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脳と心の進化論
澤口 俊之 / 日本評論社 (1996-10) / - 3 users
読了:  2012年02月11日
・脳全体に占める大脳新皮質の割合は、食虫類10~15%、ニホンザル70%、ヒト80%...19p
・脳は様々な脳部位の複合体なので、脳を全体として扱っているだけでは脳の進化要因の分析は進まない。...方法的には、主要な脳部位を選んで、それの脳全体に対する相対的大きさを計算し、それがどんな生態的・社会要因と結びついているかを明らかにする云々、85p
・(澤口の研究では)果実植生の真猿類のほうが葉食制のものより大脳新皮質の相対的大きさは大きく、また多妻型社会のほうが一妻型社会の真猿類より大きい(またムレが大きいほど大きい。94p)。89p
・大脳新皮質の相対的大きさが、食生に関係するか(深餌戦略仮説)、基礎代謝量に関係するか(エネルギ=戦略仮説);食生は消費エネルギーに関係するので、両者はパラレルの関係で同じ事象の二側面、93p
・機能単位の集合体&階層構造、モデュラリティと階層性...云々104p
・大脳新皮質はニューロン大陸のようなもので、2~3㍉の暑さでニューロンが集まって出来ている。層構造になっていて、大きく4つの脳葉に分けられる。夫々、セクターに分けられ、現在は概ね「明瞭に区別できる」72のセクター(領野)に分けられている。大脳新皮質は140億個のニューロンが含まれる。各々、出力ニューロン、内在ニューロン、求心線維の3つが結合してコラム(幅0.5~1㍉、高さ2~3㍉)を形成し、特定の要素的機能を担うICの役割を果たしている。一個のコラムは数万個のニューロンを含む。104~109p
ニューロンーコラムー領野ー脳葉、という階層構造
・多重フレームモデル:大脳新皮質に代表される脳の特徴・原理はモデュラリティと階層性にあり、コラムを単位としたモデュール(領野)が作るフレームが多重して脳を形成している。138p
・各種感覚情報は最初に第一次感覚野で処理されて、その後別々の領野群で並列かつ階層的に処理される。...視覚野は30個以上あり、大脳新皮質の半分から2/3を占めている。霊長類は視覚にまさる動物で、「視覚動物」とさえ云われるのは、脳レベルで見ても納得が行くところだ。151-2p
・進化の過程で、領野が付加され・重合的に・積み重なってきた。142、144、154p
・食性・社会関係・性競争の多重した要因が互いに密接に関係しながら、脳への選択圧として働き、同時に脳活動の産物としての「形質」としての性質を併せ持つ。211p
・ヒトの脳は、形態進化としては例外的に速い速度で巨大化した。212p
・「森に残ったチンパンジー」と「サバンナに出たチンパンジー」の違い;初期人類は「二本足歩行をするチンパンジー」みたいなもの、220-221p
・ヒトとチンパンジーとの違いは二点;「言語野・言語フレーム」の存在、及び「前頭連合野」の発達の程度、言語の獲得がヒトの脳の「爆発的進化の鍵になる。

◆非常に面白い、啓発的。惜しむらくは参考文献が載ってないこと。
三教指帰 (中公クラシックスJ16)
空海 , 松長 有慶 / 中央公論新社 (2003-05-10) / 1,782円17 users
読了:  2012年02月08日
・密教では宇宙の真理すなわち法そのものを仏の身体と見て、法身と称し、法身が直接説法すると説く。10p
・(空海は)地水火風空の五大を世界の物質的側面、識大を精神的側面と見て、仏の世界も世俗の世界も同じく物心両面を備えている。故に凡夫も仏も同じく六大からなり、質的に変わらないから、凡夫といえども真理に開眼すれば、即時に成仏しうると説いた。11p
筑摩書房 (1965) / - 1 users
読了:  2012年02月06日
・難しい云々とは云うものの、分からんね!!
