。この原理は農耕社会段階の前半を断絶なく支配する圧倒的な社会組織上のライトモチーフである。従って血縁と古代宗教を超える決定的大革新は、宗教上の革新でなければならない。それは有史宗教(または世界宗教)であり、有史宗教の有無によって農耕文明は二つに分類され、有史宗教に基づく農耕社会は第二次農耕文明(中国、ヒンズー、ギリシャ・ローマ文明)とみなすべきである。/古代宗教と有史宗教の区別は、ベラーによれば、後者は「ある意味で超越的で」抽象的な宇宙原理または唯一の創造神に基づいて、現世を超える世界を持ち、何らかの点で現世拒否的な要素をもち、神話の束縛を脱している。また「有史宗教はすべて普遍主義的である。人間はもはや、もっぱらどの種族や部族の出身であるか、或いはどの神に仕えているかではなく、むしろ救済されうるものとして定義される。つまりは、初めて人間そのものを把握することが可能になったのである」/(このような大革新の契機は何か?)非常に異質な二つの社会、農耕社会と遊牧社会が接触し交渉し反応したこと、言い換えれば「文明接触」による「文化的」革新が古代宗教から有史宗教への転換の契機となった。すなわち、人類史は技術決定論や生産力決定論では充分に理解できない。90-92.p
魔術から数学へ (講談社学術文庫)
森 毅 / 講談社 (1991-11-05) / 907円65 users
読了:  2010年01月13日
・和算の未成熟の原因は、普遍理念より個別的現実を重視した東洋文化の現実主義から、コスモロジーに至る妄想力が欠如したからではないか。和算の場合、数学が世界観に及ぶとは、おそらく考えられなかったのだ。117.p
・創造の過程においては、しばしば逆説的な現象が見られるのが普通である。近代科学の黎明期を、合理精神だけが、新しい世界観を作り出したように考えることは、おそらく正しくない。「正しい」方向ではなしに、むしろ「正しくない」方向、一種の非合理的精神もまた、時代の推進力だったのである。118.p
・数量、無限、変化という三つのタームは、近代ヨーロッパ数学がギリシャ数学と異質であることを刻印する。121.p
・17世紀半ばにはすでに、空間とか形式とか法則とかいうキーワードの成立する世界、つまりは近代科学の数学的パラダイムが作られていた。そしてその中で、感覚的な世界が、数学的表現を獲得していいくことになる。145.p
・そもそも、デカルトのように、単純明快な議論のできる男は、その心は複雑晦渋であったに違いない。パスカルは、デカルトが大雑把なことをいうと非難している。しかし几帳面なパスカルの方が、繊細な精神なんてことをいうだけ、心は透明だったような気がする。153.p
・18世紀フランス啓蒙主義者たちを鼓舞したものが、ニュートンの『数学原理』だったことは間違いない。それは旧秩序を壊し、新秩序原理を展望させる革命の聖書でもあった。それゆえに『数学原理』はアメリカ独立戦争を支えた知識人の精神を鼓舞するものだった。そればかりか、フランス革命の原動力だった、とさえ言われる。167.p
数学史でもなし、思想史でもなし、まして歴史書でもないが、そのどれにも該当する。しかし何よりもこの本を面白くしているのは、その奔放な語り口だ。森さんは、この本の最後に「19世紀以降の専門体制下の科学者は「真実」を語ることを強制されている。17世紀の数学者たちは、むしろ多くの誤りを述べていた。おそらく創造のためには、「真実」を語ることが、それほど有効ではないだろう。まだ、真実が保証されていないような、あやふやなことを論じ合う中で、たとえその9割が虚偽として投げ捨てられようと、残りの1割の中から真理が顔を現してきたものである。」と書いている。知的啓発力に満ちた森さんの人柄の面目躍如といったところ。
散逸構造―自己秩序形成の物理学的基礎
G.ニコリス , I.プリゴジーヌ / 岩波書店 (1980-01-18) / 6,804円10 users
読了:  2010年01月12日
◆さいたま市図書館、10/01/07
・本書の目的は「ゆらぎ増幅によって発生する散逸構造の出現を伴う、非平衡系の秩序化の研究」と表現できる。5.p(最も簡略に著者の思想が表現されている。ポイントは散逸構造&非平衡系の秩序化の理解にある。
巨視的レベルと微視的レベルの運動を統一的に扱いうるか?受精卵から成体への発育、高等哺乳動物の脳の機能、高等脊椎動物の免疫反応、さらには生物学の大問題である生体高分子の進化や生命の起源などにおいて生じている現象は、個々の分子レベルの微視的なスケールで生じる一連の出来事の巨視的、超分子的または超細胞的での発現である。/この点において、物理学と物理化学は新しい概念と新しい思想をもたらし得る。物理学や物理化学は共に、原子レベルと巨視的レベルの性質の相互関係を連続的に説明し取り扱うものである。事実、巨視的物体の観測し得る性質を原子の特性と相互作用から説明し、解釈することは、物理学の一分野である統計力学の目的である。我々の議論にとって、巨視的系のこの種の解析から得られるもっとも重要な結論の一つは、巨視的記述がある条件で定性的に新しい様相を持ち込むことがあるという点である。21.p
