ウォッチ  プロフィール  メディア記録  印刷  RSSフィード
Zhi-zeの読んだ本
並べ替え:
カテゴリ 読書 購入 所有 お気に入り 1 - 1件目 / 1件
武道館
朝井 リョウ / 文藝春秋 (2015-04-24) / 1,404円87 users
読了:  2015年09月30日 星4つ
朝井リョウの作品を読むのは初めて。
『桐島、部活やめるってよ』は映画は見たんだけど、原作は未読。

で、本作は現代のアイドルを題材にした小説。
僕にはアイドルやった経験はもちろんないし、そういう業界で働いたこともないので、この作品内で描かれているアイドルやその周辺がどの程度のリアリティを持っているのかは分からない。でも、少なくとも「こういう感じだろうなあ」という風に読むことができた。

駆け出しのアイドルグループが武道館でのライブを目指すサクセス・ストーリーと書くと、なんか爽やかな青春群像劇みたいだ。そういう側面もあるんだけど、それで終わるほどヌルい話でもない。

この話にリアリティを感じる理由は、アイドルそのものの描写よりもアイドルの周辺の描写が「いかにも」だからだろう。

ネット炎上、動画配信、握手会、ファンの凶行、反省の坊主頭……ここ数年に現実のアイドル界隈で起きた事件がそのまま描かれる。と言うか、具体名は出てないけどAKBとかはこの物語の中でも存在してて、実際に起こった事件が物語の背景で描かれている感じか。

また、ちょっとした描写の中でも、

 パッと見はどこにでもいるような普通の女の子なんだけれども、三秒見れば、そうでないということがわかる。アイドル評論家を名乗る大学生のような見た目の社会学者が、どこかの雑誌で碧についてそう話していたのを、愛子は読んだことがある。


こういう書き方が上手い。いかにも最近のアイドル周りの描写。「大学生のような見た目の社会学者」を僕は5人くらいは思い浮かんだもの。

そういうリアルな描写を積み重ねた先には、成功と挫折が待ってるわけだけど、ここが曲者で何が成功で、何が挫折なのかも最後には分からなくなってくる。物語の中で主人公たちは自分なりの正解を導き出してると思うけど、果たしてそれが本当に正解なのかどうかは僕には分からない。この辺の読者への委ね方も上手い。

最後まで面白く読めた。

あと気になった部分を引用。

 だけど、無料で手に入るものとはつまり、全員が同じように手に入れられるものだ。全員から同じ距離の位置にあるものだ。それに、何かを引き換えに手に入れているわけではないので、もしそれが気にいらなければ、自分の持ち物を減らすことなく、手に取っては捨て、手に取っては捨てを繰り返すこともできる。そんなことが、この一秒の間にも、数えきれないほど行われている。


ほぼ同意なんだけど、やっぱり引き換えにしてるものはあって、これは「時間」だろうと僕は思う。使える時間はみんな同じで、その決まった時間を何に使うかという選択をしている。現在のエンタメ系のコンテンツは、結局のところこの時間の奪い合いで、時間をどうやって金に替えていくかを考える時代なんだろう。

プロフィール
<<2017年3月>>
登録数6 件
購入金額- 円
読了数2 冊
購入金額 (月別)
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
読了数 (月別)
  • 14
  • 12
  • 10
  • 8
  • 6
  • 4
  • 2
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 1
  • 2
  • 3
ソーシャル
物々交換
アイデア
ユーザー検索
ランキング

©2007-2017 Zhi-zeの読んだ本