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堀江 邦夫 / 講談社
(2011-05-13) /
680円
/ ISBN:9784062770002
この本が優れているのは、反原発の活動家による告発ではないことである。たぶん僕と同じようなノンポリ青年がまるでインドの貧困を現地取材するようなタッチで、外から見ればあまりに異常な日常を淡々と描くところである。 だからこそ読者はそんな日記の描き出す原子力発電所という常軌を逸した世界を理解することができる。 21世紀に入っての原発事情はここに描かれた世界とは少しは改善されていたのだろうか。それは分からない。だが著者はあとがきで、311以降の福島原発ではさらに悲惨な状況が続いているはずだと訴えている。 詳しくは書かれていないがこの本を書いた後の著者の体も蝕まれ苦しんでいるようだ。 「311以前の日本に戻ることができたらいいのになあ」なんて考えてた自分を恥じる。なんのことはない、放射能まみれの世界はずっと続いてきていたのだ。爆発して広範囲に拡がっただけのことだったのだ。 もうひとつ。僕は地震と津波で破壊されるまで原発で行われている実態に気づかなかった。むしろ未来のエネルギーだと賞賛さえしていた。しかしそれは日雇い労働者たちの酷い現実によって支えられていたものだった。だとすれば今まさに僕らが賞賛しているテクノロジーだって実はそうなのかもしれない。 今度こそはそれが次なる災厄に至る前に知りたいし、知るべきなのだという思いにかられる。 |
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