・「真理」云々しているが、「真理一般」、この世の真理とか、生きる上での真理とか、そもそも、こういう「真理」の使い方が皆目わからない。
・僕の理解では、一般論としての「真理」ということであれば、唯、「生きてある」=それだけだ。
⇒この場合、「真理」というは、現代風に云えば科学的手法で分析する対象を宗教的ないし哲学的方法で探求したと考えれば良いか?自然、または様々な自然現象を探求する科学的方法論が確立される遥か以前の
- 1 users
タグ 宗教 カテゴリ:Web Web 更新日:2012年02月05日 04時38分27秒 2012/02/05
読中: 
・親鸞聖人の宗教的な思索と申しますか、それは終始一貫、弾圧のもとで醸成されてきた思想と、こうはっきり言い切っていいという点が、見落されてきたんじゃないか...
・(弾圧という言葉の、世代間での)その認識状況の違いは、ただ認識に関わる感覚の違いというだけではなくして、私が親鸞聖人の教学の根っこに見据えようとすることに関わっていく時に、その認識の違いが問題になるのではないかと思うのです。(参照)⇒こういう、ある意味で”切迫”した状況下で形成された思想、さらに突き詰めて云えば、厭離穢土の唯一の抜け道として「極楽浄土」への成仏を乞い願う切迫した感情を抜きにして、親鸞の思想を文字通りに追体験できるのか?
・恵信尼公の書簡:恵信尼書簡、特に、弘長三年二月二十日という日付の付いております書簡の中に出てきます親鸞像は大切なことを教えていると思います。三国連太郎さんの『白い道』をご覧になって、おわかりでありましょうが、あの通りであるかどうかは抜きにいたしまして、越後から関東へ、そして関東でああいうふうな生活をなさったであろう親鸞聖人と、その妻である恵信尼は、その生活を共同して生きられたわけです。単に一般大衆と共に生きるというよりも、最底辺を生き続けながら、そこで仏法、法然上人の教えを明らかにうなずいていこうとしたのが親鸞聖人であり、その親鸞聖人と共に生きたのが恵信尼公である。いわば共同の生活があるわけです。三国さんはその辺りのところで、親鸞聖人と、親鸞聖人にある意味でついていけない恵信尼公とを描いてます。いくらついていっても、ついていって追いついたと思うと、その先を歩いている親驚聖人がいるという、一つの問題をあそこでは投げかけているように思います。追いかけても追いかけても、一つになれない距離を、むしろ恵信尼公自身が自分の中でうなずいて、そのうなずきの確かめを通して別れていくという形をとって表現をしているといっていいように思います。(参照);「恵信尼」の書簡についてはWikiを参照の事。
・三國連太郎の言葉として;「真宗の親鸞聖人の教えを勉強している人達は、どうして、関東で親鸞とその妻が具体的にどんな日暮しをしたのかということに思いを注ぐことがないんだろうか。そこに目を注がなくして、現生不退というような言葉を使っても、意味がないんじゃないか」(同)⇒形骸化している、単なる「言葉」としての空疎な概念、または抜け殻としての概念。概念は、それが生まれた時空を離れてしまえば、常に(或いは一歩一歩)形骸化していく必然性を持っている
人類の足跡10万年全史
読了:  2012年02月03日
・ミトコンドリアDNAは母親からのみ伝えられ、Y染色体は男性からのみ伝えられる。性に関連する二種の遺伝子は混ざり合うことなく、又変化せずに次世代に受け継がれるために、それに依って先祖までたどり着くことが出来る。16p
・遺伝子系統樹に依って明らかになったことは、
1.現在、アフリカ以外に住むすべての現生人類は10万年前以降にアフリカから移動してきたものの子孫である。⇒「現生人類」は20万年以内にアフリカで一つの遺伝子系統として誕生したものに由来し、世界の他地域で個別に進化したものではない。66p;出アフリカを規定したのは気候変動