・今日、ほとんどの物理学者は、物理化学的系は必ず分子レベルで完全に無秩序な平衡状態に向かって進化するということを固く信じている。/エネルギーと物質を環境と交換することの無い孤立系においては、この傾向は熱力学第二法則で表現される。/一方、熱平衡にあって、一定温度の外界とエネルギー交換だけできる閉鎖系を考えると、....充分に低温状態では低エントロピーの秩序構造が形成される。この秩序化原理は結晶構造の発生や、相転移(Wiki、参照)を惹き起こすものである。/この原理は生物の秩序の起源を理解するのに充分であろうか?生命を特徴づける高度な秩序構造、さらには、細胞内における数千の化学反応の統制機能といったものを引き起こす莫大な数の分子の集合が生じる確率は、常温では無視できるほど小さい。例えば、100個のアミノ酸を持つタンパク質といった生体高分子を考えてみよう。天然には20個のアミノ酸がある。アミノ酸の特定配列によってタンパク質の生理的機能は決まるが、初期に任意の配列を与えて、その特定配列をとるまでの交換を行ったとき、必要な交換の数は20^100≒10^130であり、すべての配列は先験的に等確率であるとする。初期タンパク質の一つの構造変化が一回のアミノ酸交換によって生じ、交換に要する時間を仮に10^-8sと仮定しても、望みの方のタンパク質を得るのに必要な時間は、100^122sである(地球の年齢は、たかだか10^17sでしかない!)。/結論的に言うと、生体の秩序と、物理学の法則、特に熱力学第二法則との間の明らかな矛盾は、平衡の熱力学に沿って生体系を理解しようとする限りとり去りがたい。22-23.p
加圧トレーニングの理論と実践 (KSスポーツ医科学書)
読了:  2010年01月11日
◆さいたま市図書館、10/01/09
◯第7章、心臓、循環器系における加圧トレーニングから
・虚血性心疾患においてischemic preconditioning という概念がある。日本語では「虚血耐性」のニュアンスである。すなわち、虚血状態を繰り返すことにより、虚血に対する耐性が生じる。これは加圧トレーニングにおいても同様の現象が観察される。preconditioning には急性効果と慢性効果がある。1~2回の虚血負荷を加えた直後に同様の虚血を加えると虚血に耐性ができるというのが急性効果。また、定期的な虚血が数ヶ月から数年続くことで、虚血に対する耐性が出来るのが慢性効果である。/もう一つ注目すべき効果として、remote preconditioning という概念がある。これは心臓とは別な箇所、例えば下肢を虚血することで、心臓に対しても虚血耐性が生じるというものである。加圧トレーニングでも同様の効果が生じる可能性があるが、現在検討中である。95.p
・急性心不全に対しては、心臓の負荷を軽減することが重要である。心臓の負荷は、前負荷と後負荷に分けられる。前負荷は、心臓、特に左心室へ流入する血液量を反映し、左心室への負荷が増えると左房圧が上昇し、肺動脈圧も上昇する。下肢の加圧を行うと、静脈還流すなわち心臓に戻る血液量が減少し、肺動脈圧が減少することが確認されている。この事実は、加圧を行うことで心臓の前負荷が軽減され、急性心不全の治療に応用できる可能性を示唆している。/慢性心不全症例では基本的に左室の収縮力は低下しており、これを改善できれば予後の改善につながる可能性がある。...成長ホルモンの投与が慢性心不全症例の心機能を改善するという報告もあり、心負荷を増大せずに成長ホルモンの分泌を促す加圧トレーニングは、慢性心不全の運動療法としても期待できる。96.p
◯参考サイト
加圧トレーニングの科学的背景
脳虚血によるプレコンディショニング
長江文明と日本
未読: 
◆さいたま市図書館、10/01/11
87年2月出版、最近の長江の稲作文化遺跡の大々的な発掘以前の、いわば長江文明の再認識の黎明期における「長江文明と日本」の関係についての歴史認識を知る手掛になる。
