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カテゴリ 読書 購入 所有 お気に入り 181 - 210件目 / 445件
現代フランス語法辞典
ポール・リーチ / 大修館書店 (1975-01) / 4,410円2 users
購入:  2010年01月21日 1,300円 所有
読中: 
ことばを構成する構文を作り出せる」(序から)ことを目指す、云い換えれば一つ一つの単語が、どういう組み合わせで、どういう構文を作り出せるかを解き明かした「辞典」と云えるだろうか。『パンセ』を読み始めて(まだ二頁しか読んでないが)プチ・ロワイヤル仏和と新フランス文法事典と、この語法辞典の三冊を使っているが、他の二冊には載っていない用法が、僅か二頁のなかでも幾つか発見された。(10/02/13)
カオス的世界像―非定形の理論から複雑系の科学へ
イアン スチュアート / 白揚社 (1998-10) / 4,536円13 users
ウィッシュ ウィッシュ 読了:  2010年02月13日
◆さいたま市図書館、10/01/31(再読候補という意味で「ウィッシュ」に入れて置く)
決定論、ないし自然科学の法則性の限界、たとえばマルクスが彼の歴史法則を、それをもとにモデル化しようとした「物理学の冷酷な諸法則」などというものは、実際には決して存在してはいなかったのである。ニュートンには三個のボールの振る舞いを予測することなど出来はしないということを知っていたら、はたしてマルクスは三人の人間の振る舞いを予想しようとしたであろうか?54.p
・もしも諸君がある公式を使って、ある方程式を解くことができるものとすれば、その時その解は事実上、規則通りの解析可能な仕方で振舞うはずである。これが、公式というものが諸君に語りかけるすべてである。そして、もしも諸君が微分方程式の解の公式を発見することをもって力学が面白いというお題目を唱えているとしたら、諸君のやっている数学とは、単に規則的振る舞いを研究するためのものに過ぎないのである。諸君が一生懸命やっていることは、そのような方法が適用できる問題ばかり探しまわって、(適用出来ない)残りの問題には目をつぶって無視してしまうことなのである。76.p(ペンローズが『心は量子で語れるか』で「私たちの住む、この世界の有様や動きを観察していて驚くことの一つに、世界が、全く異常なまでの正確さで数学に基づいていると思えることがある。」(参照)と指摘している点に関連して「この物質的世界は、なぜ数学的概念で記述できるのか」という疑問を提出したが、むしろ数学的概念で記述できるもののみを、我々は「理解」出来ると考えているというべきかも知れない。
カオス制御、技術的にどんな角度から見てもカオス的でないシステムに、安定で規則的な振る舞いを作り出すという意味で、「カオス制御」がしばしば有効であるというのもはっきりしてきている。脳の組織断片ヘの作用については、たぶん、それが当てはまる。(この場合の「カオス制御」の意味が、今ひとつ理解し難いな?!)425.p
岡 芳知 , 春日 雅人 / 文光堂 (2004-05) / 6,510円2 users
読了:  2010年02月10日
◆さいたま市図書館、10/02/08(カレントライブラリーのシリーズは現在まで10冊発行され、うち4冊を読んだが、大部分は著者も含めて内容的には『糖尿病学』と重複する。この本自体は07/06月に初版が発行されており、カレントライブラリーの中で、それ以降に発刊されたものは『糖尿病治療のエビデンス』『糖尿病治療の新しい展開』の二冊だけで、その意味では『糖尿病学』はカレントライブラリーの集大成と見るのが良い。治療法などの「新しい展開」については関連サイトに挙げた「国内学会講演レポート」が参考になる。
・2型糖尿病では、インスリン分泌障害とインスリン抵抗性が病態の基礎にある。(しかし両者が、どの程度に関わるか、また両者の関係はとなると単純ではない。)
・インスリン分泌障害はなぜ生じるか?例えばグルコキナーゼ遺伝子異常では、膵β細胞でのグルコースからのシグナル伝達が傷害されてインスリン分泌が低下する、というのは理解しやすい。ところがHNFという転写因子参照)の遺伝子異常となると、インスリン分泌に関わる様々な分子の発現量が変わるための障害と考えられ、グルコキナーゼの場合ほど単純な話ではなくなる。多因子遺伝に環境因子が加わって発症する2型糖尿病では(膵β細胞の発生分化の障害、膵β細胞の維持機構の障害、高血糖による障害など)多種多様な因子が関わりうるので、極めて複雑な話になってくる。
・(そもそも)グルコース濃度の増加に伴いすべてのβ細胞が徐々に分泌量を増やすのではなく、ドーンと分泌する細胞の数が増えていくのだそうである。すなわち、β細胞にとっては、0か1かということで(中間はないのである。)個々の細胞によって分泌の閾値が異なると説明されるかも知れないが、個々の細胞がバラバラにインスリン分泌に関わるかと云うとそうではない。膵からのインスリン分泌は全体として脈打っており(pulsatile insulin secretionという)、集団としてまとまった行動をとっている。(以上は「巻頭言」から)
糖毒性&脂肪毒性、膵β細胞では、糖質・脂質が協調して、インスリン分泌を制御しているが、糖質・脂質の過剰がこの協調を破綻させ、分泌障害を起こしうる。43.p
・高血糖が膵β細胞に及ぼす障害は、(次の三種に及ぶ)
1.糖不応性、短期間に繰り返される高血糖で誘導される分泌障害で可逆的変化である。
2.膵β細胞の疲弊、持続的なインスリン分泌刺激によるインスリン分泌プールに貯蔵されているインスリンの低下で、インスリン合成経路は維持されている。分泌刺激の低下で回復する。
3.糖毒性、長期また高度に持続する高血糖による徐々に進行する不可逆的な分泌障害で、インスリン合成経路と分泌過程の障害、及び膵β細胞の構造的変化を伴う。44.p(⇒糖毒性の分子機構、酸化ストレスの関与について、『糖尿病学』116.p参照
・遊離脂肪酸は..細胞の生存・機能維持に必須の細胞内シグナルメディエーターであり、膵β細胞とインスリン感受性臓器(脳、心筋・骨格筋、脂肪細胞、肝臓)の臓器間クロストークのメディエーターでもある。しかし膵β細胞で遊離脂肪酸が過剰になると、血糖センシングとインスリン分泌能を障害する。これを脂肪毒性という。..脂肪毒性は機能的障害と構造的障害に分けるのが便利で、遊離脂肪酸の慢性作用による血糖センシングとインスリン分泌機構の異常は機能的障害、過剰で持続的な脂肪蓄積でもたらされる膵β細胞容量の減少は構造的障害である。45.p(⇒「過剰で持続的な脂肪蓄積がもたらす膵β細胞アポトーシスに続くβ細胞容量の減少は構造的障害であり、この変化は短期的には不可逆性である」『糖尿病学』119.p、β細胞アポトーシスについて、「通常の成体でもβ細胞の~0.5%がアポトーシスを起こすが、複製及び新生によってβ細胞量は定常性が保たれている。一方、2型糖尿病発症に伴い..β細胞死が著しく増加する」同15.p)
definiteの2型糖尿病のインスリン反応の特徴
1.明らかな低反応
2.空腹時血糖値が高い症例では空腹時のインスリンレベルは低く、インスリン反応も一層低反応となる
3.糖尿病代謝が改善されると(治療法の別に関わらず)インスリン反応も改善される。