2.オーストラリア先住民とヨーロッパ人は、7万年以上前にアフリカからイエメンに移動した直後の祖先を共有している。
3.8千年前、トルコからヨーロッパに新石器文化が広まった。現代ヨーロッパ人の80%は旧石器時代の狩猟農耕民の遺伝子型に属し、20%が中近東の農耕民に由来すると分かっている。
・脳の発達;200万年前から約70万年間に約2.5倍になった。その後の120万年間にわずか6%増加したに過ぎない。33p
・世界植民の主な出来事(年表)、102-03p(cp)
・ヨーロッパ人の起源は南アジアにある。108-11p(cp)
・ネアンデルタール人と現生人類の共存の可能性と時期、但し交雑はなかった。126-29p(cp)
・ヨーロッパ人の故郷は二つのアジア、地図とまとめ、162-3&180-81p(cp)
・Ch.5は「アジア人の起源」
痛快!頭を良くする脳科学
タグ 科学 カテゴリ:本・雑誌 本・雑誌 更新日:2012年02月03日 18時01分57秒 2012/02/03
読了:  2012年02月05日
・成人の脳の重さは体重の2-3%、消費する血液量は約20%、37p
・脳の信号伝達;電気的信号⇒化学的伝達⇒電気的信号に再変換、並列処理、50p
・年齢に伴うニューロン数の変化、誕生直後が最大で半年後に激減し、その後は上々に減少する。一方、シナプス数は誕生後八歳くらいまで爆発的に増加し、その後は二十歳くらいまで誕生時のレベルまで減少して、その後は漸減する、54p(グラフ参照)
・イルカは、左右まったく同じ構造の脳を持っていて、交互に眠らせている。イルカが眠らずに泳げる秘密、55p
・モーツアルトの後期ピアノソナタ、特にK.400番以降のピアノソナタ、取分けK.448が空間的知能の向上に役立つと実験的に証明されている。94p
・ガードナーの「多重知能」論、脳の働きを7~9つの分野に分けて捉えると同時に、夫々の機能をいろいろに組み合わせて、頭を働かせる;脳の「多重フレーム」構造⇒多重フレーム構造をコントロールする情報分析・発信センターが前頭連合野に局在している。95、105p
・多重フレームの夫々の機能は、小さな脳。多重フレームの機能を投合・管理する機能が大きな脳。107p
・言葉の発祥についての仮説;多妻制から一夫一婦制に移行する不可欠の条件は、性行為の相手を力ではなく言葉でつなぎとめる必要があり、言語知能の獲得が必要条件になる。..ある種の性病を引き起こすウィルスの遺伝子解析から150万年前に登場した新種ウィルスが特定された。此のウィルスはサルにはなく、正常位でセックスするヒトにのみ感染する。150万年前頃から夫婦の単位が明確になり、セックスでの正常位と言葉が必然的に生じたのではないか。120p
作業日誌(12/02/04)も参照
明石書店 (2008-08-28) / 3,780円1 users
読了:  2012年02月04日
・法然と親鸞、法然の専修念仏の教えは「菩提心は不要だ」という考えに行き着く。これに対して明恵は菩提心こそ信仰の根幹だと猛反発した。親鸞は、菩提心のような精神的なものが、本当に無関係なのか、もし関わりがあるとすればどういう関わりがあるのかを問い直した。77p
ひとはどこまで記憶できるのか ―すごい記憶の法則― (知りたい!サイエンス)
田中 真知 / 技術評論社 (2011-04-22) / 1,706円25 users
読了:  2012年01月31日
・記憶の想起とは、脳のどこかに(完全な形で)保存されている生のデータを引っ張り出すのではなく、パーツを集めてコラージュのように再構成するプロセスなのである。2p
・動物は生きるために、不要な情報は忘れる必要があった。忘れることに依って人間の記憶は作られる。69p
・記憶は思い出すたびに、その時の自分の視点に応じて再構築される。162p
・走っている汽車を追いかけるシーンをイメージすることで心拍数を上げたり、覚醒しているのに眠っている自分を想像して心拍数を下げたり....192p
