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なおきの本棚 (Naoki’s Bookshelf)
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ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学
入山 章栄 / 日経BP社 (2015-11-20) / 1,944円193 users
読了:  2017年06月07日 星5つ
【書評】『ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学』 : なおきのブログ

【Part1】いま必要な世界最先端の経営学
【Part2】競争戦略の誤解
【Part3】先端イノベーション理論と日本企業
【Part4】最先端の組織学習論
【Part5】グローバルという幻想
【Part6】働く女性の経営学
【Part7】科学的に見るリーダーシップ
【Part8】同族企業とCSRの功罪
【Part9】起業活性化の経営理論
【Part10】やはり不毛な経営学
【Part11】海外経営大学院の知られざる実態
【経営学ミニ解説】

2017.05.16 企業間FCからのお薦め。
2017.05.31 読書開始
2017.06.05 朝活読書サロンで紹介
2017.06.06 読了
2015年アカデミー・オブ・マネジメント(AOM)世界大会参加者の国別内訳
アメリカ 4608
イギリス 865
カナダ 667
ドイツ 545
中国+香港 517
オランダ 402
オーストラリア 337
フランス 269
イタリア 196
シンガポール 162
韓国 154
スペイン 152
フィンランド 147
デンマーク 141
台湾 134
インド 113
スウェーデン 92
ブラジル 84
日本 33 (P16)
「学術的な知見のツール化」は、ファイブ・フォースなどの限られた例を覗けば、十分に進んでいるとはいえません。なぜかとうと、実は経営学者があまりこの「ツール化」に熱心でないからです。 (P21)
経営学者にはそもそもツール化のインセンティブがありません。したがって教科書に掲載できるような新しい分析ツールがなかなか生まれず、その結果、経営学の学術的な研究がどれだけ進んでも、その知見がビジネススクールの教科書には反映されないのです。 (P23)
経営戦略論のトップ学術誌の一つである「ストラテジック・マネジメント・ジャーナル」に2012年に掲載されていた論文全73本を確認しましたが、「実務への示唆」の議論に2段落以上を割いていた論文は、わずか8本にすぎませんでした。 (P29)
経営学は「思考の軸」に過ぎない。
経営学は、それぞれの企業の戦略・方針に「それは正解です」「間違っています」と安直に答えを出せる学問ではありません。 (P34)
私が驚いたのは、戦略がうまくいかないそもそもの「根本的な理由」について、ビジネスパーソンの間で経営学の知識共有が進んでいないことです。その「根本的な理由」とは、「企業の『戦略』にはそれぞれ通用する範囲がある」ということです。 (P43)
競争の型
・IO型(産業組織型)
・チェンバレン型
・シュンペーター型

戦略のタイプ:
・SCP戦略:競争環境の参入障壁・異動障壁を高め、ライバルとの競争を避ける(SCP:Structure Conduct Performance)
・RBV戦略:価値があり模倣されにくい経営資源を形成・活用する(RBV:Resource Based View)
・リアルオプション戦略:常に不確実な事業環境に、素早く柔軟に対応する