4.厳格な治療によって耐糖能が正常化した場合でも依然低反応である。
5.グルコース負荷30分後の血糖上昇量に対するインスリン上昇量の低下は、2型糖尿病のインスリン分泌の最も特徴的なprimaryな障害と考えられる。
6.単純肥満者のインスリン分泌は非肥満者より亢進しており、その程度は肥満の程度に関係する。92.p
まとめると、次のようになるか。2型糖尿病の基礎的病態としては、遺伝的その他の素因によるインスリン反応の低下、特にグルコース負荷の初期インスリン反応の低下が特徴的である。従って、治療法としては一般的な糖代謝の改善努力に加えて、食後の急激な糖の上昇を避けるような食事法が肝要である。具体的には、内容的にはGI値を考慮、ゆっくりと食べる、海藻・食物繊維など糖の吸収を緩慢にする食材、またはGI値を下げる酢などの利用、インスリンを利用せずに糖代謝を促進する食後の運動など。)⇒参考:GI値
・グルコース負荷に対するインスリン分泌反応の低下は、確実な2型糖尿病の結果ではなく、2型糖尿病のあらゆるステージを通じて認められ、2型糖尿病発症に先行する重要な指標と考えられる。..発症促進因子であるインスリン抵抗性に先行する、あるいは抵抗性とは独立した因子と認められる。102.p
直観でわかる数学
畑村 洋太郎 / 岩波書店 (2004-09-08) / 2,052円205 users
読了:  2010年02月13日
◆さいたま市図書館、10/02/12
・レビュー(参照)を見ると評価が両極端に分かれる。「本質をズバッと教えてくれる」という評価のある一方、「著者は良く解ってないのではないかと感じてしまう」との評価もある。僕自身の評価は、ちょっと分かった気にさせてくれるが、いざ本物に自分で立ち向かってみると「やっぱり分かっていなかったと分からせてくれる本」でしかない。
・裏表紙の扉に「この本の読者対象」として7項目あげてあり、「これまでの数学本では飽きたらない人」「なんだ、そんなことだったのか!と溜飲を下げたい人」とあるが、その意味では 「真剣勝負を避けて、本物に触れた気にさせる」紛い物でしかない。要するに上澄みを舐めさせて本物に触れた気にさせる本。とはいえ書いてある中味じたいが紛い物というわけではないし、ちょっと面白い指摘もないわけではない。
驚異!しかけ科学図鑑〈4〉人体を旅する
読了:  2010年02月13日 星4つ
◆小学校三年の孫が学校図書館から借りてきた本。昔、「ミクロの世界」という映画があったが、万分の一くらいのミクロ大になって人体内を「口から入って、大腸・腎臓まで達し、そこから血液に乗って心臓・肺・大脳、最後は目に達する旅」する本だ。非常に面白い。また要領よく人体の解剖図を、ある程度立体的に構成した良書だ。但し、小学生対象には、訳語が難しすぎるのが難点だ。ルビは振ってあるが、大人相手でも「ちょっとどうかな?」と思う点がなきにしもあらずというのが惜しまれる。
カール・R.ポパー / 未来社 (1980-03) / 4円2 users
ウィッシュ ウィッシュ 読了:  2010年02月16日
約三十年前に出版されたこの本を採録したのは、「ソロスは警告する」の中で、雷に打たれたような啓示を受けたと書いているからだ。
同書で、ポパーは「ナチス思想も共産主義も”究極の真理を獲得した”と主張する点ではそっくりだ」と論じている。だが、究極の真理は決して人には知りえない存在である以上、ナチズムも共産主義も現実を歪んだ形で解釈しているはずだそして、そのような解釈を社会に適用するならば、どうしても暴力的な強制に頼らざるをえない。(「ソロスは警告する」から、61.p)
カール・ポパーは、1970年代に「科学的発見の論理」を読んだだけで、詳しくは知らない。トマス・クーンが「科学革命の構造」で提起したパラダイム・シフトをめぐって論争をしていた記憶がある。ともに印象に残る人で、いつかはきちんと読んでみたい気持ちはあったが機会がなかった。こんどの農閑期にでも。
◆さいたま市図書館、10/02/08(一応通読するが、再読候補の意味でウィッシュに入れて置く
・本書は政治哲学及び歴史哲学への批判的序説であり、また幾つかの社会改造の原則の吟味でもある。(はしがき)
・本書を書こうという最終決定は1938年3月、私がオーストリア侵入のニュースを受け取った日になされた。..本書の大半が戦争の成り行きが不確定な重大な時期に書かれたという事実は、今日ではその批判の一分が、私が望ましいと思うよりも情緒的で厳しい調子であるように思える理由を説明する助けになるかも知れない。..マルクス主義をかなり詳しく扱ったのは、それが主要な問題になるだろうという予感のためであった。(改訂版はしがき)
歴史信仰、人類の未来の運命について、社会科学は「預言者の無責任な答以上のものを与えられるのか」、予測すること、あるいはむしろ我々の日常的予測を改良すること、それらをより確実な土台の上に据えること、が科学一般の任務であるとされ、特殊的に言えば、長期的歴史予言を我々に授けることが社会諸科学の任務だとされる。彼らはまた、自分たちが歴史的事件の成り行きの予言を可能にする歴史法則を発見したとも信じている。この種の主張を掲げる社会哲学を歴史信仰という名のもとに一括した。(序文から)
世界史のなかの縄文文化 (考古学選書)
安田 喜憲 / 雄山閣 (2004-11) / 4,725円1 users
読了:  2010年02月08日
◆さいたま市図書館、10/01/31
・形質人類学と考古学の成果から、縄文人の祖先は、約3.3万年前以降に日本列島に出現した古モンゴロイドである可能性が高い。56.p
・海洋的日本文明の原点、北欧で、ハシバミやマツ類の疎林が拡大してくるのは、完新世のプレボレアル期に入ってからであり、ナラ類、シナノキ類、ニレ類などの落葉広葉樹の森が拡大してくるのは、9千年前頃のことである。日本列島でも北緯40度以北の東北地方北部にブナ林が拡大出来るのは丁度このころである。しかし北緯40度以南の多雪地帯を中心としてすでに1.65万年前からブナやナラ類の落葉広葉樹の森が拡大していた。北欧における落葉広葉樹の森の拡大は、日本列島より7千年以上も遅れている。(土器の出現が、日本列島より1万年近く遅れているが)落葉広葉樹の森の拡大の遅れとの間には深い関わりがあるのではないか。152.p
・北欧と日本列島における晩氷期から完新世への自然環境の激動の中で、草原の狩猟民から森の狩猟・漁撈民への移行という世界史の中の生態史的並行現象が見られるが、森の拡大の遅れた北欧では、この移行は日本列島より1万年近く遅れた。154.p
・海面が上昇し、対馬海流が流入することで、直ちにブナやナラ類の落葉広葉樹の森の生育に適した海洋的風土が形成された日本列島では、世界に先駆けて森の生態系に適応した人間=自然系のシステムが導入・樹立され、技術革新が引き起こされ新たなライフスタイルが確立されたとみられる。それを縄文文化の誕生と位置づけたい。158.p
・(都市化、国家、高度の宗教などを文明の指標とみる考え方そのものの再検討が必要であり)縄文文化を日本文明の原点と見る出発点は、今日までつながる日本文明を可容した自然生態系の根幹が形成されたときに求められる。日本列島に大陸性気候が支配的であった後期旧石器時代の文化は、海洋的風土のもとに発展した現代の文明には、直接つながらない。海洋的な日本文明が発展する舞台の確立は、1.5万年前をまたなければならなかった。....新たに出現した海洋的な自然と人間の関わりのシステムをもっとも明瞭に具現しているのが、ブナやナラ類の温帯の落葉広葉樹の森の資源に依存した生業の出現である。その森の生態系に適用していくなかで、普遍的な生活様式が確立したことのあかしが、縄文文化の誕生ではないか。160.p