・共感覚を呼び起こす強烈な視覚イメージ、193p
船戸 満之 / 情況出版 (2002-10) / 2,520円1 users
読了:  2012年01月31日
・図書館から借りる。
・多分、【啓蒙の弁証法】と同じテーマを主題とする?書評集。
・取り上げられた対象のなかから「読んでみたい」と触手の動くものは
・アーレント【暗い時代の人々】
・ブレヒト【作業日誌】
・エンツェンスベルガー【意識産業】
・ミューラー【闘いなき戦い】
啓蒙の弁証法―哲学的断想 (岩波文庫)
ホルクハイマー , アドルノ / 岩波書店 (2007-01-16) / 1,426円82 users
読了:  2012年01月31日
・図書館から借りる。
・池田信夫Blogの紹介で知る(参照)。
・論旨は、ある意味で、単純にして明快。野蛮は啓蒙の契機を内包し、啓蒙もまた野蛮への契機を内包すると共に、やがてそれへと転化するというのが、本書の題名の含意と理解する。序文の「なぜに人類は、真に人間的な状態に踏み入っていく代わりに、一種の新しい野蛮状態に落ち込んでいくのか」という問いかけに、すべてが要約されている。
・課題は明瞭であり、かつ深刻でもある。しかし内容は、難解と言うより晦渋、豊かな歴史的・具体的事実を踏まえた分析と云うより、形式的・抽象的分析にすぎるとの印象。
・僕には、この時期、併読していた【白い道】やツヴァイクの【エラスムスの勝利と悲劇】のほうが、人間解放の思想として登場した革命的思想が、大衆の間に浸透し、一つの宗派を形成し、やがて思想信条として固定化され・定式化されていくと共に、内部分裂し、分化と対立を生み出し、反対物・対立物へと転化していくかの過程を活き活きと描き出しているように思われる。
三国 連太郎 / 講談社 (1986-11) / 469円5 users
読了:  2012年01月28日
・毎日新聞社」板、図書館から借りる。
・12/01/28「作業日誌」参照
・平家末期政権から頼朝挙兵、上洛までを扱う。
海の都の物語―ヴェネツィア共和国の一千年〈上〉 (塩野七生ルネサンス著作集)
塩野 七生 / 新潮社 (2001-08) / - 54 users
読中: 
・再読
・陸地型・海洋型の国家の違いは自給自足の考えのあるなしにに帰結すると見て良い、陸地型国家が侵略型になるのは当然の帰結、云々、43p
・ヴェネチアとフィレンツェは、性格のまるで違う二人の人間のようだ」とはマキャヴェリの言葉、ヴェネチアはアンチ・ヒーローの国、51p
・モラリストぶるイギリス人ほど、片腹痛いものはない。...ヴェネチア人も、道徳家の殻をかぶったほうが有利と判断した場合以外は、一度もモラリストであろうとしたことのなかった民族である。157p
白い道〈第1部〉―法然・親鸞とその時代 しかも無間の業に生きる (1982年)
読了:  2012年01月26日
・吉川英治「親鸞」を読んで後、法然に関心を持つ。
・「水田耕作が実は差別の元凶になった」118p
・法然の思想、230p
・加持祈祷と合理的施術、252p
読了:  2012年01月25日
・岩槻図書館から借り出し。
・No.1から50までの通し番号を付された素描画、その内、何点かはチョークで描かれたままの写真が掲載されている。老人、殖物、花、風景(山脈、岩石)、水、奔流、大洪水等々。
・1489~90年頃の作品集と推定されている。
・デッサンの対象を描くにあたって、対象をいかに深く研究し、かつ対象の研究を通してデッサンのタッチがどのように変化していったかが分かるような編集。
・ダ・ヴィンチにとって、デッサンはそれ自体が研究であり、「水の運動と互いに混ざり合う細かい岩石の破片や、塵や煙によって視覚化される風の運動とは、画家の関心事であるに違いないが、それにもかかわらずレオナルド自身は、効果に対する画家としての興味と、原因に対する哲学者としての関心との間に明確な境界線を引くことをためらっているように見える」云々⇒もっと積極的に肯定していたのじゃないか」と感じるな。