・IO型xSCP戦略:米コーラメーカー、米シリアルメーカー
・チェンバレン型xRBV戦略:日本の自動車メーカー、以前の日本の家電メーカー
・シュンペーター型:xリアルオプション戦略:多くのIT業界の企業
・IO型xRBV戦略:普及品をグローバル市場で販売する家電メーカー
・シュンペーター型xRBV戦略:ハイエンド製品を製造販売する家電メーカー (P49)
「ビジネスモデルとは、事業機会を生かすことを通じて、価値を創造するためにデザインされた諸処の取引群についての内容・構造・ガバナンスの相対である」(筆者意訳)。 (P57)
優れたビジネスモデルの4条件
(1)効率性(Efficiency)
(2)補完性(Complementary)
(3)囲い込み(Lock-in)
(4)新奇性(Novelty) (P58)
統計分析結果
結果1 「効率性」の高いビジネスモデルを持つ企業は、企業価値が高いこともあるが、そうでないこともある。
結果2 「補完性」と「囲い込み」は、企業価値と統計的に優位な関係を持たない。
結果3 「新奇性」が高いビジネスモデルの企業は、一貫して高い企業価値を実現する。
結果4 しかし「新奇性」と「効率性」の両方が高いと、むしろ企業価値が低下する。 (P61)
引用コメント 2007年「オーガニゼーション・サイエンス」誌 アミット=ゾット
欧米のネット系の新興上場企業190社を対象に4条件を統計分析
「ビジネスモデルと競争戦略の相互作用について」
結果1 2007年の論文同様、ビジネスモデルの「新奇性」が高い企業は、やはり企業価値が高い。
結果2 競争戦略のほうでは、差別化戦略が一貫して企業価値を高める。しかもその効果は、企業のビジネスモデルの「新奇性」が高い時にさらに強まる。すなわち、「差別化戦略をとって新奇性の高いビジネスモデルを持つ企業」が最も企業価値が高い。
結果3 コスト優位戦略そのものは、企業価値と統計的に優位な関係を持たない。
結果4 しかし、その企業のビジネスモデルの「新奇性」が高いときに限り、コスト優位戦略も企業価値を押し上げる可能性がある。 (P65)
引用コメント 2008年 SMJに論文発表 アミット=ゾット
リアル・オプションを端的に言うと、それは「不確実性」が非常に高い事業環境下では、何らかの手段で投資の『柔軟性』を高めれば、事業環境の下ぶれリスクを抑えつつ、上ぶれのチャンスを逃さない」という発想です。 (P68)
企業組織はどうしても「知の深化」に偏り、「知の探索」を怠りがちになる傾向が本質として備わっています。そもそも人・組織には認知に限界がありますし、毎年の予算を立てないといけない企業が目先の収益を高めるには、いま業績のあがっている分野の知を「深化」させることのほうがはるかに効率がいいからです。他方で「知の探索」は手間やコストがかかるわりに、収益には結びつくかどうかが不確実で、経営んされがちになります。 (P77)
新しい事業を探究する部署には、(1)そのビジネスに必要な機能(例えば開発・生産・営業)をすべて持たせて「独立性」を保たせること、(2)他方でトップレベル(例えば担当役員レベル)では、その新奇部署が既存の部署から孤立せずに、両者が互いに知見や資源を活用し合えるよう「統合と交流」を促すこと、が重要であるという主張です。 (P81)
引用コメント ダッシュマンとオライリー
経営には三つの「両利きのリーダーシップ」が求められる、とダッシュマンたちは説きます。それは(1)自社の定義する「ビジネスの範囲」を狭めず、多様な可能性を探究できる広い企業アイデンティティーを持つこと、(2)「知の探索」部門と「知の深化」部門の予算対立のバランスは経営者自身がとること、(3)そして「知の探索」部門と「知の深化」部門の間で異なるルール・評価基準をとることをいとわないこと、だと述べています。 (P83)
通常、業界で新しい製品が生まれてからしばらくは、部品同市の最適な組み合わせについて試行錯誤が続きますから、企業に主に求められるのは「アーキテクチュラルな知」になります。しかし時間がたつにつれ、組み合わせについて業界で標準化が進んでいきま美ます。これを「ドミナントデザイン」と呼びます。一旦ドミナント・デザインが確立されると、その後は部品それぞれの機能を高めるための「コンポーネントな知」が重要になっていきます。 (P87)
「アーキテクチュラルな知を促す組織」の特性を持つ研究プログラムほど、特許件数などでみたイノベーションの実績が高くなったのです。