・いま問われているのは文明の価値観の転換であり、新しい文明概念の創造である。都市や国家の発生に文明の誕生を求める都市型文明論では、この21世紀初頭の工業技術文明の危機に活路を見つけ出すことは出来ない。161.p
・縄文農耕論、縄文時代前期から後期にかけて、西日本の照葉樹林帯には、アサ、ゴボウ、リョクトウ、ヒョウタン、カジノキなどの栽培を伴う農耕が、狩猟採集とセットに成って存在した。世界史のなかで、日本列島が農耕文明の光を受けるのは、ユーラシア大陸の先進文明地帯に比べて、数千年以上も遅れ、縄文時代は未開・野蛮の中にあったというこれまでの定説はならたたないことが明らかになった。日本列島に農耕が伝播した時代は、イギリスのみでなく北西ヨーロッパに農耕が伝播した時代と同じか、より古いことが明らかになった。一方、東日本のなら、クリ林帯には縄文のクリ林と読んでも良いくらいの著しく集約的な堅果類の利用体系が、狩猟採集とセットになって存在した。青森県三内丸山遺跡の発見によって、花粉分析の結果から遺跡周辺にクリ林が存在したことが実証された。204.p
風土、ないし気候的特性に応じた農耕文明が発展するのは当然である。日本の農耕文明の始まりを、専ら稲作農耕に限定して考える捉え方には前々から疑問に思っている。その意味では、焼畑農耕に注目した畑作農業が縄文時代に早くも発展し、それが稲作農耕の発展を準備したという考え方は注目すべき卓見である。しかし、殊更、「縄文文明」の先進性を強調する筆者の見解には違和感を覚える。(10/02/08)
新フランス文法事典
朝倉 季雄 , 木下 光一 / 白水社 (2002-07-01) / 8,424円11 users
購入:  2010年02月05日 8,190円 所有
読中: 
◆基本的文法は『60歳からのフランス語入門』(参照)で卒業、後は実践的に読む過程で疑問に感じた文法事項を、その都度参照して確認するために事典として使える文法書として購入。「フランス語は分析的な言語です。ですから、フランス人は、分析と作文でフランス語を学ぶ」(『日本人のためのフランス語』参照)という言葉を、そのまま真に受ければ構文の解析が学習上のキーポイント。
・「初版の序」で、朝倉氏は「内容はフランス文法上の全般にわたっているが、学習者の疑問の大部分は、一般の文法書には説かれていない構文上の細部の問題であるから、フランス語の構文と発音の実際を記述し、正規の構文を示すことに大部分の紙面をさき」と書いている。通常の文法書との本質的相違は、「規範文典の規則が偏狭であり、フランス語の現実に即していないことは、周知の事実である」という指摘によって明らかである。
・まだ二三の疑問点を参照しただけだが、期待に違わぬ内容だ。(10/02/06)
- 1 users
タグ 医学 カテゴリ:Web Web 更新日:2010年02月04日 17時56分40秒 2010/02/04
読了:  2010年02月04日
JAMIS(The Japanese Antiplatelets Myocardial Infarction Study)は、急性心筋梗塞発症から1ヵ月以内の744例を、アスピリン投与群(81mg/日)、トラピジル群(300mg/日)、対照群(抗血小板薬非投与)に無作為に割り付け、予後を比較した前向き研究である。アスピリン群では再梗塞発生率が対照群に比べ有意に低く(オッズ比0.271、 p=0.0045、Log-Rank test)、日本人急性心筋梗塞におけるアスピリンの二次予防としての意義が明らかとなった。
・心血管イベントの発症には、血管内皮機能障害が関連している可能性がある。
・糖尿病患者に視点を移すと、血糖値と血小板凝集能の間に有意な正の相関がみられることを報告している。また最近は、活性化血小板の表面で生成されるマイクロパーティクル(microparticle)とよばれる小さな膜小胞体を生体内の血小板活性化の指標として血小板凝集能を把握する試みが行われており、糖尿病患者では血小板由来マイクロパーティクル(platelet-derived microparticle: PMP)が有意に増加していることが報告されている。
・2型糖尿病患者における低用量アスピリン療法の一次予防効果を検討したJPAD(The Japanese Primary Prevention of Atherosclerosis with Aspirin for Diabetes)の結果が報告された。アスピリン群(81mg/日または100mg/日)または非アスピリン群について、動脈硬化性イベントの複合(突然死、冠動脈疾患死、脳動脈疾患死、大動脈起因死、非致死性心筋梗塞、不安定狭心症、新規発症労作性狭心症、非致死性脳梗塞、非致死性脳出血、一過性脳虚血性発作、非致死性大動脈疾患及び末梢動脈疾患)を一次エンドポイントとして評価した。
・その結果、総動脈硬化性イベントは、アスピリン群と非アスピリン群間で有意差は認められなかったが、致死性冠動脈イベントおよび脳動脈イベントは、アスピリン群で有意に低かった。
議会の迷走 (小説フランス革命 4)
佐藤 賢一 / 集英社 (2009-09) / 1,620円31 users
読了:  2010年02月04日
◆さいたま市図書館、10/02/02
・ナンシー事件、聖職者民事基本法
国民衛兵隊の入隊資格、憲法制定委員テティエンヌが朝一番の議場に告げたのは、人権宣言第十二上並びに第十三条に挙げられている「公の武力」の編成について、その憲法条文における具体化に着手したい旨だった。..ラ・ファイエットを司令官とする国民衛兵隊は、言わずと知れた民兵組織である。実質的には富裕なブルジョアが、かねて中核をなしてきた。これに法律的な裏付けを与えよう、向後の国民衛兵隊はその入隊資格を能動市民だけに許す、云い換えれば受動市民の新規入隊は受け入れないと、そう憲法に明文化してもらおうと、かかる議論が12/05の議会で行われることになったのだ。95.p
・右派と左派の綱引、タレイランの暗躍、ミラボーの影響力に翳り
The Wheels of Commerce: Civilization and Capitalism, 15Th-18th Century
Fernand Braudel / Harpercollins (1983-02) / 10,095円1 users
購入:  2009年12月28日 9,795円 所有
読中: 
・25-51.p、ヨーロッパ、特にロンドンとパリを中心とした市場(特に日用品の取引)の広がり、16、17世紀の庶民の生活が眼に浮かぶように生々と描かれている。一方、金融市場は、単なる商品交換だけでは発達しない、と指摘(51.p)。
The forward market in money could only exist where there was already a highly-charged economy.Such was the case by the thirteenth century
in Italy,Germany,and the Netherlands:...