Dr. Dean Ornish's Program for Reversing Heart Disease
Dr. Dean Ornish / Ivy Books (1995-12-30) / 551円1 users
所有 読了:  2012年01月25日
・去年の夏読了、再読。
異所性脂肪《メタボリックシンドロームの新常識》
読了:  2012年01月21日
・岩槻図書館を経由して「県立図書館」から借りる。
◆序章
・内臓脂肪蓄積状態下の肥大化した大型脂肪細胞からはアディポネクチンの分泌が減少すると共に、炎症性のサイトカインの分泌が増加し、異所性脂肪沈着とインスリン抵抗性をさらに増悪させる方向に作用している。この状態がメタボリックシンドロームの本態である。4p
・肥満に伴う2型糖尿病やメタボリックシンドロームにおけるインスリン抵抗性の本態を内臓脂肪蓄積に伴う異所性脂肪沈着と捉えることで、病態の深い洞察に基づく治療戦略を建てられる。5p⇒僕自身の場合は、違うような気がするな
◆3章「骨格筋から見た異所性脂肪と糖尿病」から
・過去に行われた肥満を中心にした研究成果は、日本人に多く見られる非肥満の病態には必ずしも一致せず、非肥満の病理生態学な評価・病因論には不明の部分が多い。53p
・高脂肪食に因る骨格筋細胞内の脂質(IMCL)の蓄積は、個人間で感受性に違いがある可能性が高い。日本人の場合、肥満の発症とは独立して骨格筋細胞内脂質を増加させ、インスリン抵抗性を惹起する可能性が推測される。55p
・但し日常的な運動量の多い人では、IMCLが増加してもインスリン感受性の低下は必ずしも起きない。57p
・IMCL蓄積の規定要因と考えられるのは、身体活動量、高脂質とくに飽和脂肪酸、肥満、59p

◆6章から
・Multiple Risk Factor症候群は①上半身肥満(内臓脂肪型肥満)、②高血糖、③脂質代謝異常、④高血圧の4つの因子から構成される。
・脂肪細胞から産生される生理活性物質(cytokine)の発見;アディポサイトカイン(adipocytokine)と総称される。
・レプチン、1994発見、肥満遺伝子タンパク、食欲調節ホルモン、脂肪細胞が肥大すると分泌が亢進され、食欲を抑制する。109p(ステッドマン、976p参照)
・アディポネクチン、1999発見、脂肪細胞のサイズが正常な状態でより活発に分泌されインスリン抵抗性解除、抗炎症作用、血圧低下の働きがあるが、脂肪細胞のサイズが大きくなるとこの働きが抑制される。
・アディポサイトカイン一覧、109p図6.2
・本来、脂肪の蓄積しない場所(あらゆる臓器・組織、代表は肝臓および筋肉)に蓄積する理由は不明。皮下脂肪&内臓脂肪の許容量に限界があり、それを超えた過剰脂肪が「異所性脂肪」として蓄積すると考えられている。113p
新版大東京案内〈上〉 (ちくま学芸文庫)
今 和次郎 / 筑摩書房 (2001-10-01) / 1,188円33 users
読了:  2012年01月21日
・昭和四年、中央公論社から出版されたものの復刻版で、1986年に「批評社」から出版された一巻物。図書館から借りる。「登録」検索では、批評社が対象外なのか絶版なのかヒットしないので、「ちくま学芸文庫」版を便宜的に採用しておく。
・12/01/21の作業日誌(参照)でもちょっと触れたが、ともかく楽しい本だ。昭和初年の同時代的「東京」案内として抜群の面白さ、三宅雪嶺の「同時代史」と併せて読むと、硬軟両用というか、同時代の表裏と云うか、公式の顔と裏の顔というか、いずれ「歴史」を立体的に捉える一助になる。
近衛文麿「黙」して死す―すりかえられた戦争責任
