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なおきの本棚 (Naoki’s Bookshelf)
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なぜローカル経済から日本は甦るのか (PHP新書)
冨山 和彦 / PHP研究所 (2014-06-14) / 842円141 users
読了:  2015年07月07日 星5つ
<目次>
プロローグ 労働力消滅!? 今、かつてないパラダイムシフトが起こっている。
第1章 グローバル(G)とローカル(L)という二つの世界
第2章 グローバル経済圏で勝ち抜くために
第3章 ローカル経済圏のリアル
第4章 ローカル経済圏は穏やかな退出と集約化で寡占的安定へ
第5章 集約の先にあるローカル経済圏のあるべき姿
第6章 GとLの成長戦略で日本の経済・賃金・雇用は再生する
エピローグ 双発なる会話
参考文献

2015.03.17 冨山氏の著書を検索してみた。キーワードは「地方創生」
2015.07.05 読書開始
2015.07.07 読了
この二十年ほどの経済政策の論争は、新自由主義に行くか、社会民主主義に行くかという分かりやすい二項対立だった。それぞれ言い分はある。それぞれのロジックは一部有効で、一部有効ではなかった。どちらのイデオロギーに寄っても政策は行き詰まり、イデオロギーの議論によって明確な解は生まれなかった。 (P36)
昨今、世界はグローバル化が進んでいるといわれる。
日本も例外ではないと考えられているが、はたして本当にそうだろうか。グローバル化というと、あたかも世界中のすべての人がグローバル社会で生きているかのような錯覚を起こしてしまう。だが、現実はむしろ逆だ。
(中略)
グローバル化のパラドックスである。
グローバル化が進めば進むほど、かえってグローバル経済圏から切り離される人が多くなる現象だ。 (P37)
(IFRS採用)実態に自身がない企業ほど反対する。実態が良くないうえ、IFRSになるともっと見栄えが悪くなることを気にしているだけだ。実態のしっかりしている企業は、どのような会計処理をしても問題になることはない。 (P106)
東証を「グローバル部」と「ローカル部」に分けるという試案
真の意味で上場を必要としていない企業のためにローカル部を設立したら効果的ではないだろうか。ローカル部はグローバル部に比べてローコストで上場でき、かつ日本語だけでオーケー、さらにIFRSも義務付けない。 (P113)
「末はグーグルか、アップル、マイクロソフト、インテル、クアルコムかといったグローバル経済圏で勝負する本格技術をベースにしたメガベンチャー」
「小売や外食などのサービス産業系の労働集約モデル、つまりローカル経済圏でがんばっていこうとするローカルベンチャー」
ベンチャー育成の議論をするときに、必ずこの二つの話題が混在している。もともと日本では、小売や外食などの「ストリートファイターモデル」と呼ばれるベンチャービジネスが盛んだった。ユニクロ、すき家、吉野家、牛角など、挙げればキリがないほどだ。 (P119)
(ローカル経済圏の)ストリートファイター系のベンチャー育成については、あまり心配する必要がない。(中略)問題は、グローバル経済圏、「Gの世界」で勝負を挑んでいくメガベンチャー、本格テッキー系のベンチャーである。 (P120)
引用コメント ユーグレナ
スパイバー
プログラムマネージャーは、超一流のサイエンティストやプロフェッショナルのエンジニアとかなり早い段階から腹を割って話ができる能力を持っていなければならない。そして投資を回収するまでのストーリー(これも当初は複数の仮説)を持ちながら、新たな技術や知見を学会で発表するときも、何を発表し、何を発表しないかということを相談する能力を備えていなければならない。 (P131)
ごく少数のグローバル経済圏の企業と人が世界チャンピオンになっても、その連鎖からはローカル経済圏の人は幸せになれない。新自由主義の考えでは、グローバル経済圏が豊かになれば、ローカル経済圏も豊かになるトリクルダウンが働くことになる。しかし、トリクルダウンは起こらない。 (P146)
英国のサッチャー元首相が喝破した通り、「金持ちを貧乏にしても、貧乏人は金持ちにならない」のである。 (P147)
これまでは、このグローバル経済圏をどう広げるかについてのみ議論され、ローカル経済圏の人をグローバル経済圏に「移動」させる方法が議論されていた。新自由主義寄りの人たちは、自由競争の原理を徹底追及する一方で、労働市場の自由化による労働「移動」を促し、社会民主主義寄りの論者は、所得再分配と労働規制の強化で、かつて、日本のグローバル企業を中心に形成された日本型正規雇用に少しでも多くの労働者を「移動」させようとする。しかし、最近私は、その議論そのものがむなしいと思っている。 (P147)