・労働力の販売、すなわち労働市場は(奴隷市場は別として)、西ヨーロッパでは13世紀には、想像以上に広まっていた。52.p
フランス語のしくみ
佐藤 康 / 白水社 (2005-03) / - 31 users
読了:  2010年02月05日
◆さいたま市図書館、10/01/31
・「まえがき」から、この本は「かじる」という発想を捨てて書かれました。どころか、いくら「やさしい」といっても、やはり段階を追って覚えながらでないと先へ進めない「入門書」ですらありません。ここでは、みなさんに手ぶらでフランス語の世界を散歩して頂きたいのです。ちょっと「かじって」みて、直ぐに分かることは、音楽的要素というか、音の流れと繋がりを、非常に大事にする言語だということだ。ということは音と綴りの基本的構造さえ掴んでしまえば、音の流れは比較的簡単に理解出来るということだ。
・大きく二部に別れ、一部は文字と発音のしくみ、書き方と語のしくみ、文のしくみの三章。二部はまだ読んでないが、一部の1、2章は聴き取り・書取の入門段階のまとめには良い。付録で99の短文のCDが添付されている、ちょっと短文過ぎて拍子抜けだが、基本的な発音と綴りの確認には良い。
- 1 users
タグ 運動 医学 カテゴリ:Web Web 更新日:2010年02月02日 10時26分34秒 2010/02/02
読了:  2010年02月02日
・運動によって中高齢者の認知機能が改善されること知られているが、研究では運動が薬剤と同様な仕組みで脳に働きかけ、脳の老化防止に働くことが分かった。運動による認知症の予防などへの応用が期待される。
記憶や学習など認知機能をつかさどる「海馬という部分に注目。海馬では大人になっても神経細胞が新しく生まれ、数が保存されているが、年齢を重ねるほどその能力は衰える。
・(高齢マウスによる実験)海馬の神経細胞の基になる幹細胞を調べたところ、自由に走ることのできる環境で飼育したマウスでは、平均720個の神経幹細胞が分裂していた。一方、十分に運動できなかったマウスでは平均298個だった。幹細胞の増殖率は、運動により2.4倍高くなることが分かった。
ライプニッツの普遍計画―バロックの天才の生涯
E・J・エイトン / 工作舎 (1990-01-01) / 5,767円12 users
読了:  2010年02月02日
◆さいたま市図書館、10/01/31
・通読、当面の関心からはやや遠い、但し、いつか熟読には値する書物だ。哲学史または数学史との関連。
・ルネッサンス的天才の生涯、その関心の広さと深さは真に驚嘆に値する。
タグ 歴史 カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 古書 更新日:2010年02月01日 06時18分46秒 2010/02/01
購入:  2009年10月10日 2円 所有
読中: 
・19の文明の親子関係及び時間的配置の図表、7.p
・創造力を失った支配的少数者は、明らかに静的状態に陥る。というのは、成長期の文明の創造的少数者が、崩壊期の文明の支配的少数者に退化するということは、その文明が動的活動期から静止状態に逆戻りすることを意味する。プロレタリアートの分離は、この静止状態に対する動的反応である。こうした見地に立つと、プロレタリアートの支配的少数者からの分離において、原始から文明社会を生み出す突然変異の場合と同じく、社会の静止状態から動的な活動期への移行を通じて、新しい文明が発生することがわかる。21
・文明発生の性質、それは全宇宙を貫いている律動的脈動の特殊な鼓動である。明らかに、これはいかにして文明が興るかについて、我々の理解力が到達できる限界である。34(サマヴィル縮約判、100頁の要約参照
近代西欧の人種的感情のプロテスタント的背景、海外においてヨーロッパ人種以外の人々の間に植民したヨーロッパ起源のバイブル・クリスチャンは自分たちをヤハウェの神慮に従うイスラエルの民であり、神の約束した土地を占領することによって神の業を行うものであると信じ、それと同時に、彼らの進路を阻む非ヨーロッパ人を、神が「殺せ!服従させろ!」といって神の選民の手に渡したカナン人と同一視したことは不可避であった。44(サマヴィル縮刷版では、文明の発生を白人種の優越性に帰着させる近代西欧の人種的偏見を簡潔に批判している。しかし本当に面白いのは、38-102頁に詳述している人種的偏見に基づく悪行の数々である。
・西欧文明の人種感情は、プロテスタント教義が旧約聖書から吸収した精神ニよって呼び起こされたもので、西欧文明の初期の時代には全く見られなかったし、また今日でも西欧文明の一部地域には見られない。/中世の西欧文明が、人種感情の偏見に囚われていなかったことは、未だに中世の面影を残していた西欧文明の人々によって証明される。例えばスペイン人、ポルトガル人及びアメリカに新しい西欧社会を作ったスペイン人、ポルトガル人の植民地の子孫の間には、人種的偏見はないのである。(彼らは、人類を白色人種と有色人種には分けないで、キリスト教徒と異教徒とに分けた)、63.p
自然の挑戦に対する応戦(気候の変化=乾燥化)、氷河時代が終わった後、アフラシア地域は乾燥化の方向に向かう大きな自然条件の変化を経験し始めた。それと同時に、二つ、もしくはそれ以上の文明が興った。チャイルドによると、「今やわれわれは一つの大きな革命の瀬戸際にいるのであって、家畜の所有と穀類の耕作によって意のままに食糧を補給し得る人間に、やがて出会うことになろう。この革命を、北方の氷河が融けて、そのためにヨーロッパを覆っていた北極の高気圧が後退し、大西洋の暴風雨が、南地中海地帯から現在のように中央ヨーロッパを横断するコースに変わったために作り出された危険と結びつけることは、不可避であるように思われる。この出来事は、かつての草地であった土地の住民に、その創意を極度に発揮することを余儀なくさせたに違いない。」191.p
イ.居住地も生活様式も変えない、絶滅
ロ.居住地を変えず、生活様式を変えた、遊牧民
ハ.居住地を変え、生活様式を変えなかった、北方の寒気という新しい挑戦を受けた者と南のモンスーン地帯に後退した者
ニ.居住地と生活様式を共に変えるという二重の反応、「このまれな二重の反応が、姿を消していくアフラシアの草地の原始社会からエジプト文明とシュメル文明を創造した動的な行為だった。」192.p
自然の中に隠された数学 (サイエンス・マスターズ)
読了:  2010年01月29日
◆さいたま市図書館、10/01/27
繰り返される事例が、必ずしも恒常性を保証しない例、素数は、4の倍数から1を引いた数と、4の倍数に1を足した数と二つに分類される。2を除いた素数の数は、4の倍数から1を引いた素数のほうが1を足した素数よりも多く見える。このパターンは、少なくとも100万兆までは続く。ところが素数が充分に大きくなると(10の10乗の10乗の10乗の46乗より大きなると)パターンが変わり、「4の倍数に1を足す」素数の個数の方が多くなるのだ。72.p
◆第6章、破れた対称性の美学(殊の外面白い!!
・自然界の驚嘆するようなパターンの多くは対照的だ。しかしほぼすべての対照的なパターンは、そのパターンを生む原因ほどには対照的ではない。(実際)世界には、原因ほど対照的ではない現象が溢れている。その根拠となるのが「自発的な対称性の破れ」として知られている現象である。112.p
・対称性の種類、鏡映、回転、平行移動
・(対称性の破れの例)B-Z反応(参照Wiki)、心臓の規則的な鼓動は同じパターンを描く。但し、心臓には脳からの信号という外的要因がある。B-Z反応には「外からの刺激」を一切受けずに「自発的に」対称性が破れる。123.p
対称性と対称性の破れの弁証法的統一、カエルの胚の発生は一個の球形の細胞から始まる。分割を重ねるごとに対称性を失い、ついには何千個もの小さな細胞からなる一個の胚胞に育つが、この胚胞の総体的な形は球形に戻る。次に、胚胞の一部が凹みはじめる。嚢胚形成と呼ばれるプロセスだ。この崩壊の初期に、胚は一本の軸を中心とした回転対称性を備えているが、軸の位置はしばしば卵黄がもともと卵のなかのどこにあったかによって、或いは時として精子が侵入した点によって決まる。のちにこの対称性は破れて鏡面対称性がひとつだけ残り、やがて左右対称の成体になる。126.p