鳥居 民 / 草思社 (2007-03-21) / 1,620円13 users
読了:  2012年01月20日
・本書のポイントは、筆者が木戸・ノーマン史観というもの、すなわち「戦争開始の真の責任者は軍令部総長の永野修身ではなかった。参謀総長の杉山元でもなかった。首相・陸相を兼任した東条英機でもなかった。ましてや近衛文麿であるはずはなかった。内大臣・木戸幸一に全責任があったということだ」77pに尽きる。「今日までの60年間、誰も云わなかったこと、未だに云おうとしないこと...」云々と書いているが、だれか”特定の”個人に、かかる歴史的展開の「全責任」があるかに想定すること自体が、歴史研究としては幼稚にすぎる。
矢部 貞治 / 読売新聞社 (1974) / 7,560円2 users
読了:  2012年01月20日
・15/12/06、どうも近衛の弱体にはほとほと愛想が尽きる。黒竜会あたりで家長選挙を言い出し、新体制反対の倒閣運動があったといえば、もうこんな所で妥協をしている。暗黒政治だ。弱体だ。376p
・16/03/27、翼賛会は職員全部辞表を出すらしい。夫々の職場を捨て、これに飛び込んだ連中がかわいそうだ。有馬伯も[この捨て子」と言っている。狼に合うたびに一匹づつ馬を殺していくという近衛の性格が最もよく現れている。こんなやり方だから、近衛のために死のうという人間がいないのだ。407p
・16/12/31、昭和16年は、独ソ開戦と、日英米戦開始とで、世界史の顕著な年であったが、その一部分に僕も参与していたことを思い、愉快だ。487p
・昭和17年の記録は見るべきものなし。
・18/11/09、ラジオは、ブーゲンビル島沖第2次航空戦の大戦果を伝えている。戦艦四隻を含む艦艇二十隻以上の轟擊沈破!ラバウルに迫る敵を徹底的に撃破してくれとの僕の宿題、或いは達せられるか。感動の涙禁じえず。665p
・18/11/21、特にラバウルの放棄の持つ由々しき結果について強調。陸軍では既にラバウル放棄の決意をしているらしく、細川氏によればよれば御前会議で決まったとすら云う。...もし事実とセバ、言語道断のことだ。ラバウルを放棄して望みある戦争は戦えぬ。668p⇒ブーゲンビル島沖の「大戦果」を鵜呑みにして感動している辺り、海軍に頻繁に出入りしているにして、情報音痴と言うか(或いは)余程、「情報統制」が利いていたか、「大東亜共栄圏」構想の理念に囚われていたか、何れ迂遠な印象を受ける。
・18/12/19、海軍の政治懇談会「矢牧大佐は悲観して弱って見える。中山中佐も中々しっかりした勘どころを握っていて宜しい」676pとある。⇒【東条英機暗殺計画】(参照)32pには、この日の懇談会の話を要約すると「東条内閣は完全に行き詰まっているが、打倒するには東条自身が病気で倒れるか、テロなど非常手段によるしかない」云々、とある。(この点に関しては、矢部日記には具体的記述は殆ど無い。細川日記、高木日記を見るべし)
・19/03/28、箱根会談で達した結論及びそれについての工作は少将(高木)は前からあらゆる手を打っているらしく..云々、701p
・19/03/31、東条内閣の基礎が危うくなっている云々、702p
・19/05/19、この頃から高木の倒閣運動に関する話(不明確)⇒さかのぼって精読する。「箱根会議」で達して結論云々は、具体的な記述は(この前にさかのぼっては)ない。
筑摩書房 (1969) / 626円2 users
読了:  2012年01月20日
◆松前重義「二等兵記」所収、他には【二等兵記】の題名で1950、68年に出版されている。また東海大学出版会から出た【松前重義著作集】第三巻にも収録されている。
・36-47pコピー作成、ポイントは日本の生産力実態を調査研究するグループを立ち上げ、全国の各工場を廻って「生産力に関する企画院の発表はまったくでたらめである」との結論に達した。そこで東条内閣打倒運動に参画し、近衛、高松宮ほか海軍軍令部等々に「政府の欺瞞政策」を説明した云々、というもの。