・樺山紘一は「まえがき」に書いている。碩学の中国史家・増井経夫氏が、ポツリと漏らした設問が忘れられない。「江戸時代の日本人が中国というと、空想するのは江南の風景だったらしいのに、明治になると万里の長城になってしまったのはなんだったのだろうか」と。/中国文明像の変化は、日本人ばかりのことではない。リヒトホーフェン、ウィットフォーゲル../この視点移動には、それなりの合理的理由があったはずだ。..その変化の起点と終点は、近代という価値が下した負記号と正記号に、それぞれ正確に対応するから.近代人には、黄河と長城がよく似合う。/けれども、いまかりに近代とやらの秤量価を問わないまでも、負記号をふられた側にも、言い分を述べさせるべきではあるまいか。/照葉樹林の名で呼ばれる生態相と、これに随伴する物質文明が、長江中流域から東方に伸び、ついには日本列島をも覆っていること.伝承説話や神話の基本要素のいくつかが、長江と日本列島とに共有されていること。更には、古代日本国家の形成に、江南世界の政治配置が濃い影を落としていること。/黄河と長江という、対照的な個性を持つ水流は、たしかに特異な双焦点性を産み落としたらしい。中国文明の懐の深さを、くどいほどに強調しながら、意外にも、この双焦点の存在を見逃してきたきらいが著しい。あえて、長江文明の名をかかげることによって、中国認識全般の組み換えが可能となるかもしれぬ。
世界大恐慌―1929年に何がおこったか (講談社選書メチエ)
秋元 英一 / 講談社 (1999-03) / 1,836円9 users
購入:  2009年07月22日 1,785円 所有
読了:  2010年01月11日
・循環的要素と構造的要素の両方の観点を意識して歴史を再解釈したい云々、11.p
・20年代の(米国の)経済現象を理解する鍵概念-大衆資本主義的性格、16.p
・月別株価指数と連邦準備銀行債割引率のグラフ(1925/01~39/12、35~39を100とする株価指数)、20.p
・多くの商品の全国市場が成立する1880年代以降は、大量生産、大量販売、大量消費が社会の潮流になった。31.p
・信用販売が拡大され、借金の罪悪感が消えた。20年代には新車の70%、中古車の65%は分割販売、家具の70%、ラジオの75%、ピアノの90%は信用販売、32.p
○戦間期世界経済の不安定要因
・アメリカ経済の比重が圧倒的に強化されたにもかかわらず、政治的には「孤立主義」的スタンスを取った。
・農業分野の需給の不均衡
・限界を迎えた内需の拡大
・米国内の独特な資金需要の流れ、49-52.p
○大暴落からNDまでの三期
読みかけにして、約半年放置したままにつんどく状態。民主党政権は発足とともに「国家戦略室」を設けたが、果たして民主党の国家戦略の基本は何なのか、そもそも「国家戦略」があるのか、大規模なパラダイム転換を図るためのプランを持っているのか、そもそもどのようなパラダイム転換が必要なのか--などの問題を考えるための参考素材にするため、改めて読む。(10/01/11)
道具としての微分方程式
野崎 亮太 / 日本実業出版社 (2004-01-16) / 2,376円20 users
読中: 
◆さいたま市図書館、10/01/07
・積分の本来の意味は「量を集めること」、それは面積に限らず、距離や確率など、いろいろなものに応用出来る。「積分は微分の逆」という捉え方をすると、「積分がなぜ面積なのか」わかりにくくなてしまう。本来は、「面積を考える」ということが「積分を定義する」のと同じことであって、積分が微分の逆になっているというのは、後から分かった大発見なのだ。82、89.p
- 1 users
タグ 医学 カテゴリ:Web Web 更新日:2010年01月10日 15時07分32秒 2010/01/10
読了:  2010年01月04日
◆加圧トレーニング&エキセントリック運動の指摘がユニーク⇒加圧トレーニング
レジスタンス運動による脚血流量減少の抑制効果
・レジスタンス運動のリスク面⇒レジスタンス運動は中心動脈を硬くする
・レジスタンス運動の効果と実践⇒糖尿病の運動療法 
- 特にレジスタンス・トレーニングに注目して(前編と後編)-
投資の科学 あなたが知らないマーケットの不思議な振る舞い
読了:  2010年01月09日
◆さいたま市図書館、10/01/07
投資の哲学、投資の心理学、イノベーションと競争戦略及び科学と複雑系理論の四部構成。理論的支柱は第四部の「複雑系理論」で、前半は金融、投資市場の豊富な具体例をあげて、無数の集団的行動の集積が「ある種の秩序」を形成していくかを挙証している。お陰で、マンデルブロの『禁断の市場』では、市場分析でのべき乗法則の意味合いが、いま一つ曖昧だったが、やや具体的に理解できたようだ。(10/01/09)
○「現実の世界は平均値ではなく、異常値に支配されている-ウォール街が注目する米経済界の俊英が、生物学、統計学、心理学などの幅広い知見と独自の視点で、ファイナンス理論の常識を覆した話題のエッセイ」という日経BP社の既刊案内が面白そう。殊に世界は平均値ではなく、異常値に支配されているという一節が興味深い。