・(自然界の様々な)パターンの基礎には、一般原理があるはずだ。それぞれの例を個別に研究し、それ自体の内部機構の観点からから説明するだけでは充分ではない。対称性の破れはまさに、様々なパターンを統一的に理解するための一般原理なのである。126.p
・自然が対称性を持つのは、宇宙が大量生産された同一のもので出来ているからだ。電子は他のどの電子とも同じ、陽子も同じだ。何も無い空間は、どの空間区域とも同じ、時間はどの瞬間をとっても他の瞬間と同じ。空間、時間、物質の構造だけではなく、それらを支配する法則も、どこをとっても同じである。しかし、まさにこの点に深刻なパラドックスが生まれる。物理学の法則があらゆる場所、あらゆる時代で同じなら、そもそも宇宙には何故構造が存在するのか。128.p
・アデノウィルスの252個の単位がつながり始めるとき、いずれの単位も特定の頂点に収まることが可能だ。単にには互換性があり、その意味で対称性がある。しかし実際に特定の頂点を占めることができるのはそのうちのひとつだけで、その時対称性は破れる。すなわち、もはや完全に互換性があるわけではない。しかし一部の対称性は残り、その結果として例えば20面体となっている。このような見方からすれば、自然界で見られる対称性は、大量生産された宇宙における、壮大かつ普遍的な対称性が破れた痕跡である。潜在的には宇宙は如何ような対称的システムの状態もとりえたのだが、現実にはそれらの中から一つを選ばなければならなかった。自然界の対照的なパターンの多くは、何らかの形での対称性の破れという一般な仕組みから生まれる。131.p
日本人のためのフランス語
佐伯 智義 / 大修館書店 (1989-04) / - 9 users
読了:  2010年01月22日
◆さいたま市図書館、10/01/21
・著者は、本書の目標とフランス語学習の意義を、次のように書いている。目標は「トータルなフランス語の力をつけるのに必要なフランス語の神経回路を作り上げること」、またその意義は
1.哲学を身につける、外国語上達には、その言語の哲学を知識として知っているだけでは充分ではなく、実践しなければなりません。
2.物事を広く考えるようになる、論理的に考えずに、すべて記憶に頼るようでは、フランス語上達はありません。
3.異なる視点から日本を見られる、フランス語の視点で見れば、今まで、見えなかったものが見えるかも知れない。
4.日本人の生存に外国語学習が必要、相互理解には外国語学習が不可欠
と、以上四点を指摘している。
・「勉強の仕方」として
1.耳と口で勉強する、目に頼るな。(耳と口を鍛えるためにも、手と目は大事だな!!脳にしっかり刻みつけるには、耳と口と手をフルに活用すること。
2.フランス語を日本語に訳すな。「フランス語学習は、フランス語の神経回路を私たちの頭脳の中に作り上げることです。仏文和訳では、フランス語を見たら、日本語を考えるという、仏語→日本語の回路が太くなるだけです。」
3.フランス語をフランス語で考える。フランス語は分析的な言語です。ですから、フランス人は、分析と作文でフランス語を学ぶのです。
と、三点を指摘。
・以上の学習方法は、シュリーマンが『古代への情熱』で書いている語学の学習方法(中学生の時に読んで、中ば、それを僕自身の方法にしている)に相通じるものがある。簡単に云うと、訳すな、辞書を引くな、ひたすら音読して暗唱しろ、作文をして添削せよ、というものだ。
・残念ながら、図書館の本書にはCDまたはカセットが添付されていない。⇒代わりに『聴いてわかるフランス語ニュース』を購入(10/01/25、開始)。
タグ 歴史 カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 / 古書 更新日:2010年01月27日 09時48分01秒 2010/01/27
購入:  2009年10月10日 0円 所有
読了:  2010年01月26日
・一国の歴史は、それだけを他国の歴史から切り離して取り出して理解出来るか、「イギリスの歴史は、それだけを取り上げてみたとき、果たして理解可能だろうか」29.p(この問題を、部分を全体から切り離して理解出来るか、と云い換えれば、単なる同義反復に陥る。問題はむしろ、理解すべき全体としての範囲を、空間的・時間的にどのように限定して捉えるべきか、という点にある。)
・議会制度と産業革命、まず最初にイギリスの土壌に発生し、ほかの国々に波及した二つの制度についてさえ、それを「イギリスが他の諸国とともに構成するより広い社会の歴史としてみるまでは理解可能なものにならない」38.p
・空間的広がりの範囲は(特に文化面を中心に考えるといっそう明瞭だが)、西欧キリスト教社会の他には、次の四つに分けるのが適切だ。
1.東南ヨーロッパ及びロシアの「正教キリスト教社会」あるいはビザンティン社会(「ロシア」については、「1917年以来、共産政権が、ロシアにおける社会の外見を徹底的に変貌させようと企てているが、それにも関わらず、この特色は存在している。」との原注がついている。一時は、マルクスの発展段階説の特殊な実例のように見なされもしたが、結局はナチ体制と同様、歴史の一エピソードに終わってしまった。社会主義体制の崩壊とともに正教キリスト教会は忽ち復活し、社会主義は僅か70年の歴史を持つに過ぎないが、キリスト教は二千年近い歴史を持つと宣した。
2.イスラム教社会
3.乾燥地帯の東南部にある熱帯「亜」大陸インドのヒンズー社会
4.乾燥地帯と太平洋の間の亜熱帯および温帯にまたがる極東社会
その他に(より精細に検討すれば)今日絶滅している化石化した遺物と思われる二組の社会が見分けられる。54-56.p
・文明における親子関係(連続性と不連続性)を媒介にした「種」の確認(連続性の核は宗教、あるいは連続性を手掛にして、すでに消滅した文明社会の「化石化した遺物」を通して、その社会に先行する親文明が存在するかどうかの検討)
・ヘレニック社会と西欧キリスト教世界の親子関係、世界帝国とキリスト教及び民族移動、このうち民族移動(ないし蛮族)は世界帝国の死滅の時期にたまたまそこに居合わせたというだけで何ら積極的役割を果たして居ない。一方、教会の役割は「子」社会に対して創造的であり、西欧社会を出現させる「蛹」であった。93.p
・ミノス社会とヘレニック社会とは親子関係があるか、検討してきた「親子」関係のある社会はには、両者をつなぐ世界教会があった。世界教会は、先行する社会の内的プロレタリアート(内的及び外的プロレタリアートの意味は、67頁注2を参照)によって創造され、後年にいたって後続する社会がその中から生まれ、そして次第に発展する「蛹」の役を果たした。..(世界教会の存在を肯定的に捉えるには)両社会の宗教史の間に連続性があることを証明する事例を引用するだけでは、不十分である。(地方的性格を脱していないから)147.p
・文明の「種」の暫定的分類
イ.他と関係の無い文明、エジプト、アンデス
ロ.先行する社会と無関係、シナ、ミノス、シュメル、マヤ
ハ.子の関係以下、インド、ヒッタイト、シリアック、ヘレニズム(世界教会による「子」の関係というほどに深い関係はなく、先行する世界国家の没落に伴なう民族移動が、その社会の出現を促したに過ぎないという関係
ニ.子の関係Ⅰ(外来起源の教会を媒介にする親子関係)西欧、正教キリスト教、極東
ホ.子の関係Ⅱ(固有の教会を媒介にする親子関係)イラン、アラビア、ヒンズー
ヘ.子の関係以上(先行する社会の支配的少数者の組織した宗教を、ほとんどそのまま継承)バビロニア、ユカタン、メキシコ
図解入門よくわかる最新「脳」の基本としくみ (How‐nual Visual Guide Book)
後藤 和宏 / 秀和システム (2009-02-27) / 20,204円24 users
読了:  2010年01月25日
◆さいたま市図書館、10/01/24
・高等数学の問題を解く場合は、各要素の意味を明確にする過程で、言語的アプローチを行っているらしく、言語中枢が活性化している。(しかし必ずしも、言語を媒介にしなければ思考出来ないわけではない。逆に言語によって思考が制限される可能性も考えられる。70.p
・記憶の階層(という考え方)、
短期記憶
長期記憶-陳述記憶(エピソード記憶、意味記憶)
    -手続き記憶(技能記憶、プログラミング記憶)、79.p
・記憶の再生、繰り返し記憶の再認を行う度に、記憶が再構成されて、記憶が定着する。(二重の意味があり)記憶回路を構成する軸索が太くなることで、流れる電気信号が強くなる。これによって更に軸索は枝分かれし、いろいろな記憶回路のルートと交叉して、記憶の検索に際して、電気信号が流れやすくなる。