筆者は、S19/7/18、二等兵として召集される。当時、45歳、逓信省公務局長&政府の電波技術委員会副委員長の職にあった。筆者の指摘する通り、東条内閣打倒運動に対する明らかな報復人事であることは疑いない。とはいえ、陸海軍がお互いにその「戦力実態」について秘密にしていたような状況のもとで、生産力実態の「全国調査」ようなことが出来たのかどうか、また高松宮を始め海軍幹部などがこれらの「数字」をどの程度切実な内容として理解したのか、などについて疑問に感じる。
断腸亭日乗 〈第5巻〉 昭和十五年−十九年
永井 荷風 / 岩波書店 (2002-01-07) / 5,670円1 users
所有 読了:  2012年01月16日
◆以下「作業日誌」(12/01/16から転載)
・昭和15年2月20日に「尿中タンパク質顕著。かつまた血圧やや高しとて、院長頻りに菜食の要あるを説く。余窃かに思う所あり。余齡
すでに六十を越えたり。希望ある世の中ならば節制節慾して残生を愉しむもまた悪しきにあらざるべし。されど今日の如き兵乱の世に
ありては長寿を保つほど悲惨あるはなし。平生好むところのものを食して天命を終わるも何の悔いるところかあらん。浅草にいたり松喜
食堂に鶏肉を食し玉の井を歩みて帰る」云々、17p⇒単に高等遊民の繰り言に過ぎず
・8/01、「街頭には贅沢は敵だと書きし立て札を出し、愛国婦人連辻々にたって通行人に触書をわたす噂有りたれば、その有様を見んと
用事を兼ねて家を出しなり」。また欄外に「贅沢は敵なりという語はロシア共産党政府樹立の際用いたる街頭宣伝語の直訳という」、54p
⇒この日、「国民精神総動員本部、東京市内に〈贅沢は敵だ!〉の立て看板1500本配置」(近代日本総合年表から)
・9/27、日独伊三国同盟締結に際し、「自ら辞を低くし腰を屈して侵略不仁の国と盟約をなす国家の恥辱これより大なるはなし其の原因
は....畢竟儒教の衰滅したるに因る云々」74p(下線は引用者)
・10/03、旧約聖書を読む。日本人排外思想の拠って来る所を究めんと欲するのみならず....云々、76p
・11/10、専ら人のうわさする巷説、「新政治家の中の末信中野橋本その他の一味は過激な共産主義者...軍人中この一味に加わるもの
少なからず。而して近衛公は過激な革命運動を防止せんと苦心しつつあり。近衛の運動費は久原小林などより寄付せし...云々」98p
・11/16、花電車、「病院内にて花電車を見たることなしと云うもの三分の二以上にて、これを知るものは四十余りの者ばかりなりとの事より
推測して、現在東京に居住するものの大半は昭和十年以後地方より移り来たりし者なることを知れリ。...今回の新政治も田舎漢のつくり
出せしものと思えばさして驚くにも及ばず。フランス革命又明治維新の変などとは全く性質と品致とを異にするものなり」101p
⇒花電車は紀元2600年祝賀行事の一環か、「新政治」とは言うまでもなく「大政翼賛会」の事。
・12月、贅沢は敵だ」の緊縮世情の中、贅沢三昧の軍人壮士の振る舞い、貧富の懸隔広がる様を風刺する戯れ詩、104、115-118p
・12月末、「今年は思いがけぬことばかり多かりし年なりき。米屋炭屋、菓子など商うもの又金物木綿などの問屋、全て手堅き商人は商売
立ちゆき難く先祖代々の家蔵を売りしものも少なからざるに、雑誌発行人芝居興行師の如き水商売をなす者一人として口腹を肥やさざるは
なし。石が浮かんで木の葉の沈むが如し」125p
・昭和16年正月、「去年の秋ごろより軍人政府の専横一層甚だしく世の中遂に一変せし今日になりて見れば...不便なる自炊生活その折々
の感慨に適応し今はなかなか改めがたきまで嬉しき心地せらるること多くなり行きけり。...斯くの如き心の自由空想の自由のみはいかに
暴悪なる政府の権力とても之を束縛すること能わず」129p