○Amazonの「愚かな投資家がたくさん集まれば、株式市場は正しく機能する」という著者からの内容紹介はもっと面白い。はたして「愚かな政治家がたくさん集まれば、国の政治は正しく機能する」と言えるだろうか??偶然性と必然性の関係を如何に読み解くかは、量子力学の課題の一つだけれど、へーゲルは「必然性とは、認識された偶然性である」と喝破した。なにやら、対立物の統一を思い起こさせるアイロニーを感じさせる。トルストイは「戦争と平和」の中で、ナポレオンのモスクワ撤退の場面で、戦争の大きな必然的な流れは無数の偶然の出来事の集積の結果だと描いていた。
◆第四部、科学と複雑系理論
一見無秩序でランダムな集団的行動がもたらす秩序、分散化されたシステムでは、たとえ個々の構成要素の能力が限られていても、複雑な問題を極めて効率的に解決することがある。知識を組織全体にまんべんなく分配することにより、安いコストで、集団の知恵を活用できるのである。また、我々は分散化された問題解決システムを十把一絡げにしてしまいがちだが、システムごとに特徴があり、その特徴がシステムのパフォーマンスを左右する。例えば株価は、投資家がそれぞれの多様な行動をとるときに効率的な値動きを示す傾向がある。ひとたび多様性が失われ、投資家の誤りが同じ方向に向かうと、株価が極端に高くなったり安くなったりする。187.p
・投資家は二つの理由から、集団行動の正確性に注目すべきである。一つは、情報の集積力こそマーケットの効率性をもたらす中核的機能だという点である。ここで効率性と言うのは、ある特定の投資家が、合理的な方法を用いて市場平均よりも優れたリターンを手にすることが出来ないことを意味する。もうひとつは、集団に蓄積される情報を活用する企業が、競争優位にたつことができるかもしれないという点だ。189.p
・株式市場を複雑系ととらえれば、投資家は二つの罠を避けることができる。一つはすべての結果に対して個別の原因を探そうとすることである。複雑系では、小さな混乱や動揺が集まって大きな変化が生じる。原因と結果が直ちに結びつくわけではない。..もうひとつの罠は、マーケットそのものを理解しようとせずに、個別の情報にこだわってしまうことである。213.p
・複雑系は、そこに含まれる異質の構成要素の一つ一つを分析しても、全体の性質や特徴を理解できない。複雑系は線形ではないので、部分を足しあわせても全体と等しくならない。原因と結果という文脈で考えると、納得の行く説明が出来ない。このようなシステムの代表例が株式市場である。217.p
・ジップの法則(べき乗法則)は、順位×サイズ=定数という単純な数式で表される。
マンデルブロは、ジップの法則に二つの修正を施し、より一般的なべき乗法則を導いた。一つは、1位から3位までのサイズを、1/(1+C)、1/(2+C)、1/(3+C)としたこと。二つ目は分母を(1+C)乗すること。その結果、1位から3位までのサイズは、1/(1+C)^(1+C)、1/(2+C)^(1+C)、1/(3+C)^(1+C)...
アクステルは、企業規模の分布は、政治や規制の状況、企業買収の増減、新興企業や企業倒産の動向、労働人口における大規模な人口学的推移(例えば、女性労働者の大量増加)などの要因では左右されないことを示した。
べき乗法則をもたらすメカニズムはまだ完全には解明されていないが、べき乗法則を発生させるモデルやプロセスは多数存在する。225-227.p
・企業規模の分布と成長率の研究から、以下の四つの法則が抽出できる。
1.企業規模の分布はジップの法則に従う。
2.企業成長率の分散は企業規模の増大とともに減少する。
3.大企業の成長はしばしば失速する。
4.多くの企業が同じライフサイクルをたどる。232-235.p
糖尿病カレントライブラリー 7  脂肪細胞と脂肪組織
門脇 孝 , 小川 佳宏 / 文光堂 (2007-06) / 8,400円1 users
◯このタイトルは、10/01/09現在、さいたま市図書館には無い。関連書籍として「脂肪細胞」で検索すると
・『脂肪の驚くべき真実
・『脂肪細胞の驚異と肥満
・『メタボリックシンドローム脂肪細胞のひみつとつきあい方
の三冊が検出される。「脂肪組織」では検出なし。
◯関連サイトに挙げた自然科学研究機構・生理学研究所の箕越靖彦教授らのグループは、体内の脂肪細胞から出るホルモン「レプチン」が、脳に働き、それによってインスリンの働きを助け、糖尿病を防止する、その神経メカニズムを明らかにした、と報じている。具体的には、レプチンが脳(視床下部)の満腹中枢に作用し、POMC(プロオピオメラノコルチン)神経と呼ばれる摂食調節神経を活性化。この働きで筋肉などでの糖の取り込みを促進し、血糖値の上昇を防いでいるとのこと。
金融危機で失った資産を取り戻す方法