・10×1より、1×10の方が効果がある。
・ある程度周辺知識がが豊富で類推が理解を助ける場合は全習法が効果的、予備知識がなく知識体系を構築する必要のある場合は分習法が効果的。96.p
・複雑な計算の時は、ブローカ野を含む前頭連合野を中心にした左脳の一部分が活性化しているに過ぎないが、単純計算を次々繰り返したときは、左脳も右脳も広範囲にわたって活性化された。(東北大学川島教授の実験)98.p(複雑な計算と単純計算は、どちらが脳にとって「高級な作業」なのか、或いはそもそもそういう区別はないのかどうかは分からないが、一見、予想されるのとは反対に単純計算の方が、脳の全般的な活性化には役立つかも知れないという結論は、極めて興味深い。)⇒(特に川島教授の「学習療法」に対する批判的見解)「元・北海道大学教授の澤口俊之による「この学習療法が認知症患者に対して効果があるのは、その患者の脳血流量が極端に減っているためである」という説がある。/週刊朝日は、久保田競(認知神経科学。京大霊長類研究所時代の川島の指導教官)による「(学習療法の効果を論じた川島論文は)不備な点や論理の飛躍が多く、科学的な根拠を示しているとはとても言えない」という指摘、前掲澤口による「20代の健常者を対象とした、そろばん計算などでは複雑な計算時の方が、より前頭前野の血流量が増えるという検証データもある」という指摘、東京都精神医学総合研究所・星詳子リサーチディレクターによる「単純に脳の血流量の増減だけで脳の機能を論じることは難しい」「前頭前野は習熟した行動には関与しなくなる傾向があるので、その場合は血流量の増加が認められなくなる」という指摘などを報じている。/理化学研究所の加藤忠史は自身の論文の中で心理的ストレス、けいれん、覚醒剤投与などでも血液が増加することが報告されているのを指摘し、『「痛みで脳を活性化」、「ストレスで脳を活性化」と言われても誰も納得しないだろう』と述べている。」(以上はWiki「川島隆太」から引用、参照
・記憶の座、必ずしも脳の特定部位に限定されず、脳以外の臓器が影響を与える可能性(臓器移植に伴う記憶の転移)100.p
ガリラヤからローマへ―地中海世界をかえたキリスト教徒 (歴史のフロンティア)
松本 宣郎 / 山川出版社 (1994-02) / 7,354円4 users
読了:  2010年01月26日
◆さいたま市図書館、10/01/23
・東地中海地域で都市国家を作ったのは、テュロス、シドンなどを中心としたフェニキア人に限られ、ヒッタイトもエジプトも、宏壮な王宮こそ営んだが、人々は農村集落に住み続けていた。5.p
・前12世紀に東地中海とエーゲ海、ギリシャ地域は侵入民族の破壊的行動によって、一挙に混乱に陥った。..エーゲ海域は長い「暗黒時代」に入った。文字や王宮の文化は消滅した。けれどもこの時代こそは、のちの地中海世界のあり方を決定する根本的な動きが始まった、極めて生産的な時代でもあった。5-6.p
キリスト教徒の迫害伝説、ネロを嚆矢として代々のローマ皇帝は一世紀から四世紀まで迫害を続け、キリスト教徒は多くの殉教者を出しながらこれに耐え、しかも殉教者の血は種子となって勢力は拡大し、ついに勝利した、という通説は事実誤認である。...最大の事実誤認は、皇帝がキリスト教徒迫害を命令して遂行させた事例は、ネロによる放火事件関連による一件以降三世紀半ばまで一例もない、という事実が無視されていること。..全帝国で迫害を遂行したのは、303年のディオクレティアヌスの大迫害が最初だった。66.p
1世紀から2世紀にかけてのローマ帝国社会の階層、大きく自由人と奴隷に別れ、自由人はローマ市民権者と属州民に分けられた。また市民権者も特定身分を持つ上層と身分を持たない平民に分けられた。最上層はローマ元老院で最低財産額百万セステルティ以上。第二位は騎士身分で、皇帝によって抜擢された。最低財産額は40万セステルティ。ニ世紀前半の総数は2~3万人。第三身分はローカルの名士で、帝国内都市の参事会議員。各都市の状況に応じて様々な身分を含んでおり、財産基準もいろいろだった。これ以外のローマ市民は身分を持たず、平民と呼ばれ、中下層の農民、商人、職人、労働者などであった。108-110.p
奴隷の社会的位置、ギリシャ・ローマ社会では奴隷が多数働き、かなりの労働力を期待され、奴隷を所有するのは当然のことと一般に認められていた。...(しかし)ことにローマでは、奴隷の解放が当たり前に行われ、解放されればすぐに市民団に受け入れられたから、アリストテレスの観念(生まれながらに奴隷にふさわしい人間がいる云々)はむしろ不合理であった。...奴隷の労働も、元首の側近、官僚的役割を成す奴隷から、貴族の家庭教師、家の召使、職人の下働き、農場で集団労働させられる奴隷、最低の環境におかれた鉱山労働まで、きわめて多様にローマ帝国の人々の生活の至る所に及んでおり、それぞれの労働の条件も、所有者の観念も、また奴隷自信の考えも非常に差があった。148.p
辞書の図書館―所蔵9,811冊
清久 尚美 / 駿河台出版社 (2002-08) / 17,025円3 users
購入:  2010年01月20日 3,990円 所有
読了:  2010年01月24日 星5つ お気に入り
◆図書館で、たまたま目にして購入(Amazon.used1620円)。昨日、98歳になる叔母を訪ねる逗子行きの車中でパラパラと通読、まるで子供が玩具の博物館に紛れ込んだかの興奮を覚える。編者は
この尽きない興味と、「こんな辞書まであるのか!」という興奮と喜びが、本書を作るきっかけになったと云えるでしょう。
これだけは、自信を持って請け合えることがあります。それは『辞書の図書館』の中の散策は、無上の楽しみとなるということであう....
と書いている。確かにBookishには、堪らない磁力のある一冊だ。
・勿論、一度、通読して終りという類の本ではなく、辞書のように必要に応じて引いて良し、好きなときに好きなページを開いて散策して良し、じっくり特定分野の辞書類を比較検討してみるときの参考書にするに良し、様々な楽しみ方ができること請け合い。
・冒頭、「凡例」に「本書の趣旨に添うと思われる辞書・事典類がございましたら、ぜひともご指摘ご連絡いただければ幸いです。(ホームページ開設後は、ホームページからのご連絡も可能)。と書いてあるが、現在は文字とおり「辞書の図書館」と題するサイトが開設(参照)されている。
図説 世界の数学の歴史
◆さいたま市図書館、10/01/07
・数学が扱っているのは、秘密結社の仲間同士がやり取りしているわけの分からない記号では決して無い。そう見える場合もあるが、数学が扱っているのは基本的には考え方、例えば、空間についての考え方とか、時間や数字についての考え方、いろいろな関係についての考え方などである。8.p(序から)
・古代の数学は大半が貿易と農業のために発達したが、同時に宗教的な思想や天体の動きとも関わりがあった。暦の作成は天文学者兼聖職者の仕事といってもよいだろう。16.p
・ギリシャ時代から数学は大きく二つに枝分かれしている。量を扱う幾何学と、数を扱う代数である。しかし実はこの二つを明確に分けるのは不可能で、人間はその時々の必要に応じてどちらかを比較的重視してきただけなのである。代数がどのように発達し、幾何学とどのような関わりを持ってきたかは、三次方程式の解放の歴史を見るとよくわかる。78.p
・16世紀はプトレマイオスの『アルマゲスト』が惑星軌道に関する第一の情報源だった。周転円と従円という煩わしい体系が様々な形をとりながら二千年近くも生き延びたことになるが、これは使われている三角法の計算表と観測資料がそれほど正確なものでなかったために、かえってこの欠陥が目立たなかったのである。..プトレマイオスにとって数学は「現象を救う」ためのものであって、説明するための手段ではなかった。彼はアリストテレスの哲学的要求と観測事実とを見事に結びつけたのである。86.p(極めて示唆に富んだ指摘で、ニュートン力学と決定論との関係や量子力学と観測者との関係の問題にも、多分、同様の指摘ができるのだろう。
之を楽しむ者に如かず
吉田 秀和 / 新潮社 (2009-10-01) / 3,240円14 users
読了:  2010年01月22日
◆さいたま市図書館、10/01/21