年表上からは日独伊三国同盟締結、大政翼賛会発足及びそれに伴う各種団体政党の「自発的」解散、内務省図書課・警視庁検閲課
などの新聞雑誌の整理統合などの出版統制強化などが伺われるが、「軍人政府の専横」とは具体的に何を指すか。昭和15年1月に成立
した米内内閣は倒閣のため陸軍首脳部が画策した畑陸相の単独辞職に拠って総辞職に追い込まれ、代わって近衛内閣が登場した。明ら
かな陸軍の「専横」だが、このような内部事情は当時一般に知られていたか。

・5/11、市中の風聞、いろいろ;築地辺の待合料理店は引き続き軍人のお客にて繁盛一方ならず。公然輸出入禁止品を使用するのみ
ならず暴利を貪りて...」云々、168p
・6月、時局についての意見、日記のこと等、「日支今回の戦争は日本軍の張作霖暗殺及び満州侵略に始まる」云々177p
・昭和17年4月、巷の噂、226事件の反乱の兵卒の戦地にて優遇せられし話、南京占領および中華人のおびただしく殺されしに、戦争の
何たるかにつての無関心等々、267p
・昭和18年1/25、街談録、昭和12年より浪費した戦費の合算は支那人戦死者一人につき二千円...この度の戦争の愚劣なること..云々、
316p
・2/03、町会より本年中隔月に百五六十円債権押売のこと申し来たれリ、318p
・5/04、近県への食料品等買い出しの事、夕刻までに数千人が捉えられるが、その大半は鉄道及び郵便局の役員...云々、344p
・5/17、文学報国会、荷風の名を無断借用、菊池寛が創設し、(余の嫌悪セル)徳富蘇峰が会長、346p
・5/26、近頃物品の闇相場、349p
・9/09、上野動物園の猛獣は毒殺...帝都修羅の巷となるべきを予期..云々、379p
・9/28、10月中には米国飛行機必来襲すべしとの風説...、386p
・10/03、「世の中は星に錨に闇と顔馬鹿な人達立って行列とやら云う落首を口にする者さえなきようになりぬ、388p
・10/09、国民預金の強制勧告...390p
・12/22、世間の噂、いかほど職工を増やしても資材不足でどの軍需工場も夜間業務は中止、この様子では来年6月までには戦争は終局
...416p
・昭和19年4/10、市中至る所疎開空襲必至の貼札を見る。一昨年4月敵機来襲の後市外へ転居するものを見れば卑怯といい非国民など
と罵りしに18年冬頃より俄に疎開の語を作りだし民家離散取り払いを迫る。朝令暮改笑うべき...云々441p
・4/11、食物闇値一覧、442p
・東京の繁華は昭和八九年を以て終局を告げたるものと見るべし...455p
◆「俗と反俗は釘と金槌」
・第23巻「月報」に開高健が書いている。荷風老人は後足で砂をかけ、実人生からオリてしまった。その癖、実人生への興味津々、巷の
風説、街談に耳を済まし、日記に書き留めた。「私に云わせれば、荷風散人は決して実人生からオリ切ることが出来なかった。俗物を離れ
て反俗精神が成り立たないことは、釘を離れて金槌が存在し得ないのと同じである...云々」、この好奇心が最も良く映し出されているのが、
昭和18-19年の日記か。戦時下東京の実相の一面を映し出す良き鏡。
動脈硬化性疾患治療の新たなストラテジー―メタボリックシンドロームとしてとらえる脂質代謝異常
寺本 民生 / 先端医学社 (2005-07) / 4,725円2 users
所有 読中: 
◆本書のキーポイントないしキーワード(序から)
・プラークの形成と破綻⇒動脈内血栓形成
・メタボリックシンドロームの発生機序としての内臓脂肪
・メタボリックシンドロームを形成する因子の一つとしての「核内受容体=PPAR」
・生活習慣の改善は前提となるが、「PPARの調節因子」は(メタボリックシンドロームに対する直接的介入の)新たな治療手段として注目

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