中原圭介 / フォレスト出版 (2009-10-22) / 1,620円113 users
購入:  2010年01月05日 1,575円 所有
読了:  2010年01月08日 星5つ
その書名から、一見、株式投資のハウツー本のように見られがちだが、中身(のほぼ八割)は世界経済に対するperspectiveに富んだ分析で、その「地球環境問題」に対する基本的な見方は、僕の見解とほぼ一致する。
・いわゆる「環境ビジネス」は、17-18世紀の産業革命に対して第二次産業革命を狙いとするパラダイム転換が目標ではないか、と僕はみなしているが、どちらかと言えばこれは僕の直感に拠る。
・著者は、この点についてもう少し具体的に分析している。サブプライム危機後の対処問題を扱った本は野口の「危機克服の処方箋」とこの本の二冊を読んだ。分析の緻密さという点では、『処方箋』には劣るけれど、pespectiveの的確さでは遥かに優れている。
メガブレイン―脳の科学的鍛え方
読了:  2010年01月07日
◆さいたま市図書館、10/01/06
・脳は散逸構造だ、という指摘が面白い!!76.p参照
・脳は無意識に処理するだけの情報を含めて、見聞きする、或いは感じることの大半は、永久に脳に蓄えられ、いつでもすぐに呼び出せる状態にある。114.p
・θ波優生の時は、脳が情報を処理し、記憶するのに適した状態にある。しかし、意図的に多量のθ波を出すのは難しい。通常は、寝入りばなのほんの短い時間にθ波状態を体験しているに過ぎない。119.p
・脳の電気活動と精神状態の関連性は、一定の電気周波数は、個々のニューロン或いはニューロンの集合体に、一定の神経化学物質を放出させる点に現れている。電気をきっかけに放出された脳内化学物質は、我々の精神状態及びそれに基づく行動を、コントロールしている。恐れ、欲望、落胆、恍惚、渇望、愛情、はにかみ、これらのすべてが、一定の神経伝達物質の組み合わせの結果、起こる。脳内化学物質を正確にミックスすれば、暗所恐怖や極度の集中といった、具体的な精神状態を作り出せる。144.p
セロトニン欠乏脳―キレる脳・鬱の脳をきたえ直す (生活人新書)
読了:  2009年12月27日
◆関連リンクの「リズム運動がセロトニン神経系を活性化させる」から
・覚醒状態でセロトニン神経活動をさらに増強させるのは、種々のリズム運動である。動物実験では歩行・咀嚼・呼吸のリズム運動がセロトニン神経のインパルス発射を増強させることが明らかにされている。私たちは、ヒトのリズム運動として、坐禅の呼吸法、ウオーキング、自転車こぎ、ガム噛みなどに着目し、それらがセロトニン神経を活性化させることを検討した。
・丹田呼吸法(自己の腹筋筋電図を見せるバイオフィードバック法)を実施させて、α波の出現を観察した。α波(8-13Hz)の中でも高周波のα2成分(10-13Hz)が有意に増加し、θ波はむしろ減少、β波には有意な変動が認められなかった。
・ガムを20分間しっかりと噛み続けると、全血セロトニン濃度が有意に増加し、心理テストでは緊張・不安および抑鬱のネガティブな気分尺度が改善し、腹内側前頭前野に限局したOxyHbの増加が認められた。
心は量子で語れるか―21世紀物理の進むべき道をさぐる (ブルーバックス)
ロジャー・ペンローズ / 講談社 (1999-04-20) / 1,123円78 users
購入:  2009年08月02日 1円 所有
読了:  2010年01月05日
議論の基本的な大筋は理解できるが、個々の点については理解できない点が多い。これは量子力学について、ほとんど無知に近いためで、『心の影』と併せて量子力学の入門書を読むこと。
・基本的テーマである「心の働き」を物理法則に還元出来るかという点については、直感的には「還元出来ない」というのが僕の考えで、この点ではペンローズを支持するが、その論拠は「どんなに科学が進んでも、人間は生命を創造出来ないだろう」という直感に基づいているに過ぎないから無いに等しい。と云って、神の一撃を想定しているわけではない。

・もっとも興味を覚えた論点は「私たちの住む、この世界の有様や動きを観察していて驚くことの一つに、世界が、全く異常なまでの正確さで数学に基づいていると思えることがある。物質的世界を理解すればするほど、また自然法則を深く探求すればするほど、ますます物質的世界が消え去ってしまい、結局、数学しか残らないように感じられるのだ。また物理的法則を深く理解すればするほど、ますます私たちは、数学と数学的概念の世界へと追いやられてしまう」31.pという指摘だ。
この物質的世界は、なぜ数学的概念で記述できるのか。逆に、物質的世界の法則性を数学的概念を使って表現するとは、どういう事を意味するのか??