図書館で何気なく手にして、偶然開いたページに「最近、トルコ出身のファジル・サイというピアニストのCDをきいた。」という文章が目に飛び込んできた。
・以前、ラジオでサイの演奏をかいま聞いて、「たちまち虜になってしまった」。見事な演奏はいくらもある。グールドも、ポリーニも、グルダも、アルゲリッチも、キーシンも(とっても羅列しきれないし、まだまだこの名簿は続くけれど)、みんな素晴らしい演奏家だし、確かに素敵な演奏だ。しかし躍動感あふれるサイの演奏には、何か心臓をグッと鷲掴みされたような激しい衝動を受けた。最初に聴いたのはモーツアルトだったが、全く異質の音楽といっても良いほどに、今まで聞いてきた音とは違っていた。こんな経験は初めてだ。

・吉田さんは、サイの演奏をこんなふうに評している。「音がきれいというだけでなく、テンポの思い切った速さ、ピアノで聴かせる歌の微妙な表現性といった点で、まず、きき手をびっくりさせ、それから魅惑する。この人は若々しさと、心憎いばかりの計算の確かさ、細かさの両面を併せ持っている点で、並々ならぬ器であると云っていいだろう。/ソナタK333変ロ長調は第一楽章のアレグロの主題をかなり速めの快速調での歌いぶりで始めるところでもうきき手の心を捕えてしまう。...第二楽章アンダンテ・カンタービレに入ると、それが一転して、こまやかな変化に満ちた情緒たっぷりな音楽になり、ことに第二主題のppの表情づけは第一楽章のそれとは対照点にある魅惑の一時を醸し出す。そうして、展開部でバスの音が半音ずつ上がってくるところの扱いも良い。全体にこの第二楽章をこんなに秘めやかな魅力でひき通している例は、ほかに誰があったかしら、と思う。/一方、変奏曲もすごいききものだ。その速さもさることながら、全体を通じて脈々と流れている生命感のとどまることもないような弾力性とでもいうものが、私を驚かす。」292.p
鱈―世界を変えた魚の歴史
読了:  2010年01月22日
◆さいたま市図書館、10/01/21
最初に注目したのは『歴史を変えた気候大変動』(参照)、次いでブローデルの指摘「早くも15世紀末期からニューファンドランド沖の棚にいるタラの大規模漁獲が行われたが、これは革命的な出来事であった」(参照)但し、下線部の意味がいま一つ掴みきれない。
・バスク人が抑圧と度重なる戦乱にもめげず、かくまで強固に独立を保ち得たのは歴史を通じて経済的安定を維持していたからである。バスク人は農牧民であると同時に、かつては海上交易に目覚ましい活躍を見せた船乗りでもあったのだ。中世のヨーロッパ人は鯨肉を大量に消費した。バスク人はどことも知れぬ遠い海に出かけて鯨を捕ってきた.彼らは無尽蔵のタラの魚群を発見し、獲物を塩漬けにして蓄えた。このもちの良い栄養豊富な食糧があったればこそ、バスク人は長途の捕鯨航海に耐えることができたのである。27.p
・西暦千年までにバスク人はタラの市場を大きく広げ、タラの棲息海域をはるかに超える、文字通りの国際貿易を実現した。28.p
・1480年に入って、ブリストルの商人とハンザ同盟の間に対立が深まった。(当初は絶対君主の圧制に抗し、海賊を退治し、水路を開削し、灯台を築いた。やがて貿易の独占を守るため理不尽な振る舞いにでた。)バルト海のニシン貿易を独占していたハンザ同盟は、15世紀に入って干しダラの権益をも一手に握ろうとした。その頃すでに干しダラはブリストルの主要な産物だった。1475年、ハンザ同盟はブリストルの商人がアイスランドからタラを買うことを禁じた。32.p
・タラは暖流と寒流が触れ合うところに集まる底生生物を捕食する。メキシコ湾流がラブラドル海流をかすめる北米大陸沖、そして、同じ二つの海流が再び出会うイギリス諸島、スカンディナビア、ロシアの沖合に餌を求めてタラは群れる。...タラは常に暖流と寒流の境界を伝わって回遊するから、タラ漁場の移動を監視すれば気象の変化が読めるとする学説もある。寒流の水温が下がればタラは南へ移動し、温度が上がれば北へ寄る。49.p
・ニューファンドランドのタラは16世紀の貿易史上に変化をもたらし、各地の港湾開発を促した。アイスランドのタラの利権をめぐるイギリスとハンザ同盟の対立は次第に深刻の度を増していたが、ニューファンドランドの漁場が新たに開発されると、イギリスの西海岸には相次いで大きな漁港が出現した。イギリスは、もはやアイスランドを必要としなくなった。60.p
・18世紀を迎えて、タラは入植者が餓えに苦しむ辺境の植民地だったニューイングランドを国際貿易市場の主力に押し上げた。マサチューセッツでは、タラは商品である以上に信仰の対象だった。17世紀にタラ漁業で繁栄の基礎を固めた「タラ貴族」たちはみな、富の象徴として公然とタラを崇めた。公式の封印や紋章などにもタラがよく使われ、プリマス土地会社の社印や、1776年に制定されたニューハンプシャー州の紋章などはその代表例である。84.p
・17世紀の砂糖生産は労働集約型の農産業で、経営戦略の要は奴隷を使役して人件費を低く抑えることだった。収穫機の砂糖農園は多くの奴隷が一日16時間以上の重労働を強いられる一大工場である。...ニューイングランドの植民地はここに安価な栄養源である塩ダラの将来性を見出した。...粗悪品を貪欲に受け入れる低価格市場が生産者にとって抗し難い吸引力を備えているのは、商業上の自然法則といえば云える。...1645年に一艘のニューイングランド商船がカナリア諸島に向かい、更にガボベルデに下って積み込んだアフリカ人奴隷をバルバドスで売り、ワイン、砂糖、塩、タバコを積んでボストンに戻った。その後、西アフリカに塩ダラの市場が開拓されて、まもなく、タラと奴隷と糖蜜は通商上、切っても切れない関係で結ばれることになった。/ニューイングランドの社会はあくまでも個人の自由を重んじ、あまつさえ、公然と奴隷制度を非難する一方で、カリブの砂糖農園主らに安い食糧を大量に売り込み、奴隷に一日16時間の労働を強いて自分たちは着々と富を蓄えたのである。18世紀初頭、多いときには年間三百艘を超す船がタラを積んでボストンから西インド諸島に向かった。...ニューイングランドの大口の得意先はフランスの植民地、サン・ドミニク(ハイチ)、マルティニク、グワドループ、オランダの植民地、スリナム(オランダ領ギアナ)だった。いずれも大規模な砂糖農園を経済基盤とする植民地で、特にフランスは巨利を得ていた。1680年以降、フランスは毎年平均千人のアフリカ人奴隷をマルティニクに呼び寄せた。18世紀には毎年八千人がサン・ドミニクに運ばれた。85-89.p
・アメリカ革命は史上初の反植民地運動である.政治的自由を求める運動には違いないが、革命の先頭にたったニューイングランドの強硬論者たちにとって、その自由とは自分たちの判断で運営する権利を意味するものであった。程度の差はあれ、革命はすべて経済闘争である。マサチューセッツの急進派が目指したのも社会革命ではなく、経済革命だった。...革命急進派にしてみれば、糖蜜やタラや、茶は単に本国との間に不和を生む頭痛の種などという生易しいものではない。これらの商品こそ革命の動機そのものだったのである。99-100.p
・中世から現代にいたるまで、地中海世界はタラの需要が最も多い市場である。19世紀に地中海各国の人口は飛躍的に増大した。スペインの人口は倍になり、ポルトガルの人口増加率はそれを上回って、ビルバオをはじめ、ポルト、リスボン、ジェノア、ナポリなどの港がそれぞれに大都市圏を形成した。..その大半がタラを好む消費者だった。106.p
日常性の構造1 物質文明・経済・資本主義―15-18世紀
読了:  2010年01月20日 星5つ
◆さいたま市図書館、10/01/19(社会経済構成史や政治的上部構造の分析を中心とした歴史分析を、もっぱら「歴史」と見なす立場から見れば、全く異質の・時に瑣末な日常的些事の沼地に足を取られたかの感さえある日常世界が展開される。それはまさに、考古学的発掘にも等しい埋れた記録の丹念な掘り起しによって、15-18世紀に生きた人間の日常的世界の「構造」を再現しようとする至難の技とも云える試みであり、この時代の人々の息遣いを初めて、多少とも感得させる歴史的業績とも云える。
・中国においてもヨーロッパにおいても、18世紀に入るとともに砕け散ったもの、それは生物学的旧制度である。77.p(生物学的旧制度、多分、生と死との拮抗、貧民に常習的に襲いかかる死の日常性を表現しているのだろうが、その意味合いが、やや曖昧だな!!
