
【目次】
人間とは何か ローレンツをめぐって 日高敏隆 * 岸田秀
エソロジーとはなにか / 目的の導入は客観性に反するか / 適応とはどういうことか
なぜ動物は子供を守るか / 利他行動はなぜあるか / 文化は人間の病いか
正義は幻想か / 死の本能は存在するか / 人間は特殊な動物か
男と女の違いはどこにあるか / 人間は動物を真似たのか / セックスは本能か文化か
人間の本能はなぜアドリブだらけか / 動物に神経症はあるか
共同幻想について 吉本隆明 * 岸田秀
すべてのことはどうでもいいやという幻想 / なぜ対幻想という概念が必要なのか
真面目な思想と不真面目な思想 / 共同幻想と自己幻想はなぜ逆立するか
国家の発生をどう捉えるか / 岸田理論はどこまで有効か / つくる論理とこわす論理
防衛論議の虚妄 / 国家の概念より人間の概念のほうが大きい / ヨーロッパの原理としての天皇制
性と文化のフェティシズム 丸山圭三郎 * 岸田秀
なぜ 「性」 なのか / フェティシズムとしての性 / 幻想とエロティシズム
羞恥心と自我 / 性における日常性と非日常性 / インセスト・タブ ーと猥褻
フロイトとソシュール / 「松葉杖説」 と 「目の背後のメガネ説」
デジールとプレジールの解明 / ランガージュとは何か
人間はなぜ欠陥化したのか / 過剰か補填か / 壊れた本能
唯幻論 vs 唯言論 丸山圭三郎 * 三浦雅士 * 岸田秀
偽者を生み出すもうひとつの偽者=記号 / 人間は根拠を求めて神=ロゴスをつくった
絶対性への希求があってこそ相対性がみえる / 神が死んではじめて無意識が必要になった
ランガージュ活動の物象化したものがラング / 時間とは言語が生み出した〈非在の現前〉
意味と事物は別々にはなく同時にある / 言葉にした途端もう二分法から逃れられない
欲望が逆に欲求を生み出す時代 / 人間のする説明はすべて起源論である
絶対的真理がなければすべては不要となる / 記号はパロールの場で戯れ、変貌する
理論という名のフィクション作りの快感 / 世界を全部説明できないと自我は崩壊する
文化は本能が壊れたあと新しく作ったもの? / 本能の崩壊が先か、言語の所有が先か
〈環境からのはみ出し〉と〈文化からの拘束性〉
近親相姦・家庭内暴力 山崎哲 * 岸田秀
中心の喪失が自我に波及する / 共同体から遊離する家族 / 不安は暴力を喚起する
革命的 「がんばるな」 主義 / タブーが緩和される空間
物語としての宗教 寺山修司 * 岸田秀
“神”と一対一対応する個 / オルガスムス願望と物語の非完結性
多重化された日常・非日常 / 超越者と集団の日本的構造
神話の形成と若者文化 / 相対化された世界のなかでの〈宗教〉願望
いじめっ子の文化 いいだもも * 岸田秀
“いじめる”と“虐待する”の差 / 今では喧嘩のルールもなくなった
軍隊内務斑的いじめ方の伝統 / 窓際に追いやる日本的陰湿さ
容赦ない 「ブス、死ね」 というきめつけ方 / 自分がやらなければ、今度はやられる
冷酷で合理的な競争社会 / 抑圧が移譲される差異の体系 / いじめ――体制を維持する安全保障
日米愛憎の六十年 山本七平 * 平川祐弘 * 岸田秀
軍人の恨みではじまった昭和 / はじめはイギリス憎し / なぜ撤兵できなかったか
「軍隊の栄光」 という神話 / 日米もし戦わば・・・・・・ / 日露戦争の時と同じ心理
ドイツがすべて模範 / いざとなれば死ねばいい / 負けることへの思考回避
左翼全盛のころ / 外の世界が見えてきた / イデオロギーの解釈権
黄禍論の時代? / 無自覚の伝統
あとがき
初出紙誌一覧
[著者] 岸田秀(きしだ・しゅう)
和光大学人文学部教授。1933年、香川県善通寺市生まれ。1956年、早稲田大学文学部心理学科卒業。1959年、早稲田大学大学院修士課程卒業。1967年、ストラスブール大学大学院卒業。
[対談者] 日高敏隆(ひだか・としたか)
1930年生まれ。動物学者。
[対談者] 吉本隆明(よしもと・たかあき)
1924年生まれ。詩人・評論家。
[対談者] 丸山圭三郎(まるやま・けいざぶろう)
1933年生まれ。言語哲学者。
[対談者] 三浦雅士(みうら・まさし)
1946年生まれ。文芸評論家。
[対談者] 山崎哲(やまざき・てつ)
1946年生まれ。劇作家。
[対談者] 寺山修司(てらやま・しゅうじ)
1935~83年。劇作家・詩人。
[対談者] いいだもも(いいだ・もも)
1926年生まれ。作家・評論家。
[対談者] 山本七平(やまもと・しちへい)
1921~91年。評論家。
[対談者] 平川祐弘(ひらかわ・すけひろ)
1931年生まれ。比較文学者。