未曾有の経済危機 克服の処方箋―国、企業、個人がなすべきこと
野口 悠紀雄 / ダイヤモンド社 (2009-04-17) / 1,728円45 users
購入:  2009年12月06日 1,680円 所有
読了:  2010年01月05日
・経済危機の原因は、サブプライム・ローン問題ではない。世界的なバブルの膨張と崩壊である。バブルはアメリカで住宅価格、消費者金融、消費支出、経常収支赤字、証券化商品投機で生じた。更に、為替レートで円安バブルが発生し、日本の輸出がバブルを起こした.日本は、バブル膨張の過程に深く関わっていた。超低金利と円安によって輸出を増加させ、それで生じた貿易黒字を対米投資でアメリカに還流させた。それがアメリカの住宅バブルを増幅させ、自動車などの耐久消費財の需要をさらに増やした。11.p
・住宅価格の高騰がアメリカの消費を拡大させた。「住宅価格が値上がりし、金融が緩和されると現金が手元に現れる」という魔法のようなことが可能になった。アメリカの所得税制では、借入金の利子が無条件で所得控除されるから、借入をさらに奨励する結果になっている。43.p
・今回の世界経済危機の背景には、世界的な貯蓄・投資のバランスの問題がある。それは「アメリカが過剰消費を行って経常赤字を拡大する一方で、アジア諸国(中国、日本など)が外需依存の経済成長を行い、経常黒字を記録してアメリカに資本供給する」というグローバル経済の構造だ。..アメリカの金融危機と日本・中国の輸出崩壊は、同じコインの表裏だ。228.p
内需中心経済構造への転換が必要だ、輸出で外貨を稼がないと日本は生きていけないという考え方は間違っている。日本の対外純資産は07年末で250兆円ある。仮に経常収支赤字が定着しても、貿易収支と所得収支が08年1月程度の水準に留まるとすれば、対外資産を取り崩しても百二十年以上は持つ。成熟した債権国にとって重要なことは、対外資産の運用を適切に実施することである。234.p
世界を不幸にするアメリカの戦争経済  イラク戦費3兆ドルの衝撃
購入:  2010年01月04日 1,785円 所有
読了:  2010年01月04日
・こういうと奇妙に聞こえるかもしれないが、戦争とは巨大なビジネスだ。現代の企業なら、優れた会計システムから得られる正確で時宜を得た情報なしに、ビジネスを営もうとするはずがない。しかし、政府が行った会計実務はあまりにもずさんであり、一般企業なら間違いなく粉飾決算に関与した疑いで証券取引委員会に召喚されるだろう。8.p(当初予算見通しは「ずさん」というも愚かなほど膨張し⇒「膨れ上がる戦争コスト」51.p参照、そのコスト見積もりをスティグリッツは、10のステップに分けて⇒44~51.p参照、かなり「控えめな想定」によって三兆㌦と算出している。これは単なる誤算なのか、それともある程度まで承知の上で、経済的合理性を超えたブッシュ政権にとっての政治的合理性のある判断だったのか?そこが不可解だ。
第4、5章は戦争による間接的コスト、すなわち「社会にのしかかる戦争のコスト」&「原油高によって痛めつけられるアメリカ」を扱っている。しかし2000年を頂点に下がり続けたNYダウは、この戦争をきっかけに上昇に転じ、03年2月の7900㌦から07年10月14000㌦まで上がり続けた。この点について、
・03年3月から07年10月までのあいだ、アメリカの株式市況はまずまずの結果を出し続けた。これを見る限り、私たちが示してきた懸念は外れに思えるかもしれない。しかし同じ期間に、賃金は順調な伸びを、企業収益は急激な伸びを記録した。この事実を踏まえると、株価の伸びはいかにも鈍い。(イラク戦争勃発依頼、時価総額は4兆㌦分減殺されたとの試算もある。)FRBは戦争のマイナス効果を相殺するため、金利の引き上げを見送り、金融機関の貸出基準の緩和に目をつぶり、当時のFRB議長は事実上、変動金利型の住宅ローンを推奨し、「更なるリスクを取れ」と国民を焚きつけてきた。変動金利型は初期の利払いを低く抑えられるため、同じ抵当物件でもより大きい資金が借りられる。こういうカラクリがあったからこそ、アメリカは身の程を超える消費を続けてこられたわけだ。..歴史的な低金利がいつまでも続くはずなどないのだ。おそらく、本書が出版される頃になっても(08年3月)、サブプライム危機の全貌はまだまだ見えてこないだろう。すでに成長は鈍化し始めており、アメリカ経済は再び大きな余剰生産力を抱え込もうとしている。163.p
- 1 users
タグ 医学 カテゴリ:Web Web 更新日:2010年01月03日 18時38分11秒 2010/01/03
