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夜は短し歩けよ乙女
森見 登美彦 / 角川書店 (2006-11-29) / 1,620円516 users
読了:  2017年04月24日 星4つ
【書評】『夜は短し歩けよ乙女』 : なおきのブログ

<目次>
第一章 夜は短し歩けよ乙女
第二章 深海魚たち
第三章 ご都合主義者かく語りき
第四章 魔風邪恋風邪

2017.04.07 映画公開
2017.04.24 朝活読書サロン
2017.04.24 読了
「ただ生きているだけでよろしい」
李白さんはそんなことを言ったように思われました。「美味しく酒を述べばよろしい。一杯一杯一杯」
「李白さんはお幸せですか」
「無論」
「それはたいへん嬉しいことです」
李白さんは莞爾と笑い、小さく一言囁きました。
「夜は短し、歩けよ乙女」 (P63)
己のあまりの無用ぶりに神の企みを看取し、古池の水際に仰向けになって天に唾しようとしていると、ふりに彼女が私の顔を覗きこんだ。短く切りそろえた黒髪がわずかに濡れていて、街灯の光に輝いた。偽電気ブランのせいであろう、彼女は少し潤んだ美しい眼をして、じいっと私を見つめていた。
「大丈夫ですか」彼女は言った。
(中略)
「これは、おともだちパンチです」
その豆大福のような拳を見たのを最後に、私は酔いつぶれた。
ついに主役の座を手にできずに路傍の石ころに甘んじた私の、苦渋の記録はここにて終わる。涙をのんで言う。さらば読者諸賢。 (P69)
私は古本市に弱い。(中略)
しかし土壇場になって、どうしても行かねばならない窮地に追い込まれた。
彼女が行きたいと言ったのだ。 (P75)
過酷かつ命に関わる大勝負に、名乗りをあげたのは五人である。
一人目は岸田劉生直筆の日記帳を狙っている謎の浴衣男、樋口氏。二人目は明治時代の冊子体列車時刻表「汽車汽舩旅行案内」(東京 庚寅新誌社)一年分を狙う「京福電鉄研究会」のジュラルミンケース学生。三人目は藤原のナンタラという平安時代ぐらいの歌人が筆写した写本「古今和歌集」を狙う老学者。余人目は葛飾北斎が絵と文を書いたというエロ本を狙う閨房調査団代表の千歳屋。そして五人目は千歳屋の助っ人として参戦せいている私である。 (P115)
私が夢中で手を伸ばした時、横合いから誰かの手が伸びてきました。見上げると、手を伸ばしていたのはクラブの先輩でした。
先輩は私の顔を見て、心底驚いた御様子で、百面相のような面白い顔をしました。何か言おうとして口をぱくぱくするのですが、何も出てきません。息を吸い込んで、ようやく先輩は「ほら!」と言い、「ラ・タ・タ・タム」を指してみせました。「早く買わんと!」
私が「ラ・タ・タ・タム」を手に取ってみせると、先輩は風のように走っていきました。 (P138)
私は、国家と己の将来を分け隔て無く憂えながら日々を送り、ひたすら思索に耽って魂を練る男だ。そう近くない将来には晴れの舞台で満場の喝采を浴び、この世の誰からも愛される人間になりたいと切望する孤高の哲人に、青春闇市たる学園祭など、なんの御縁があるものか。
ならばなぜ私が足を運んだかと言えば、彼女が来ると知ったからだ。
これはある信頼すべき筋からの情報である。 (P147)
かつて「左京区と上京区を合わせてもならぶものなき硬派」という勇名を馳せた私が、今やなんとか彼女の眼中に入ろうと七転八倒している。私はその苦闘を「ナカメ作戦」と名付けた。これは、「なるべく彼女の目にとまる作戦」を省略したものである。 (P147)
名高い「学園祭」というものを大いに楽しめましたので、私は幸福でした。私は「なむなむ」と呟いて、神様に感謝しました。
「まさ先輩が偏屈王役とは思いませんでした」
私がそう言うと、先輩は気のないように「ま、たまたま通りかかったもんだからね」と言いました。 (P222)
彼女は微笑み、声にならない声で「奇遇ですね」と言った。私も超えにならない声で「たまたま通りかかったものだから」と答えた。
私は角燈をたぐり、彼女へ手を伸ばした。
彼女はそれを握り返した。 (P292)
あれほど鮮やかな夢であったのに、彼女の手を握った完食をこんなにありありと憶えているのに。それにしても、この感触はあまりにも「ありあり」過ぎはしまいか。
私が首をねじって傍らを見ると、彼女がちょこんと正座して、私の手を握っていた。窓から射している白い朝の光が、彼女の黒髪が照らしていた。彼女は少し潤んだ美しい眼をして、じいっと私をみつめている - まるで私のことが心配だとでも言うかのように。
「大丈夫ですか?」と彼女は言った。
その時、私は思い出した。私が彼女に心底惚れたのは、あの夜の先斗町を歩きぬいた夜明け、古池の水際に倒れて天に唾しようとしていた時、彼女が私覗きこんだ瞬間であった。以来半年、思えば遠くへ来たものだ。 (P294)

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