供給サイドとしての出店密度と需要サイドとしてのユーザーとの密着度。ローカル経済圏においては、密度の経済性が命運を握る産業のほうが圧倒的に多いのだ。 (P152)
世界中でハーバード大学の名前が知られているという事実と、産業としてグローバルかという問題はまったく異なる。教育産業は、産業としてはまったくローカルである。 (P155)
引用コメント ほとんどの産業がローカル経済圏のプレイヤー
 小売業、教育産業、商業銀行を除く銀行、通信インフラ産業
ウェルズ・ファーゴという銀行は、グローバル金融にはまったく背を向けたスーパー地銀である。それでもアメリカの四大銀行の一つに数えられ、2014年第1四半期の利益は四大銀行で最大の水準だ。 (P157)
夫が仕事に行って、妻が家で子どもを育てるのは、日本の社会では武家や公家たちだけの生活習慣だった。にもかかわらず「専業主婦の母親が家にいて子どもを育てるのが日本の文化だ」と、それが日本の淳風美俗、伝統であるかのように主張する人がいる。彼らはまったく歴史がわかっていないと言わざるを得ない。いつの間にか武士道や侍が日本の心という論調が広まったが、そういう論を振り回している人は、くどいようだが日本の歴史を知らない。 (P163)
ローカル経済圏では生産性に大きな格差があるからこそ、集約化による生産性向上の伸びしろがあると言えるのではないか。 (P184)
穏やかな退出を促すためには、労働市場での規律を厳しくすることが唯一の有効な方法になる。具体的には、サービス産業の裁定賃金を上げることだ。あるいは賃金がどんどん上がってきて、弱い事業者が悲鳴を上げてきたときに、そこに救済の手を差し伸べないことだ。 (P192)
退出のキーとなるのは地方金融機関のデットガバナンス
Lの経済圏における金融検査・金融監督の基本スタンスと地域金融機関の融資スタンスとを、従来の現状維持型、静態的な資産状況収支型から、積極的な将来投資とM&Aによって、企業や事業の生産性を思い切って押し上げることを促す方向に、ワンセットで大転換すべき好機なのである。 (P217)
退出によって自己破産する必要のない個人保証制度に
地域金融機関の行動原理に中途半端にグローバリズム、Gの経済圏の論理が入ってきていて、株主に対して説明責任が果たせないという理由で自己破産を迫るようなことが起きる。これは残念な話だ。個人保証の本来の趣旨からすれば、物上保証の限定保証にすべきである。無限連帯債務にする必要はない。 (P228)
ローカル経済圏での穏やかな退出といっても、無理に退出を迫るわけではない。退出メニューを用意し、必要のない延命をやめれば、退出メニューを選択する企業もいる。延命策があるからこそ延命しようと思うわけで、延命策がなければ諦めもつく。 (P236)
東京にある一流企業で、コーポレートエグゼクティブとして働く女性が増えても、それは日本の女性人口のうちの0.1%にも満たない。99.9%の女性の人生にとって、ほとんど関係がない。(中略)エグゼクティブな女性が増えてもローカル経済圏n女性の労働環境が変わるわけではないのだ。 (P249)
人手不足に対する対策を「外国人の雇用」「女性と高齢者の活用」「労働生産性の向上」という順序で考えてしまう。(中略)結局、それは最低賃金を下げることと同じ効果を持つ。企業経営者から生産性を向上させるモチベーションを奪ってしまう。正しいのは、反対の順序だ。最初に生産性を上げることを考え、女性と高齢者の就労率を上げることを考え、外国人労働者についてはまずは高度人材から、そして非高度人材については必要最低限の範囲で期間限定型での導入を検討し、最後に移民の問題に入るべきだ。 (P262)
両者に共通の課題を一つ挙げるとすれば、産業や企業の新陳代謝ということになるが、それをGの世界では自由競争の促進でややラディカルに、Lの世界では上手な政府介入も絡ませて穏やかな退出で行うべきではないかという議論をしている。
おそらくここで、政治的・政策的にハードルが高いのは、特にLの世界で「代謝」「退出」の問題に正面から取り組むことだ。普通、どうしても万人受けする「新陳」のほう、すなわち起業支援、ベンチャー支援のほうに議論が傾くが、Lの世界の今後の勝負どころは代謝のほうである。 (P269)

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