読了:  2010年01月03日
・運動は筋肉組織中のATP を多量に消費するため,それを補うように糖/脂質代謝を促進し、ATP産生量を高める。それにはAMP キナーゼの活性化や,転写共役因子PGC-1α 増加が関与する。⇒PGC-1αについては、関連リンクを参照。
・絶食も運動と同じような現象を引き起こし、絶食によりエネルギー不足にした後に再摂食させると、筋肉でのGLUT4、SREBP-1c (脂肪の合成をコントロールしている転写因子)の発現量が増加する。
・適度のカロリー制限,適度の運動を行うことは,周期的にエネルギー不足の状態,refilling の状態を繰り返すことになり,筋肉は脂肪を分解しやすく,また糖を代謝しやすくなり,これが生活習慣病を予防するようになると考えられる。
・運動効果、(1999年の米国看護師7万人を対象にした大規模追跡調査の結果)軽い運動により2 型糖尿病の発症率が8 年間に40%も低下することが示されている。ほとんど運動をしない群では13,283 人中422 人が糖尿病を発症したのに対して,軽い運動(週に1 回30 分程度のウォーキング)を行った群では14,564 人中296 人しか糖尿病を発症しなかった。また、歩くスピードも大切で,5 km/時の速いスピードで歩くと,ゆっくり歩くより70% も糖尿病の発症率が低下した。
・運動による筋肉での代謝の影響は,大きく分けて二つ考えられ、
1.運動中の変化と
2.運動を繰り返すこと(トレーニング)によって生じる変化である。
・運動中は多量のATP を必要とするため,糖質からも脂質からもエネルギーが供給されないと運動を維持することができない.運動強度が強くなると,脂質に比べて糖質からのエネルギー供給の比率が増加するが,絶対量としては両方からのエネルギー供給量は著明に増加する.運動中における糖の取り込み,脂肪燃焼の亢進機序として,AMP キナーゼの活性化が現在のところ一番有力な仮説である。
運動トレーニング後の代謝の変化、運動トレーニングは,ミトコンドリアの数もGLUT4 量も増加させる。
・GLUT4 は血中から筋肉組織内へ糖を運ぶ蛋白質で,筋肉における糖代謝の律速酵素となっている。GLUT4 の増加は耐糖能を高め,糖尿病を予防する。
・ミトコンドリアの数の増加は,安静時(運動をしないとき)でも脂肪酸のβ 酸化を促進し,脂肪組織から放出されているFFAを処理しやすくして,肝での中性脂肪の蓄積を抑制する。
・一般的に筋肉での脂肪の蓄積はインスリン抵抗性と関連があると考えられているが,運動選手のように筋肉内に脂肪が多く蓄積している場合でも,GLUT4 の発現量が多いとインスリン感受性はよい。筋肉でのインスリン抵抗性は脂肪蓄積により生じるのではなく,アシルCoA などの脂肪合成に関与する中間代謝産物が,インスリン抵抗性と相関すると考えられる。
- 1 users
タグ 医学 カテゴリ:Web Web 更新日:2010年01月03日 16時57分14秒 2010/01/03
読了:  2010年01月03日
問題意識、なぜ高脂肪食がインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病を発症するのかについて一致した見解は得られていない。本稿で、近年明らかになりつつある高脂肪食の問題点と推測されるインスリン抵抗性発症の機序を解説する。
・脂肪摂取量の高いヒトは空腹時の血中インスリン値が高い。この原因として、1)脂肪摂取量の増加が肥満を発症しニ次的にインスリン抵抗性を惹起する、2)摂取した脂肪酸(質の違い)が直接的にインスリン抵抗性を惹起する、の二つが考えられるが(図2)、これらは互いに関連しあっており、現段階ではその機序を完全に切り離して考えるのは困難である。
同じ量のエネルギーを摂取しても、脂肪を多く摂取する方が肥満になりやすい。この原因として、脂肪以外の栄養素が門脈を経て肝臓で代謝されるのに対し、脂肪を構成する脂肪酸(特に長鎖脂肪酸)はリンパ管を経由して全身を循環するため脂肪組織に容易に蓄積されやすい事、摂取した糖質やタンパク質を脂肪に変換するにはエネルギーを消費するのに対し、脂肪は余分なエネルギーを消費せず直接脂肪組織に蓄積される事が考えられる。
・高脂肪食の摂取は脂肪組織への過剰な脂肪蓄積により、脂肪細胞を肥大/大形化させる。大型化した脂肪細胞からは様々な生理活性物質が分泌され(TNF-α、レプチン)、それが肝臓、筋肉、脂肪組織でインスリン作用を阻害し、インスリン抵抗性を引き起こす。