・エリザベス朝末期に救貧法が登場した。実はこれは貧民に対抗する法律であった。西ヨーロッパ全域を通じて、貧民及び望ましからざる者のための施設が増大していった。救貧院においても、懲役場においても、被収容者は強制労働刑に処せられたのである。84.p
・人間は、当初の動物同然の状態から解放され、また他のもろもろの生物を支配して以来、それらの生物に対して捕食獣として「巨視的寄生」を実践してきた。しかし、同時に、微生物・細菌・ウィルスなど、限りなく小さいもろもろの生体に攻撃されたり悩まされたりしながら、人間自身が「微視的寄生」の餌食となってきたのである.この巨大な闘争こそ、根深いところで人類の本質的歴史をなしているのだろうか。103.p
・1782年のフランスでは、人夫なり農民なりが一日にニないし三リーブル(1キロから1.5キロ)のパンを食べるに至った。「しかし、他に食べるものがあれば、誰もこれほどの量を食べはしない。」/パンが収めたこの大勝利は、小麦がカロリーの高い食物であるのと同程度に、相対的にもっとも安い食べ物でもあるという事情に由来している。1780年頃、小麦の値段は牛・豚・羊の肉の11分の1、鮮魚の65分の1、川魚の9分の1、塩漬け魚の3分の1、卵の6分の1、バター及び食用油の3分の1であった。/「パンの値上がりは...他の食品の体温計であった。」167.p
・小麦・小麦粉・パンの三位一体が、ヨーロッパの歴史に横溢している。都市・国家・商人にとって、また生きるとは「パンにありつく」ことにほかならなかった人達にとって、この三位一体は主要な関心事であった。182.p
・小麦だと一人分の食糧しか得られない土地でも、ジャガイモならたっぷり二人は養えた。それにもまして、戦争の脅威があった。戦争は穀物畑を荒らしたからである。アルザス地方について、ある資料はこう説明している。農民がジャガイモを大切にするのは「それが決して...戦争の掠奪に曝されないから」である、と。軍隊が一夏の間畑に陣を布こうとも、秋の収穫まで台無しにされることはなかった。実際戦争は、そのたびにジャガイモ栽培への刺激となったらしい。...もうひとつ利点があった。この新種の収穫物は、地域によっては十分の一税を掛けられずにすんだ。218.p
・おそらく1350年から1550年に至るまで、ヨーロッパは幸福な個人生活の時代を経験したのであった。黒死病の破局の直後、労働力が手薄になったために、働く者にとっては生活条件が必然的に良好だったのである。実質賃金がその時ほど高かったことは未だかつてなかった。...1520-1540年以前においては、まだあまり人口が多くなかったランドック地方においては、農民も親方職人も白パンを食べていた。中世の「秋」から遠ざかるにつれて、生活の質の低落が始まっていき、そのまま19世紀の正しく半ば迄続いたのである。251.p
・早くも15世紀末期からニューファンドランド沖の棚にいるタラの大規模漁獲が行われたが、これは革命的な出来事であった。これがきっかけとなって、バスク人、フランス人、オランダ人、イギリス人の間で突きのけあいが始まり、強国の漁民が保護の弱い国の漁民を追い払っていった。こうしてスペイン領バスク人は排除され、漁場に近づくことができたのは、イギリス、オランダ、フランスという強力な海軍を有する列国のみとなった。284.p
一見、歴史の大局的流れから見ると、あまりにも瑣末な日常的些事に拘り過ぎていると思われる事柄も、自分の既知の歴史的事実に関連するや、俄に精彩を帯びて来るばかりか、既知の事柄そのものが生き生きと蘇り、新たな生命の息吹を吹き込まれたかの色彩を帯びることさえある。ということは僕自身の歴史的見識に比例して興趣の増す業績とも云えるか。
プチ・ロワイヤル仏和辞典
購入:  2010年01月20日 3,885円 所有
・フランス語辞書は Oxford Starter French Dictionary を持っているけれど(またThe World's Most Trusted Dictionaries とは表記してはあるものの)、発音表記が全くなく、語義もごく簡単な英語が載っているだけで、語のニュアンスを掴むにはよしとしても、学習事典として決して親切な辞書とは言えない。
・名古屋大学藤村逸子先生の「フランス語を学ぶために」(参照)で、「仏和辞典はフランス語の意味を知るためばかりでなく,書いたり話したり するときにも使います.そのときには単語や熟語の意味以上の情報が必要です.文法や類義語の説明など,フランス語の文を作り出すことに細かく気を配ってい る点では『プチロワイヤル』が一番親切です。」と紹介してあるのを参考に購入。ザッと通読してみたが、紹介に違わず良い辞書だ。
・Amazon Used で購入(700円)
60歳からのフランス語入門
滝沢 隆幸 , 大岩 昌子 / 三修社 (2001-12) / 2,835円1 users
読了:  2010年01月21日
◆さいたま市図書館、10/01/09
一昨年、特定健診で糖尿病と診断されたのを機会に、「糖尿病罹病」を記念して、食事療法・運動療法を生涯続けるという証に語学学習を加えて三セットでやることにした参照)、と書いた。まずは、錆びついたロシア語の錆落とし。次いで今年から中国語をやろうかと思っていたが、ブローデルを本格的に読んでみたくなって、フランス語に変更した(中国語は、まあ慌てることもない)。まずは、簡単に文法を俯瞰するため手頃な初級本を通読。
要点をノートに筆記、細かい文法規則には拘泥せず、ザッとフランス語の基本構造が俯瞰できる点が良い。
心の影〈1〉意識をめぐる未知の科学を探る
読中: 
◆さいたま市図書館、10/01/20
・数学的計算、チェスプレー、日常的動作など、どんな複雑な行動であっても、もし、明確な計算的規則で理解できるならば、現代コンピューターの得意とするところである。しかし、これらの計算的規則の根底にある理解そのものは、計算を超えたものである。56.p
・プラトンによれば、数学的概念と数学的真理は、無時間で物理的場所を持たない独自の現実的世界に宿っている。プラトンの世界は物理的世界とは別個の、完全な図形のイデアの世界であるが、物理的世界はそれを用いて理解しなければならない。それはまた、不完全な心的構成物を超えたところにある。...もっぱら計算に頼って作動する装置で獲得できる以上の力を心に与えてくれるのは、このプラトン的世界との接触に関わる数学的概念に「気づく」能力なのである。59.p
・それぞれの人間が事物について似たような内的経験や感覚を持っていることに気づいているのでなければ、意味を人から人に伝えることは出来ないだろう。「経験」とは、起きたことを記録するある種の記憶装置を構成しているものに過ぎず、ロボットにそれを装置することは容易い、と想像する人もいるかも知れない。しかし、人間であれロボットであれ、経験に実際に気づいていることが決定的に重要である。62-3.p

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