この論文で発見された、医薬品産業における「アーキテクチュラルな知を高める組織特性」は二つです。それは、(1)研究者が会社の枠を超えた後半な「研究コミュニティー」で知識交換することが評価される組織であること、そして(2)社内でも分野の垣根を幅広く越えて情報を交換することです。 (P90)
イノベーションの源泉の一つは新しい組み合わせを生み出せる「アーキテクチュラルな知」であり、そしてその源泉は広義のデザイン思考だからです。デザインスクールとの協力が進むことで、そこで得られた「デザインの実践知」が経営学に還元され、イノベーションを生む組織デザインの研究がさらに進むことに期待したいところです。 (P93)
弱いつながりの人脈を多く持つほうが、人はクリエイティブになれるのです。 (P99)
クリエイティビティ―とイノベーションは違う
アイデアは「実現(Implement)」されて、初めて周囲からイノベーティブと評価される可能性が出てきます。すなわち、創造性とはあくまでイノベーションをゴールとするプロセスの通過点に過ぎず、イノベーションという成果を得るには、まずアイデアが「実現」される必要があるのです。 (P101)
(米ワシントン大学のマーカス・バエアー)企業内のクリエイティビティーの高い人(発案者)が、さらにそのアイデアを「実現化」するために、何が必要かを研究しました。バエアーは、そのためには発案者に二つの条件が必要だと主張します。
第1に「発案者の実現へのモチベーション」です。
第2の条件は、その発案者の「社内での人脈」です。しかも、「その人脈は『強い』ものでなければならない」という主張なのです。 (P102)
日本のイノベーションに関する議論は「創造性」と「イノベーション」を混同していることも多く(中略)
人がクリエイティブになるには「弱い人脈」が重要です。しかし、いざ創造的なアイデアを出したら、それを社内で売り込むため、むしろ「強い人脈」を多く持つことが求められるのです。 (P103)
日本企業のイノベーションを考えるうえでは「創造性」と「イノベーション」の峻別が必要で、その上で自社を見つめ直すことが肝要なのです。 (P104)
発見3:組織のメンバーは一定の比率で入れ替えがあったほうが、組織の最終的な学習量は増加する。
発見4:発見3で得られた効果は、特に組織を取り巻く環境の不確実性が高い時に強くなる。 (P109)
引用コメント 米スタンフォード大学ジェームズ・マーチ 1991年
私は、このマーチの1991年の論文を読むたびにいつも驚嘆させられます。ダイバーシティの効能や、組織の新陳代謝、不確実性下での知の探索の重要性など、現在のビジネスや経営学にきわめて重要な示唆を、四半世紀も前の論文のシンプルなコンピュータ・シミュレーションで、マーチは既に示していたのです。 (P110)
組織の学習効果、パフォーマンスを高めるために大事なのは、「組織のメンバー全員が同じことを知っている」ことではなく、「組織のメンバー『ほかのメンバーの誰が何を知っているのか』を知っておくことである」というものです。 (P113)
デザイナーたちが顔を突き合わせてブレストをすることは、「誰がどのようなアイデアを持っているか」「誰がどの製品に詳しいか」などについて広く知る機会となり・・・ (P127)
2015年にフォーチュン500社に選ばれている日本企業は、全部で54社でした。(その中で)「真のグローバル企業」の条件を満たしたのは、キヤノンとマツダだけになりました。 (P155)
引用コメント ホーム地域の売上が5割以下
他の二地域からの売上が2割以上
を真のグローバル企業と定義
それ以前の経営学では、企業が海外ならどこでも通用する固有の強み(FSA)を持っていると考えられていました。しかし、そのような「世界中で通用するFSAを持っている企業」はこの世にほとんどないことが明らかになったからです。 (P156)
近接性を好む傾向により、シリコンバレー、ボストン、シアトルの特定の地域にVC投資が集中する「スパイキー化」が起きるのです。 (P167)
米国と台湾は近年VC投資や起業家の交流が盛んですが、これは米国全土と台湾全土で起きているのではありません。米国の中でもカリフォルニア州のシリコンバレーというきわめて狭い地域と、台湾の新竹というこれまた狭い地域の間で起きているに過ぎません。 (P168)

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