・高脂肪食の摂取は、インスリンの標的臓器である肝臓、筋肉においても脂肪を蓄積させ、代謝異常を招く。
・高脂肪食の摂取は脂肪組織でのGLUT4 のmRNA 発現レベルを低下させ、脂肪組織における糖の取込みを抑制する。
・脂肪の質は、構成する脂肪酸の種類の違いに依存しており、これも肥満/インスリン抵抗性の発症に大きく関わっている。
・紅花油に多量に含まれるリノール酸の含量に依存しており、血糖値とリノール酸の摂取量は正相関であった。また、菜種油や大豆油、牛脂も耐糖能を悪化させた。一方、n-3 系の多価不飽和脂肪酸を多く含む魚油は、肥満も耐糖能の悪化も生じなかった。
・従来から、骨格筋は糖を取り込む最大の組織であることが示され、筋肉での糖の取り込み低下が全身でのインスリン抵抗性を引き起こすと考えられていた。しかし、インスリン抵抗性の発症には肝臓、脂肪組織なども大きく寄与しており、どの組織が全身でのインスリン抵抗性の発症に最も寄与しているかは不明である。
運動生理学 (現代栄養科学シリーズ)
池上 晴夫 / 朝倉書店 (1995-10) / 3,045円1 users
購入:  2009年02月25日 600円 所有
読了:  2009年07月25日
◆「糖尿病の運動療法」には、GLUT4の働き&血糖管理の方法としての運動療法について要領よくまとめてある。
運動不足病(hypokinetic disease)、運動不足がリスクファクターとして関与している一群の疾患で、肥満、心筋梗塞、狭心症、高血圧、動脈硬化、糖尿病、ノイローゼ、自律神経不安定症候群、腰痛など。14.p
運動エネルギーの供給源、三つのエネルギー代謝系、イ.ATP-CP系(エネルギー源はクレアチン燐酸)、ロ.乳酸系(グリコーゲン)、ハ.有酸素系(グリコーゲン&脂肪)、37-38.p
有酸素能力、有酸素エネルギーを発生させる最大能力を有酸素能力という。有酸素エネルギーは、概ね酸素消費量に比例するが、厳密にはエネルギー源の違いによって、多少の差がある。一㍑の酸素消費で発生するエネルギーは糖の場合は5.05k㌍、脂肪の場合は4.7k㌍で、一般的には両方がほぼ同時に使われるので、4.7と5.05の中間あたりにある。40.p
血糖の調節、運動時には筋グリコーゲンが分解され、エネルギー源として利用されるほか、血糖も筋に取り込まれて利用される。運動時には交感神経が緊張して、副腎髄質からのアドレナリン分泌も増えるため、肝グリコーゲンのの分解が促進され、血中に放出される。従って、運動を始めると血糖値はやや上昇することが多い。運動を長時間続けていると、筋や肝臓のグリコーゲンの貯蔵量が減少して、血糖も低下する。このような場合は脂肪の分解が促進される。運動には血糖調節能力を高める効果があり、適度な運動によってインスリンレセプターの感受性が高まる。このためインスリンの分泌量が変わらなくても、糖の処理能力が高まり、糖尿病患者の食後の異常な血糖上昇を正常化するようになったりする。83.p
グリコーゲン・ローディング、肝臓や筋のグリコーゲンは、長時間の運動によって徐々に減少する。脂肪の利用には糖質の存在が必要であるらしく、糖質が極度に少なくなると脂肪の利用も障害を受ける。つまり、グリコーゲンの枯渇はスタミナの枯渇である。86.p
主な日常的作業や運動のRMR(エネルギー代謝率)、一覧表、105.p

プロフィール
<< 2017年3月 >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
読書状況
ウィッシュ21 冊
積読4 冊
読中78 冊
読了294 冊
読了数 (月別)
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
アマゾン検索
タグ (33)
155 歴史
86 医学
78 経済
40 社会
40 科学
38 政治
26 文学
24 金融
23 市場
21 辞典類
13 語学
12 農業
11 政治思想
10 食物
10 歴史小説
10 数学
10 バルザック
9 伝記・評伝
8 哲学/思想
7 運動
6 思索
5 NKB
4 統計
4 生命化学
3 地図
3 農政
3 ローマ
2 生物学
2 史伝
1 音楽
1 □世界システム論
1 宗教
1 白書
14 タグなし
ソーシャル
物々交換
アイデア
カウンター
累計2103  今日0  昨日0
since : 2009/05/22

©2007-2017 sunjin_fuuraiのバインダー